一人じゃない訪問看護——「関わりの深さ」が私を変えた~ナーシングステーションナッセケアベイス宝塚・粟田さんにインタビュー~

病棟勤務で理想の看護とのギャップに悩んだ粟田さんは、「もっと関わりたい」という想いから訪問看護の道へ。 未経験からの挑戦に不安を抱えながらも、「ナーシングステーションナッセケアベイス宝塚」のチームに支えられ、安心して成長を重ねました。 生活に深く寄り添うケアを通して、看護観が「治療」から「暮らしの支援」へと変化。 今はこの場所で、自分らしい看護の形を見つけながら、訪問看護の魅力を実感しています。

【宝塚市・常勤】パーキンソン病・がん末期専門施設/夜勤あり常勤看護師募集/賞与年3回・退職金あり
事業所名
雇用形態
給与
就業場所
「人と向き合いたい」と看護師を志すも、理想と現実に揺れた病棟時代
「もっと患者さまと関わりたいのに、時間が足りない」。
粟田さんが看護師としてキャリアをスタートしたのは、急性期病棟でした。常に時間に追われる日々。申し送りや点滴、処置といった業務が立て込み、患者さんと一対一でじっくり向き合う余裕がなかったといいます。
「“その人らしく生きることを支えたい”と思って看護師になったのに、現場ではその思いを叶えられない。理想と現実のギャップに、少しずつ気持ちが追いつかなくなっていました」
そうしたなかで芽生えたのが、「もっと深く関われるケアはないか」という想い。そんな折に出会ったのが訪問看護という選択肢でした。
訪問看護との出会い——“怖さ”を超えて踏み出した一歩
「ひとりで判断しなきゃいけない——」。
訪問看護と聞いたとき、まず浮かんだのはその不安でした。一人で現場に向かい、状況判断を任されるというプレッシャーは、病棟勤務とはまったく違う世界のように思えたといいます。
「正直、最初はすごく怖かったです。でも、ナーシングステーションナッセケアベイス宝塚に入ってみると、そのイメージはすぐに覆されました」
困ったときはすぐに周囲に連絡が取れる体制、施設内の訪問看護だから声かけや相談の気軽さ、そして何より、同行訪問やカンファレンスを通じた“誰かとつながっている”感覚。
「誰かが必ず見守ってくれている——その安心感があったから、少しずつ不安は薄れていきました」
未経験からの挑戦だった訪問看護。けれど、“ひとりじゃない”という支えが、粟田さんの新たなキャリアを力強く後押ししました。

利用者様と「生活」を共にするなかで変わった看護観
無機質になりがちな病室とは異なり、訪問先の利用者様の部屋には、その人ならではの風景が広がっている。部屋の家具や趣味の品、ご家族との距離感——それらすべてが、利用者様の「生活そのもの」でした。
「こんなに“その人のこと”が見えるんだと、衝撃を受けました」
生活の中に入っていくからこそ見える、体調の変化や心理的な動き。病院とは違い、“その日、その場所”で判断しながらケアを組み立てていく面白さもありました。
「体調を見ながら、外気浴のためにお散歩したり、鑑賞会やイベントでは普段見ることができない表情を発見できたりします。ヘルパーやリハビリのスタッフ共に、利用者様の好きな音楽、仕事のこと、家族の話を共有できるのもやりがいのひとつです」
医療行為だけでなく、“その人らしい時間”を支える。訪問看護に携わるなかで、粟田さんの看護観は「暮らしのパートナー」へと、大きく変わっていきました。
今、粟田さんが大切にすること——“チーム”と“自分らしさ”の両立
理学療法士でもある施設長の才さんは「ナーシングステーションナッセケアベイス宝塚」を、「三方良しを追求する」という理念を掲げ、利用者様(ご家族様)・地域・職員の良しを追求する職場であると話します。
「精神的にも経済的にも充実度を大事にしたいと思っています。やりがいも大事で、食事支援はこだわっていて。“最期まで自分らしく生きる”をテーマにしています。ありふれた言葉ですが、人生完了の瞬間と考えています。人生を全うできたと思えるように、多職種での強みを集めて願望をかなえるようにしていきたいのです」
看護師、介護士、理学療法士、言語聴覚士といった多職種の協力体制も整っており、それぞれが専門性を活かしてチームで支える仕組みが機能しています。
特にパティシエの経験があり、現在は言語聴覚士として勤務している職員が作る、嚥下に配慮したスイーツは好評だそう。毎月メニューを変えて利用者様に楽しんでいただいている。夏には施設内で“居酒屋”を提供し、季節感や日々の刺激になるようなイベントも計画されているそうです。
「少しでも好きなものを召し上がっていただけるよう、スタッフみんなで連携しています」
多彩な役割が集まって作るチームは、ケアの可能性を無限大にできる。
「カンファレンスで共有しておくと、誰かが急に行けなくても他の誰かがカバーできる。“私じゃなきゃ分からない”ではなく、“誰でも対応できる”ように整えることができる。それってすごいことですね」
また、育児との両立を支える柔軟な文化も、粟田さんにとって大切なポイント。
「子どもの行事があるときなど、チームで協力し合える雰囲気があるのがありがたい。“お互いさま”の文化ですね」
訪問看護を始めて、2年目を迎えた今——。
「不安もあったけど、すぐに相談できるスタッフとの距離の近さが魅力で。毎日、先輩の知識や技術が勉強になるし、成長を実感できるのが嬉しい。訪問看護を迷っている方がいたら、まずは見に来てみてほしい」
そう穏やかに語る粟田さんの表情には、「看護師としての原点を取り戻せた」確かな充実感がにじんでいました。

インタビュアーより
粟田さんの語り口には、誠実さと温かさが滲んでいました。
「怖い」と感じていた訪問看護が、今では「最も自分らしくいられる場所」になった——その変化は、これから訪問看護を検討する多くの看護師の方々に、安心と希望を届けてくれるはずです。
利用者様の日常に静かに寄り添い、時には家族のように、またある時は人生の伴走者として関わっていく。そんな訪問看護の姿勢に、私たちも深く心を動かされました。
「ひとりで訪問する」という言葉の印象とは裏腹に、実際には常に誰かとつながりながら働いているという実感がある——その現場の温度感が、粟田さんの表情や言葉の端々から伝わってきました。
訪問看護の魅力は、現場で働く人自身の声を通じてこそ、よりリアルに、そして説得力をもって伝わります。このインタビュー記事が、「訪問看護って、いいかも」と感じるきっかけになればと願っています。
事業所概要
事業所名: ナーシングステーションナッセケアベイス宝塚
所在地: 〒665-0033 兵庫県宝塚市伊孑志1-8-45
アクセス:阪急今津線「逆瀬川駅」徒歩3分
訪問エリア:自社施設内のみ
運営方針:ナーシングステーションナッセケアベイス宝塚は、パーキンソン病をはじめとする神経難病やがん末期の方々に対し、専門的な看護・介護を提供する施設です。
私たちが最も大切にしているのは、「最期まで自分らしく生きる」こと。その人がその人らしく、尊厳を持って暮らせるよう、医療・介護・リハビリが一体となったケアを実践しています。
施設には看護師・介護士が24時間365日常駐し、夜間も安心して過ごせる医療体制を整えています。また、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士といったリハビリ職との連携により、週5日の個別・集団リハビリを提供。身体機能の維持と生活の質の向上をサポートしています。
さらに、パーキンソン病やターミナルケアに精通した専門医との密な連携により、高度な医療的ニーズにも対応。スタッフ一人ひとりが専門性を高められる教育体制を整え、安心・安全で温かみのあるケアを追求しています。
通勤アクセスにも優れた立地にあり、働きやすさと専門性の両立を目指す看護師の方にとって、やりがいと成長を実感できる職場です。

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