看護師のキャリアプランの答え方とは?転職面接での伝え方や例文も紹介

公開日:2023/12/29 更新日:2024/06/05
記事サムネイル画像

転職や就職の際の面接では、キャリアプランについて聞かれることがあります。

看護師の方の中にも同様に聞かれた経験があるという方もいるでしょう。しかし、その中で答え方に悩んだという方もいるのではないでしょうか。

今回は看護師のキャリアプランについての答え方や転職面接での伝え方、参考にできる例文も紹介します。

キャリアプランについて悩んでいたり、答え方について悩んでいたりする看護師の方は、ぜひ参考にしてください。

看護師のキャリアプランとは?

そもそもキャリアプランとは、今後どこで働くか、何をやりたいのか、そのためにはどのような資格が必要で、どこで働く必要があるのかといった、いわゆるキャリアの計画を指す言葉です。

看護師のキャリアプランも同様に、今後数年後、数十年後を見据えて、どこでどんな看護師として働きたいかといった看護職としてのキャリアの計画を指します。

看護師のキャリアプランは大きく下記の3種類が挙げられます。

  • スペシャリスト
  • ジェネラリスト
  • マネジメント(管理職)

それぞれの詳しい解説は下記の記事をご覧ください。

関連記事:看護師のキャリアアップのためにやるべきこととは?おすすめの資格や転職先、キャリアプランの例を紹介

看護師のキャリアアップとは?キャリアパスとの違い

キャリアプランについて調べていく中で「キャリアアップ」や「キャリアパス」といった言葉を耳にすることがあるのではないでしょうか。

キャリアアップというのは、研修や資格取得などを通して専門的な知識を磨いていくことを指します。詳しくは別途キャリアアップに関する記事をご覧ください。

一方でキャリアパスというのは、会社・企業側が社員や働く看護職などのキャリアを考えてサポートすることを指します。

具体的には「Aさんが看護師長になるためには〇〇の研修に行ってもらい、〇〇の病棟で数年働いてもらう」といった課程のことです。

それぞれ全く意味が異なりますが、似ている言葉であり混合されやすいので、違いを理解しておきましょう。

看護師のキャリアプランの考え方

看護師としてのキャリアプランを明確に考えておくことは、働くモチベーションにもつながります。

ここでは看護師がキャリアプランを考える方法・手順を、それぞれの段落ごとに詳しく解説していきます。

キャリアプランを考えようと思っていたものの、何から考えていけば良いかわからない、という方はここで紹介する手順を行ってみてください。

これまでのキャリアを振り返る

まずは、これまでの看護師としてのキャリア、いわゆる経歴を振り返ってみましょう。

振り返る過程で、自分がやりがいを感じたことや、苦手と感じたことなども洗い出していくと良いです。紙に箇条書きのように書き出してみてもわかりやすいでしょう。

あわせて働き方についても、「こんな働き方は疲労が溜まっており向いていなかった」「この働き方は自分にあっていた」など素直な思いを振り返っていきます。

また、看護学生の頃から考え続けていたであろう「看護観」についても一度振り返り、明確にしていくと良いでしょう。

今後どのような看護師になりたいのか具体的に考えてみる

これまでのキャリアを振り返ったあと、今度はどのような看護師になりたいのかを考えてみます。

「がん患者さんの包括的なケアもできるような看護師になりたい」「需要が高まり続ける老年看護に関心を持つ人材教育もできるようになりたい」など、具体的に考えてみましょう。

その中で、「なぜそのようになりたいのか」「これまでの経歴からこのように思った」というような理由付けをしておきます。

また、ロールモデルのような看護師と出会った経験がある場合、その人について紐解き、理想の看護師像として組み込んでみるのも良いかもしれません。

なりたい看護師像に対して必要な行動を書き出してみる

なりたい看護師像が決まったところで、その看護師像になるために必要な資格や勤務経験など、必要な行動を書き出してみましょう。

書き出したら、それぞれの資格や転職のための要件などを調べてみて、今後の自分の生活の中でどうすればそれらを取得・経験できるか考えてみます。

あと数年働いたら一度転職を検討してみる、その転職までの期間に〇〇の資格を取得するために半年の勉強期間を設ける、など具体的かつ実現可能な行動プランを立てていきましょう。

看護師としてのキャリアプランの伝え方や例文を紹介

自身のキャリアプランを実現するには転職が必要という看護師もいるでしょう。

転職する際に看護師としてのキャリアプランを聞かれることがあります。その際のキャリアプランの伝え方と例文を、スペシャリスト、ジェネラリスト、マネジメント(管理職)の3つのキャリアプランとそれ以外に分けて紹介していきます。

ただしここで紹介するキャリアプランの例文はあくまでも例文のため、そのまま利用するのではなく、自分なりに工夫をして伝えるようにしてください。

スペシャリストを目指すキャリアプランの場合

特定の極めたい分野がある看護師のキャリアプランは、スペシャリストを目指すキャリアプランとなっていることが多いでしょう。

スペシャリストを目指すキャリアプランの場合、具体的な対応例などを交えて話すと真剣さが伝わりやすいため、好印象を与えやすいです。

「これまで急性期やER(救急救命)の現場で、多くの患者さまの命を救う場面に出会ってきました。その中では嬉しい場面もありましたが、悲しさや悔しさを抱える場面もありました。

その過程で、救急看護や集中ケアなどのクリティカルケアの知識をさらに磨いていき、多くの患者さまを救えるような看護師になりたいと考えました。貴院のICUで働かせていただくことでクリティカルケアを学ぶのはもちろん、自身の知識や経験をさらに活かすことができると考えています。さらに貴院で働かせていただけた暁には、同じ思いを持った看護師の方々を巻き込み、より専門性のあるケアを行っていきたいと考えています。」

このようにこれまでの経験を踏まえて、どんなキャリアを歩んでいきたいのか、その中でどんな仕事をしていきたいのか話していくと良いでしょう。

ただし転職先が「過程」として取られてしまわないように、長期的に働く意志も合わせて伝える必要があります。

ジェネラリストを目指すキャリアプランの場合

ジェネラリストは看護師としてあらゆる対応ができ、さまざまな対応が柔軟にできる看護師を指します。

そのためこれまでの経験から、どのようななことができるのかを伝えることが重要です。

「私はこれまで心臓外科と呼吸器科、脳神経外科で働き、急性期や慢性期などさまざまな状況の患者さまの対応を学んで実践してきました。腎臓内科では働いた経験はありませんが、貴院で働くことで、これまでの経験を活かしながら新たに多くの知識を得て、どのような患者さまにも対応できる看護師になり、活躍したいと考えています。」

もしも、あまり経験がないのであれば、転職先の病院でどのような経験を積んで、どのように学んで行きたいのかを具体的に伝えると良いでしょう。

転職前の時点であまり知識や技術がなくても、就職希望先での働き方に具体的な考えがあれば、やる気を伝えられます。

マネジメント(管理職)を目指すキャリアプランの場合

看護師長や部長などの管理職を目指すキャリアプランの場合は、長期的に働くという意志を伝えながら、なぜ管理職を目指しているのか、どのような管理職になりたいのかを併せて伝えていきたいところです。

また職務経験だけでなく、これまでにリーダーシップを発揮した経験を伝えられるとより良い印象を与えられます。

「これまで病棟で主任としてリーダーシップを発揮しながら働いてきました。その中で、スタッフが更に連携を深めて円滑に働くには、マネジメント側が柔軟な思考を持つことが大切だと感じました。どれだけ忙しくても、スタッフの意見を耳に入れるようにしながら働くことで、病床の回転率を〇〇%上げることができました。その管理職としての経験を貴院でも発揮していきたいです。」

例文にある病床の回転率のように具体的な数字を用いると、説得力が増すためおすすめです。

キャリアアップを望まないキャリアプランの場合

看護師の方の中には、キャリアアップを望まないキャリアプランもあります。

それ自体は悪いことではなく、面接の場では、なぜそのように思っているのか、理由をうまく伝えることが大切です。

「私はこれまで総合病院の小児科病棟で働いてきました。多くの患者さまやそのご家族と関わることで、信頼関係を築くことの素晴らしさや、退院に至る達成感を感じることができ、自身のやりがいに繋がっていました。このような経験から、私は患者さまの側で多くのケアを実践していきたいと考えております。貴院でも、看護師として現場で活躍し続けることで、できることを更に増やし、患者さまの役に立ちたいです。」

柔軟な対応ができない人とは思われない程度に、これまで他の道へ進まなかった理由を話すと良いでしょう。あくまでも他の道について否定しないようにすることが重要です。

訪問看護師としてのキャリアプランの可能性

訪問看護師としてのキャリアプランは3つのものが考えられます。

1つは地域看護や精神看護、老年看護のような各分野のスペシャリストとしてキャリアプランを歩むことです。そのために認定看護師を取得するというキャリアプランを挟んでいる看護師の方もいるのではないでしょうか。

2つ目はジェネラリストとして訪問看護の包括的な知見を持った看護師になり、教育などの人材育成もできる看護師になるというキャリアプランです。

また3つ目はジェネラリスト兼管理職を担い、人材育成はもちろん経営面や管理面で訪問看護ステーションを支えていく訪問看護師になるキャリアプランがあります。

在宅療養の需要の高まりから訪問看護ステーションが増加し続けている今、訪問看護師としてのキャリアプランを考える看護師も増えていくのではないでしょうか。

参照:日本看護協会「認定看護師」

参照:厚生労働省「訪問看護」

看護師がキャリアプラン実現のために気をつけること

最後に看護師がキャリアプランを実現するために気をつけることを解説していきます。

キャリアプランを立てる段階にいる看護師や看護学生の方や、すでにキャリアプランを確立している看護師の方も知っておくと良いでしょう。

キャリアプランを何度も変更しない

働いている中で、やりたいことや気持ちが変わることは誰しもあるでしょう。看護師の方の中にも衝撃的な経験をしたり、嫌な経験をしたり、周囲の発言から心境に変化があったりする場面もあるのではないでしょうか。

日々多忙で大きな変化が起こることもある医療現場では、キャリアプランを変更したくなるような出来事が起こるかもしれません。

しかしキャリアプランを何度も変更すると、自分自身の本当にやりたいことがわからなくなったり、変更を重ねるうちに現実的ではなく実現不可能なプランとなったりすることもあります。  キャリアプランを何度も変更することは、なるべく避けましょう。

自分自身を過大評価しない

働いて臨床経験を積む過程で自分に自信を持つのは大切ですが、自分自身を過大評価しすぎることは、働く中でもキャリアプランを計画する中でも悪影響をもたらします。特にキャリアプランにおいては、現実的ではないキャリアプランを立てることに繋がる恐れがあります。

とはいっても過小評価もよくないため、一度立てたキャリアプランを周囲に話したり相談したりすると良いでしょう。

過大評価によって、不可能なキャリアプランを実現可能だと見立てて進んでいってしまうと、実現できなかった時に大きな精神的ダメージを受ける可能性もあります。

ネット上の情報に惑わされない

インスタグラムやX(エックス:旧ツイッター)、TikTokなどSNSで発信している看護師も多くいます。すべてではありませんが、間違った情報発信をしている看護師がいることも事実です。

中にはこんなキャリアプランはよくない、間違っていると断言しているものを見かけるかもしれません。しかしキャリアプランはあくまでも個々で異なり、キャリアプランを考えた看護師自身について知らない立場の人間から、正解や間違いは判断できません。ネット上の情報に惑わされないようにしましょう。

看護師のキャリアプランは人それぞれ!例文だけでなく自分のこれまでのキャリアを振り返って考えてみて

ここまで看護師のキャリアプランについての答え方や、転職の面接での伝え方、参考になる例文を紹介しました。

またキャリアプランを実現するために気をつけることについても解説しました。 看護師として長く働いていく中でキャリアプランを考えることは非常に重要です。自分なりのキャリアプランが思い浮かばないという方は、まずは自分のこれまでのキャリアを振り返って考えてみてはいかがでしょうか。

SNSシェア

  • LINEアイコン
  • facebookアイコン
  • Xアイコン
記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

関連する記事

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像左 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左

NsPaceCareerとは

訪問看護・在宅看護に特化した
求人情報検索・応募のほか、
現役の訪問看護師や在宅経験者への無料相談や、
事業所への事前見学申し込みが可能です。

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像右 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左