「家庭に踏み込む看護」を求めて訪問へ～ＳｍｉＬｏｏｐ須磨長田ステーション　清水さんにインタビュー～

ＳｍｉＬｏｏｐ訪問看護ステーション須磨長田ステーションの看護師・清水さんに、これまでの歩み、訪問看護へ挑戦した背景、ステーションの雰囲気や働き方、そして一緒に働きたい人材について伺いました。重症心身障害児との関わりを通して「家庭に踏み込んで支える看護がしたい」と強く感じ、訪問看護の世界に飛び込んだ清水さん。利用者さんに寄り添う姿勢と、頼まれごとに素早く応えるフットワークの軽さが魅力のステーションの雰囲気が伝わるインタビューです。

【※本記事はNsPaceCareer が事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPaceCareer が担当しました。】

多様な経験が導いた「訪問看護に挑戦する決意」

― はじめに、これまでの歩みを簡単に伺ってもよろしいでしょうか。

「経歴といえるほど立派なものじゃないです。いろんな環境を経験してきたので…（笑）」

清水さんはそう笑いながら、新卒で市民病院に入職し、次の総合病院では終末期の患者様のケアに携わっていた時期を振り返ります。必要に応じて内視鏡や手術室にも入るなど、状況に合わせて柔軟に働いてきたそうです。

その後は生活環境の変化に合わせて整形外科クリニックで働いたり、看護を一度離れて飲食店を手伝ったりと、家庭との両立を探りながら働き方を変化させてきました。

転機となったのは、重症心身障害児（重心）のデイサービスで働いた3年間でした。

「看護師1人で14人見る日もあって、本当に濃かったです。指一本動かない子もいるし、医療ケアも必要で…。でも関わっているうちに、“もっとできることあるのにな” って思うようになりました」

日々向き合う中で、施設では踏み込めない部分があると感じるようになったといいます。

「ママがひとりで見てるご家庭も多くて…。家に入れたら、この子もっと良くなるやろうなって思うことがたくさんありました」

こうした経験を通して、家庭に寄り添う看護の重要性を強く実感するようになり、訪問看護という働き方を意識し始めました。

「生活の状況も変わってきて、“そろそろ働き方も変えなあかんな” と感じていました。訪問看護にはもともと興味があったので、“今なら挑戦できるかもしれない” と思ったんです」

重心での学びと、働き方を変えるタイミングが重なり、清水さんは訪問看護へ踏み出すことを決めました。

ＳｍｉＬｏｏｐで始まった“新しい看護”──フットワークの軽さが支えるチーム

― ＳｍｉＬｏｏｐを選んだ理由は何だったのでしょうか？

「本社で採用予定やったんですが、直前に“立ち上げ一緒にやらへん？”って言われて。“いいっすよ”って（笑）」

軽やかな受け答えですが、その裏には “やってみよう” という前向きな気持ちがありました。
清水さんが入職したのは、ステーションが開設されて間もない頃。人数も少なく、全員で力を合わせてつくり上げていく時期でした。

「みんなで営業行って、みんなで訪問して、みんなで情報共有。誰かが抱え込むんやなくて、相談したらすぐ返ってくる感じです」

― 立ち上げならではの一体感ですね。

「そうですね。気持ちいいくらい“とりあえず動く”って感じです」

ＳｍｉＬｏｏｐ須磨長田ステーションの大きな特徴が、この “まず動く文化” です。
迷って止まるよりも、まず状況を見に行くことを大切にしているのだそう。

「ケアマネさんも困って電話してくると思うので。まずは動くほうが安心してもらえるんじゃないかなと」

この“すぐ動く”姿勢は、日々の連携にもそのまま表れています。
報告書や計画書はなるべく手渡しで届け、顔を合わせてやりとりすることを大切にしています。
そんな時には、「ちょうどよかった、相談したかったんです」と声を掛けられることもよくあるのだそうです。

教育体制にも話が及びました。

「訪問看護に詳しいアドバイザーが専任でついてくれてて、オンラインで勉強会もしてくれるんです。わからんことがあってもすぐ聞けるので安心ですね」

立ち上げ期でありながら、サポート体制がしっかりしていることは、スタッフが安心して訪問に向かえる大きな支えになっています。

利用者さんの日々から見える“寄り添う訪問看護”

－訪問の中で、印象に残っているエピソードはありますか？

清水さんが真っ先に挙げたのは、「柿の木の利用者さん」のお話でした。

心筋梗塞と糖尿病があり、認知症の症状もある利用者さん。お腹がすくと庭の柿の木に登ってしまうのだそうです。

「糖尿病があるのに木に登って柿を食べちゃうんですよ（笑）。旦那さんも危ないから高枝バサミで柿を取ってくれるんですけど、それでもまた登っていくんです」

思わず笑ってしまうようなエピソードではありますが、その背景には、ご家族が日々工夫しながら支えている様子が感じられます。

清水さんのお話を伺っていると、こうした“ご家庭の生活そのもの”を理解したうえで寄り添う姿勢を、とても大切にされていることが伝わってきました。

さらに、多くのご家庭でサポートしているのが“制度の活用”です。

「お一人暮らしの方も多いので、“何かあったら清水に言ったらええわ”って思ってもらえるようにしています。費用負担が少ないほうが長く関われますし、使える制度はみんなで調べています」

不安なときに思い出してもらえる存在でありたい——
そんな温かい気持ちが、清水さんの言葉の端々から伝わってきました。

一緒に働きたい仲間へ──清水さんが大切にしたい姿勢

－これからどんな方に来てほしいと感じていますか？

「訪問が初めての人でも全然大丈夫です。みんなで学んでいく雰囲気なので、すぐ馴染めると思います」

訪問経験の有無よりも大切なのは、“柔軟さ”だと話します。

「利用者さんもご家族も状況は毎回違いますし、答えがひとつじゃない。だから柔軟に考えられる人が向いていると思います」

そして、ＳｍｉＬｏｏｐらしさでもある“フットワークの軽さ”。

「電話があったら“行ってみます”って言える人。無理に動くんじゃなくて、“まず動こうとする気持ち”が大事かなって思います」

利用者さんやご家族の不安をできるだけ早く軽くしたい。そんな気持ちが、チームの文化として根づいているようでした。

「一緒に勉強して、一緒に成長して、一緒に利用者さんを支えていける人。そんな方が来てくれたら嬉しいですね」

インタビュアーより

清水さんとお話しして感じたのは、明るい雰囲気の中にある「困っている人をそのままにしない」という真っすぐな姿勢でした。
柿の木のお話も、日常の工夫やご家族の思いを丁寧に受け止めながら語ってくださり、ＳｍｉＬｏｏｐらしい寄り添い方が伝わってきます。

また、清水さん個人の軽やかさだけでなく、ステーション全体に“声をかけ合い、すぐ動く”空気があることも印象的でした。訪問は一人で向かう場面が多いものの、戻ればいつでも相談できる安心感があり、その積み重ねが利用者さんの信頼につながっているのだと感じます。

この記事が、ＳｍｉＬｏｏｐ須磨長田ステーションの雰囲気を知っていただくきっかけになれば嬉しく思います。

事業所概要

事業所名：ＳｍｉＬｏｏｐ訪問看護ステーション須磨長田ステーション

住所：兵庫県神戸市長田区日吉町4丁目1番1号 マル井ビル2-B

事業所紹介ページ：https://ns-pace-career.com/facilities/18561