訪問看護で患者さんと向き合う時間を~相手を受け入れる姿勢を大切に、働きやすい職場づくり 田中さんにインタビュー~訪問看護ステーション コネクトねやがわ

公開日:2025/01/09 更新日:2025/01/09
記事サムネイル画像

病棟勤務を経て、訪問看護へ転職された田中さん。訪問看護の道を選んだきっかけや日々感じているやりがい、管理者としての想いを伺いました。

地域の病院から訪問看護の道を選んだ理由

新卒で大学病院のNICUに配属されて、その後成人病棟へ異動になりました。4年間大学病院に勤めた後、地域の総合病院に転職しました。そこでは透析をされている方がメインの混合病棟で働いていましたね。2年半ほど勤めて、訪問看護に転職しました。

急性期でバリバリやるというより、患者さんとゆっくり向き合いたかったんです。患者さん自身のことや生活のことを話す時間にやりがいを感じたし、楽しいと思える瞬間があって。

病院だと日々の業務にも追われて、患者さん一人ひとりとのかかわりが十分に取れなかったんです。

そうやって病院で働いているときに、友人から訪問看護の話を聞いて「退院した人ってどんなふうに生活しているんだろう」と興味が湧きました。

新卒でいたNICUでかかわらせてもらった子どもを思い出して…子どもがある程度大きくなって、家に帰ることになったときはケアの指導をさせてもらうんですが、実際に僕らは病院の中の生活しか見れないので。

家に帰ってどんな風に過ごしているんだろうとか、成長しているんだろうとか、そういうところがすごく気になったんです。それが訪問看護への後押しにもなりましたね。

病院で仕事を続けてきて業務に追われたり、厳しい指導を受けたりして、しんどい時期がありました。そのときに自分が本当にやりたいことができてるのかなって考えるようになって…思い切って場所を変えてみようと決意して、訪問看護の道に進みました。

訪問看護に飛び込んでみて感じた『人と人とのかかわり』

訪問看護に飛び込んでみて、病院と違うことにそこまで抵抗はありませんでした。

病院だったら毎日点滴や手術があり、やることに追われていましたが、訪問看護では患者さんとしっかり話ができて向き合えるのが自分にはしっくりきましたね。

思ったより大変だと思ったのは、在宅医療では本当にいろんな人がかかわるという点です。

訪問看護ではケアマネジャーさんや主治医、ご家族、ヘルパーさん、介護タクシーの運転手、デイサービスのスタッフなど病院以上に幅広くいろんな人がかかわっているんですよね。

患者さんにより良く過ごしてもらうための方法を考えていくうえで、かかわりのある多職種の方々に相談するんですが、そのときの連絡が大変だなという印象はありました。

たとえば、病院だとちょっと行ったら話せたり内線連絡で話せたりしますが、在宅医療ではそれぞれの職種が全くちがう場所にいます。顔の見えないなかで連携を取る難しさは感じましたし、顔が見えないぶん、相手のことを気遣うことが最初はちょっと大変でしたね。

今はそういったことにも見え方が変わって、多職種連携の大切さを感じています。

訪問看護でしっかり相手と話す時間があるので、お互いの考えや想いを伝え合えることができるんです。患者さんやいろんな職種がコミュニケーションをとって、より良いケアやサービスを提供できたケースもたくさんあります。

笑顔でご自身の経験をお話しされる田中さん

やりがいは患者さんからの「ありがとう」の言葉

訪問看護の魅力は、地域で困っている患者さんに対してチームや関係者の方々と一緒にかかわることで患者さんの生活を良くできることだと思います。患者さんから「ありがとう」という言葉をもらえたらやっててよかったなと思いますね。

以前、かかわっていた方で、印象に残っていることがあります。

毎日訪問していた患者さんでした。状態が悪くなったときに、最終的に救急搬送が良いと判断して搬送されたんですが、病院について間もないあいだにお亡くなりになって…。

後日、ご家族にお電話をしたときに「毎日来てくれて助かりました。丁寧にケアしていただいてありがとうございました。最期をどうしようかと悩むよりは、病院で最期を迎えられてよかったです」という言葉をいただきました。

僕たちは当たり前のように訪問してケアを提供して、ご家族と何気ない会話をしたり患者さんの様子を教えてもらったりしていました。けれど、ご家族にとっては僕たちの日々のかかわりが大きな存在になっていることもあるんだなと感じました。

病院から訪問看護の転職で感じる自分の変化

これまでの僕は少し自分主体な考えでやってきたところがあるんです。「この時間はこれをしないといけない」「これをやらないと怒られる」病棟ではそういう考えがあって。他の人のことより「まず自分のことをやらないといけない」という、少し自分主体で考えてしまうところがありました。

ですが、訪問看護に入ってからは「相手の意見を尊重する」「相手がどう思っているか」を大切にしています。

利用者さん、チームのスタッフ、関係機関の方々はみんな価値観が違うんですよね。そのいろんな価値観を受け入れたうえで自分の価値観を伝えて、より良い方に話し合いをするようにしています。いろんな人の見方や考え方の多様性は勉強になっていますね。

管理者としてスタッフに伝えている「相手を受け入れる」姿勢

これは自分自身でも気を付けていることですが、スタッフには「自分主体ではなく、まずは相手を受け入れること」というのを伝えています。相手の話、想いをしっかり聞いてから自分の発言をすることですね。

会議をされる「訪問看護ステーションコネクトねやがわ」の皆様

うちのステーションは比較的若い年のスタッフが多くて、たぶん自分たちが1年目のときに受けてきた教育と違うので、きっと感覚も違うんですよね。「このスタッフにはこういう考え方があるんだ」と思いながら話を聞きつつ、それが地域や利用者さんに向かっていく中で適切であるかどうかを考えるようにしています。

若いスタッフにはとくに、まず相手の考えをしっかり受け止めて、状況を把握するように伝えています。自分らしさや考え方は人それぞれあるけど、患者さんに関わるところではいろいろと見方や考え方を柔軟に合わせていく必要が出てくるので。

私は管理者としては若い方で、自分より年上の方もたくさんいます。だけど、会話の中で伝えるべきことはきちんと伝えるようにしています。

そのときに「どういう根拠があるからこうしてほしい」「こんなことがあったから次からこんなことに気を付けてほしい」など意味合いを持たせて、相手が理解しやすいように伝えるように気を付けていますね。

自身で意識しているのは「まずはやってみる」こと

3年前にこのステーションの立ち上げのときに管理者に起用していただきました。

入職するときに「管理者をやってみないか」と声をかけていただいて。少し考えましたが、35歳の年齢で管理者をさせてもらえるという経験はあまりないと思ったんです。まずその期待にこたえたい、チャンスを活かさないわけにはいかないっていう個人的な想いはありましたね。

自分自身「まずはやってみる」ことを心がけていて日々の訪問のことや関連機関との連携など、いろんなことを最初から無理とあきらめずにやってみることを意識しています。

実際に管理者になってうまくいっているかは自分ではわかりませんが、地域の関連機関から依頼を受けたり、大阪府のステーション協会で仕事をやってみたり、いろんなことにかかわれています。会社外の方の意見や価値観を知れたり、かかわる人が増えたのはよかったです。

訪問看護への転職、管理者としての経験など、これまでもまず飛び込んでみて、その結果、自分の世界が広がっているんですよね。本当に自分自身の価値観がすごく変わりました。

何度か転職しましたが、そのなかでも周りの人に助けられてやってきました。転職するのがいいことなのかは分かりませんが、最終的に今、こうしてやりたいことや続けていきたいことが見つかったのはすごくありがたいなと思っています。

スタッフが働きやすい体制づくりを目指して

今後は患者さんをしっかりサポートできる体制づくりに取り組んでいきたいですね。スタッフのそれぞれが知識や経験を積み重ねてスキルを上げていくこともそうですし、みんなで成長していけるようなチームを作っていきたいです。そのうえでしっかり地域に貢献できるような事業所を継続していけるようにしたいですね。

そのために、今は時間の許す限り研修に参加したり、スタッフと面談して普段思っていることや取り組んでいることをしっかり聞いたりするようにしています。

スタッフとの普段のコミュニケーションの積み重ねが大切だと思っていて。管理者業務や訪問業務だけをしてたらいいというわけではないんですよね。

地域に根付いて地域の人をサポートしていく事業所を作るためには、スタッフの考えや想いを大事にしないといけない。まずはそこをしっかり継続していきたいと思っています。

明るい雰囲気も「訪問看護ステーションコネクトねやがわ」の特徴です!

看護師がつらい人へー訪問看護もひとつの選択肢に

転職を考えている人、看護師がしんどいと思っている人にいろんな道があるということを伝えたいですね。自分もいろんな経験をしてみて最終的に訪問看護にきて、やっぱり看護師やっててよかったなって思うこともたくさんありました。学生さんも休職されている方も、少しゆっくり看護に関わる仕事のひとつとして、訪問看護は相手と向き合ってできる仕事だということを伝えたいです。

インタビュアーより

病棟で6年間の経験を積まれたのち、訪問看護の道へ進まれた田中様。事業所の立ち上げ当初から管理者として起用された背景には、前向きで誠実な姿がありました。

「何ごともまずはやってみる」という挑戦を重ねるなかで、ご自身のできることを一つひとつ増やしながら、地域や事業所に貢献していきたいという想いを大切にされています。

訪問看護ステーション コネクトねやがわは、看護師だけでなく理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が在籍するステーションです。リハビリテーションに力を入れており、看護師とリハビリスタッフが連携して患者さんをサポートしています。

和やかな雰囲気でコミュニケーションが活発な職場です。

地域に根差した訪問看護に興味のある方は、ぜひお問い合わせください!

事業所概要

訪問看護ステーション コネクトねやがわ(大阪府寝屋川市)

住所:大阪府寝屋川市八坂町20‐13 八坂一番館305号室

運営方針・理念:「地域をつなぎ、人をつなぎ、笑顔をつなぐ」の理念のもと、看護とリハビリスタッフで連携しています。

研修や勉強会など、教育サポートも充実している職場です。

事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/14055

SNSシェア

  • LINEアイコン
  • facebookアイコン
  • Xアイコン
記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

関連する記事

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像左 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左

NsPaceCareerとは

訪問看護・在宅看護に特化した
求人情報検索・応募のほか、
現役の訪問看護師や在宅経験者への無料相談や、
事業所への事前見学申し込みが可能です。

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像右 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左