看護師の足のむくみはなぜ起こる?3つの原因と今すぐできる対策・予防法

「夜勤明けに足がパンパンで靴が履けない」「毎日むくみがひどくて足が重い」
看護師のなかには、足のむくみに悩んでいる方も多いでしょう。看護師は立ち仕事や夜勤など、足がむくみやすい環境で働いています。
この記事では、看護師の足がむくむ原因と、仕事中や勤務後にできる対策や予防法を紹介します。今日からできる方法をいくつか紹介します。むくみを軽減して快適に働くヒントにしてみてください。
看護師の足のむくみの原因3つ
むくみとは、血液中の水分が血管から漏れ出し、皮下組織に過剰にたまった状態です。看護師の足がむくみやすいのは、職業特有の働き方が関係しています。
- 長時間の立ち仕事で血液循環が滞る
- 同じ姿勢が続き下半身に水分がたまる
- 夜勤や不規則勤務で自律神経が乱れる
まずは、上記の原因をみていきましょう。
長時間の立ち仕事で血液循環が滞るため
看護師は病棟での巡回や処置など、立ったまま過ごす時間が長くなります。
本来、ふくらはぎの筋肉がポンプのように働き、血液を心臓に戻しています。しかし、立位のまま過ごす時間が続くと、このポンプ機能が低下し、重力の影響で血液が下半身にたまりやすくなるのです。その結果、心臓への血液の戻りが悪くなり、足にむくみが発生しやすくなります。
同じ姿勢が続き下半身に水分がたまるため
看護師の業務には、立位での処置や巡回だけでなく「カルテ入力」や「書類作成」といった座位でのデスクワークも含まれます。
健康な女性看護師を対象にした研究では、就業10時間後の下腿を測定したところ、腓腹部(ふくらはぎ)や足首の周囲径が2〜5mm増大していました。また、立ち仕事が中心の看護師だけでなく、座り仕事が中心の事務職でも同程度のむくみが確認されています。
このことから、看護師が「同じ姿勢を続けること」も、むくみを引き起こす要因になっているといえます。
夜勤や不規則勤務で自律神経が乱れるため
夜勤や不規則な勤務体制、ストレスが多い環境では、自律神経のバランスを乱しやすくなります。自律神経は血管の収縮や拡張をコントロールしているため、乱れると血液循環や水分代謝が低下します。
その結果、静脈やリンパの流れが滞り、足にむくみが起こることもあるのです。夜勤が続くときや連勤明けに「いつもより足が重く感じる」「むくみがひどい」と感じる場合、こうした自律神経の乱れが影響している可能性があります。
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看護師が仕事中にできる足のむくみ対策
むくみは、疲労感やだるさといった不快な症状を伴うことがあります。こまめにケアすることで、これらの症状への対策ができます。
- かかとの上げ下げをする
- こまめに歩く・動く
- 靴やインソールを見直す
- 着圧ソックスを選ぶ
まずは、上記のような仕事中にできる取り組みから始めてみましょう。
かかとの上げ下げをする
かかとの上げ下げは、立ったまま簡単にできる運動です。エレベーターを待っているときや、ミーティング前の空き時間など、ちょっとした隙間時間におこなうと効果的です。壁や手すりにつかまり、安定した状態でおこなうと、転倒のリスクも減らせます。
「ゆっくりとかかとを上げ、つま先立ちになったあと、またゆっくりとかかとを下ろす」この動作を繰り返すことで、ふくらはぎの筋肉がポンプのように働き、血液を心臓へ戻す手助けをしてくれます。
こまめに歩く・動く
意識的に動くことも、むくみの対策になります。たとえば、検査出しの帰りや病棟間の移動では、エレベーターではなく階段を使うことで、自然と歩く距離を増やせます。
また、座っているときに足首や膝を軽く曲げ伸ばしする、足首をぐるぐる回すといった動作もおすすめです。短時間でも足を動かす意識が、むくみのケアに役立ちます。
靴や中敷きを見直す
立ち仕事が多い看護師にとって、靴選びはむくみ対策の重要なポイントです。長時間履いていても疲れにくく、足に負担がかからない靴を選びましょう。
クッション性のある中敷きを使用すると、足への衝撃が和らぎ、疲労が軽減しやすくなります。サイズが合っていない靴や、歩きにくい靴は避け、足にフィットする履きやすいものを選んでみてください。
着圧ソックスを選ぶ
仕事中に履く靴下も、むくみ対策に影響します。最近では、適度な圧力で血流をサポートする着圧ソックスが人気です。着圧ソックスは、足首から段階的に圧力が変わる設計になっており、血液を心臓へ戻す働きを助けてくれます。
着圧ソックスを使わない場合は、ゴムの跡が残らない程度の締め付けで、通気性の良い素材の靴下を選ぶと快適に過ごせるでしょう。
看護師が勤務後・夜勤明けにできる足のむくみ解消法
足がむくんでしまった場合も、その日のうちにケアすることで、不快感を軽減しやすくなります。勤務後にできる解消法を紹介します。
- 足を高くして休む
- お風呂や足湯で温める
- 軽いマッサージをする
それぞれみていきましょう。
足を高くして休む
心臓より高い位置に足を持ち上げることで、足に溜まった血液や水分が心臓へ戻りやすくなります。
夜勤明けや勤務後は、クッションや枕で足を高くして休みましょう。寝転んで壁に足をもたれかけるのも良い方法です。
勤務後すぐには休めない場合も、就寝時に足元にクッションや枕を置くだけでむくみ対策になります。
お風呂や足湯で温める
夜勤明けや勤務後は、ぬるめのお湯にゆっくり浸かりましょう。熱過ぎるお湯は疲労感を増すこともあるため、心地良いと感じる温度でリラックスしながら温めるのが効果的です。
時間がない場合は、シャワーで足を温めるだけでも効果が期待できます。ふくらはぎから足首にかけて温めることで血管が広がり、血液循環が促進されます。
軽いマッサージをする
勤務後や入浴後に、足首からふくらはぎに向かって、やさしくマッサージすることも効果的です。力を入れ過ぎず、皮膚をやさしくさする程度で十分です。血流が促進され、むくみの軽減が期待できます。
オイルやクリームを使うと、肌への負担が少なく、滑りも良くなります。好きな香りのものを選ぶと、マッサージの時間がより心地よくなるでしょう。
看護師の足のむくみ予防に役立つ生活習慣
日常の習慣を見直すことで、むくみを予防しやすくなります。
- 着圧ソックスを正しく使う
- こまめに水分補給をする
- 塩分の摂り過ぎに注意する
- 十分な睡眠をとる
毎日のちょっとした工夫で、むくみに悩まされにくくなります。
着圧ソックスを正しく使う
先述した通り、着圧ソックスは、働きながら装着できるため、むくみに悩む看護師に便利なアイテムです。正しく使用することで、血液を心臓へ戻す働きをサポートしてくれます。
ただし、締め付けが強すぎると血流を妨げる恐れがあるため、自分の足に合ったサイズを選んでください。また、長時間履き続けると肌に負担がかかることもあります。違和感を覚えたら無理せず脱ぎ、勤務後には足を休ませましょう。
こまめに水分補給をする
水分が不足すると血液の流れが悪くなり、身体の循環機能が低下してむくみにつながることがあります。こまめに水を飲むことを意識しましょう。厚生労働省によると、1日に必要な水分量は、食事以外で約1.2リットルとされています(年齢・活動量・発汗量により前後する)。
とくに夜勤中の看護師は、多くの患者さまを担当するため、)分の水分補給に手が回らないこともあります。しかし、体調を維持するためにも、意識的に水を飲む時間を作りましょう。「申し送り後や休憩前に必ず飲む」のように、タイミングを決めておくと習慣にしやすくなります。
塩分の摂り過ぎに注意する
塩分を摂り過ぎると、体内に水分がたまりやすくなり、むくみにつながることがあります。夜勤中はカップ麺やコンビニ弁当など、手軽に食べられるものに頼ることも多いでしょう。市販の食品は便利ですが、塩分が多く含まれている傾向があります。
バナナやキウイなどの果物を普段の食事に取り入れ、カリウムの摂取を意識すると、体内の塩分バランスを整える手助けになります。また、汁物を控えめにしたり、薄味のものを選んだりする工夫も効果的です。
十分な睡眠をとる
睡眠中は横になることで、足に溜まった血液や水分が心臓に戻りやすくなります。そのため、一時的なむくみは、一晩ぐっすり眠ることで軽減されることが多いでしょう。一方で、睡眠不足が続くと、むくみだけでなく生活習慣病のリスクも高まるとされています。
忙しい毎日の中で、睡眠が足りていないと感じている看護師は、睡眠の優先順位を見直すことをおすすめします。
むくみの改善には、働き方を見直すことも選択肢のひとつです。訪問看護は、日勤のみの勤務形態や、ワークライフバランスが整いやすいなど魅力が沢山あります。転職を考えている看護師は、訪問看護専門の求人サイト「NsPace Career」をチェックしてみてください。
足のむくみが続く看護師は受診も検討しよう
通常のむくみは、休息やケアで改善します。しかし、以下のような場合は、疾患が隠れている可能性もあるため、医療機関への相談を検討しましょう。
- 片側だけがむくむ場合
- 痛みや赤み、熱感がある場合
- 息切れや急な体重増加を伴う場合
- 一晩休んでも改善しない場合
以下で詳しくみていきましょう。
片側だけがむくむ場合
むくみは両足に現れることが多いですが、片側だけがむくむときは要注意です。
長時間同じ姿勢でいたあとに片足だけむくむ場合、深部静脈血栓症を始めとする疾患が隠れている可能性があります。片側のみのむくみが続く際は、医療機関へ相談しましょう。
痛みや赤み、熱感を伴う場合
むくみに加えて、痛みや赤み、熱感を伴うときは、炎症や血栓症を起こしている可能性があります。
このような症状が現れたときは、放置せずに医療機関を受診してください。とくに、急に症状が出現した場合や、痛みが強い場合は注意が必要です。
息切れや急な体重増加を伴う場合
「最近、階段を上ると息切れがする」「数日で体重が増えた」といった変化に、むくみが伴うときは身体に異変が起きている恐れがあります。
これらは心臓や腎臓の機能低下を示しているのかもしれません。足だけでなく、顔や手、まぶたなどにもむくみが広がっている場合は医師に症状を伝えましょう。
一晩休んでも改善しない場合
一般的なむくみは、十分な睡眠をとることで翌朝には軽減することが多いものです。ところが、しっかり休んでも数日間むくみが続く場合は、注意が必要です。
「夜勤続きで疲れているだけ」と自己判断せず、違和感があるときは早めに医療機関へ相談しましょう。内科や循環器科で原因を確認してもらうことで、状態に合った適切な対応やケアにつながります。
関連記事:看護師も健康診断は義務?受ける3つのタイミングと見るべき兆候
看護師の足のむくみに関するよくある質問
看護師の足のむくみについて、よくある質問に回答します。
Q1:看護師の足のむくみはどれくらいで改善しますか?
一時的なむくみであれば、一晩寝ることで改善される場合が多くあります。足を高くして休んだり、マッサージをしたりすることで、翌朝にはむくみが引く可能性があります。
慢性的なむくみが続いている場合は、まず生活習慣を見直してみましょう。水分補給や塩分の調整、十分な睡眠を心がけることで、徐々に改善が期待できます。改善しない場合や、体調に違和感を覚えるときは、医療機関の受診を検討しましょう。
Q2:むくみで体重は何キロ増えますか?
むくみによる体重の変化は、人によって異なります。「いつもより靴がきつい」「足が重い」程度のむくみであれば、体重への影響は小さいかもしれません。
一方で、むくみの程度が強い場合は、体重に反映されることもあります。
Q3:着圧ソックスは夜勤中も履いたほうが良いですか?
夜勤中の着圧ソックスの使用は、むくみ予防に効果的です。
ただし、長時間着圧ソックスを履き続けると、肌に負担がかかったり、締め付けが気になったりすることもあります。可能であれば、休憩時間には一度脱ぎ、足を休ませましょう。
看護師の足のむくみは日々のケアで軽減できる
看護師の足のむくみは、長時間の立ち仕事や夜勤など、職業特有の働き方が原因で起こります。
むくみは放置すると、痛みや一時的な体重変動として現れることもあります。その日のうちにケアすることで、快適に働き続けやすくなるでしょう。
むくみがつらい看護師は、かかとの上げ下げや着圧ソックスの使用、入浴やマッサージなど、できるところから、日々のケアを取り入れてみてください。
<参考文献・サイト>
NsPace Careerナビ 編集部 「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
