国際看護師とは?仕事内容となり方、4つのメリットをわかりやすく解説

公開日:2026/02/19 更新日:2026/02/19
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「国際看護師になりたい」「海外の医療現場で働くにはどうすればいい?」

そんな疑問を持つ看護師は多くいます。一方で、「英語ができないと無理?」「特別な資格が必要?」と不安を感じ、情報収集の段階で止まってしまう人も少なくありません。

国際看護師とは、自国だけではなく、他国や地域で活動する看護師のことです。どこでも使える「国際免許」があるわけではなく、活動内容や所属団体によって求められるスキルや役割が異なります。

この記事では、国際看護師の仕事内容から、メリットや注意点までを整理して解説します。国際看護師が自分に合う選択肢かを判断でき、次に取るべき行動が明らかになるはずです。

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国際看護師とは

国際看護師とは、特定の資格を指す言葉ではなく、「海外や国際医療の現場で活動する看護師」のことです。日本看護協会は国際看護師協会(ICN:International Council of Nurses)の加盟団体であり、積極的に活動を進めています。

看護師免許は国ごとに独立しており、世界共通の国際免許は存在しません。そのため、海外で看護師として活動するためには、海外の免許を取得する、もしくは国際支援団体や医療ボランティアとして活動する形になります。

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国際看護師になるには

国際看護師になるには、目指す働き方や英語力、これまでの経験に応じていくつかのルートがあります。

  • 医療ボランティアとして働く
  • 海外で看護師として働く
  • 日本国際看護師(NiNA)として働く

「英語に自信がない」「海外勤務はハードルが高そう」と感じる方でも、今のスキルや環境に合った方法を選べば、無理なく国際医療にかかわることが可能です。ここでは代表的な3つのルートを紹介します。

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医療ボランティアとして働く

JICA海外協力隊や国際医療NGOジャパンハートなどを通じて、海外の医療現場へ派遣される方法です。団体によっては生活費の支給や住居の手配、事前の語学研修が用意されているため、国際医療の現場を経験したい看護師の入り口として選ぶ方もいます。

いきなり海外就職に挑戦するのは不安という方でも、一定期間の活動を通して実践的な経験を積める点が特徴です。

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海外で看護師として働く

アメリカやオーストラリア、カナダなどで、現地の看護師免許を取得し、医療機関に就職する方法です。国ごとに求められる語学力や試験対策は異なります。

難易度は高めですが、給与水準やキャリア形成という魅力があります。長期的に海外で働きたい方や、専門性を高めたい方に向いたルートといえるでしょう。

関連記事:看護師が海外で働く方法6選!仕事内容の違いや海外の資格について紹介

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日本国際看護師(NiNA)として働く

いきなり海外で働くことに不安を感じる方には、日本国内で国際医療にかかわる方法もあります。その一つが「日本国際看護師(NiNA)認定制度」です。

NiNAは、日本を訪れる、または日本に在住する外国人患者さまへの対応力を高めることを目的とした民間の認定制度です。国家資格ではありませんが、多文化背景をもつ患者さまへの理解やコミュニケーション力、国際的な視点を持った看護実践力を体系的に学べる点が特徴です。現在の職場を離れることなく、働きながら取得を目指せます。

「すぐに海外へ行くのは難しいが、国際医療に携わりたい」「これから増える外国人患者対応に強くなりたい」「キャリアの選択肢を広げたい」と考える看護師にとって、国内で実践できる現実的なステップの一つといえるでしょう。

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国際看護師のおもな仕事内容

国際看護師の仕事内容は、活動する地域や組織によって異なります。ただし、共通しているのは、文化や価値観、医療環境が異なる中で、その場に最適な看護を提供することです。

  • 医療支援
  • 公衆衛生・感染症対策
  • 多職種・多国籍チームでの調整
  • 教育・啓発活動

これらの業務を通じて、国際看護師は目の前の患者さまへのケアだけでなく、地域や医療体制そのものを支える役割を担っています。

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医療支援

途上国や紛争地域、自然災害の被災地などでケアや診療補助に対応します。十分な医療機器や薬剤が揃わない現場も多く、日本と同じケアを提供できるとは限りません。

そのため、限られた資源の中で優先順位を判断し、柔軟に対応するスキルが大切です。

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公衆衛生・感染症対策

病院内でのケアにとどまらず、地域を巡回しながら予防接種の普及や、手洗い・栄養指導といった衛生教育をおこないます。

患者さまに向き合うだけでなく、地域全体の健康リスクを下げる役割を担う点が特徴です。感染症対策や母子保健など、長期的な影響を見据えた活動が中心となります。

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多職種・多国籍チームでの調整

国際医療の現場では、医師や看護師だけでなく、物流の担当者や現地スタッフなど、多様な職種・国籍のメンバーと協働します。

言語の違いに加え、文化や価値観、仕事の進め方も異なるため、円滑に医療活動を進めるための調整力やコミュニケーション力が必要になります。

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教育・啓発活動

現地の看護学生や若手の医療者に対し、看護技術や衛生管理の指導を行うことも国際看護師の役割です。

自分がケアを提供するだけでなく、現地の医療者が自立して質の高いケアを継続できる体制を整えることが重要です。支援に頼り続けるのではなく、地域の中で医療が回り続ける状態をつくることが、持続可能な国際医療につながります。

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国際看護師の活躍の場

国際看護師が活躍する場は、政府機関から民間の国際NGOまで多岐にわたります。組織ごとに活動目的や求める経験が異なるため、自分に合った団体を選ぶことが大切です。

  • ジャパンハート
  • JICA青年海外協力隊
  • 国境なき医師団

これらの団体は、現地の医療水準の向上や人道支援において中心的な役割を担っています。厳しい環境に身を置きながら人の命と向き合う経験は、看護師としてだけでなく、人生の価値観を広げてくれるでしょう。

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ジャパンハート

ジャパンハートは、「医療の届かないところに医療を届ける」を理念に、ラオスやカンボジア、ミャンマーの海外拠点に加えて、日本のへき地や離島、被災地で活動する日本発の国際医療NGOです。短期ボランティアから長期派遣まで幅広いプログラムが用意されており、日本の看護師が参加しやすい点が特徴です。

国際医療に興味はあるものの、比較的ハードルの低い形でかかわりたい方にとって、現実的な選択肢となります。

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JICA海外協力隊

JICA海外協力隊は、政府開発援助(ODA)の一環として、途上国の病院や保健センターなどに派遣される制度です。約70~90カ国規模(変動あり)で派遣提携をしており、活動にかかる費用は受入国の政府やJICAが負担します。現地の人々と同じ生活環境で暮らしながら、地域の課題解決に取り組む点が特徴で、派遣期間は原則2年間です。

長期的な視点で国際医療にかかわりたい方や、地域に根ざした活動を重視したい看護師に向いています。全国で説明会を開催しているため、情報収集として参加してみると良いでしょう。

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国境なき医師団

国境なき医師団(MSF)は、紛争地や自然災害の被災地、感染症の流行地域などで緊急医療支援を行う国際的な医療・人道援助団体です。医療資源が限られた環境で活動するため、看護技術に加えて、状況を的確に判断し行動できる高い適応力や精神的な強さが求められます。

看護師は、外来や病棟での臨床ケア、感染管理、母子保健支援など幅広い業務を担います。プロジェクトによっては、現地スタッフの指導や看護チームのマネジメントを任されることもあります。派遣期間は原則6か月〜1年程度が目安で、即戦力としての臨床経験や専門性が重視される点が特徴です。

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国際看護師になるメリット

国際看護師として働き、これまでとは異なる医療環境や価値観に触れることで、看護師としての考え方や視点が変わります。

  • 医療・看護の視野が広がる
  • 語学力・多文化対応力が身につく
  • 日本では得られない経験がキャリアになる
  • 看護師としての価値・市場価値が高まる

これらのメリットは、転職やキャリア選択にも影響します。長期的に見てキャリアの選択肢を広げる点が、国際看護師の魅力です。

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医療・看護の視野が広がる

「日本の当たり前」が通用しない環境で働くことで、看護の本質を再認識できます。十分な医療機材や薬剤がない中で「今ある資源で何ができるか」を考える経験が、思考の柔軟性を高めます。

宗教上の理由によるケアの制限や、家族構成に応じた療養指導などを通じ、疾患だけでなくその人の背景すべてを看る視点が身につくでしょう。この経験は、帰国後の臨床現場でも活かすことができます。

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語学力・多文化対応力が身につく

現場でのリアルなやり取りを通じて、「実践で使える語学力」と「多文化対応力」が身につきます。

言葉だけでなく、相手の文化や禁忌を理解したうえでのかかわりは、日本での外国人患者さまへの対応でも、ほかの看護師との差別化につながります。

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日本では得られない経験がキャリアになる

海外での活動実績は、多くの看護師にはないキャリアです。

国際看護師として活動し、一時的に臨床から離れることに不安を感じる方もいますが、実際には希少な経験が高く評価されることも少なくありません。病院の国際診療部門や国際NGOなどへの道が開ける自己PRになります。

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看護師としての価値・市場価値が高まる

国際的な視点と実務経験がある看護師は、医療業界において高い市場価値を持ちます。医療のグローバル化が進む中、外国人患者対応や国際基準を理解している人材の需要は高まっているのです。

海外展開を行う医療機器・製薬関連企業など、臨床以外のキャリアにおいても有利に働く可能性があります。

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国際看護師になるデメリット

国際看護師になるメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあります。

  • 安定した収入を得にくい場合がある
  • 語学力・コミュニケーションの壁が高い
  • 医療資源が乏しい環境で働くこともある
  • ライフイベントとの両立が難しいことがある

理想と現実のギャップに悩まないよう、リスクを正しく把握しておくことが大切です。事前に準備や対策を立てることで、困難な状況もキャリアアップに変えられるでしょう。

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安定した収入を得にくい場合がある

ボランティア派遣や国際協力団体での活動では、現地での生活費や一定の手当が支給されることが多いものの、日本の医療機関でフルタイム勤務を続けた場合と比べると、収入が下がるケースが一般的です。賞与や各種手当がない、あるいは限定的である場合もあります。

そのため、派遣期間中は十分な貯蓄が難しくなる可能性もあります。この経験を「将来のキャリアにつながる自己投資」と前向きに捉えられるかどうかが、一つの判断材料になるでしょう。出発前に生活費や帰国後の資金計画を見直し、一定の貯蓄を確保したうえで経済的な見通しを立てておくことが安心につながります。

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語学力・コミュニケーションの壁が高い

英語もしくは、現地語で議論をしたり、多国籍なスタッフと協力したりするのは想像以上にハードルが高いと感じる場面があります。

日常会話ができても、医療現場でのコミュニケーションは別物です。言葉が通じない無力感から、自信を失いそうになる時期が訪れるかもしれません。

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医療資源が乏しい環境で働くこともある

日本では救えるはずの命が、機材や薬剤がないために救えないという無力感に直面することがあります。整った設備がない現場では、倫理的な葛藤を抱くことも少なくありません。

また、感染症リスクや治安の不安がある地域も多く、身体的なタフさだけでなく、精神的な強さや自己管理能力が求められます。

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ライフイベントとの両立が難しいことがある

数年間の海外派遣や留学は、結婚や出産といったライフイベントが重なりやすい年代でもあります。「キャリアを優先して海外に行くべきか、将来の家庭を優先すべきか」と悩む場面もあるでしょう。

帰国後のキャリアも含め、パートナーや家族と価値観を共有しておくことが、後悔しない選択につながります。

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国際看護師を目指す人が今からできること

今の生活を続けながらでも、国際看護師になる準備は始められます。

  • 今の職場で経験を積む
  • 英語学習を始める
  • 情報収集・相談先を知る

これらの準備は、たとえ将来的に海外へ行かなかったとしても、ケアの質を高める貴重な財産になります。自分にできる行動から始めていきましょう。

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今の職場で経験を積む

多くの国際協力団体では、応募要件を「臨床経験3〜5年」としており、現地では自律的に動ける即戦力が求められます。

急変対応での冷静な判断や、リーダー業務での調整力は、異国の地でチームを動かす際に活用できます。今の職場での経験が、国際看護師としての土台作りであると意識して、日々の業務に取り組みましょう。

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英語学習を始める

資格試験のための勉強だけでなく、現場で使える「医療英語」に早くから慣れておく必要があります。現場では専門用語や、患者さまへの平易な説明力が重要視されます。

まずは、海外就労や免許取得の要件として求められることの多いIELTS(International English Language Testing System)の対策から始めましょう。試験対策を通じて、読む・書く・聞く・話すの4技能をバランスよく伸ばせます。

あわせて、試験英語だけでなく、現地の看護師が実際に使う医療英語のフレーズにも触れておくことが大切です。症状の聞き取りやインフォームドコンセントの説明、チーム内での申し送り表現など、臨床場面を想定した表現を学ぶことで、より実践的な英語力が身につきます。

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情報収集・相談先を知る

国際看護師のキャリアは多岐にわたるため、経験者のリアルな声を聞くことが効率的です。活動している看護師のブログをチェックしたり、JICAや国境なき医師団の説明会に参加したりしてみましょう。

信頼できる相談先を持つことで、安心して準備を進められます。

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国際看護師についてのよくある質問

国際看護師という新しいキャリアを検討する際、多くの方が抱く疑問をQ&A形式でまとめました。今の状況に照らし合わせて、不安を解消しましょう。

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Q1:国際看護師になるには大学に行く必要がありますか?

必ずしも大学に行く必要はありません。

大学を卒業していると、国や地域によっては学位が認められるため、海外で働きやすくなる可能性があります。一方で、国際ボランティアとして活動する場合、学歴は問われないケースが多い傾向です。

自分のキャリアに合わせて、大学に行く必要性を考えましょう。

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Q2:英語が苦手でも国際看護師になれますか?

英語がまったく使えない状態では国際看護師として活動するのは難しいのが現実です。現地スタッフや患者さまとのコミュニケーションは不可欠で、症状確認や指示に必要な医療用の英語も求められます。

ただし、ネイティブレベルの英語力が必須というわけではありません。

派遣先や団体によって求められる水準は異なり、基礎的な英会話力から段階的に経験を積めるルートも存在します。

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Q3:国際看護師として働く場所としてアメリカはおすすめできますか?

アメリカは収入やキャリアを高めたい看護師にとって魅力的な場所です。厚生労働省の『令和6年賃金構造基本統計調査』によると、日本の看護師の平均年収519万7,000円ですが、アメリカは、州や経験年数によりますが、平均年収は日本より高水準です。

一方で、看護師の国家試験にあたるNCLEX-RN(National Council Licensure Examination for Registered Nurses)の合格や就労ビザの取得など、乗り越えるべきハードルは低くありません。十分な準備期間と計画が必要となるため、いきなり目指すのではなく、他国や国内で経験を積んだうえで検討することが後悔しないコツです。

関連記事:アメリカの看護師の年収はいくら?日本の看護師より高い6つの理由を紹介

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国際看護師とは「特別な資格」ではなく、看護師のキャリアの選択肢のひとつ

国際看護師を目指すことは、看護師としての可能性を広げる前向きな挑戦です。

「いつか海外で働いてみたい」という思いを、現実的なキャリアプランとして考えてみませんか。

国際看護師を視野に入れるうえで重要なのは、理解のある職場で経験を積み、選択肢を広げておくことです。訪問看護に特化した求人サイトNsPaceCareerでは、教育体制が充実しており知識やスキルを身につけられる求人を紹介しています。自分にできる準備から始めてみるためにも、ぜひ活用してみてください。

<参考サイト・文献>

国際看護師協会(ICN)|日本看護協会

国際医療NGO特定非営利活動法人ジャパンハート

JICA海外協力隊

国境なき医師団

令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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