看護師の退職ガイド!円満退職までの流れを8ステップで解説

公開日:2023/12/30 更新日:2024/01/05
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「病院を退職して訪問看護ステーションに移りたいけれど、どうすれば円満退職できる?」「退職までの流れを詳しく知りたい」などと悩みや疑問がある看護師の方は多いかもしれません。

今の職場を退職するとき、誰もが円満退職を望むでしょう。思いつきで突然退職したり、就業規則に従った退職でなかったりすると、トラブルになりかねません。さらに、転職先に悪影響をおよぼす恐れがあります。

しかし、実際は退職の経験が少なく退職するまでの手順がわからない看護師の方もいるでしょう。

そこでこの記事では、円満退職までの流れを8ステップで解説します。お世話になった職場に迷惑をかけず、円満退職を目指しましょう。

看護師が退職する実態

日本看護協会が公開した「2022年病院看護実態調査」によると、2022年度の正規雇用の看護職員の離職率は11.6%とされています。全産業の離職率の平均が15.0%です。

「看護師=高い離職率」と考える看護師の方が多いのではないでしょうか。

しかし、実際の看護師の離職率は、ほかの職種よりも低い水準であるといえます。イメージとは異なることがわかっています。

では、看護師はどのような理由で退職するのでしょうか。主な退職理由は下記の通りです。

順位退職理由
1位出産・育児のため
2位結婚のため
3位他施設への興味
4位人間関係がよくないから
5位超過勤務が多いため

出典:看護職員就業状況等実態調査結果|厚生労働省をもとに作成

看護師の方が退職する理由はさまざまです。しかし、いずれの理由にせよトラブルを避けて円満退職したいものです。看護師の方が退職する実態は、下記のページでより詳細に解説しています。ぜひ、参考にしてください。

関連記事:看護師の退職の実態とは?離職率と5つの退職理由を解説

看護師が勤務先を退職するまでの8ステップ|

看護師の方が退職するには、下記8つのステップがあります。

  1. 就業規則を確認し退職日を決める
  2. 直属の上司に退職の意思や理由を伝える
  3. 退職日が正式に決定する
  4. 退職届を作成し提出する
  5. 業務の引き継ぎをする
  6. 荷物の整理やロッカーを掃除する
  7. 書類の手続きと必要書類を受けとる
  8. 退職する

この手順通りに退職すると、就業規則に従った方法であり円満退職できるでしょう。

ただし、訪問看護ステーションや病院によって就業規則が異なります。そのため、詳しくはそれぞれの職場に確認してください。ここでは、大まかな退職までの手順とポイントを把握しましょう。

ステップ1:就業規則を確認し退職日を決める

「退職する」と決めたら、まず就業規則を確認しましょう。

法律的には退職の14日前に退職の意思を伝えると退職できます。しかし、看護業務の特性上、14日前の退職は現実的ではありません。なぜならば、業務の引継ぎをしたり、新しい人材を確保したりなどが必要だからです。

特に、訪問看護ステーションの場合は、利用者さまへの訪問を引き継ぐのに時間がかかる場合もあります。

そのため、 1~3ヶ月前には伝えましょう。しかし、就業規則で「〇ヶ月前には申し出る」と記載があれば、就業規則に従うとトラブルが起きにくいです。

関連記事:看護師の退職は何カ月前に伝えるの?円満退職への切り出し方を解説

ステップ2:直属の上司に退職の意思や理由を伝える

就業規則に従い退職する希望日が決まったら、その旨を直属の上司に伝えましょう。直属の上司は、病院の場合、看護師長になるケースが多いです。

ここで注意したいのは、同僚や後輩などへ先に報告し、直属の上司が後回しにならないようにしましょう。

この時点では、直属の上司への報告のみであり、退職届は必要ありません。退職届は、ステップ4で退職日が正式に決まったあとで必要となります。メールやSNSで伝えると「マナーが守れない」と思われ、これまでの仕事への貢献度が台無しになる恐れがあります。

口頭で、かつ直接伝えてください。あいまいな伝え方やネガティブな退職理由であれば引き止められる可能性があり、退職できないケースもあります。

そのときの対処法は、下記のページを参考にしてください。

関連記事:看護師の退職で強い引き止めにあう理由10選!退職しやすい理由を解説

ステップ3:退職日が正式に決定する

直属の上司に退職の意思を伝えたら、看護部長や人事部長の面談に移るのが一般的です。この面談後に、正式に退職日が決まります。

退職日を話し合うときに「退職したい!」との思いが強く、退職まで短い期間を述べたくなるかもしれません。

しかし、職場に迷惑をかける恐れがあるため、自分の意思ばかりを主張しないように注意してください。職場の意見ばかりを聞く必要はありませんが、協力的な姿勢で話し合いに臨み、可能な範囲で職場の都合に合わせるとトラブルなく退職できます。

最終出勤日、退職日など決定したことはメモを取りましょう。

ステップ4:退職届を作成し提出する

(退職届 書き方例)

正式な退職日が決まったら退職届を作成し提出しましょう。

訪問看護ステーションや病院によって、退職届のフォーマットが決まっている場合があります。退職届の提出期限は、就業規則に記載されているため、期限の確認も忘れないでください。

退職届は封筒に入れて提出しましょう。入れる封筒の書き方は、下記の例を参考にしてください。

(退職届の封筒の書き方例)

退職届は、一度受理されると原則撤回できません。そのため、退職届を出す前に、今一度退職の意思を確認しましょう。退職の詳しい書き方は下記のページを参考にしてください。

関連記事:【例文付】看護師の退職届の書き方!退職願との違いや注意点を解説

ステップ5:業務の引き継ぎをする

退職届を出したあとも業務は続きます。おろそかにせず、最後までやり遂げてください。

看護師の方は、委員会活動やプリセプターなどさまざま役割を担っています。後任者が困らないように引き継ぎましょう。引き継ぎにかかわる資料を作成したうえで引き継ぐと、後任者があとから確認できます。

さらに、業務をおこないながら引き継ぐため期間を要します。最終勤務日より逆算して日程を調整してください。

ステップ6:荷物の整理やロッカーを掃除する

最終出勤日に荷物の整理やロッカーを掃除すると、手が回らなくなる恐れがあります。そのため、日程に余裕を持って身の回りを整理整頓します。

貸与されているものもあるため、ステップ7の際に返却しましょう。どの荷物が貸与されているものか必ず確認し、持って帰ったり、捨てたりしないでください。

ステップ7:書類の手続きと必要書類を受けとる

退職にともない、書類の手続きをします。人事課や経理課のスタッフに従い、手続きを進めましょう。このとき、退職金の説明もあります。事前に退職金の金額が知りたい方は、事務所で尋ねると教えてくれるかもしれません。

離職票や雇用保険被保険者証、源泉徴収票など、退職後に使う重要な書類を渡されます。健康保険証が発行されている場合は、返却日の確認と、郵送での返却が可能か確認しておきます。退職後の手続きがわからない場合は、このときに確認しましょう。

これらの書類は、後日郵送となる場合もあります。郵送の場合は、どのくらいの期間がかかるか確認してください。

関連記事:看護師の退職金は少ない?退職金の相場や支給されるタイミングを徹底解説

ステップ8:退職する

最終出勤日の勤務が終わるとそのまま退職です。

挨拶を求められることもあります。どのような退職理由であっても、お世話になった方への感謝をしっかり伝えるために準備してください。挨拶が終わったあとに、直属の上司やほかのスタッフに個別で挨拶すると良いでしょう。

看護師が退職する際に注意したいポイント

看護師の方が、退職する際に注意したいポイントは下記3つです。

  • 退職日と最終出勤日を書面に残す
  • 健康保険証や職員証などを返却する
  • 挨拶回りは事前に済ませておく

3つの注意点を守り、トラブルなく退職しましょう。

退職日と最終出勤日を書面に残す

退職日と最終出勤日が決まったら、書面に残しましょう。

なぜなら、後々のトラブルや上司との認識の違いを防ぐためです。決まった書式はありません。退職日が決まったその場で上司と確認し書面に残してください。

健康保険証や職員証などを返却する

健康保険証や職員証などは、職場から借りているものです。返却するものには、ほかに下記のようなものがあります。

  • ユニフォーム
  • 職員バッチや、ネームホルダー
  • ロッカーのカギ
  • 機密情報が書かれた資料
  • 聴診器や血圧計などの医療機器
  • 訪問看護の場合は、バッグやレインコートなど

間違って捨てたり、持って帰ったりしないようにしましょう。

挨拶回りは事前に済ませておく

退職日は、思いのほか忙しいです。挨拶回りしたくても、ご利用さまの状況や勤務の状況などから、スムーズにできないこともあります。

そのため、事前に挨拶回りしておいてください。社会人のマナーとして、最後の挨拶をして退職しましょう。

退職までの流れを把握し円満に退職しよう

看護師の方は円満退職するためには、手順に沿って準備を進め、周囲への思いやりや気配りが欠かせません。

自分の都合ばかりを主張しては、社会人としてマナーがないと思われます。トラブルが発生する元となり、これまでの業務での貢献が台無しになりかねません。

直属の上司への報告や後任者への業務の引き継ぎなど、相手に配慮し丁寧におこなってください。退職日まで責任を持って取り組み、円満な退職を目指しましょう。

参考サイト・文献

「2022 年 病院看護実態調査」 結果|日本看護協会

令和4年雇用動向調査結果の概要|厚生労働省

民法第627条

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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