男性看護師の年収は高い?年収アップのコツやおすすめの職場5選を解説
「男性看護師の年収って高いの?」「男性看護師が年収アップできる職場はどこ?」
このように悩んでいる男性看護師の方は多いはず。
近年、増えてきているといわれるものの男性看護師はまだ少数派。男性看護師の方が同じ病棟におらず、さらに前例もないことから男性看護師の年収や年収アップできる職場を知る機会がなく悩んでいませんか。
男性看護師の年収や年収をあげるコツや、男性看護師におすすめの職場などを紹介します。この記事が、男性看護師の方の悩みや不安を解決できるきっかけになれると幸いです。
男性看護師の年収は高い?
厚生労働省が公開した「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、令和3年の男性看護師の平均年収は522万7,200円です。
「男性看護師の年収は高い」といった話を聞いたことがある方もいるでしょう。ここでは、女性看護師やほかの職業と比べたときの男性看護師の年収をくわしく解説します。
女性看護師との比較
先述した資料によると、令和3年の女性看護師の平均年収は506万3,800円です。
つまり、女性看護師と比べると、男性看護師の平均年収は約16万円高いといえます。というのも、女性看護師は結婚や出産、子育てのほかに、夫の転勤などのライフイベントに影響されやすく、働く時間や場所など働き方が制限されるためです。
一方で、男性看護師は世帯主である場合が多く、住宅手当や扶養手当が入りやすい状況です。さらに、給料の高い傾向である大規模の病院や、手当がつく集中治療室や手術室で働くこともあります。
そのため、女性看護師よりも男性看護師のほうが平均年収は高くなります。
ほかの職業との比較
国税庁の「令和4年民間給与実態統計調査」によると、ほかの職業(男性のみ)の平均年収は563万円です。
先述したとおり、男性看護師の平均年収は約523万円であるため、ほかの職業の方と比べると約40万円低いことがわかります。
転職しても経験年数が反映されず、資格を取得しても手当がもらえないケースがあるためです。
「看護師ははじめのころは給料高いけど、いずれほかの人に抜かされる」「看護師の給料は寝たきり給料」とのイメージがある男性看護師の方もいるでしょう。
男性看護師の給料は、病院や施設で長く勤めても上がりにくいのが現状です。
男性看護師の実態|男性看護師数は約11.2万人
厚生労働省の調査によると、令和4年時点で男性看護師は11万2,164人います。女性看護師は119万9,523人であり、看護師全体における男性看護師の割合は8.6%です。
ほかにも、男性の保健師は1,947人(3.2%)、男性の准看護師は18,808人(7.4%)です。助産師は、男性の資格取得が認められていません。
そのため、男性の看護スタッフが増えたといわれるものの、看護業界は女性が多いといえます。
男性看護師が年収を上げるコツ
ここでは、男性看護師は年収を上げるコツを紹介します。
- 資格取得を目指す
- 役職に就く
- 夜勤に多く入る
- 副業収入を得る
- 年収が高い職場に転職する
それぞれのコツを押さえて、年収アップを実現しましょう。
資格取得を目指す
男性看護師が年収をあげるコツは資格取得を目指すことです。
新たに資格を取得することで資格手当がもらえ、院内での役割が増えるためです。具体的には、以下の資格を取得すると良いでしょう。
- 専門看護師
- 認定看護師
- 診療看護師
- 認定看護管理者
これらの資格を取得して、院内でスタッフ教育や、医師のタスクシフトを担うことで、院内に必要な人材であると評価され年収アップできます。
ただし、資格を取得しても年収がアップしないケースもあるため、資格手当や待遇、院内で必要な資格であるのかなどを確認してください。
資格をどのように活かし、病院や施設にどう貢献できるか。これが年収を上げる大切なポイントです。
役職に就く
役職に就くことが男性看護師の年収を上げるコツです。
役職に就くと、管理職手当がもらえたり、院内で重要なポジションにつけたりするためです。具体的には以下の役職を目指しましょう。
- 看護主任
- 看護師長
- 看護部長
とくに、看護部長は院内に1名のみであるため簡単になれません。ですが、看護部長になるとほかの病院や地域とのつながりができます。副院長クラスの責務を果たすなど、キャリアを重ねることで、年収1,000万円を実現できる可能性があります。
日ごろから、目的を持って業務に取り組みキャリアアップにつなげましょう。
夜勤に多く入る
夜勤に多く入ると、夜勤手当がもらえるため男性看護師の年収アップが期待できます。
具体的な夜勤手当は以下の表を参考にしてください。
手当額 | 支給額 |
2交代制の夜勤の手当額 | 11,286円 |
3交代制の準夜勤の手当額 | 4,154円 |
3交代制の夜勤の手当額 | 5,122円 |
参照元:2020 年 病院看護実態調査 報告書|日本看護協会
この手当額には深夜の時間帯(22時~翌朝5時)の割増賃金が入っていないため、夜勤・準夜勤の手当額の実態は表中の金額よりも高くなります。
さらに、3交代制の病院での夜勤回数は月に平均7.7回、2交代制の病院での夜勤回数は月に4.7回です。そのため、夜勤の手当だけで月収が月に5万円以上変わります。
ただし、年収アップばかりを期待して夜勤ばかりの勤務をこなすと、生活のリズムが乱れ体調を崩す可能性があります。年齢を重ねると、徐々に夜勤のきつさや負担を実感する男性看護師の方も少なくありません。
そのため、自身の体調やライフスタイルを考えて夜勤に入りましょう。
副業収入を得る
副業収入を得られると、男性看護師が年収アップできる可能性があります。
実際に、以下のような働き方で副業収入を得ている男性看護師の方がいます。
- 病院で働きながら別の施設で夜専として働く
- 施設で働きながら別の訪問看護ステーションで働く
- 看護師として働きながらコンビニでアルバイトする
- フルタイムの看護師で働きながら在宅ワークで収入を得る
このように、副業収入を得ている男性看護師の方もいます。とはいえ、夜勤の回数を増やすのと同じように、副業に取り組むことで体調を崩すケースがあります。
そもそも看護師の勤務は不規則です。そのため、自身の体調と向き合いながら無理のない程度で年収アップを目指しましょう。
年収が高い職場に転職する
現在の職場で昇給が期待できない場合は、年収の高い、好条件の職場に転職するのも一手です。
看護師の年収は病院の規模や地域、運営元、年齢などにより異なります。一般的に、都市部の大規模病院では年収が高くなる傾向です。
さらに、一般の職業の有効求人倍率は1.27倍に対して、看護師(助産師・保健師含む)の有効求人倍率は2.20倍です。
そのため、看護業界は人手不足であり転職しやすいといえます。転職サイトや求人情報をもとに情報収集をおこない、より良い転職先を見つけましょう。
男性看護師におすすめの職場5選
ここでは、男性看護師の方におすすめの職場5つを紹介します。
- 訪問看護ステーション
- 精神科病棟
- 救急センター・集中治療室・手術室
- 泌尿器・男性専門の外来
- 整形外科・リハビリテーション病棟
男性看護師の方におすすめの職場を知り、年収アップを目指しましょう。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションは、男性看護師の方におすすめの職場です。
というのも、在宅医療の推進にともない訪問看護師の需要が高まっており、将来的に年収アップが期待できるためです。
また、訪問看護師には入浴介助やシャワー介助など、力仕事を求められるケースがあり、男性看護師が活躍しやすい業務内容といえます。
訪問看護ステーションの有効求人倍率は3.22倍であり人手不足が続いており、転職しやすい状況です。
より良い訪問看護ステーションを見つけられずに悩んでいる方は「NsPace Career」を活用してください。あなたに合った訪問看護ステーションを探すことができるでしょう。
精神科病棟
男性看護師の方におすすめの職場は精神科病棟です。
精神科病棟では危険手当がつくところが多く、ほかの病棟よりも高い収入を得られるためです。また、男性看護師の割合が高い傾向にあることも、人気の一つといえるでしょう。
また、精神科領域の専門看護師もあるため、リエゾンナースを将来的に目指す方も少なくありません。
さらに、精神科病棟によってはほかの病棟よりも、処置やケアをする機会が少なく、落ち着いて働くことができるといった声もあります。
救急センター・集中治療室・手術室
救急センターや集中治療室、手術室は、男性看護師が働きやすい職場です。
病院によっては危険手当がもらえることにくわえ、体力的にハードな職場であり、体力面で有利な男性看護師が歓迎されやすいためです。
これらの部署では男性看護師のほかに多くの男性スタッフが働いています。
- 医師
- 臨床工学技士
- 放射線技師
- 薬剤師
男性スタッフが多いところで働けると、コミュニケーションをとりやすく、なんでも相談できたり、仕事の悩みや不安を共有できたりします。プライベートでも職場のスタッフと交流できるでしょう。
そのため、これらの部署は男性看護師にとって働きやすい場所であるといえます。
泌尿器・男性専門の外来
泌尿器や男性専門の外来は、男性にしか分からない悩みを持った患者さまが訪れるため、女性看護師だけではなく男性看護師も必要とされる傾向があります。
とくに、性病を扱うクリニックでは患者さまが女性看護師に恥ずかしい気持ちを抱きやすいため、男性看護師が重宝されます。
さらに、自由診療であるクリニックを選ぶと男性看護師の方が高い収入を得られる可能性があります。
整形外科・リハビリテーション病棟
男性看護師が働きやすい職場のひとつが整形外科・リハビリテーション病棟です。
これらの病棟では患者さまを介助する機会が多く、交通事故での外傷を負った患者さまのなかには若い男性もいるため、男性看護師が活躍しやすいです。
さらには、体格の良い患者さまの介助は、女性看護師だけではリスクを伴う場合もあるため、男性看護師が求められるでしょう。
男性看護師が抱える特有の悩み
次に、男性看護師が抱えやすい特有の悩みを紹介します。
- 女性看護師との人間関係
- 相談できる男性看護師が少ない
- 女性患者からケアを断られることがある
- 力仕事を任されやすい
「男性看護師って私と同じように悩んでいるの?」「男性看護師が働きやすくするためにはどうしたら良いの?」などの、悩みや不安を解決できるきっかけになるでしょう。
女性看護師との人間関係
男性看護師は、女性看護師との人間関係に悩むことがあります。
「どこまで踏み込んで話して良いのか分からない」「女性の価値観がわからない」といった声は少なくありません。女性看護師との関係性に悩む男性看護師の中には、休憩中にひとりでご飯を食べたり、ケアをするときにも一人でこなそうとしたりすることもあります。
しかし、女性看護師からは「患者さまの看護ケアに悩んでいる際に、男性看護師に相談をすると論理的に導いてくれる」「女性看護師同士の雰囲気を和らげてくれる」という声もよく聞きます。
壁を作りすぎず、女性看護師とのコミュニケーションを図りながら仕事を進めていけると、男性看護師の方にとって働きやすくなるでしょう。
相談できる男性看護師が少ない
相談できる男性看護師が少ないことも、男性看護師の方が抱えやすい悩みのひとつです。
なかには、男性看護師が病棟に一人だけの場合もあります。男性看護師には、男性看護師にしかわからない悩みや不安があります。
相談できる男性看護師がいない方は、日本男性看護師会やSNSでのコミュニティなどに参加してみてください。男性看護師と交流を持てると、悩みを共有できて気持ちがスッキリし、働く意欲を持つきっかけになるでしょう。
女性患者からケアを断られることがある
「男性の方はイヤだから、女性の看護師さんを呼んできて」と女性の患者さまからいわれた経験の男性看護師の方は多いはず。
なかには「看護師=女性」と思っている患者さまも多く、男性看護師がケアをすると拒否する患者さまもいます。
たとえば、清拭や陰部洗浄、寝衣交換などは、女性の患者さまが羞恥心を感じて断られる場合もあります。あからさまな態度に、精神的なショックを受ける男性看護師の方がいるかもしれません。
逆に、男性の患者さまからは「男の看護師さんにお願いしたい」といわれることもあります。そのため、女性の患者さまからケアを拒否された際には「異性に対する当たり前の反応」と捉え、女性の看護師に交代することは、患者さまを尊重した対応の一つであると認識することも大切です。
力仕事を任されやすい
力仕事を任されることは、男性看護師にとってよくあることではないでしょうか。
男性看護師といっても、体格や体力は異なるため、力仕事を任されすぎると困ってしまいますね。
「頼まれると断りにくい」「男だから頑張らなければ」と無理をしてしまう方もいるでしょう。
しかし、無理な介助やケアをすることで、患者さまに危害を加える可能性があります。
そのため、対応が難しい時は無理をせず、「体力に自信がないので一緒にやりたい」「腰痛が心配」と断る理由を伝えると、理解されやすいでしょう。
また、介護リフトやさまざまな福祉用具もあるため、看護師と患者さまの安全を担保するためにも、妥当なケア方法をチームで検討することも大切です。
男性看護師が職場内で良好な人間関係を築くポイント
ここでは、男性看護師の方は女性が多い職場のなかで、より良い人間関係を築くポイントを解説します。
- 清潔感のある身だしなみに整える
- 男女で境界をつくらない
- 女性が多い職場である認識を持つ
これら3つのポイントを押さえて、職場でうまくやっていきましょう。
清潔感のある身だしなみに整える
男性看護師が職場内でより良い人間関係を築くためには、清潔感のある身だしなみに整えることが大切です。
これは男女かかわらずいえることですが、身だしなみで良い印象を与えられるようにすると、女性の看護師や患者さまが好感を持って接してくれるでしょう。
身だしなみのほかに、言葉遣いや立ち振る舞いでも丁寧で柔らかい印象を与えられるように注意してください。
男女で境界をつくらない
男性看護師が職場内で良好な人間関係を築くためには、男女で境界をつくらないことが重要です。
男女で境界をつくると「自分は男性だから、女性の業界には馴染めない」と感じて、職場内で孤立する恐れがあるためです。
男女で境界をつくらず、良好な人間関係を築けることが、男性看護師の方にとって働きやすい職場になる第一歩です。
女性が多い職場である認識を持つ
先程、男女で境界をつくらないと解説しました。
ただし、女性が多い職場であるという認識を忘れてはいけません。男性看護師の方に期待される役割やスキルは女性看護師とは異なります。
それらの役割やスキルを早めに理解し、職場でうまくやっていきましょう。
男性看護師の平均年収は高いとはいえない!転職して年収アップを目指そう
男性看護師の平均年収は522万7,200円です。
女性看護師や保健師、准看護師と比べると男性看護師の年収は高いです。ただし、ほかの職種と比べると、男性看護師の年収は低い傾向です。
現在の職場で年収アップが期待できない場合は、転職することも有効な方法といえます。
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参考サイト・文献
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