【看護師の面接対策】パート面接で聞かれること16選と好印象な回答例

公開日:2025/08/06 更新日:2025/08/06
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正職員として働いていた看護師が、出産や介護などを理由にパート勤務を選ぶケースは年々増えています。しかし、厚生労働省「令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」によると非正規雇用で働いている看護師は16.8%と少数であり、実態がわからず不安を感じている方は少なくありません。

この記事では、情報が少なく不安を感じている方に向けて、看護師のパート面接でよく聞かれる質問と回答例、避けたいNG例などを解説します。パート面接の傾向を理解して、安心して採用試験に臨めるように準備を整えましょう。

看護師のパート面接でよく聞かれること16選と回答例

パート希望の面接では「即戦力になるか」「継続勤務が見込めるか」といった点が重視されます。ここでは代表的な質問を、回答例つきで解説します。

  1. 簡単に自己紹介をお願いします
  2. 志望動機を教えてください
  3. なぜ前職を辞めたのですか?
  4. パート勤務を希望する理由は何ですか?
  5. これまで経験した技術は何がありますか?1人でどこまでできますか?
  6. 週にどのくらい働けますか?
  7. 急な出勤や残業に対応できますか?
  8. ブランクがありますが大丈夫ですか?
  9. 患者さまとの接し方で心がけていることはありますか?
  10. クレーム対応の経験はありますか?
  11. 医師や他職種との連携、患者さまと話すのは得意ですか?
  12. 資格・研修・スキルアップについて考えていることを教えてください
  13. 扶養内での勤務を希望されますか?
  14. ダブルワークとの兼ね合いはありますか?
  15. 学校行事や家庭の都合でのお休みは多くなりそうですか?
  16. 電子カルテやPC入力に抵抗はありませんか?

そのまま活用するのではなく、自分の言葉に置き換えてみてください。

1.簡単に自己紹介をお願いします

<回答例>
内科・外科を中心に8年間勤務してきました。出産したためブランクはありますが、再び患者さまの力になりたいと思い応募しました。

職歴・ブランク・志望理由などを1分程度でまとめ、「どのような背景をもって応募してきたのか」を簡潔に伝えるのがポイントです。

2.志望動機を教えてください

<回答例>
子育てが落ち着いたタイミングで、地域医療にかかわりたいと感じ応募しました。Aクリニックの「患者さまとの対話を大切にする姿勢」に共感し、ここで働きたいと強く思いました。

志望動機は、勤務形態にかかわらず重視されるポイントです。「なぜこの職場か」を明らかにするために、応募先の特徴と自分の価値観が合った回答を準備しましょう。

3.なぜ前職を辞めたのですか?

<回答例>
前職では夜勤を含むフルタイム勤務で、子どもがまだ幼く、家庭との両立が難しくなったため退職しました。しかし、今は夫の仕事と時間を調整できたため、日中のパート勤務であれば働けます。今後は、長く続けられるようにしたいと考えています。

退職理由は正直に伝えつつ、今は安定して働ける環境にあることを補足すると、前向きな印象を与えられます。

4.パート勤務を希望する理由は何ですか?

<回答例>
家庭の事情により短時間勤務を選択しました。勤務時間が限られていても、責任を持って業務に取り組み、周りと協力して柔軟に対応していきたいと考えています。

時間の制約があるなかでも前向きに働こうとする姿勢を示すことで、協調性や責任感を伝えられます。

5.これまで経験した技術は何がありますか?1人でどこまでできますか?

<回答例>
採血・点滴・バイタルサイン測定・電子カルテ入力は1人で対応できます。入院患者さまの清拭やオムツ交換、褥瘡予防のポジショニングも日常的におこなっていました。内視鏡の介助は経験がありますが、ブランクがあるため、事前にマニュアルや研修で復習させていただければスムーズに対応できると考えています。

自分のスキルをはっきり説明し、即戦力として活躍できる点をアピールしましょう。できること、指導が必要なことなどを区別して話すと、自己認識がしっかりしている印象を与えられます。

6.週にどのくらい働けますか?

<回答例>
週3日、火・水・金の9:00〜15:00の勤務を希望しています。ただし、子どもの行事がない週であれば月に1回程度であれば月曜日や木曜日の出勤も調整可能です。学校行事や家庭の予定をあらかじめカレンダーで提出することもできます。

勤務可能な日時を具体的に伝えられると、採用側もシフト調整のイメージがしやすくなります。融通が利く姿勢も伝わると好印象です。

7.急な出勤や残業に対応できますか?

<回答例>
子どもの送迎があるため基本的には難しいのですが、事前にわかっていれば夫や祖父母に協力を頼み、できる限り調整します。前職でも、スタッフの欠勤で代わりに勤務した経験があります。

「無理」と断言せず、可能な範囲で協力する姿勢を示し、柔軟性と誠実さが伝わる回答を心がけましょう。

8.ブランクがありますが大丈夫ですか?

<回答例>
3年ほど子育てに専念していましたが、看護書籍やオンライン研修で学び続けてきました。地域の看護研修会にも参加し、知識のアップデートをしてきたところです。復帰後は、業務を丁寧に学び直し、早い段階で貢献できるよう努めます。

ブランクがあっても、現場を離れた期間に何をしていたかが明らかであれば、マイナス評価にはならないでしょう。「スキルアップに努めていた」「復帰に前向きである」という印象が残れば、採用担当者は安心しやすくなります。

9.患者さまとの接し方で心がけていることはありますか?

<回答例>
声かけと、安心してもらえる雰囲気づくりを意識しています。たとえば、採血や注射の際には「少しチクッとしますね。すぐ終わりますよ」と、緊張が和らぐよう努めています。表情や体調の変化にも気づけるよう常に観察を怠らないようにしています。

看護師としての対人スキルを伝える際は、実際の声かけや配慮の場面を例に挙げましょう。現場での対応力がよりリアルに伝わり、採用担当者も応募者が働くイメージがつきやすくなります。

10.クレーム対応の経験はありますか?

<回答例>
検査前の説明がわかりにくいといわれたことがあり、以降は医師と情報をすり合わせたうえで、説明文を職員で共有するようにしました。「絶食」といった言葉を避け「〇時以降は何も食べないでください」と、わかりやすい言葉に置き換える工夫をしています。

クレーム対応に関する質問では「反省、改善、工夫」の流れを意識すると、現場での柔軟な対応力や成長意欲が伝わります。自分の行動を振り返りながら説明しましょう。

11.医師や他職種との連携、患者さまと話すのは得意ですか?

<回答例>
報告・連絡・相談を大切にし、医師には診察前に患者さまの状態を簡潔に共有し、事務や看護助手とも日々の業務を連携して進めてきました。口頭説明だけでなくイラストやパンフレットを活用して説明するなど、相手に合わせた伝え方を心がけています。

パートであっても、他職種との連携や患者対応力は不可欠です。「連携できます」では伝わりづらいため、実際におこなっている工夫を添えると説得力が増すでしょう。

12.資格・研修・スキルアップについて考えていることを教えてください

<回答例>
現在は子育て優先の生活ですが、落ち着いたら訪問看護や緩和ケアの分野で専門性を高めたいと考えています。現在は、空いた時間でeラーニングを活用し、日々のケアに活かせる学びを少しずつ積み重ねています。

「学び続ける姿勢」がある看護師は、成長が見込める人材として評価されやすい傾向です。今すぐではなくても、前向きな意欲を見せることが重要です。

13.扶養内での勤務を希望されますか?

<回答例>
年間103万円までの扶養内での勤務を希望します。週3日・1日5時間以内の勤務であれば働くことができます。

採用側は社会保険や労働時間の調整も考慮する必要があるため、収入の制限は重要な情報です。具体的な金額・働ける時間数で答えられると、雇用条件のすり合わせがスムーズに進みます。

14.ダブルワークとの兼ね合いはありますか?

<回答例>
現在、ほかの施設で週1回木曜の午後に勤務していますが、勤務日が重ならないよう調整可能です。体力的な余裕と責任感を持って業務にあたるよう、自己管理には十分気を配っています。

副業やダブルワークに不安を抱く職場もあるため「影響しない」と言い切りましょう。隠さず正直に話して、信頼関係を築くことを心がけてください。

15.学校行事や家庭の都合でのお休みは多くなりそうですか?

<回答例>
子どもの運動会や面談など、年に数回は行事で休みを希望する可能性があります。事前にスケジュールをお伝えし、勤務シフトの調整をお願いする予定です。急な欠勤を避けるために、家族の協力を得たり、ファミリーサポートの登録を済ませたりと、準備はできています。

欠勤の頻度や対応姿勢をあらかじめ示せると「無断欠勤の心配がない」と思ってもらえます。責任感のある印象を大切にしましょう。

16.電子カルテやPC入力に抵抗はありませんか?

<回答例>
前職でも電子カルテを使用しており、バイタルサインの入力や申し送りの記録は日常的におこなっていました。PCの基本操作も問題なく対応できます。

ITスキルは業務効率にも直結するため、とくに中高年層の面接では注目されやすいポイントです。未経験でも「覚える意欲がある」と示せれば、十分に評価されます。

看護師のパート面接で聞かれる質問に好印象を与える答え方

採用担当者は「信頼して任せられる人かどうか」を重視します。好印象を持ってもらうためのポイントを、押さえておきましょう。

丁寧な言葉づかい・落ち着いた話し方

看護師にとって、丁寧で安定感のある話し方は基本スキルであり、面接中もその印象が問われています。とくに意識したいのは、次の3点です。

  • 丁寧語・敬語を正しく使いはっきり話す
  • 結論から簡潔に伝える
  • 緊張していても落ち着いたトーンを保つ

穏やかで聞き取りやすい話し方は、患者対応への丁寧さをイメージできるため、高く評価されます。

適度な笑顔と目を見て話す姿勢

表情や視線からも人柄や対人スキルが伝わるため、面接では重視される傾向です。以下のような点を意識してください。

  • 無理に笑顔を作らず口角を軽く上げる程度で微笑む
  • 話すときは相手の目を自然に見る
  • 話を聞くときはうなずきや相づちで関心を示す

誠実で親しみやすい印象を与えるためのコツです。緊張しているときこそ、笑顔と視線を意識してみましょう。

看護師のパート面接で聞かれる質問に対するNG回答例と改善策

パート面接では、伝え方で印象が変わり、意図しないところでマイナスに受け取られないように、次の点に注意しましょう。

  • ネガティブな内容をそのまま話す
  • 自己主張が強すぎる・希望ばかり話す
  • 相手の質問の意図をくみ取らない

面接をクリアするために、事前にこれらの注意点をしっかり確認しておきましょう。

ネガティブな内容をそのまま話す

「前職が人間関係で大変だった」「体力的に限界だった」などの理由を、そのまま伝えてしまうと悪い印象になりがちです。

そのため「体調管理を重視しながら、長く働き続けられる環境を求めた結果、パートという形を選びました」といった、前向きな表現に言い換えるのがポイントです。

自己主張が強すぎる・希望ばかり話す

「土日は必ず休みたい」「この業務はやりたくない」と一方的に主張すると、自分の都合しか考えていない印象を与えてしまいます。

土日に働かないという希望がある場合も「月に1回程度は夫や母親と調整できます」といった、歩み寄る姿勢を見せましょう。

相手の質問の意図をくみ取らない

採用担当者が質問をするのは、何らかの目的や意図があるからです。それをくみ取らずに抽象的な回答になると「話がかみ合わない」「コミュニケーションに不安がある人」と思われる恐れがあります。

たとえば「これまでどのような看護業務を担当してきましたか?」という質問に「総合病院にいました」とだけ答えるのは不十分です。病院の規模や所属先だけでは、どのようなスキルがあるのか伝わらないため、「採血・点滴・バイタルサイン測定は1人で可能です」と具体的なスキルや経験を答えましょう。

看護師のパート面接で聞かれることにスムーズに回答するための準備

面接でうまく話すためには、スキルや条件だけでなく「自分をどう伝えるか」を準備しておくことが不可欠です。

  • 自己分析で「自分ができること・できないこと」を言語化する
  • 応募先の情報をしっかり確認する
  • 希望条件とゆずれる部分を整理しておく
  • 実際の面接を想定して練習を重ねる

実践的なトレーニングも交えながら、自信を持って話せるようにしておきましょう。

自己分析で「自分ができること・できないこと」を言語化する

面接で説得力を持たせるためには、自分が「何ができるのか」と「何が苦手なのか」をしっかりと整理しておくことが大切です。

採血や点滴など自信を持ってできる業務は具体的に伝えましょう。一方で、苦手な分野があっても正直に話して大丈夫です。その際は「今後はこのように努力していきたい」といった前向きな姿勢も添えると、より良い印象を与えられますよ。

応募先の情報をしっかり確認する

応募先の診療科や施設形態により、看護師に求められる役割は異なるため、ホームページや求人情報で理念や業務範囲などを確認しておきましょう。

たとえば、訪問看護の現場では、自分で状況を判断する力や、ほかの職種の人たちと協力するスキルが大切にされます。一方、内科のクリニックなら、採血の正確さや、患者さまへの丁寧な対応が重視される傾向にあります。

このように、応募先の求めるものと、自分の持っているスキルや働きたい理由がしっかり合っていることを面接で伝えられれば、説得力が増し、採用につながりやすくなります。

希望条件とゆずれる部分を整理しておく

勤務日数・時間帯の希望に加え「どこまでなら調整可能か」の回答を準備しておくと、面接でも迷わず答えられます。

たとえば「週3日午前のみ希望」だけではなく「月に1回は午後も可」といったゆずれる部分も用意しておきましょう。すべての希望を通すのではなく、調整力を示すことも評価対象となります。

実際の面接を想定して練習を重ねる

面接で緊張しやすい方は、あらかじめ想定される質問を紙に書き出し、実際に声に出して練習してみてください。

練習の様子を録画して話し方や表情を客観的に見直すと、自分のクセに気づけます。また、家族や友人に模擬面接をお願いすれば、実践的な練習にもなります。

こうした準備を重ねて本番の緊張をやわらげ、ハキハキと受け答えできるように準備しておきましょう。

看護師のパート面接で聞かれることに関するよくある質問

パート勤務を希望する看護師の面接に関するよくある質問にお答えします。面接対策を万全にし、ほかの応募者と差をつけましょう。

Q1:看護師のパート面接は1回で終わりますか?

多くの医療機関では1回の面接で合否を決定します。

ただし、規模の大きな病院や医療法人では、事前面談や複数回の面接をおこなうケースもあるため、事前にホームページや募集内容を確かめておくと安心です。

Q2:家庭の都合で働けない日が多くても大丈夫ですか?

施設にもよりますが、勤務可能な日数や曜日が限られていても、事前にしっかり示しておくと調整してもらえることが多い傾向です。

ただし、急な欠勤が多い人という印象を与えると、マイナス評価につながる恐れがあります。そのため、面接時に家族の協力体制や自治体のファミリーサポート・病後児保育などの利用も合わせて伝えると、安心して採用してもらいやすくなるでしょう。

Q3:看護師のパート面接で「最後に一言」と言われたらどう答えたら良いですか?

「本日はお時間をいただきありがとうございました。これまでの経験を活かしながら、患者さまにケアをおこないます。どうぞよろしくお願いいたします」といった、前向きな姿勢を短くまとめると印象が良いです。

看護師のパート面接で聞かれることを知り面接の成功率を高めましょう

パート面接は、応募者が「即戦力として働けるか」「職場の条件と合うか」を見極める重要な機会です。だからこそ、よくある質問とその意図を知り、前向きな回答を準備することが、採用のカギとなります。

また、応募先の特徴や求める人物像を事前に把握し「自分の経験や強みがどう活かせるか」を整理して伝えることで、採用担当者の印象も大きく変わります。

訪問看護に特化した求人サイト「NsPaceCareer」で、多くの求人情報を確認すると、パートに求められるスキルや、どのような働き方ができるか見えてきます。これらの情報を参考に、説得力のある志望動機を作って、面接成功の確率を高めましょう。

<参考サイト・文献>

令和4年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況|厚生労働省

『年収の壁について知ろう』|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

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