認定看護管理者ファーストレベルとは?合格率や3つのメリットも解説

公開日:2025/10/10 更新日:2025/10/10
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「管理職を目指すなら認定看護管理者ファーストレベルが必要?」「ファーストレベル研修の内容や合格率、費用を知りたい」

キャリアアップを考える看護師のなかには、このような疑問を抱く方も少なくありません。認定看護管理者ファーストレベルは、看護管理の基礎を学ぶ重要な研修制度です。

この記事では、ファーストレベルの受講条件や学習内容、取得のメリットについて解説します。記事を読むことで、管理職への具体的なステップが明確になり、キャリアアップに向けて自信を持って行動できるようになります。

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認定看護管理者ファーストレベルとは管理職を目指す看護師の基礎研修

認定看護管理者ファーストレベルは、看護管理者を目指す看護師のための教育研修です。

  • 主任や師長を目指す看護師が対象となる
  • 受講動機は看護管理の基礎を体系的に身につけられること
  • セカンドレベル・サードレベルより基礎的な研修である

それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

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主任や師長を目指す看護師が対象となる

ファーストレベルとは、認定看護管理者教育課程の第1段階です。おもに看護主任や副看護師長、看護師長など管理職を目指す看護師が対象となります。

研修を受講する時点で、副看護師長や看護主任といった役職に就いていなくても受講可能です。ファーストレベルを受講することで、管理職に就任する前に必要な基礎的なスキルを習得できます。

関連記事:認定看護管理者とは?資格を取る方法や試験の難易度、メリット4つを紹介

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受講動機は看護管理の基礎を体系的に身につけられること

ファーストレベル研修では、次のように看護管理の基礎を学べます。

  • ヘルスケアシステム論
  • 看護マネジメント論
  • 人材管理論

また、普段の業務では学ぶ機会の少ない病院の組織運営、人事管理についても学習できる点が特徴です。これまでの現場経験を理論的に振り返られるため、管理職を目指す看護師にとって有意義な研修です。

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セカンドレベル・サードレベルより基礎的な研修である

認定看護管理者の教育課程には、次の3つのレベルがあります。

  1. ファーストレベル(105時間)
  2. セカンドレベル(180時間)
  3. サードレベル(180時間)

※研修時間は日本看護協会の基準をもとに設定されていますが、教育機関によって若干異なる場合があります。

ファーストレベルでは看護管理の基礎を中心に学び、上位レベルでは組織運営や経営戦略など、より高度で専門的な管理スキルを習得します。すべてのレベルを修了し、認定審査を通過することで、認定看護管理者になれます。

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認定看護管理者ファーストレベルの受講条件と研修概要

ファーストレベルを受講するための条件や、研修の概要を解説します。

  • 受講には看護師としての実務経験が必要
  • 研修期間は1〜3ヶ月が目安
  • 日本看護協会や地域看護協会が主催している

受講を考えている看護師は、計画的に準備を進めましょう。

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受講には看護師の実務経験が必要

ファーストレベルの受講には条件があります。日本看護協会では、受講要件を次のように定めています。

  • 日本国の看護師免許を有する者
  • 看護師免許を取得後、実務経験が通算5年以上ある者
  • 管理業務に関心がある者

受講申請時には、所属施設からの推薦状や実務経験証明書などが必要です。

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研修期間は1〜3ヶ月が目安

ファーストレベルの総研修時間は105時間が目安です。開催機関によって研修のペースや日程は異なり、平日開催、土日開催、集中講義形式などさまざまなパターンがあります。

たとえば、週1〜2回のペースで開催する機関もあれば、短期集中で実施するところもあります。自身の勤務スケジュールに合わせたり、看護師長に日程を相談したりして、受講しやすい機関を選びましょう。

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日本看護協会や地域看護協会が主催している

ファーストレベル研修は、日本看護協会が認定した教育機関で実施されます。日本看護協会や都道府県看護協会のほか、大学も研修機関として認定されており、全国各地で受講できます。

認定された教育機関では、統一されたカリキュラムにもとづき、研修がおこなわれています。

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認定看護管理者ファーストレベルで学ぶこと

ファーストレベルでは、看護管理に必要な基礎的な知識とスキルを幅広く学習します。

  • 社会保障制度や地域医療体制などのヘルスケアシステム
  • 看護サービスの質や安全性の向上
  • 管理者に求められる役割やリーダーシップ

おもな内容を紹介します。

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社会保障制度や地域医療体制などのヘルスケアシステム

ヘルスケアシステム論では、医療保険制度や介護保険制度、地域包括ケアシステムの仕組みを学習します。医療制度の変化や現在の課題を理解することで、看護師の社会的な役割について考えを深められます。

患者さまや地域住民により良い看護を提供するために必要な知識です。

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看護サービスの質や安全性の向上

看護マネジメント論では、質改善活動や安全管理について学びます。PDCAサイクルを活用した問題解決手法や、インシデント分析の方法などを習得し、組織全体で質の向上に取り組む力を身につけます。

問題を見つけて改善していく方法を学ぶことで、看護の質を高められます。

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管理者に求められる役割やリーダーシップ

人材管理論では、リーダーシップ理論やチームマネジメントについて学習します。効果的なコミュニケーション手法や人材育成の方法など、チーム運営に必要なスキルを身につけられます。

グループワークや事例検討などの実習を通じて、管理職の業務を体験できます。

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認定看護管理者ファーストレベルの難易度と合格率

ファーストレベルの難易度や合格率について、次の内容を確認しておきましょう。

  • 合格率は公開されていない
  • 修了試験はレポートや演習発表が中心
  • 在職・離職を問わず受講可

それぞれ解説します。

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合格率は公開されていない

ファーストレベルの公式な合格率は公表されていません。修了要件が定められており、基準を満たせば修了できる仕組みです。

東京都看護協会の資料によると、修了要件として「各教科目の所定時間数の4/5以上出席していること」「各教科目のレポート評価が60点以上」が挙げられています。

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修了試験はレポートや演習発表が中心

ファーストレベルでは、レポート提出や演習への参加が修了要件となっています。

具体的な課題内容は実施機関によって異なるため、受講前に確認しておきましょう。与えられた課題に取り組み、出席要件を満たせば修了は十分可能です。

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在職・離職を問わず受講可

認定看護管理者ファーストレベルは在職の有無に関わらず受講可能です。

在職中の方は勤務調整、離職中の方は費用や受講環境の準備に重点を置き、出席・課題の修了要件を満たす計画を立てましょう。

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認定看護管理者ファーストレベルを受講する3つのメリット

ファーストレベルを修了することで得られる3つのメリットを紹介します。

  • 昇進やキャリアアップに直結する
  • 人材育成・マネジメントに強みを持てる
  • 転職で評価されやすい

それぞれみていきましょう。

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昇進やキャリアアップに直結する

看護主任や副看護師長、看護師長への昇進時にファーストレベルを修了していることが評価する医療機関もあります。管理職としての基礎知識を習得していることを示すことで昇進審査に有利です。

ファーストレベルは、管理職を目指す看護師にとって、自身の学習意欲と成長への取り組みを具体的に示せる重要な研修といえます。

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人材育成・マネジメントに強みを持てる

ファーストレベルで学んだ知識を活用することで、新人指導や後輩育成において、質の高い指導ができるようになります。理論にもとづいた指導ができるため、指導内容に説得力が増し、相手に伝わりやすくなるのです。

チーム運営や問題解決の能力も向上するため、現場での信頼度が高まります。

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転職で評価されやすい

転職時に、ファーストレベルを修了していることで管理職としての基礎スキルをアピールできます。転職先は病院に限らず、訪問看護ステーションや介護施設など、さまざまな分野で管理者として活躍できる可能性があります。

訪問看護の分野で管理職としてのキャリアを考えている看護師は、訪問看護専門の転職サイト「NsPace Career」で情報収集してみてください。

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認定看護管理者ファーストレベルの受講前に知っておきたい注意点

ファーストレベルの受講に際して、知っておきたい注意点もあります。

  • 費用負担が発生する
  • 職場の理解やサポートが必要
  • 修了後のキャリアを考えておくことが大切

円滑に受講を進めるために、上記を押さえておきましょう。

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費用負担が発生する

ファーストレベルの受講には研修費用が必要です。東京都看護協会の場合、研修費用は以下となっています。

日本看護協会会員12万1,000円
日本看護協会非会員24万2,000円
参考:認定看護管理者教育課程ファーストレベル|東京都看護協会

遠方の会場で受講する場合は、交通費や宿泊費などの自己負担も必要になることがあります。

また、ファーストレベルの研修が「教育訓練給付金」の対象になるケースがあります。申請すると、50%の費用が戻る可能性があるため、事前にハローワークで確認してみてください。さらに、職場によっては研修費用の補助制度を設けているところもあるため、事前に就業規則を確認し、上司に相談しておくとスムーズです。

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職場の理解やサポートが必要

研修と通常業務を両立するためには、職場の理解と協力が欠かせません。研修日程に合わせた勤務調整や業務の引き継ぎなど、周囲のサポートなしには受講を続けるのは難しい現状です。

受講申請前に上司や同僚に相談し、理解を得ると研修の受講と仕事の両立に悩んだときに手助けしてくれるでしょう。

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修了後のキャリアを考えておくことが大切

研修を受講する前に「修了後にどう活かしたいか」を明らかにしておくことが重要です。

「3年以内に看護主任になりたい」「部署の業務改善プロジェクトに参加したい」など、具体的な目標を設定しましょう。

はっきりとした目標があることで研修への取り組み方も変わり、学んだことを業務で活用しやすくなります。

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認定看護管理者ファーストレベルに向いている人

どのような看護師がファーストレベルに向いているかを紹介します。

  • 看護主任・看護師長など管理職を目指している人
  • 人材育成や教育に関心がある人
  • 組織全体の運営にかかわりたい人

受講を検討する際の参考にしてください。

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看護主任・看護師長など管理職を目指している人

認定看護管理者ファーストレベルは、管理職になりたいという目標がある看護師に適した研修です。

「チームをまとめたい」「部署の運営にかかわりたい」と考えている看護師に向いています。

関連記事:看護師のキャリアアップのためにやるべきこととは?おすすめの資格や転職先、キャリアプランの例を紹介

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人材育成や教育に関心がある人

ファーストレベルは、新人指導や後輩育成に積極的に取り組んでいる方にもおすすめです。「職場の教育環境をより良くしたい」「チーム全体のレベルアップに貢献したい」と考える看護師に役立ちます。

人材育成の理論を学ぶことで「なぜこの方法が効果的なのか」を理解でき、指導に説得力が生まれます。

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組織全体の運営にかかわりたい人

委員会活動や業務改善プロジェクトに参加している方に適しています。「患者満足度を上げたい」「業務効率を改善したい」など、病院全体や部署全体の課題解決に興味がある看護師におすすめです。

質改善活動やリスクマネジメントの知識を学ぶことで、組織運営の場面で実際に活用できるスキルが身につきます。

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認定看護管理者ファーストレベルについてのよくある質問

認定看護管理者ファーストレベルについてよくある疑問に回答します。

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Q1:認定看護管理者ファーストレベルと認定看護師は何が違いますか?

認定看護師は、特定の分野で高度な看護技術と知識を習得し、質の高い看護実践や指導をおこなう資格です。

一方、認定看護管理者ファーストレベルは看護管理のスキルを身につける研修制度で、人材育成や組織運営に重点を置いています。

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Q2:2026年の制度変更で何が変わりますか?

2026年の変更は、認定看護師制度(特定分野)の見直しに関するものであり、認定看護管理者制度については現時点での変更予定は発表されていません。

最新の情報は日本看護協会のホームページで確認してみてください。

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Q3:ファーストレベルを修了しなくても管理職になれますか?

管理職になる要件にファーストレベルの修了が含まれていないケースもあるため、修了していなくても管理職に就任できます。

しかし、医療機関によっては昇進の条件や推奨要件として認定看護管理者資格を位置づけているところもあるため、ファーストレベルの修了が昇進に有利に働く可能性があります。

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認定看護管理者ファーストレベルは管理職を目指す第一歩

認定看護管理者ファーストレベルは、看護管理者を目指す看護師にとって第一歩となる研修制度です。

昇進やキャリアアップに直結するメリットがある一方で、費用負担や職場調整といった課題もあります。管理職としての成長したい方は、これらを踏まえて今から計画的に受講を準備していきましょう。

<参考サイト・文献>

認定看護管理者|日本看護協会

認定看護管理者カリキュラム基準|日本看護協会

認定看護管理者教育課程ファーストレベル|東京都看護協会

教育訓練給付金|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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