臨床輸血看護師とは?資格の概要・取得条件・メリットをわかりやすく解説

公開日:2026/01/15 更新日:2026/01/15
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輸血業務には、さまざまな副作用や合併症があるため、「絶対にミスは許されない」「輸血の指示が出るたびに手が止まってしまう」と不安を感じる看護師も多いでしょう。

臨床輸血看護師は、現場の不安を解消し、専門的な知識やスキルを持つ看護師を認定するための資格です。取得することで、根拠にもとづいた判断ができるようになり、周囲から信頼されるようになります。

この記事では、臨床輸血看護師の資格の概要やメリット、取得するまでの手順などを解説します。「自分はこの資格を取るべきか?」を判断できるようになるため、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

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臨床輸血看護師とは?輸血医療の安全管理を担う看護師

臨床輸血看護師とは、安全で適正な輸血療法をおこなう知識や技術を持つ看護師を育成するために、日本輸血・細胞治療学会が2010年に制度を開始した認定資格です。

看護師は、患者さまの一番近くで観察します。そのため、手順通りにおこなうだけでなく、異常をいち早く察知する判断力が欠かせません。また、この資格を持つ看護師は、医師や臨床検査技師と協力し、輸血を実施する際のリーダーとして活躍しています。

「輸血のスキルを磨きたい」「専門的な立場から後輩を指導したい」と考える方におすすめの資格です。

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臨床輸血看護師を取得するメリット

資格取得には、次のようなメリットがあります。

  • 輸血に対する知識と判断力が身につく
  • 医療安全の専門性として評価されやすい
  • 急性期・手術室・ICUでのキャリアに活きる

職場で信頼が高まり、昇進や転職においてもアピールポイントとなる可能性があります。ですが、いきなり給与や役職が大きく変わる資格ではありません。その点を踏まえたうえで、具体的なメリットを見ていきましょう。

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輸血に対する知識と判断力が身につく

資格を取得すると、輸血についての知識と判断力が身につきます。血液製剤の特性や副作用のメカニズムを正しく理解することで、患者さまのわずかな異変をいち早く察知できるようになるからです。

たとえば、次のような重大な副作用の兆候をバイタルサインや患者さまの様子から読み取り、迅速な処置につなげられます。

  • アレルギー反応
  • 輸血後GVHD
  • 輸血関連急性肺障害(TRALI)

「なぜこの観察が必要なのか」と根拠にもとづいて観察できるようになれば、輸血業務に自信を持って取り組めるでしょう。

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医療安全の専門性として評価されやすい

資格を取得した後は、組織で医療安全のスペシャリストとして評価されます。輸血は1つのミスが重大な医療事故に直結する業務であり、専門資格を持つ看護師の存在は病院にとって安心材料です。具体的には、次のような役割を任されるでしょう。

  • 医療安全委員会への参加
  • 輸血マニュアルの策定や改訂
  • スタッフへの指導や相談対応

ただし、「資格=必ず昇進・昇給」ではありません。評価の方法は病院ごとに異なりますが、「輸血のことで困ったらこの人」と認識される立場になる点は変化といえます。

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急性期・手術室・ICUでのキャリアに活きる

急性期病棟や手術室、ICUといった医療現場で重宝されます。緊急を要する場面や重症管理が必要な環境では、正確かつスピーディーな血液製剤の取り扱いが不可欠です。

たとえば、大量輸血が必要な救急搬送時の対応や、複雑な管理が求められる手術中の輸血など、専門知識が欠かせない場所で活躍できます。「急性期で専門性を持って働き続けたい」「若手指導にも関わりたい」と考える看護師にとって、臨床輸血看護師は現場での存在価値を高める資格です。

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臨床輸血看護師を取得するデメリット・注意点

臨床輸血看護師を取得するメリットが多い一方で、取得前に把握しておくべき現実的な側面もあります。

  • 資格手当が必ずつくわけではない
  • 業務量や責任が増える可能性
  • 取得しても配置や役割が変わらない場合もある

資格取得がすぐに待遇改善へ直結するとは限りませんが、専門知識は現場での信頼につながります。目先のことばかりではなく、自分の目指す将来像に合うかを職場の体制と照らし合わせて挑戦することをおすすめします。

関連記事:看護師がスキルアップできる資格一覧25選!プラスの資格を取るメリット

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臨床輸血看護師になるための条件・取得方法

資格取得には、次のポイントを押さえておく必要があります。

  • 受験資格
  • 試験を受けるまでの流れ
  • 研修や講習の内容
  • 合格率と難易度

認定を受けるには、事前の準備が欠かせません。ステップを着実にクリアして試験に合格できるよう、スケジュールを把握して計画的に進めましょう。

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受験資格

受験するためには次の条件をすべて満たす必要があります。

  • 日本の看護師免許を有していること
  • 輸血治療をおこなっている施設に勤務していること
  • 3年以上の臨床経験があること
  • 所属長と輸血責任医師の推薦が得られていること

実務経験だけでなく、現場の責任者からの推薦が求められるため、日頃から輸血業務に積極的に取り組み、信頼を築いておくことが大切です。まずは自身のキャリアが条件を満たしているか確認しましょう。

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試験を受けるまでの流れ

資格取得には試験に合格する必要があります。実際の流れを次の表にまとめました。

 流れポイント
1受験申請資格の確認日本輸血・細胞治療学会誌に関連書類が掲載されるため、受験資格を満たしているか確認
2受験申請以下の必要な書類を準備し郵送
・学会認定・臨床輸血看護師受験申請書
・業績目録
・推薦書(所属長用、輸血責任医師用)
・証明書貼付用台紙
*いずれも日本輸血・細胞治療学会のホームページからA4サイズでダウンロードして記載

・看護師免許証のコピー
・申請料(1万円)、受験料(1万円)、研修料(1万円)の計3万円を郵便局の振込用紙で振り込み、その受領証をコピー
3講習会と筆記試験・2で郵送した書類をもとに受験資格を審査し通知される
・講習会(1日)と筆記試験(1日)を受ける
4指定施設での1日研修筆記試験合格者(概ね6割以上)は施設で研修を受ける
5合格発表筆記試験と施設での研修を踏まえて、合否判定会議で総合的に判断される
参考:第15回学会認定・臨床輸血看護師 受験申請の手引き(2025年度)|日本輸血・細胞治療学会

2025年の場合、6月に関連書類がホームページに掲載され、7月末まで受験申請を受け付け、11月に講習会と筆記試験がおこなわれました。受験する年によってスケジュールが変わるため、ホームページで情報を確認しておきましょう。

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講習や研修の内容

講習会は、「看護師のための臨床輸血 学会認定・臨床輸血看護師テキスト第3版」をもとにした内容です。輸血療法の指針や考え方、血液製剤の管理などを講義形式で学べます。

また、筆記試験の合格者に対する施設研修は、自施設以外の場所でおこなわれ、講義や輸血療法の見学のほかに、外科や小児科などの症例検討を経験できます。

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合格率と難易度

公表されている直近データを下記の表にまとめました。

年度筆記試験の合格率最終認定率
2019年96.2%92.2%
2021年97.2%90.3%
2022年92.2%94.5%
参考:第10回(2019年度)学会認定・臨床輸血看護師試験の結果|日本輸血・細胞治療学会第11回(2021年度)学会認定・臨床輸血看護師試験の結果|日本輸血・細胞治療学会第12回(2022年度)学会認定・臨床輸血看護師試験の結果|日本輸血・細胞治療学会(2020年は試験中止)

筆記試験、最終認定率いずれも90%を超えています。

ただし、数値上の合格率は高いものの、「誰でも簡単に取れる」という難易度ではありません。試験範囲は輸血学の基礎から症例の検討など幅広く、専門的な理解が求められます。

また、講習の受講や施設での研修が必須であり、多忙な業務の合間を縫って学習時間を確保しなければなりません。そのため、臨床輸血看護師は、入念な準備と高い学習意欲が必要な専門性の高い資格といえます。

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臨床輸血看護師が向いている人の特徴

臨床輸血看護師は、次のような志向を持つ方におすすめの資格です。

  • 急変対応や観察が得意な人
  • 数値・手順・ルール管理が苦にならない人
  • 医療安全に強い関心がある人
  • 多職種連携をスムーズに進めたいと感じている人

これらの特徴に当てはまる方は、資格取得によって自身の強みを最大限に活かせるはずです。専門性を武器に現場の安全を支えることで、やりがいを持って業務に臨めるでしょう。

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臨床輸血看護師についてよくある質問

臨床輸血看護師の資格取得を検討する際、多くの看護師が抱く疑問をQ&A形式でまとめました。疑問を解消し、納得してからチャレンジしましょう。

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Q1:臨床輸血看護師の資格は転職に有利になりますか?

急性期病院や血液内科、手術室がある医療機関への転職では、とくに有利になります。輸血安全の専門知識を持つ人材は、医療事故防止の観点からどの病院も求めているからです。

面接で「医療安全に貢献できるスペシャリスト」としてアピールできれば、即戦力として高く評価されるでしょう。

関連記事:看護師資格が使える珍しい求人25選!自宅でできる仕事やメリット

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Q2:臨床輸血看護師の研修施設はどこにありますか?

学会認定・臨床輸血看護師教育のために適当と認めた施設(病院)を、学会認定・臨床輸血看護師制度指定研修施設として認定しています。

最新の開催スケジュールや会場については、学会の公式ホームページをチェックすることをおすすめします。

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Q3:臨床輸血看護師を勉強する方法はありますか?

学会が編集している「看護師のための臨床輸血 学会認定・臨床輸血看護師テキスト第3版」を中心に学習するのが効率的です。

試験問題はこのテキストの内容に沿って出題されるため、繰り返し読み込むことが合格への近道といえます。また、日本輸血・細胞治療学会のホームページに掲載されている指針やガイドラインにも目を通しておきましょう。

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臨床輸血看護師は「輸血に強い看護師」になりたい人の選択肢!

臨床輸血看護師は、患者さんの命に直結する輸血医療の安全性を支える専門資格です。輸血に関する深い知識と判断力を身につけることで、現場での不安を自信に変え、医療チームから信頼される存在を目指せます。

試験の合格率は90%以上で推移していますが、決して簡単な資格ではありません。輸血学の基礎から副作用対応、症例理解まで幅広い学習が求められます。ただし、その取得過程で得られる専門知識や根拠に基づく判断力は、看護師としての確かな強みとなります。

今の経験や専門性を活かしながら、より自分らしい働き方を実現したいと考えている方は、看護師のキャリアに特化したNsPaceCareerで理想の求人を探してみませんか。輸血分野の知識や医療安全への意識を正当に評価してくれる職場と出会える可能性が広がります。

<参考サイト・文献>

学会認定・臨床輸血看護師について|日本輸血・細胞治療学会

輸血の副作用|日本赤十字社

第15回 学会認定・臨床輸血看護師 受験申請の手引き(2025年度)|日本輸血・細胞治療学会

学会認定・臨床輸血看護師制度 病院研修カリキュラム|日本輸血・細胞治療学会

第10回(2019年度)学会認定・臨床輸血看護師試験の結果|日本輸血・細胞治療学会

第11回(2021年度)学会認定・臨床輸血看護師試験の結果|日本輸血・細胞治療学会

第12回(2022年度)学会認定・臨床輸血看護師試験の結果|日本輸血・細胞治療学会

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