利用者と家族に深く関わる姿勢を重視~地域に根差したステーションとして~訪問看護ステーションすきっぷ 松尾さんと黒田さんにインタビュー

2024年3月に開設された「訪問看護ステーションすきっぷ」。管理者の松尾様と看護師の黒田様は、以前の職場で10年以上同僚として働かれており、自分たちの想いを叶えるために訪問看護ステーション開設を決意されました。おふたりのこれまでの経験やステーション設立への想い、今後のビジョンについてうかがいました。
患者さんとじっくり向き合いたい。訪問看護師の道を選んだきっかけ
松尾様:
看護学校を卒業後、5年ほど総合病院の内科病棟・腎センターに勤めました。妊娠・出産をきっかけに転職し、介護福祉士の専門学校で教員として働いたのです。学校では、介護技術の授業補助や実習の引率などを経験しました。その後はクリニックに2年ほど勤め、その間に子どもを2人出産しました。そのタイミングで子育てに無理のない働き方を求めて、訪問看護にたどり着いたのです。
介護福祉士の専門学校に勤務しているときに、在宅介護の経験が長い講師から「在宅は人と長く関われるところが良いよ」と話を聞いたり、特別養護老人ホームや障害者施設、重症心身障害を抱えるお子さんが通う施設で実習の引率をしたりする機会がありました。
私が看護学生の頃は、まだ在宅看護論がカリキュラムになかったのですが、そうした経験から「より深く人と関わる仕事」に魅力を感じ、訪問看護師を志すきっかけになりました。
黒田様:
私は、看護師になって5年ほど総合病院の内科病棟で働き、その後からずっと訪問看護に携わっています。看護学生の頃におこなった在宅看護実習で訪問看護に興味を持ちました。患者さんと看護師さんがしっかりと関わっているところに魅力を感じたのです。看護学校を卒業後は病院で働きましたが、病院勤務の忙しさのなかで「もっと患者さん一人ひとりとじっくり関わりたい」という想いが強まり、訪問看護に転職を決意しました。

「病棟では関わる機会の少ないご家族と深く関わることができるのは大きな魅力」とお話しされる黒田さん(写真右)
訪問看護におけるやりがいは、利用者・家族と深くかかわれること
松尾様:
訪問看護のやりがいは「利用者さん一人ひとりとゆっくりと深く関われる」ことではないでしょうか。病棟のように忙しく「今日も患者さんのお話を聞いてあげられなかった」「今日も十分にケアできなかった」と感じることが少ないです。
黒田様:
病棟では関わる機会の少ない「ご家族」と深く関わることができるのも大きな魅力だと思っています。本人の病状だけでなく、ご家族の状況や想いを丁寧にくみ取り、その人らしい生活を支えるケアを一緒に考えるのは、とてもやりがいがあります。
松尾様:
これまで関わってきた利用者さんのなかでとくに印象に残っているのは、ターミナルケアの現場で多職種が連携したケースです。認知症のある高齢のご夫婦で、ご主人が末期がんを患っていました。ご家族の「2人で過ごしたい」という想いを受けて、在宅医、ケアマネジャー、ヘルパーと密に連携しながらサポートにあたりました。
ご主人が自宅で穏やかに最期を迎えられたこと、そしてご夫婦の暮らしを支える一員となれたことは、訪問看護師として大きなやりがいを感じた経験のひとつです。
このケースでは多職種だけでなくご家族の協力も非常に良く、こまめに情報共有していたので、大きな苦労なくご本人とご家族の希望を叶えられたのでよかったです。
また、訪問看護では、長期にわたる関わりも多くあるので、そのなかで利用者さんやご家族との間に深い信頼関係が築けることもやりがいのひとつだと思います。私たちを「待っていてくれる」と実感することもありますね。
病状以外にも、畑の話やお子さんの成長の話など、暮らしのなかのさまざまなできごとを共有し、人生のステージに寄り添い、ともに歩めることはとてもありがたいことです。お互いに信頼し合える関係ができると、訪問していてうれしい気持ちになることがたくさんあります。
訪問看護ステーションすきっぷの原点
松尾様:
私たちは、前の職場の訪問看護ステーションで10年以上、同僚として働いていました。大規模で働きやすい環境でしたが、変化が少なくマンネリ化を感じることもあったのです。「ただ訪問をこなすだけでなく、新しいことに挑戦したい」「自分たちで考えて、もっと楽しく働ける場所を作りたい」と思うようになり、2人で訪問看護ステーションを立ち上げることを決めました。
ステーション運営で大切にしているのは、まず、スタッフが楽しく働けることそして、地域と積極的に関わることです。小規模ステーションならではのフットワークの軽さが活きる部分ですね。
また、利用者さんの数を多く受け入れることよりも、一人ひとりに丁寧に関わることを重視しています。小児から高齢者まで、幅広いニーズに対応したり、地域の人々を中心としたサービスを提供したりすることで、地域に貢献していきたいと考えています。

地域とともに歩む。顔のみえる関係作り
松尾様:
地域密着型のケアを提供するには、住民のみなさんとの信頼関係が欠かせません。私たちは開設当初、地域包括支援センターが主催する「支え合い会議」に参加し地域の方々と顔を合わせたり、地域活動の情報について教えていただきました。地域のイベントである「元気になりますフェスタ」に参加し、健康教室のブースを出展したり、地域のシニアクラブの誕生日会で健康に関するセミナーもさせていただきました。個人的には重症心身障害を抱えたお子さんが通うサロンにも顔を出させてもらってます。
地域のさまざまな場所やイベントに顔をだし、地域の方々と顔の見える関係を構築することを大切にしています。訪問看護のサービス内容や利用方法は、まだ十分に知られていないのが事実です。それを踏まえて、地域のみなさんへの啓発活動や相談の機会になればと考えています。訪問看護師が地域のみなさんにとって身近な存在になることが目標です。
今後も、地域密着の姿勢を貫きたいと思っています。当ステーションのある地域のみなさんの自宅での生活を、近くにいる訪問看護師の私たちがサポートしたいと考えています。事業を大きく拡大するというよりは、自分たちが住んでいる地域で、地域の人を地域のみんなで支え、横のつながりを大切にしながら進んでいきたいという想いがありますね。
自分のペースで、安心して働ける職場。訪問看護ステーションすきっぷの魅力
松尾様:
まずは、環境が落ち着いていることですね。訪問件数は1日4件程度が基本で、夕方には帰れるので時間に追われることがあまりありません。病棟勤務の経験者や子育て中の方など、プライベートを分けたい方にも働きやすい環境ではないかと思います。
また、柔軟な休暇制度も特徴です。1時間単位で有給休暇を取得できます。学校行事や予防接種、受診などで短時間だけ仕事を抜けたいといった希望にも対応できるため有給休暇を半日や1日丸々使わずにすみ、有給が減りすぎる心配がありません。
休んだときのフォロー体制も整えていますよ。チーム制にしているので、スタッフ同士でカバーし合える環境になっています。休んだときに「自分が担当している利用者さんはどうしよう」と一人で悩む必要がなく、急な休みでもとりやすいと思います。

求職者へのメッセージ
松尾様:
訪問看護が初めての方でも大歓迎です。私自身も訪問看護は未経験からのスタートでしたが、難しいことばかりではないと感じています。「訪問看護をやってみよう」と思う気持ちが大切で、そう思っている方を応援したいです。
ときには雑談も交えながら、和気あいあいとした職場環境なので、安心していただけると思います。まずは見学でも大歓迎。気軽に話を聞きに来ていただけたらうれしいですね。
黒田様:
訪問看護の経験が長くても、日々学ぶことがたくさんあります。分からないことはスタッフみんなで一緒に考えていける職場ですし、相談しやすく風通しの良い環境なので、きっと働きやすいです。一緒に楽しく働きましょう。
インタビュアーより
松尾様と黒田様のお話から、訪問看護と地域に住む人に対する温かい想いと情熱を強く感じました。おふたりの絆が、ステーション全体の安心感や温かさにつながっていることがわかります。子育て中のスタッフをサポートする柔軟な勤務体制や、お互いの意見を尊重し合い、相談しやすく風通しの良い職場環境づくりに力を入れている点も魅力です。訪問看護に興味のある方は、ぜひお問合せください!
事業所概要
訪問看護ステーションすきっぷ(東京都板橋区)
住所:東京都板橋区成増1-28-15 林屋ビル907号
理念:「自分らしく笑顔で暮らす」を応援します
スキップしたくなるような気持ちをたいせつに安心の医療、ていねいで気持ちのいいケア
こころに寄り添った対話ですみなれた地域でのくらしを笑顔でささえます
基本方針:
住み慣れた地域で自分らしく生活できるように、笑顔と思いやりをもって安全で丁寧なサービスを提供いたします
在宅療養を必要とする人とその家族が安心して生活できるようにその人らしさとニーズを尊重し、心をこめてケアをします。
医療・保健・福祉と連携し地域の問題解決に積極的に取り組みます。
専門職として看護の質の維持向上に努め、心身ともに快適で元気に成長できる職場環境を大切にします。

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。