仲間と一緒に、患者さんやそのご家族の生活を支えるプロフェッショナル~「おうちでよかった。訪看」野村さんにインタビュー~

「患者さんやご家族に対して、まっすぐで純粋な人が多く、そんな仲間と一緒に働けることがとても楽しいです。」そう語るのは「おうちでよかった。訪看」で働く看護師・野村さん。病棟勤務から訪問看護への異動を経験し、現在はサブマネジャーとして現場とマネジメントの両軸で活躍されています。
今回のインタビューでは、訪問看護に挑戦した背景や、在宅ならではの看護の奥深さ、そして仲間との関わりについて、率直なお話を伺いました。
【板橋区・常勤】手厚い教育体制×オンコール手当あり/訪問看護未経験も歓迎!
事業所名
雇用形態
給与
就業場所
多職種と近く、シームレスに患者さんの生活を支えるチーム
「おうちでよかった。訪看」は、医療法人社団 焔が2020年に設立した訪問看護ステーションです。板橋区大原町にある「おうちにかえろう。病院」に拠点を置き、急性期や回復期病院で経験を積んだ看護師やリハビリスタッフたちが合わせて13名(非常勤含む)在籍しています。1日の訪問件数は平均5件/人ほどで、褥瘡ケアや入浴介助はじめ、ACP(意思決定支援)への関わりなど、患者さんの生活を支える幅広いケアを行っている訪問看護ステーションです。
「おうちでよかった。訪看」の大きな特徴は、同法人が運営している訪問診療所「やまと診療所」や「おうちにかえろう。病院」とシームレスに患者さんの生活を支えられることですね。
例えば、やまと診療所が介入している患者さんに、私たち訪問看護も関わることが多くあります。患者さんのことについて医師に確認したいことがあれば、チャットツールを使ってコミュニケーションを取ったり、拠点に戻れば、直接顔を合わせて話すこともできます。
何より、互いに気心が知れた仲なので、距離感がとても近く医師のほかにも多職種とのコミュニケーションが非常に取りやすい職場ですね。
「おうちでよかった。訪看」という事業所名は、「患者さんやご家族が『この道を選んでよかった』と、心から思える時間をつくりたい」という想いが込められているんですよ。

患者さん本人の想いに耳を傾けたい。急性期病院からの転職
私は学生時代に特別養護老人ホームでアルバイトをしたことをきっかけに、高齢者医療に興味を抱き始めました。声のかけ方や立ち振る舞いひとつで、利用者が落ち着いたり安心して過ごしてくれたりして。自分の関わり方次第で患者さんの気持ちが変化することを学びました。
卒業後の進路は、高齢者医療に力を入れている急性期病院で5年ほど働きました。そこではプリセプターとして後輩の指導をしたり、病棟リーダー業務に携わるなど、看護師として幅広い経験をさせてもらいました。
6年目を迎え今後のキャリアについて考えていたころ、知人がやまと診療所の存在を教えてくれました。ホームページを見に行くと「自宅で自分らしく死ねる。そういう世の中をつくる」という理念が書かれていたんです。その言葉をみたとき、自分の医療に対する考え方や価値観と重なる部分があったんです。
自宅で亡くなることは、悪いことじゃないと思いましたし、患者さんご本人が残された時間をどのように過ごされたいのか、本人の想いに耳を傾けて意思決定サポートをすることは大切だよなって・・・。
やまと診療所が「おうちにかえろう。病院」を設立することを知り、応募を決意。
地域包括ケア病棟の看護師としてのキャリアをスタートしました。
思いがけない人事で始まった訪問看護師としてのキャリア
病棟で働き始めて1年ほど経った頃、「おうちでよかった。訪看」への異動の打診がありました。予期していなかった出来事でしたが、もともと在宅に興味はあったので「やってみよう。」と思いました。
訪問看護師として働き始めてすぐ、病院と在宅では求められるスキルが大きく異なることに直面したんです。
在宅では、病棟時代に意識する機会が少なかった、マナーやコミュニケーション、ホスピタリティといったヒューマンスキルが求められる環境が大きな違いだと感じました。看護師としてのスキルだけでなく「患者さんのご自宅に迎え入れてもらえる存在になれるか」という、人として信頼してもらえることが何より大切だと感じました。
慣れるまではうまくできないこともありましたが、まずは「お邪魔します」「バイタルを測らせてください」といった声掛け一つ一つを丁寧にすることから行動を見直していきました。そこから、時間をかけて患者さんとゆっくり目を合わせながら話したり、余裕をもって接する大切さに気づいていきました。
そのほか、夜間待機業務は、独り立ちして業務が安定してきた頃から徐々に担当するようにラダーが組まれています。いきなり任されるのではなく、段階を踏んで挑戦できる仕組みが整っているので、安心して訪問看護師としてのキャリアをスタートできたと感じています。

まっすぐな想いが、日々の看護ににじむ職場
「おうちでよかった。訪看」の魅力は、上下関係がなく、どんなことでも相談し合える環境であることです。患者さんに関する相談から訪問中のほっこりエピソードまで、毎日いろんな話をしているんですよ。
何より、患者さんやそのご家族に対して、まっすぐで純粋な人がとても多くて。そんな人たちと一緒に働けていることが楽しいですね。
訪問中に連絡を取るチャットツールの中には、患者さんに関する相談をリアルタイムで行う業務連絡チャンネルから、患者さんの誕生日をお祝いしたエピソードなども気軽に共有できる、雑談チャンネルも用意されています。日頃からチームでコミュニケーションをとる習慣があり、悩んだときには相談や報告をし合える文化があります。そのおかげで、仲間がいる心強さを感じられるんです。
さらに、地域のケアマネジャーさんや事業所の方々とも密に連携しています。地域ぐるみで、一人の患者さんの生活を支えている実感があり、一人で抱え込むことはありません。
ここでは常に、チームみんなで患者さんの生活を支え合っている実感があるんです。
一緒に考え、悩み、動いてくれる仲間がいる
「どうしたらこの患者さんが安心して家で過ごせるかな?」ということを、みんなが真剣に考える人たちが集まっている印象です。そこの気持ちがみんなすごく純粋というか。
ここは、患者さんとの何気ない日常のエピソードトークから患者さんのACP(意思決定支援)まで、みんなで話し合い、悩み、一緒に考える仲間がいる場所です。
たとえば、ACP(意思決定支援)の場面では、「本当は、最期まで自宅で過ごしたいと思っているけれど、奥さんに迷惑をかけたくないからどうしたらいいのか分からない」といった声も聞くことがあります。
患者さんの中には、ご家族の前では遠慮してしまい、なかなか本音を言えない方も少なくありません。そんな時は、作戦会議をして普段は1名で訪問するところを2名体制で伺うこともあります。1人がご本人、もう1人がご家族とそれぞれ向き合い、ゆっくりと話を聴ける時間を意図的につくるようにしています。
ACP(意思決定支援)で大切なのは、「最期を家で迎えるか、病院で迎えるか」という最終的な答えだけではありません。目の前の日々や生活において、ご本人がどう思うのか、どう受け止めているのかを確認しながら、一緒に考えていく過程が大切だと私たちは考えています。
「おうちでよかった。訪看」には、患者さんとの対話を通して、相手の人生に本気で向き合う仲間たちがいます。そんな人たちと一緒に患者さんやご家族を支えていけることは、この場所ならではの大きな魅力だと感じています。

「おうちでよかった。訪看」未来を描いていきたい
私たちの想いや取り組みをもっと広めていきたい。自宅で自分らしく過ごせる世の中づくりのために、一緒に歩んでくれる仲間を増やしていきたい。そんな想いを抱いています。そして、その仲間たちと一緒に「おうちでよかった。訪看」が大切にしている想いをもっと言語化していきながら、みんなで同じ未来を描いていきたいと思っています。
私自身は現在、サブマネジャーとして患者さんのご自宅を訪問しながら、「おうちでよかった。訪看」の事業計画や目標を考えたり、スタッフのマネジメントに携わっています。
看護以外の業務に取り組むのは、思考の組み立て方が普段の業務とは全く異なるため大変な部分もありますが、仲間と一緒に挑戦しながらスキルアップを実感できることが、とても楽しいです。
インタビュアーより
穏やかな雰囲気の奥に、患者さんやそのご家族、同僚への熱い想いを持つ野村さん。訪問現場では、患者さんと他愛もないコミュニケーションを楽しみながら、自然に心を通わせていく。時にはご家族の一員のように溶け込み、患者さんの生活を支える姿が印象的でした。また、スタッフ同士の信頼関係も熱く、信念を持って仕事に向き合う姿勢に魅力を感じました。
仲間と一緒に患者さんの生活を支えたいという想いをお持ちの方は、ぜひ見学にお越しください!
事業所概要
事業所名: おうちでよかった訪問看護
住所: 東京都板橋区大原町44-3
NsPace Careerナビ 編集部 「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
