【事例あり】訪問看護師のやりがいとは?現場で得られる7つの学びや役割を解説

「訪問看護に興味はあるけど、病院と違う環境が不安で一歩踏み出せない」「訪問看護師としてどんな役割を担い、何が学べるのか知りたい」
このような思いを持つ看護師の方は多いのではないでしょうか。厚生労働省の調査では在宅患者数は増加傾向にあり、2040年以降にピークを迎えると推計されており、訪問看護師の需要は今後さらに高まります。
この記事では、訪問看護師だからこそ担える役割と、現場で得られる7つの学びを事例にて解説します。訪問看護が自分に合った働き方かどうかを見極めるヒントとして、ぜひ役立ててください。
訪問看護師だからこそ得られる7つの役割や学び
訪問看護にはやりがいがあるだけでなく、病院とは異なる学びと成長の機会があります。利用者さまと向き合うことで磨かれるスキルや視点は、看護師としてのキャリアを豊かにしてくれるでしょう。
- 利用者さまの要望をふまえたケアができる
- 長期的に看護へ取り組める
- 自分が必要とされる感覚が持てる
- 日々新たな経験を積める
- 利用者さまとの深い信頼が築ける
- ご家族の声を聞きやすい
- 多職種と関わるチームワークの大切さを実感できる
それぞれ詳しく解説していきます。
利用者さまの要望をふまえたケアができる
訪問看護では、利用者さまの生活や希望を起点にした看護が求められます。利用者さまの居宅に訪問するため、個別性の高い看護が実践でき、「その人らしさを大切にする看護力」が身につきます。
たとえば、嚥下機能の低下した利用者さまが「お酒を飲みたい」という希望をもっているとします。主治医と相談の上、とろみをつけたお酒を数口ずつ摂取し、嚥下機能を維持したり、生活に楽しみをもったりすることができます。疾患や治療の制限があっても、利用者さまが希望をもって暮らせるよう、生活全体をアセスメントしサポートすることができます。
長期的に看護へ取り組める
状況によりますが、利用者さまは訪問看護の利用を長期的に必要とします。特に、難病や高齢の利用者さまの場合は、数年から10年関わることもあります。
長く関わるからこそ、利用者さまの小さな変化を察知し、早期に医師へ相談することができます。
継続的な関わりの中で利用者さまの普段の様子を熟知しているからこそ気づける小さな変化の積み重ねが、看護師としてのアセスメント力を磨きます。
自分が必要とされる感覚が持てる
訪問看護では1対1で利用者さまと向き合うため、「必要とされている」という実感が生まれるとともに、相手の本音を引き出す信頼関係が深まります。
「あなたの来る日が楽しみ」「今日も来てくれるのを待ってた」と話してくださる利用者さまも少なくありません。病棟ではナースコールや複数患者さまの対応に追われ、どうしても一人ひとりとじっくり向き合う時間を確保しづらいこともあるでしょう。
「この人だから話せる」と思ってもらえる存在になることが、訪問看護師としての大きなやりがいの一つと言えるでしょう。
日々新たな経験を積める
利用者さまごとに異なる疾患や生活背景、居住環境と向き合うからこそ、応用力と柔軟な対応力が現場の中で鍛えられます。
必要な物品が十分に揃っていないご自宅でも、ある物で工夫してケアしなければならない場面もあります。病棟では必要な物品がすぐに手の届く場所にありますが、訪問看護では「物がない中でどうするか」を自分で考え工夫する力が必要です。
たとえば、点滴台をレンタルするのではなく洋服ハンガーを鴨居にかけて代用することがあります。
さまざまな疾患や年齢を対象とする訪問看護だからこそ、毎日が新たな経験の連続であり、クリエイティブな醍醐味が味わえます。
利用者さまとの深い信頼が築ける
利用者さまやご家族と関わることで、看護師自身も価値観が広がり、家族看護の視点が養われます。
介護疲れで表情が曇りがちなご家族に声をかけ続けた結果、「看護師さんに話せてよかった」と涙を流されたという経験がある訪問看護師もいます。
病棟ではご家族と関わる機会が面会時間や面談時に限られがちです。しかし、訪問看護では生活の場でケアするからこそ、ご家族の本音や介護の実態を把握しやすくなります。
ご家族の声を聞きやすい
訪問看護では、ご家族の声を聞きやすい環境であるため、ご家族を捉えるアセスメント力が深まります。ご家族の精神的なケアが必要な場面には、看護師の力が必要です。
- 認知症の周辺症状により夜間の介護が続くご家族
- ご自宅で看取ることへの不安を抱えるご家族
- 慢性疾患による急変を恐れて緊張状態にあるご家族
「実は夜中に何度も起こされて限界です」と打ち明けてくださるご家族の声は、利用者さまのケアを見直すヒントになります。訪問時に、室内の環境は変わっていないか、多忙で生活が乱れていないかなどたくさんの情報を得ることができます。訪問看護では生活の場に伺うからこそ、こうした本音をキャッチしやすくなります。ご家族のセルフケア機能を高めることが、結果的に利用者さまの回復支援にもつながると考えられています。
家族看護について詳しく知りたい方はこちらをチェックしてみてください。
家族看護とは何か、看護職に求められることは【総論 前編】 – NsPace(ナースペース)-家で「看る」あなたを支える (ns-pace.com)
家族看護 渡辺式家族アセスメント/支援モデルとは【総論 後編】 – NsPace(ナースペース)-家で「看る」あなたを支える (ns-pace.com)
多職種と関わるチームワークの大事さを実感できる
訪問看護師は多職種と連携しながら、チーム医療の実践力と調整力が鍛えられます。
ヘルパーから「最近、食事量が減っている」と情報を受け取り、栄養士や医師と対応策を講じるといった場面もあります。また、利用者さまの在宅生活が難しくなってきた際に、医師やケアマネジャーと情報を共有しながら施設入所や入院のタイミングを調整するのも訪問看護師ならではの役割と言えるでしょう。
訪問看護では医療や介護のスタッフと関わるため、より広い視野での調整力が求められます。
訪問看護師が成長できる理由
訪問看護の現場では、次のようなスキルが求められます。
- 幅広い視野で物事をとらえる必要がある
- 利用者さまの生活や価値観に沿って看護を考える
- 多職種と協働する
これらは病棟ではなかなか経験できない場面ばかりです。訪問看護だからこそ得られる経験が、視野を広げてくれます。
訪問看護師の働き方のメリット
訪問看護ステーションへの転職を迷っている看護師の方の中には、病院を離れることに不安が強い看護師の方もいるかもしれません。
先述した通り、訪問看護師として働くことは多くのやりがいや魅力がありますが、働き方としても多くのメリットがあります。
柔軟に働ける
訪問看護の求人では、「1日数時間、週3回の勤務でもOK」といったものや「1日訪問〇件のみでもOK」といったフルタイムではなく非常勤の求人も多く存在します。
また、子どものお迎えや介護などがある看護師は、9時から15時までの時短勤務で働いていたり、扶養の範囲内を希望し午後の訪問2件だけ働いたりというケースもあります。訪問看護は、あらかじめ利用者さまの訪問スケジュールが決まっているため、予定を立てやすく比較的柔軟に働けるでしょう。
時間の融通がきく
訪問看護ステーションは、病院に比べて夜間や休日の拘束が少なく、時間の融通がきく働き方が実現しやすい環境です。
厚生労働省の調査によると、24時間対応体制加算を取得している訪問看護ステーションは88.5%にのぼります。一見、対応が多そうに思えますが、同調査では1人あたりの緊急訪問回数は月3.1回にとどまっています。病棟の夜勤のように患者さま対応が続くわけではなく、緊急時のみ対応するオンコール体制のため、睡眠を確保しやすい点も大きな違いと言えます。
また、土日休みや年末年始を休みとしている事業所もあり、休日にゆっくり過ごせる時間が確保しやすい点も魅力です。
ただし、利用者さまの属性や訪問看護ステーションによっては、看取りが多かったり、緊急の電話相談があったりすることもあります。転職の際は事前に事業所の緊急訪問の頻度を確認しておくと参考になるでしょう。
定時で帰ることができる
緊急対応など例外はあるものの、定時で帰ることのできる訪問看護ステーションは多い傾向にあります。
訪問看護ステーションでは、1日に決まった訪問先を回るというのが日々のルーティン業務のため、病院よりも予定の見通しが立つため定時で帰りやすい日が多いのです。
ワークライフバランスを充実させやすいのも、訪問看護ステーションで働くメリットとなるでしょう。
【事例あり】訪問看護師のやりがいを現場から読み解く:役割と学びが見えるインタビュー
たまき訪問看護リハビリステーション代表取締役 佐々木大輔 様
訪問看護師のやりがいは1対1で利用者さん・家族とじっくり向き合えることに尽きると思います。病院でも向きあってきましたが、早期退院に向けての取り組みが中心であることで時間的制約も多く長期的な関わりは難しかったです。
ご自宅で「どんな生活を、なぜ送りたいんだろう?」と考えながら自分にできることを見つけて、長期的に関われることが魅力だなと感じています。
また、視点を広く持って家族や多職種、近所などのインフォーマルな社会資源も巻き込みながら利用者さんをサポートできるのは在宅の難しさでもあり魅力ですね。
インタビュー記事:たまき訪問看護リハビリステーション 代表・理学療法士 佐々木大輔 ー 在宅医療インタビュー
ベストリハ訪問看護ステーション 訪問看護師 岸美子 様
訪問看護師のやりがいは利用者さん、家族のありのままの生活背景が見えること。そして、時間に追われる感覚もないため自分自身も心に余裕を持ちながら接することができることです。ひとつの問題に対しても色んな介入方法があってそれを考えるのは面白いと思います。
インタビュー記事:ベストリハ訪問看護ステーション 訪問看護師 岸美子 ー 在宅医療インタビュー
Footage訪問看護ステーション 取締役 宮澤拓也 様
訪問看護師のやりがいは病気・治療にフォーカスするのではなくて、生活を送る上で何に困っているのか、何を手伝えば安心して過ごせるのだろうか?という視点で介入することだと思います。長期的に関わる中で不安で退院してきた方が安心して過ごせるようになっていく過程に関われるのは訪問看護ならではと思っています。
インタビュー記事:Footage訪問看護ステーション 取締役・管理支援者 宮澤拓也 ー 在宅医療インタビュー
訪問看護師のリアルな声が気になる方は、以下のインタビュー記事もあわせてご覧ください。現場で働く看護師たちの本音や経験談が、転職の判断に役立つはずです。
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訪問看護のやりがいや魅力、働き方のメリットを知って転職を検討しよう
訪問看護の現場では、工夫を凝らした看護実践や、利用者さまとご家族の要望に沿った看護の提供ができるため、病院では得られない役割や学びの機会があります。
転職を検討している方には、訪問看護に特化した転職サイトである「ナスキャリ(NsPaceCareer)」がおすすめです。自分に合った働き方や職場環境をじっくり比較しながら探すことができます。まずは気軽に求人をのぞいてみてください。
<参考サイト・文献>
NsPace Careerナビ 編集部 「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
