“人が人を呼ぶ職場”ができるまで~訪問看護ステーション憩の挑戦と温もり~統括所長 中田さんにインタビュー~

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事業所名
雇用形態
給与
就業場所
看護師への転身と「在宅」との原体験
「実は私、もともとは普通のOLだったんです」。
穏やかな笑顔をたたえながら語ってくださったのは、訪問看護ステーション憩 統括所長の中田明子さんです。彼女が看護師を志したのは、社会人として数年働いた後のことでした。
「バブルの時代だったこともあり、OL生活もそれなりに楽しかったんです。でも、どこかで“このままでいいのかな”っていう気持ちがずっとあって。小さい頃から人を支える仕事に憧れがあったので、思い切って看護学校に進学しました」。
中田さんの言葉からは、迷いの中にあった確かな意志がにじみ出ていました。
そんな中田さんにとって、大きな転機となったのが看護学校の実習で訪れた「在宅の現場」でした。「保健師さんに同行して、療養中の方のお宅を訪問する実習があったんです。それがすごく印象的で。“あ、私は将来こういう場所で働きたい”って、看護師になる前から思っていました」。
その決意を胸に、まずは病院で経験を積むこと13年。急性期の現場で多様な症例と向き合いながらも、彼女の心の中には常に「在宅」の原風景が残っていました。
「早く訪問看護に行きたい」と漏らした彼女に、先輩は「まだ早い」と答えたそうです。それでも中田さんは歩みを止めず、2013年、満を持して訪問看護の世界に飛び込まれました。
訪問看護のやりがいと苦悩、その先にある確信
訪問看護ステーション憩に入職してからの中田さんは、まさに現場の最前線に立ち続けてこられました。
「うちは終末期や難病の方が多いステーションなんです。だから、すごく大変な場面もたくさんありました」。
例えば、最期まで自宅で過ごしたいと願う利用者さまと、その思いに不安を抱くご家族。両者の気持ちの間で、看護師としてどのように関わればよいのか――。
「正直、簡単なことではありません。でも、その“橋渡し”ができたとき、ご本人もご家族も“おうちで過ごせてよかった”って言ってくださるんです。その言葉をいただける瞬間が、私たちにとってのご褒美なんです」。
瓦礫の中で暮らす認知症の高齢者に寄り添い、ケアマネジャーやヘルパーと一緒に環境整備から支援する――。訪問看護の現場では、「看護師の仕事」の枠を超えた支援が日々行われています。
「誰かにとって“その人らしく生きられる環境”を一緒に作っていく。その面白さと尊さが、この仕事にはあると思っています」。

「人を支える」チームの力と憩の多職種連携
訪問看護というと「一人で訪問して一人で判断する」イメージがあるかもしれません。しかし、訪問看護ステーション憩のスタイルは違います。中田さんはこう話します。「うちは本当にチームでやってるんです」。
憩には看護師だけでなく、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのセラピストも多数在籍。多職種で構成されたスタッフが連携して、一人の利用者さまを支えています。
「ITツールで情報共有はしていますが、それだけじゃ足りないんです。だから月1回の定例カンファレンスに加えて、普段の雑談の中でも自然にカンファレンスみたいな会話が生まれる。顔を合わせるって、やっぱり大事なんですよね」。
事務所移転後、看護とリハが同じ空間で働くようになったことも、連携の密度を高めた要因のひとつです。中田さんは「雑談の中から、ケアのヒントが生まれることもある」と話します。
さらに、外部との連携も視野に入れています。ケアマネジャー向けの勉強会開催を通じて、顔の見える関係づくりを目指しているそうです。
スタッフが語る「働きやすさ」の秘密
訪問看護ステーション憩では、「働きやすさ」が自然と根づいていると言います。中田さんは、その理由をこう話してくださいました。
「子育て中のスタッフも多いので、“お互い様”の精神がすごく強いんです。誰かの子どもが熱を出したら、みんなでサポートしようっていう雰囲気があって。だから休みも取りやすいし、気持ちよく働ける環境なんです」。
育児や介護といったライフイベントへの理解も深く、「男性スタッフが育児休暇を取ることも珍しくない」とのこと。「“奥さんが休めないので今日は僕が”って自然に言える雰囲気があるんです」と語る中田さん。ジェンダーにとらわれず、誰もが無理せず働ける環境は、まさに現代型の働き方といえるでしょう。
実際、スタッフ同士が紹介し合って入職するケースが多く、「人が人を呼ぶ職場」という言葉がぴったり当てはまります。「うちの強みは“働きやすさ”です!」とSNSに投稿していたスタッフの一言に、中田さんは心から嬉しかったと話してくれました。
また、働き方の柔軟性も魅力のひとつです。車は法人所有のリース車を使用し、自家用車の持ち出しは必要ありません。さらに、エリアによっては直行直帰も可能となっており、訪問後は自宅に戻って記録するなど、効率的な働き方が浸透しています。
「“無理をしないで続けられる”ことが、一番大切だと思っています。家庭も仕事も、どちらも大事にしてほしい。そんなふうに思っています」。
この考え方こそが、多くのスタッフにとっての安心感になっているのかもしれません。

利用者の“自分らしさ”に寄り添う看護とは
中田さんが訪問看護を通して大切にしているのは、「その人が“その人らしく”生きられる環境を支えること」です。
「たとえ認知症が進行していても、ご本人の中に“家で暮らしたい”という気持ちがあるなら、できるだけその思いを尊重したいと思うんです。『一人じゃ無理だから施設に』ではなく、どうしたら家で過ごせるかを、みんなで考える。そんなスタンスを大切にしています」。
そのために、看護師が一方的に“こうするべき”と決めるのではなく、リハビリスタッフやケアマネジャー、ヘルパーと一緒に、利用者とご家族の「これからの暮らし」を描いていく。その姿勢が、訪問看護ステーション憩の看護には根づいています。
「たとえば、最期まで家で過ごしたいと願う方に対して、ご家族が“本当に自宅で看取れるの?”と不安を抱かれることもあります。そんなときこそ、私たちがそっと寄り添って、“大丈夫、一緒にやっていきましょう”と声をかける。それだけで、ふっと表情が和らぐんですよ」。
その言葉の端々に、相手の立場に立って物事を考える中田さんらしさがにじんでいました。
地域と未来へ――広がる憩のビジョン
訪問看護ステーション憩は現在、宝塚市内を中心にサービスを提供していますが、近年は少しずつ活動エリアを広げています。山手の地域にはサテライト拠点も開設し、伊丹市、西宮市や三田市にも対応を始めています。
「“憩の看護”を、もっと多くの地域に届けていきたいという思いがあるんです。そのためには、やっぱり人材が必要になります」。
採用においても“まずは見学だけでも”という敷居の低さを大切にしています。「興味がある方には、“見学や同行訪問だけでも”とお伝えしています。いきなり面接じゃなくて、まずは一緒に現場を感じてもらうのが一番ですから」。
訪問看護ステーション憩の未来には、“仲間とともに育つ文化”がしっかりと根づいています。
中田さんは、これから訪問看護の道を歩もうとする人たちに向けて、こう語ってくれました。
「最初は誰でも不安です。でも、うちは必ず先輩スタッフとの同行訪問を重ねながら、一歩ずつ慣れていただきます。いきなり一人にすることは絶対にありません。本人の希望と成長に合わせて、じっくりと見守ります」。
オンコールに関しても、「慣れるまでは二人体制でフォローしています」と中田さん。負担にならないよう、タイミングもその人ごとのペースに合わせて調整されているそうです。
教育支援の一環として、イーラーニングや外部研修費の補助制度も整えています。「学びたい」と手を挙げたスタッフには、レポート提出を条件に法人が費用を負担するという形です。
「楽しく、でもしっかりと。学び続ける文化がある職場は、やっぱり強いんです」。
中田さんの言葉に込められたその姿勢が、これからの訪問看護ステーション憩をより温かく、より確かな存在へと育てていくのだと感じました。
中田さんが見据える“これから”は、決してステーションの拡大だけにとどまりません。
「医療職って、ちょっと敷居が高いと思われがちなんですよね。“何か言われそう…”とか、“怖そう…”とか。だからこそ、“私はゴールデンレトリーバーです”ってよく思っているんです(笑)」。
相手の緊張を和らげ、構えずに関われる存在でありたい――。そんな思いは、地域に向けたアウトリーチ活動にも表れています。
地域への貢献と人材育成――その両輪を回すために、中田さんたちは新たな取り組みも始めています。たとえば、ケアマネジャー向けの事例検討会や勉強会を開催し、医療と介護の垣根を越えた連携づくりに力を入れています。
インタビュアーより
「私はゴールデンレトリーバーを目指してるんです」と笑う中田さんの話には、終始あたたかさと謙虚さが溢れていました。そしてそれは、ご本人だけでなく、訪問看護ステーション憩という組織そのもののあり方にも深く反映されているように感じました。
働くスタッフが、「この場所でなら頑張れる」と心から思えること。利用者さまやご家族が、「この人たちになら任せられる」と安心できること。そして、地域の関係者が「一緒にやっていきたい」と自然に思えること。
そのすべてが揃ったとき、“人が人を呼ぶ職場”が生まれるのだと、訪問看護ステーション憩のインタビューを通して改めて実感しました。
事業所概要
事業所名: 訪問看護ステーション 憩
所在地: 兵庫県宝塚市寿町9-5
アクセス: JR中山寺駅 徒歩10分/阪急売布神社駅 徒歩15分
開設: 2006年
職員数: 看護師12名、リハビリスタッフ11名、事務2名(2022年時点)
特徴: 終末期・難病対応/多職種連携/教育支援あり/直行直帰OK
Web: http://www.nishitanikai.jp/
見学対応: 随時受付中(面接前でもOK)
事業所紹介ページ: https://ns-pace-career.com/facilities/16501
【宝塚市・常勤】月給30万円以上+インセンティブあり/駅チカ5分・直行直帰要相談/土日休みでプライベートも◎
事業所名
雇用形態
給与
就業場所

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