看護師の業務従事者届とは?提出が必要な人・書き方・期限について解説

「業務従事者届は私も出さないといけないの?」「いつまでに出せば良いの?」
業務従事者届は2年に1度の提出であるため、記憶があいまいになりがちです。提出の目的や自分が対象者であるのか、と戸惑う方もいるでしょう。
この記事では、業務従事者届の基本情報や提出方法、記入時の注意点について解説します。必要な情報を押さえておくことで、慌てずに対応できるようになります。転職や復職を控えている看護師も、ぜひ参考にしてください。
看護師の業務従事者届とは?全国の看護職の実態を把握するための制度
業務従事者届は、全国の看護職がどこでどのように働いているかを把握するための制度です。次のポイントを押さえておきましょう。
- 2年に1度の提出が義務
- 法律により規定
まずは制度の基本について確認していきます。
2年に1度の提出が義務
看護師の業務従事者届は、保健師、助産師、看護師、准看護師を対象に、2年に1度の提出が法律で義務づけられています。偶数年の12月31日時点の勤務状況を報告します。
法律により規定
業務従事者届は、医療関係職種ごとに法律で規定されており、看護職の場合は、保健師助産師看護師法第33条にもとづいて届出します。
この制度により、全国の看護職の人数、勤務先の種類、雇用形態などの実態が把握されます。集計された結果は、看護師の配置計画や処遇改善を検討する際の基礎資料として活用されるのです。
看護師に業務従事者届の提出が必要なケース
業務従事者届の提出が必要になるのは、実際に看護業務に従事している場合です。具体的には次のケースが該当します。
- 常勤・非常勤を問わず看護業務に従事している場合
- 転職や異動をした場合
- 複数の職場で勤務している場合
それぞれ見ていきましょう。
常勤・非常勤を問わず看護業務に従事している場合
病院、クリニック、介護施設、訪問看護ステーションなどで看護業務に従事している看護師は、雇用形態にかかわらず、業務従事者届を提出します。正職員はもちろん、パートタイマーや派遣、契約社員として働いている場合も対象となります。
提出には、勤務日数は問われません。たとえば、週に1日だけの勤務であっても、12月31日時点で看護業務に従事していれば届出が必要です。
転職や異動をした場合
転職や系列施設へ異動した年も、業務従事者届の提出対象となります。
1年の途中で別の病院に転職した場合、12月31日時点で勤務している職場の情報を記載して提出します。
複数の職場で勤務している場合
複数の職場で勤務している看護師は「おもな従事先」で届出をおこないます。「おもな従事先」とは「勤務時間や勤務日数が最も多い職場」のことです。
たとえば、週3日間病院で、週1日のみクリニックで勤務している場合は、病院が「おもな従事先」となります。判断に迷う場合は、勤務先の担当者に相談しましょう。
関連記事:看護師免許の更新は必要?どこで更新すべきか、働いていない場合の対応も解説
看護師の業務従事者届の提出期限と頻度
業務従事者届には提出期限があります。期限を過ぎないよう、次のポイントを確認しておきましょう。
- 偶数年の12月31日時点の状況を届け出る
- 提出期限は翌年の1月15日まで
それぞれ解説します。
偶数年の12月31日時点の状況を届け出る
業務従事者届は、2年に1度、偶数年の12月31日時点での勤務状況を報告します。令和8年(2026年)の届出では、2026年12月31日時点の状況を報告することになります。
12月31日時点で「どこで働いているか」「どのような雇用形態か」などの情報を記載しましょう。
提出期限は翌年の1月15日まで
業務従事者届の提出期限は、法律で翌年の1月15日までと定められています。令和8年(2026年)の届出であれば、令和9年1月15日が提出期限です。
職場で取りまとめて提出する場合は、施設ごとに独自の締め切りが設定されていることがあります。職場からの案内があった際は、その期日に従って提出しましょう。
看護師の業務従事者届の提出先と提出方法
業務従事者届の提出方法は、自治体や勤務先によって異なります。
- 職場でまとめて提出する場合は担当者の指示に従う
- 個人で提出する場合は保健所または指定窓口へ郵送・持参する
- 勤務していない場合は提出不要
状況別の提出方法を紹介します。
職場でまとめて提出する場合は担当者の指示に従う
多くの医療機関や介護施設では、人事課や総務課などの担当部署が看護師の業務従事者届をまとめて提出してくれます。この場合は、担当者から案内や締め切りの連絡があるため、期限内に必要事項を記入して提出しましょう。
提出先は、勤務先がある都道府県の保健所または自治体が指定する窓口です。職場によっては、オンラインでの電子申請に対応している場合もあります。
個人で提出する場合は保健所または指定窓口に提出する
職場でまとめて提出しない場合は、個人で書類を提出する必要があります。提出先は、勤務先がある都道府県の保健所または指定窓口です。
届出用紙は都道府県の保健所窓口で入手できるほか、都道府県の公式ホームページでダウンロードできる場合もあります。お住まいの都道府県での提出方法を確認しておきましょう。
勤務していない場合は提出不要
看護師免許を持っていても、12月31日時点で看護業務に従事していない場合は、業務従事者届の提出は不要です。
ただし、看護師免許を持ちながら働いていない方は、都道府県のナースセンターへの届出が推奨されています。次のいずれかに該当する場合は、ナースセンターへの届出(努力義務)の対象となります。
- 病院、診療所、介護施設、訪問看護ステーションなどを離職した場合
- 看護職としての業務に従事しなくなった場合
- 免許取得後、すぐに就業しない場合
ナースセンターへの届出は、復職を希望する際の就業支援や研修情報の提供などのサポートを受けるための制度です。将来的に看護師として働くことを考えている方は、届出をしておきましょう。
看護師の業務従事者届の書き方と注意点
業務従事者届を正確に記入するには、いくつかの注意点があります。
- 氏名・生年月日・免許番号を正確に記入する
- 従事先の情報を記載する
- 雇用形態や従事状況を記入する
- 記入漏れや誤字に注意し提出前に再確認する
これらを意識することで、スムーズに手続きを完了できます。
氏名・生年月日・免許番号を正確に記入する
氏名、生年月日、免許番号は、看護師免許証を見ながら正確に記入してください。取得している保健師、助産師、看護師、准看護師免許の登録内容をすべて記載します。
免許番号は、数字を1文字でも間違えると、データの照合ができなくなるため注意が必要です。
従事先の情報を記載する
勤務先の施設名、所在地、電話番号などを正確に記入します。施設名は略称ではなく、正式名称を記載してください。複数の職場で勤務している場合は、おもな従事先の情報を記載します。
雇用形態や従事状況を記入する
雇用形態の欄では「正規雇用」「非正規雇用」「派遣」のいずれかを選択します。
常勤換算の欄で「フルタイム労働者」または「短時間労働者」を選び、短時間労働者を選んだ場合は、常勤換算した数値を記入します。
認定看護師などの資格を持っている場合は、特定行為研修の修了状況や領域別パッケージ研修についても記入しましょう。
記入漏れや誤字に注意し提出前に再確認する
提出前には、すべての項目に記入されているか、誤字や数字の間違いがないかを確認しましょう。
とくに、免許番号や勤務先の電話番号などの数字は、間違えやすい部分です。落ち着いて見直し、正確に記入しているか確認してから提出してください。
看護師が転職・復職した場合の業務従事者届
転職や復職をした看護師が、業務従事者届をどのように扱うべきか確認しておきましょう。
- 転職した年も届出対象になる
- 育休中・育休復帰した年も提出する
上記2つのケースについて解説します。
転職した年も届出対象になる
年の途中で転職した場合でも、12月31日時点で勤務している職場の情報を記載して提出します。たとえば、偶数年の4月に転職したケースでは、新しい職場の情報を届け出ることになります。
転職により、勤務する都道府県が変わった場合は、新しい勤務先のある都道府県の保健所へ提出します。転職前の都道府県に提出する必要はありません。
育休中・育休復帰した年も提出する
育児休業中であっても、施設を退職していない限り(雇用契約が継続している限り)、業務従事者届の提出が必要です。12月31日時点で育休中の場合は、所属している職場を届出ます。
また、育休から復帰した年が偶数年だった場合も、ほかの職員と同様に提出が必要です。
看護師が業務従事者届の提出を忘れた場合の影響と対応
提出を忘れてしまった場合、どのような影響があるのか気になる看護師もいるでしょう。
- 法律上は罰則規定がある
- 統計に反映されず看護師全体に影響する可能性がある
- 提出忘れに気づいた時点で速やかに提出する
上記の影響について、それぞれ解説します。
法律上は罰則規定がある
業務従事者届を提出しなかった場合、法律上は50万円以下の罰金が設けられています。実際に適用されるケースは多くありませんが、提出義務がある以上、期限内に提出することが求められます。
統計に反映されず看護師全体に影響する可能性がある
業務従事者届の集計結果は、看護師の配置計画や処遇改善の検討材料として活用されます。
提出漏れが多いと統計データが不正確になり、看護職の実態を正しく把握できなくなります。その結果、適切な人員配置や待遇改善の施策が遅れる可能性もあるでしょう。一人ひとりの届出が、看護職全体の環境改善につながります。
提出忘れに気づいた時点で速やかに提出する
提出期限を過ぎてしまった場合でも、多くの自治体では受けつけてもらえます。提出忘れに気づいたら、すぐに勤務先の都道府県の保健所に連絡して、提出方法を確認しましょう。
期限後でも提出できる期間や方法は自治体によって異なるため、まずは問い合わせることをおすすめします。
看護師の業務従事者届についてのよくある質問
業務従事者届について、よくある質問に回答します。
Q1:業務従事者届の提出先はどこですか?
業務従事者届の提出先は、勤務先がある都道府県の保健所または指定窓口です。
多くの場合、職場がまとめて提出してくれますが、個人で提出する必要がある場合は、都道府県の公式ホームページで提出先を確認しましょう。
Q2:業務従事者届の書き方がわからない場合はどうすれば良いですか?
まずは勤務先の人事課や総務課などの事務担当者に相談しましょう。担当者が記入方法を案内してくれます。
個人で提出する場合は、勤務先の都道府県の保健所に問い合わせると、記入例を教えてくれます。都道府県のホームページでも、記入例を公開しているところがあるので確認してみてください。
Q3:業務従事者届は誰が出すものですか?
業務従事者届は、看護業務に従事している看護師本人が提出する義務があります。
職場がまとめて提出する場合でも、届出内容の正確性については本人に責任があります。そのため、職場から案内があった際は、記入内容をしっかり確認してから提出しましょう。
関連記事:看護師免許の再発行手続きガイド!必要な手続きと期間をわかりやすく解説
看護師は業務従事者届を忘れずに提出しよう
業務従事者届は、2年に1度の法的義務です。提出方法や提出先は都道府県ごとに異なるため、勤務先からの案内や都道府県のホームページで事前に確認しておきましょう。
業務従事者届の提出を機会に、今後のキャリアや働き方について考えるのも良いでしょう。夜勤のない働き方や、患者さま1人ひとりにじっくり向き合える環境に興味がある方は、訪問看護という選択肢もあります。訪問看護専門の求人サイトNsPaceCareerでは、さまざまな求人情報や働き方のヒントを見つけられます。ぜひチェックしてみてください。
<参考文献・サイト>
医療従事者による2年に一度の届出(三師届・業務従事者届)について|厚生労働省
NsPace Careerナビ 編集部 「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
