看護師免許はいつ届く?申請から交付までの期間と遅いときの3つの対処法

「看護師国家試験に合格したけど、免許証はいつ届くんだろう?」「就職先に提出期限があるのに間に合わないかもしれない」
看護師免許の申請を済ませて手元に届くまでの期間に不安に感じる方も多いでしょう。とくに、春先の就職シーズンは申請の手続きが混み合い、想定より時間がかかることが少なくありません。
この記事では、看護師免許がいつ届くのか不安な方へ、申請から交付までの期間や遅れたときの対処法を詳しく解説します。看護師免許が届かなくても、看護業務を安心して始めるための方法がわかります。
看護師免許が届く目安の期間は2~3ヶ月
看護師免許を申請してから実際に手元に届くまでの目安期間は2〜3ヶ月です。とくに、国家試験の合格発表直後の3月〜4月は新規申請が集中するため、3ヶ月以上かかる場合もあります。
就職先は「法律にもとづいた正式な看護師である」ことを確認したり、2年ごとの業務従事者届の提出(看護師の就業実態や分布を把握するための国の調査)に対応したりしなければなりません。
そのため、就職先の提出期限に間に合うよう、合格後はできる限り早く申請手続きを済ませることが重要です。
看護師免許が届くまでの流れ
看護師免許証が届くまでには、次の3つのステップがあります。
- 健康診断を受ける
- 必要書類を準備して保健所に提出する
- 通知が届いたら保健所の窓口で受け取る
これらのステップが完了することで、厚生労働省が管理する看護師名簿に登録されます。この登録が完了すれば、看護師として働けるようになります。
1.健康診断を受ける
まず、看護師免許を申請するためには、健康診断を受ける必要があります。視覚機能や聴覚機能、音声・言語機能、精神機能などについて診断を受けます。
健康診断書は、発行日(診断日)から1ヶ月以内のものが有効とされているため、申請日に合わせて計画的に病院やクリニックを受診しましょう。
2.必要書類を準備して保健所に提出する
申請書類は、発行から時間が経っていると無効になるものがあるため、提出前に発行日を確認しながら、次の必要書類を一式揃えます。
- 看護師免許の申請書(保健所もしくは、厚生労働省のホームページで発行)
- 診断書(発行日から1ヶ月以内)
- 住民票の写しまたは戸籍抄(謄)本
- 収入印紙(9,000円分)
「看護師免許申請書」「診断書」「住民票の写しまたは戸籍抄(謄)本」の順に上から揃え、ホチキスで留めて、住所地を管轄する保健所(または一部の県庁)の窓口に提出します。このとき、看護師免許が交付されるまでの間に登録を証明する「登録済証明書」の発行も同時に申請しておくと転職活動がスムーズです。
3.通知が届いたら保健所に受け取りに行く
申請後、籍簿に登録され免許証交付の準備が整ったら、自宅に通知(ハガキ)が届きます。この通知と次の必要な物を持参して申請した保健所の窓口で看護師免許の現物を受け取ると手続き完了です。
- 通知書
- 顔写真つきの身分証明書
- 印鑑
看護師免許が届くまでの流れは、下記の記事でも詳しく解説しているためぜひ参考にしてみてください。
関連記事:【2025年度最新版】看護師免許の申請方法!必要書類・記入例・注意点まで完全ガイド
看護師免許が届かないおもな原因
看護師免許が目安期間を過ぎても届かない場合、次のような原因が考えられます。
- 申請書類に不備がある
- 繁忙期であり手続きが煩雑になっている
- 転送設定をミスしている
これらの原因に心当たりがないか確認しましょう。申請書類の不備は手続きを大幅に遅らせるため、提出前に念入りにチェックしてください。
申請書類に不備がある
看護師免許が届かない原因は、申請書類の記入漏れや添付書類の不備です。書類に不備があると、保健所から差し戻しや確認の連絡が入るため、訂正する分、審査手続きが遅れてしまいます。次のような申請書類の不備が考えられます。
- 診断書の発行日が1ヶ月を過ぎている
- 収入印紙を貼り忘れている
- 個人番号が記載されている住民票の写しを提出している
些細なミスでも手続きが止まるため、提出前にチェックリストを使って確認しましょう。
繁忙期であり手続きが煩雑になっている
毎年3月から4月にかけては、看護師のほかに助産師や保健師、医師といった新規免許の申請が集中する繁忙期です。
この時期に申請した場合、厚生労働省での登録審査に通常より長い時間を要し、看護師免許の交付が遅れる可能性が高くなります。春に入職する場合は、合格発表後できるだけ早く申請を済ませましょう。
転送設定をミスしている
看護師免許の交付の通知ハガキや登録済証明書は、申請時の住所に郵送されます。
就職してから引っ越しした際に、郵便局の転送設定を忘れたり、住所変更の手続きが間に合っていなかったりすると、書類が手元に届かず遅延の原因となります。
正確な住所を記入し、郵便物の転送手続きを漏れなくおこなうことが、看護師免許をスムーズに受け取るためには欠かせません。
看護師免許が届かず就職先に提出できないときの3つの対処法
看護師免許が届かず、就職先の提出期限に間に合わないときは次の3つで対処しましょう。
- 「登録済証明書」を活用する
- 申請した保健所に問い合わせる
- 就職先に早めに相談する
就職先に早めに報告することは、入職後の信頼関係を築くうえでも重要です。担当者に相談しながら対応すると安心です。
「登録済証明書」を活用する
看護師免許の申請時に発行を希望できる「登録済証明書」は、免許証の代わりとして就職先に提出できる書類です。看護師資格者名簿に登録されたことを証明するもので、登録日から一両日中に発行されます。
看護師免許を申請する際に同時に発行を希望していなかった場合、「医師等免許登録確認システム」から申請可能です。また、ハガキで申請する場合は、保健所にある「登録済証明書用」を使用し次の注意点を守って進めましょう。
- 85円分の切手を貼付する
- 表面は受け取り可能な住所と氏名を記入する
- 裏面は氏名欄のみ記入する
85円の切手に加えて、速達分(300円)の切手を貼付し「速達」と朱書きすることで、通常の手続きよりも早く受け取れる可能性があります。登録済証明書があれば、看護師免許の現物が届くまでの間も、看護業務に問題なく取り組めるでしょう。
申請した保健所に問い合わせる
目安期間を過ぎても何の連絡もない場合は、申請書類の状況を確認するために、書類を提出した保健所、もしくは都道府県の担当に問い合わせてみましょう。
書類不備による手続きの停止や、通知ハガキが届いていないなどの問題が判明する場合があります。問い合わせる際は、申請場所や申請日を伝えるとスムーズです。
就職先に早めに相談する
看護師資格者名簿への登録が通常よりも遅れており、登録済証明書も手元にない場合は、就職先に相談しましょう。
多くの医療機関は、看護師免許の交付に時間がかかることを理解しています。いつ頃取得できるのか、登録済証明書は申請しているかなど、わかる範囲で状況を伝えることで、入職の手続きや業務内容を調整してもらえる可能性があります。
看護師免許の交付についてのよくある質問
看護師免許の交付についてよくある質問に回答しました。オンライン申請や登録済証明書などの疑問を解消し、手続きをスムーズに進めましょう。
Q1:看護師免許はオンラインで申請できますか?
看護師免許の申請は、現在のところオンラインで申請はできません。原則として、住所地を管轄する保健所への窓口提出が必要です。
ただし、登録済証明書は、オンラインでの発行申請が可能です。免許申請後に厚生労働省の「医師等免許登録確認システム」から手続きできます。
Q2:登録済証明書はオンラインで申請しましたがいつ届きますか?
オンラインで発行申請した場合、ハガキよりも早く受け取れる可能性があります。ただし、3~4月の繁忙期の場合は、申請から2~3ヶ月かかることもあるでしょう。
オンラインでの申請後、登録が完了すれば「本登録完了のメール」が届きます。このメールに記載されているURLにアクセスして、IDとパスワードを入力後、登録済証明書をダウンロードしてください。
Q3:看護師免許が届くまで業務はできませんか?
看護師免許が届かない状況でも業務は可能です。
ただし、重要なのは「厚生労働省で管理する有資格者の籍簿に登録されていること」です。この籍簿に登録される前に看護業務をおこなうと、行政処分の対象となる恐れがあります。
そのため、就職先で働き始める際は、手続きの際に同時に申請した登録済証明書で登録状況を確認するか、就職先の担当者(人事課や看護部長)に相談し、指示を仰ぐ必要があります。
看護師免許が届くのは申請して2~3ヶ月後!登録済証明書で安心して入職しよう
看護師免許が手元に届くのは、申請から2〜3ヶ月後が目安であり、春先はさらに遅れる可能性があります。
しかし、看護師免許と同時に申請できる「登録済証明書」があれば、免許証の現物がなくても安心して入職し、看護業務を開始できます。
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