看護師のリアルな年収とは?年代・職場・地域・性別・雇用形態別に紹介

「看護師のリアルな年収っていくら?」「看護師の仕事はきついから、この給料は割に合わない!」
このように感じている看護師の方もいるのではないでしょうか。
世間一般では「看護師は高給取り」のイメージが強いですが、それは本当なのでしょうか。看護師のリアルな年収やその内訳、給料が割に合わないと感じる理由などをくわしく解説します。
ほかの職場の年収を知り、現在の年収が低ければ転職を検討することも一手です。この記事が、看護師の年収について悩みや不安を抱える看護師の方の助けになれると幸いです。


看護師の年収のリアル|平均年収は519万7,000円
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、看護師のリアルな平均年収は519万7,000円です。
ここから税金や社会保険料が引かれ、平均390万~420万円が手取り年収となります。ただし、病院の規模や地域などによって大きく変動する点に注意が必要です。
看護師の月収のリアル|平均月収は36万円3,500円
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、看護師のリアルな月収は36万3,500円です。
この月収には夜勤手当や住宅手当をはじめ、通勤手当や扶養手当などのさまざまな手当が含まれています。
この金額は、地域や経験年数、勤務先によって大きく変動します。たとえば、都市部の病院や専門性の高い部署では、月収アップが期待できるでしょう。
看護師のリアルな月収のピーク|55~59歳
看護師のリアルな月収のピークは55~59歳で、平均月収は46万9,000円です。
年代 | 月収 |
20~24歳 | 32万5,000円 |
25~29歳 | 37万7,000円 |
30~34歳 | 39万円 |
35~39歳 | 40万1,000円 |
40~44歳 | 42万円 |
45~49歳 | 44万5,000円 |
50~54歳 | 46万円 |
55~59歳 | 46万9,000円 |
60~64歳 | 40万3,000円 |
65~69歳 | 34万9,000円 |
70歳上 | 32万9,000円 |
参照元:図表1-2-25 看護師の年齢階級別平均賃金(役職者含む)(月収換算)
60歳で定年退職し再雇用契約となるケースが多いため月収は下がるものの、それまでは右肩上がりで55~59歳まで下がりません。ほかの職種と同じように、看護師の給与は年功序列の給与体系といえるでしょう。
看護師のリアルな年収の内訳
ここでは、看護師のリアルな年収の内訳を以下の4つにわけて紹介します。
- 基本給
- 夜勤手当
- 時間外勤務手当
- 賞与
それぞれのポイントを把握し年収アップを目指しましょう。
看護師の基本給
看護師の基本給は、日本看護協会が公開している「看護職の給与に関するデータ」の通りです。
平均額 | ||
高卒+3年課程卒の新卒看護師 | 基本給与額 | 20万3,276円 |
税込給与総額 | 26万3,711円 | |
大卒の新卒看護師 | 基本給与額 | 20万9,616円 |
税込給与総額 | 27万1,730円 | |
勤続10年の看護師 (31~32歳、非管理職) | 基本給与額 | 24万6,770円 |
税込給与総額 | 32万4,446円 |
新卒看護師の基本給は20万円前後です。一般的に、税込給与総額のことを月収といい、ここから税金や社会保険料が引かれたあと「手取り」として振り込まれます。
転職を検討する際には、基本給は必ずチェックしてください。
というのも、基本給は賞与や時間外勤務手当などに影響するためです。一般的に、賞与は「基本給×◯ヶ月分」とされるところが多く、賞与や時間外勤務手当などを決める元の金額が基本給とするケースがほとんどであるためです。
基本給が低いものの、各種手当が高くなっているため月収が上がるケースがあります。このケースでは、賞与や時間外勤務手当が低くなる傾向であるため、結果として年収は低くなるでしょう。
看護師の夜勤手当
看護師の給料のうち、夜勤手当は大きな割合を占めます。以下の表を見てください。
勤務 | 手当の平均額 |
3交代(準夜) | 4,154円 |
3交代(深夜) | 5,122円 |
2交代 | 1万1,286円 |
2交代で夜勤をしている場合では1回あたり1万1,286円の夜勤手当が入ります。
ただし、病院や施設によっては1回あたり2万~3万円を超えるところもあります。夜勤手当や夜勤の回数により月収が10万円単位で変わる可能性があるため、転職する際には夜勤手当のチェックも忘れないようにしましょう。
看護師の時間外勤務
看護師の時間外勤務は以下の表を参考にしてください。
前月の時間外勤務 | 割合 |
なし | 7.4% |
5時間未満 | 28.5% |
5~10時間未満 | 22.4% |
10~20時間未満 | 22.3% |
20~30時間未満 | 10.4% |
30~40時間未満 | 4.4% |
40~50時間未満 | 3.1% |
50~60時間未満 | 0.8% |
60~70時間未満 | 0.3% |
70~80時間未満 | 0.1% |
80時間以上 | 0.3% |
出典元:医療労働|日本医療労働組合連合会
前月の時間外勤務は「なし」と回答した看護師が7.4%(2,564人)です。
一方で、一般的に過労死ラインとされる「60時間以上」と回答した看護師は0.7%(253人)いることがわかります。
さらに、この時間外勤務には就業前の時間をカウントしていないケースや時間外勤務をしているにもかかわらず認められないもしくは、申請していないケースがあるかもしれません。
看護師の時間外勤務のリアルはもっと深刻である可能性があります。時間外勤務が長くなると、体調が悪化する恐れがあるため、転職したり退職したりして現在の職場から離れることが大切です。
看護師の賞与
看護師のリアルな賞与は年間86万2,100円です。
通常は夏、冬と年間2回にわけて賞与が支給されます。1回あたりの賞与は43万円1,050円が相場です。夜勤手当と同じように、賞与は病院や施設により大きく異なります。
額面年収と手取り年収との違い
額面年収と手取り年収は、看護師の給与を理解するうえで重要な違いがあります。
額面年収は、基本給と各種手当、残業代、賞与などを含んだ、会社から支給される総支給額です。一方、手取り年収は、額面年収から社会保険料(健康保険、厚生年金など)や所得税、住民税などが差し引かれた分であり、実際に受け取る金額です。
病院や施設に勤めている看護師の場合、これらの税金や社会保険料は必ず差し引かれるため、額面年収がそのまま手元に残るわけではありません。

看護師のリアルな年収【年代別】
ここでは、看護師の年収のリアルを年代別に紹介します。
- 20代看護師
- 30代看護師
- 40代看護師
それぞれの年収の実態をみていきましょう。
20代看護師のリアルな年収
20代看護師の方の平均年収は約414万円です。
さらに、詳しくみると20代前半の平均年収は約400万円、20代後半は約477万円です。
20代前半と比較すると、以下の要因により20代後半では平均年収が約80万円増加しているといえます。
- 年功序列の給与体系
- プリセプターとして新人看護師の指導
- リーダー業務の導入
- 委員会でのリーダー(褥瘡委員会や感染委員会)
20代前半で就職してさまざまな経験を積み重ね、役割が増えていくことで20代後半での年収のアップが期待できます。
30代看護師のリアルな年収
30代看護師の方の平均年収は約492万円です。
30代前半と後半でわけると、30代前半の平均年収は約478万円、30代後半の平均年収は約505万円と約30万円の差があります。
30代後半になると年収500万円に到達します。30代後半で管理職に就き始めたり、病棟内で重要な役割についたりするためです。
ただし、30代は結婚や出産などライフイベントが変化しやすい時期であるため、30代のなかでも年収に差が生じやすいです。
40代看護師のリアルな年収
40代看護師の方の平均年収は約547万円です。
40代前半と後半それぞれをみると、40代前半の平均年収は約529万円、40代後半の平均年収は565万円です。40代になると管理職になる看護師の割合が増え、なかには看護師長になる方もいます。
ただし、30代と同様に40代も子育てにより時短勤務に変わったり、介護で一時的に仕事から離れたりすることもあるため年収に影響する恐れがあります。
看護師のリアルな年収【地域別】
看護師の年収は、勤務する地域によって大きく異なります。これは、地域の物価や医療機関の数、看護師の需要と供給のバランスが影響するためです。一般的に、都市部の方が年収は高い傾向にあります。
都道府県 | 平均年収 |
北海道 | 512万3,400円 |
青森県 | 471万3,400円 |
岩手県 | 513万700円 |
宮城県 | 538万3,700円 |
秋田県 | 513万8,200円 |
山形県 | 507万6,200円 |
福島県 | 471万3,100円 |
茨城県 | 503万2,500円 |
栃木県 | 527万2,800円 |
群馬県 | 538万7,800円 |
埼玉県 | 511万3,600円 |
千葉県 | 510万600円 |
東京都 | 568万9,100円 |
神奈川県 | 546万2,600円 |
新潟県 | 508万2,300円 |
富山県 | 510万9,000円 |
石川県 | 491万3,500円 |
福井県 | 500万1,900円 |
山梨県 | 517万7,300円 |
長野県 | 514万7,400円 |
岐阜県 | 479万6,400円 |
静岡県 | 521万7,000円 |
愛知県 | 542万1,000円 |
三重県 | 505万6,000円 |
滋賀県 | 519万5,100円 |
京都府 | 564万200円 |
大阪府 | 559万8,300円 |
兵庫県 | 513万3,400円 |
奈良県 | 542万7,300円 |
和歌山県 | 506万2,200円 |
鳥取県 | 480万8,700円 |
島根県 | 482万7,100円 |
岡山県 | 489万900円 |
広島県 | 509万4,600円 |
山口県 | 509万9,200円 |
徳島県 | 482万8,700円 |
香川県 | 497万3,400円 |
愛媛県 | 460万8,000円 |
高知県 | 489万9,500円 |
福岡県 | 471万9,700円 |
佐賀県 | 464万7,900円 |
長崎県 | 500万1,200円 |
熊本県 | 467万8,400円 |
大分県 | 446万7,100円 |
宮崎県 | 433万7,100円 |
鹿児島県 | 426万9,100円 |
沖縄県 | 443万4,400円 |
都道府県ごとの平均年収を見ると、東京都や神奈川県などの首都圏、大阪府や愛知県といった大都市圏は、全国平均よりも高い年収水準です。
看護師のリアルな年収【職場別】
看護師の年収は、勤務する職場によっても大きく異なります。これは、職場の規模や提供する医療の種類、経営形態などが影響するためです。
- 総合病院看護師のリアルな年収
- クリニック看護師のリアルな年収
- 企業看護師のリアルな年収
- 訪問看護師のリアルな年収
それぞれのリアルな年収を見ていきましょう。なお、こちらで提示している年収は月収を12ヶ月分した額であり、賞与や時間外勤務手当などは含まないため、あくまでも目安としてください。
総合病院看護師のリアルな年収
総合病院の看護師のリアルな年収は具体的な金額は不明ですが、高い傾向にあります。これは、夜勤や残業が多く、専門的な知識やスキルが求められるためです。
また、規模の大きい病院や、急性期病棟や救急外来といった多忙になりやすい部署では手当が充実しているため、年収も高くなるでしょう。
クリニック看護師のリアルな年収
日本看護協会「日本看護協会調査研究報告 No.98(2021)」によると、クリニック看護師の月収は35万4,563円です。リアルな年収は、425万4,756円と推測できます。
クリニックでは夜勤がなく、残業が少ないため、看護師の年収は低い傾向にある一方で、ワークライフバランスを重視したい方にとっては、働きやすい環境といえるでしょう。
関連記事:クリニック看護師の仕事内容4つ!診療科別の仕事内容とメリットを紹介
企業看護師のリアルな年収
企業看護師は、一般企業の医務室や健康管理室などで働く看護師のことであり、リアルな年収は、比較的高い水準といわれています。
これは、一般的な企業と同様に、年功序列や成果主義が導入されている場合があるためです。夜勤がほとんどなく、土日祝日が休みのケースも多いため、家族との時間や趣味の時間を確保しながら高収入を得たい方には魅力的な選択肢です。
訪問看護師のリアルな年収
日本看護協会「日本看護協会調査研究報告 No.98 2021」によると、訪問看護師の月収は36万7,775円です。リアルな年収は、441万3,300円と考えられます。
訪問看護師の年収は、勤務する事業所によって変動します。専門的なケアを提供し、利用者さまに合わせた対応が求められるため、高い年収を得られる場合があります。インセンティブ制度を導入している事業所であれば、努力次第で収入を増やせるのが魅力です。
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看護師のリアルな年収【雇用形態別】
看護師の年収は、雇用形態によっても大きく異なります。これは、正社員、派遣、パートそれぞれで、給与体系や手当の有無が異なるためです。それぞれを詳しく見ていきましょう。
正社員看護師のリアルな年収
日本看護協会「日本看護協会調査研究報告 No.98 2021」によると、正社員看護師の月収は38万4,745円です。リアルな年収は明らかになっていないものの、正社員看護師は安定した雇用形態であり、平均年収もほかの雇用形態に比べて高い傾向にあります。
その理由は、夜勤手当や時間外勤務手当などが加算され、年収も高くなると考えられるからです。
正社員看護師は、昇給や昇進の機会もあり、長期的なキャリア形成を見据える方にはおすすめの働き方といえるでしょう。
派遣看護師のリアルな年収
派遣看護師は、時給が高い傾向にありますが、賞与やさまざまな手当が見込めないため、正社員看護師より年収は低い場合が多いです。
しかし、派遣看護師は、自分の希望する期間や時間で働くことができ、特定のスキルを活かして高時給を得られる場合もあります。
短期で集中して稼ぎたい方や、さまざまな職場で経験を積みたい方に向いています。
パート看護師のリアルな年収
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、パート看護師のリアルな年収は、217万8,439円とされています。
パート看護師は時給制で働くことが多く、年収はほかの雇用形態に比べて低い傾向にあります。
勤務時間や日数に融通が利きやすく、扶養内で働きたい方や、プライベートとの両立を重視したい方に選ばれることが多いようです。
看護師の年収のリアル【性別】
次に、看護師の年収のリアルを性別で解説します。看護業界は女性が多く、その割合は全体の91.4%を占めます。それぞれの年収は以下の通りです。
- 男性看護師:約518万円
- 女性看護師:約496万円
看護師は男女で業務内容に大きな差はありません。
ですが、平均年収は男女で約20万円の開きがあります。というのも、男性看護師に比べて女性看護師は出産や子育てなどのライフイベントによる影響を受けやすいためです。
男性の子育てについてメディアで取り上げられたり、国の施策として男性の育休が推進されたりしていますが、依然として女性のほうが子育てによる影響を受けやすいといえます。
その結果、男性看護師と女性看護師で年収の差が生じています。
看護師のリアルな年収は高すぎる?ほかの職種との比較
「看護師の年収は高すぎる」「給与が高いからうらやましい」など世間の声を聞いたり、知人から言われたりしたことがある看護師の方は多いのではないでしょうか。
国税庁の調査によるとほかの職種の平均年収は461万円とされています。一方で、看護師の平均年収は508万1,300円であるため、看護師の年収はほかの職種のよりも約40万円高いといえます。
ただし、看護師の方のなかには「業務量に対して、この給料では割に合わない」と感じる方もいるでしょう。看護師の給料が割に合わないと感じる理由については、次の見出しで解説するため、看護師の年収のリアルを知りたい方はぜひ参考にしてください。
看護師の給料が割に合わないと感じる4つの理由
ここでは、看護師の給料が割に合わないと感じる理由を解説します。
- 夜勤の負担
- 医療事故へのプレッシャー
- 常に時間に追われる精神的な負担
- 患者さまからのクレーム
それぞれの理由をみていくと、看護師の年収のリアルな実態を知ることができるでしょう。
1.夜勤の負担
病院や施設に勤務する看護師に欠かせない夜勤業務ですが、訪問看護ステーションで働く看護師はオンコール業務が求められます。
夜勤やオンコール業務だけではなく、看護師は残業も多いことから勤務時間が不規則になりがちです。その分の手当がつき年収アップが期待できますが、からだへの負担が大きくなかには体調を崩す看護師の方もいるでしょう。
さらに、看護師は自己研鑽として業務時間外に研修に行ったり、学習会に参加したりする機会も多いです。
しんどい、きついと感じることが増えると「こんなに頑張っているのに給料が低い」と不満に思っても無理はありません。
2.医療事故へのプレッシャー
看護師は常に命にかかわる仕事をしているため、責任が重大です。これは新卒の看護師、ベテランの看護師問わず感じていることでしょう。
とくに、医療事故へのプレッシャーを感じている看護師の方は少なくないはずです。
厚生労働省が公開した「看護職員就業状況等実態調査結果」によると、看護職員以外として働きたい理由で最も多いのは「他分野への興味」が45.9%。次いで、「責任の重さ・医療事故への不安があるため」が37.3%と続きます。
裁判に発展した場合は、民事責任や刑事責任に問われることがあり、ときには損害賠償を請求されることもあるため、看護師はプレッシャーを感じやすく負担は大きいといえるでしょう。
3.常に時間に追われる精神的な負担
看護師は常に時間に追われながら働いています。たとえば、病棟勤務の場合で以下のようなケースが考えられます。
- 8:30に検査への搬送
- 9:15に点滴の投与
- 10:00に清潔ケア
- 10:30に退院指導と、次の入院のベッド準備
- 11:30に昼食の配膳と食事介助
- 12:00に手術室への搬送
ほんの一例にすぎませんが、午前中だけでも非常に多くの業務を行っています。ほかにも多くの業務を時間に追われながら対応しています。担当する患者さまが増えると、時間に追われる機会が増え、おのずと看護師の負担も大きくなるでしょう。
これらの精神的な負担があるため、給料が見合わないと感じる看護師の方がいます。
4.患者さまからのクレーム
、看護師は患者さまからのクレームを受けることもあります。
患者さまにケアする機会が多かったり「本当は先生に言いたいけど、先生には申し訳なくて言えない」と考える患者さまもいて、看護師に相談することも多いためです。
看護師に対するクレームだけではなく、医師の治療方針や病院の設備、ほかの職種へのクレームも看護師が窓口となることがあり、負担に感じる看護師は多いかもしれません。
患者さまのクレームを受ける機会があると、負担も大きくつらい気持ちにもなるため「給料が安すぎる」と感じることもあるかもしれません。
看護師で年収1,000万円を達成するのは難しい?
看護師として年収1,000万円を達成することは、現実的には難しい目標です。これは、一般的な病院勤務における給与体系が、基本給と各種手当、賞与によって構成されており、昇給にも限界があるためです。
ただし、不可能というわけではありません。自身のキャリアを真剣に見つめ直し、どのような選択肢があるのかを検討することが大切です。
夜勤回数を増やして効率的に収入アップ
夜勤回数を増やすことは、看護師が効率的に収入をアップさせるための直接的な方法です。
夜勤には通常の勤務よりも高い手当が支給されるためです。多くの病院では、深夜勤務手当や危険手当などが加算され、日勤のみの勤務に比べて月収が大きく変わります。月に数回夜勤に入るだけでも、年間で数十万円の収入アップが見込めます。
ただし、夜勤は体力的・精神的な負担が大きくなるため、健康状態やライフスタイルを考えて、無理のない範囲で調整することが重要です。
給与水準の高い職場・施設へ転職を検討する
年収アップを目指すなら、給与水準の高い職場や施設への転職を検討するべきです。
医療機関の種類や規模によって、給与体系が大きく異なるためです。一般的に、次のような病院は、中小病院やクリニックと比較して給与水準が高い傾向にあります。
- 大学病院
- 総合病院
- 特定機能病院
これは、経営規模が大きく、手当や福利厚生が充実しているためです。
給与水準の高い職場へ転職することは、長期的なキャリア形成において、安定した高収入を目指すための有効な手段といえます。
専門スキルを磨き、資格取得や昇進を目指す
専門スキルを磨き、資格取得や昇進を目指すことは、看護師が年収を上げるための重要な戦略です。
専門看護師や認定看護師といった資格は、特定の分野の知識とスキルを証明するもので、資格手当が支給されるだけでなく、専門性の高い業務を任され、キャリアアップにつながる可能性が高くなります。
また、主任や看護師長といった管理職への昇進も、役職手当が加算されるため、年収アップに大きく貢献します。
自身の専門性を高め、積極的に資格取得や昇進を目指すことで、年収を上げられるでしょう。
病院以外で副業・兼業にチャレンジする
病院以外で副業や兼業にチャレンジすることは、看護師が年収を増やすための新たな選択肢です。
近年は、副業を許可する病院も増えており、スキルや知識を活かして収入を得られます。
たとえば、看護師の知識を活かしてライターになったり、オンラインでの健康相談サービスを提供したりなどが考えられます。また、介護施設での単発アルバイトや、健診センターでの短期派遣なども、始めやすい副業といえるでしょう。
これらの副業は、時間の融通が利きやすく、自身のペースで働けるメリットがあります。
特定の診療科や専門分野に特化して市場価値を高める
特定の診療科や専門分野に特化することは、看護師が市場価値を高め、結果として年収アップにつながる有効な手段です。
具体的には、手術室看護師やICU看護師、透析看護師など特定の医療分野では専門性の高い看護師が求められます。これらの分野は、通常の病棟業務とは異なる特殊なスキルや知識が必要とされるため、その専門性が給与に反映されやすい傾向にあります。
特定の診療科や専門分野に特化できると、替えの効かない存在となり、高収入の道が開けるでしょう。
看護師の年収の実態を知って収入アップできる職場で働こう!
看護師のリアルな年収は平均519万7,000円です。
ほかの職業と比較すると看護師の平均年収は高く、年収のピークを迎える55~59歳まで上がり続ける傾向です。
ただし、病院や施設により大きく異なる現状です。
近年では訪問看護師のニーズが高まっており、好条件の求人を探せる可能性があります。
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参考サイト・文献

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。