訪問看護の魅力と未来を語る 伊藤さんと猪狩さんインタビュー~そらまめ訪問看護ステーション~
「患者さんが退院後、どんな生活を送っているのか、気になっていました」と話す伊藤さんは、病院勤務を経て訪問看護の道に進みました。一方、新たにスタッフとして加わった猪狩さんも、病院勤務での経験を経て新たなステージを見つけました。お二人が訪問看護に惹かれた理由、日々感じるやりがい、そして未来への展望について伺いました!
伊藤さんの訪問看護へのきっかけ
私の看護師キャリアの最初は大学病院の病棟で、その後は総合病院で脳外科や整形外科など、病院での病棟で10年くらい働いていました。
病棟で勤務していた頃、患者さんが退院した後の生活がずっと気にはなっていました。
『家ではどうしてるんだろう?』とか『どんなサポートが必要なんだろう?』って、考えることが多くて…。
そんな時、友人から『訪問看護やってみない?』と声をかけてもらったんです。最初はバイト感覚で少しだけやってみたんですけど、『こういう仕事があるんだ!』と初めて気づいて、興味本位から訪問看護へ転職しよう!となったんです。しかも転職してみたら、最初から管理者になってしまって。よくある話だと思うんですけど、管理者になってからはもう怒涛の日々でしたね。最初は不安しかありませんでしたが、慣れてくるにつれてだんだん楽しくなっていったんですよね。ケアマネさんとの関わりも増え、そこで生まれるコミュニケーションや患者さんのためにチームで動けている感覚が最高だと思えるようになりまして。
もちろんケアの内容やチームを作り上げる難しさのところで葛藤もありましたし、反省すべきところはありますが、自分には病院より訪問看護が合っているなと感じるようになりました。そのような気持ちで仕事をしていく中で、自分が大事にしたいケアへの想いや職場環境をかなえられるステーションを作りたいという想いで、そらまめ訪問看護ステーションを開設しました。
訪問看護でのやりがいと忘れられない経験
訪問看護の魅力って、やっぱり患者さんやご家族に本当に近い距離で関われることだと思うんです。病院では見られない表情や、その人の生活の一面が見られる瞬間があって、そういうところにすごくやりがいを感じますね。
特に心に残ってるのが、ターミナルケアをしていた時の経験です。ある女性のご利用者さまで、旦那さんや娘さんが家で看取りを希望されていて、毎日訪問診療の先生と連携しながらサポートしていたんです。
私が訪問中、旦那さんが痙攣発作で救急搬送でそのまま入院されてしまって。奥さんのことが大好きな旦那さんだったからお看取りに立ち会えなくなるかもしれないという状態から、奇跡的に旦那さんが家に帰ってこれることになりまして。その旦那さんが帰ってこられる当日、ご家族から『髪を洗ってほしい』と希望されたんです。ただ、その日は本当に忙しい日で…。
正直、明日にしようかなって思ってたんです。でも、その時ご家族が『今日入院していた旦那さんが帰ってくるんです』って話されて、それを聞いたらもう『今やらないと後悔する』と思ってスケジュールを何とか調整したんです。
結果的に旦那さんが帰ってきて、その数時間後に患者さんは亡くなられたんですけど、ご家族から『ありがとう』と言われて…。本当にやってよかったなって思いました。
忙しいとどうしても『次でいいかな』って思いがちなんですけど、その時その時の判断が、こんなにも意味を持つんだなって実感しましたね。ご利用者さまやご家族の笑顔や感謝の言葉が、この訪問看護の仕事を続ける力になっています。
小規模ステーションが抱える課題と挑戦
私たちのステーションはスタッフ全員が働きやすい環境を作るために、少しずつ体制を整えており、サテライト拠点も設けて、みんなが安心して働けるように日々前進させています。訪問看護の仕事は本当に素晴らしいんですけど、やっぱりスタッフの負担が大きいと続けるのが難しくなりますから。まだ小規模なステーションなので課題はありますが、今後は更に余裕のある環境を作って、みんなが楽しんで働けるようにしていきたいです。
私たちの会社は「スリーウィン株式会社」で「スリーウィン」とあるんですけど、会社としての理念としても、スタッフ、ご利用者さん、関係する方々の三方良しってことでバランスをきちんと保っていきたいと考えています。スタッフの希望も大事にしていくことで、仕事が楽しく働きがいが持てて、そこから最高のケアに繋がっていき、また仕事が楽しくなると思うんですよね。
それから、私自身の想いとしては、訪問看護の良さをもっともっと多くの人に知ってもらいたいです。今はインスタグラムで少しずつ発信していますけど、将来的には見学会とかもやっていけたらいいなと思っています。
スタッフの猪狩さんの訪問看護への挑戦
私は新卒でがん専門病院に入りました。患者さんの命に関わる緊張感のある毎日で、最初はやりがいも感じていました。でも、次第にそのプレッシャーが積み重なり、気づけば自分に余裕がなくなっていました。そこで、もっと落ち着いた環境を求めて、次の職場ではルーティンワークが中心の業務に移りました。一時的には負担が軽くなったものの、今度は「このままでは自分の看護師としての情熱が消えてしまう」と感じたんです。そこで、自分に合った新たな道を探すことにしました。
訪問看護に出会ったのは30代で、当初は体力のあるうちに一回挑戦してみようと思いました。患者さんが日常生活を続けいていく上で、スポットで看護師が入ることでスムーズに日常生活を続けられるっていいことだなって思ったのがきっかけですね。
もちろん、一人でご利用者さんの家に行くという仕事に対し、「何かあったらどうしよう」と悩むことも多かったです。それでも、実際に訪問を始めてみると、自宅で過ごすご利用者さんの表情や、ご家族と一緒に見せる笑顔が病院とは全く違うことに驚きました。
病院勤務の頃、患者さんが大変な状態で再入院してくるのを見て、「また来たな」と思ってしまうことが正直ありました。でも訪問看護では、ご利用者さんの自宅に伺う中で、「こんなにも不安や大変さを抱えながら日常生活を送っているんだ」と気づかされました。それが、訪問看護の本当の魅力に気づいた瞬間でしたね。
そして、そらまめ訪問看護ステーションへの転職をしました。今の職場はスタッフみんなが笑顔で働いていて、チームの雰囲気がとても私にあっているんですよね。だからこそ、ご利用者さんにも自然と良いケアが届けられるんじゃないかなと思っています。また、困ったときにはすぐに相談できる環境があり、みんなでご利用者さんのために何ができるかを真剣に考えながら進めていけるのがとても嬉しいです。
訪問看護の未来に向けて
訪問看護は本当に患者さんやご家族の日常に寄り添える素晴らしい仕事なんです。病院では見られない、自宅での表情や「やっぱり自宅がいいね」っていう家族の言葉を聞くと、「ああ、この仕事やっててよかったな」と思います。だからこそ、この魅力をもっとたくさんの人に知ってほしいと強く感じています。
スタッフが笑顔で働けるステーションを作ることも大事だと思っていて、休みを取りやすくしたり、負担を減らす工夫を進めています。そうやって余裕ができると、利用者さまにもより良いケアが届けられるはずです。それに、SNSで発信したり、見学会を開いたりして、訪問看護の良さをもっと広めたいですね。
今のステーションでは、スタッフ同士が本当にいい関係なんです。みんな支え合って、笑顔が絶えないんですよね。「日常生活にちょっとだけ私たちが入ることで、その生活がスムーズになる」と実感する場面がたくさんあります。これが訪問看護の魅力だし、そらまめステーションが目指している「三つの笑顔(ご利用者様が安心して過ごせる、スタッフが楽しく働ける、地域全体が信頼でつながる)」なんだと思います。
地域のみなさんとも信頼関係を築きながら、一緒に働けるのが素敵だなって感じています。そらまめステーションは、患者さんやその周囲の方々、そして地域全体にとっても頼れる場所であり続けたい。これからも笑顔とエネルギーを絶やさず、みんなが安心して頼れる場所を作り続けていきたいです!
インタビュアーより
今回のインタビューを通じて、訪問看護がご利用者さんやご家族の日常に深く寄り添い、安心を届ける特別な仕事であることを改めて感じました。伊藤さんの「笑顔を絶やさないステーションにしたい」という想いには、スタッフ同士の支え合いや、患者さんに対する真摯な姿勢が反映されています。また、猪狩さんのお話からは、新しい挑戦への勇気や、訪問看護が持つ可能性を感じました。
そらまめ訪問看護ステーションは、チームワークの良さや温かな雰囲気が魅力的な場所です。訪問看護に興味がある方や、新たな一歩を踏み出したい方は、ぜひ一度お問い合わせください!
事業所概要
そらまめ訪問看護ステーション(東京都江東区)
住所:東京都江東区毛利1-6-10 ロータスレジデンス住吉101号
運営方針・理念:笑顔と思いやり、信頼により、地域に選ばれる最高の看護を目指します
「そらまめ訪問看護ステーション」という名前は、小さな豆のイメージから生まれました。豆は地に根を張りながら成長し、その小さな存在から多くの栄養やエネルギーを提供します。同様に、そらまめ訪問看護ステーションは地域に根付きながら、小さなサービスの中に大きなケアの力を秘めています。我々はご利用者様一人ひとりに寄り添い、地域の健康づくりに貢献する存在として、あたたかい看護サービスを提供します。
「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。