【新卒看護師の面接対策】面接で落ちる5つの理由と受かるためにすべきこと

公開日:2025/07/21 更新日:2025/07/21
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「面接の手応えがなかった」「新卒看護師でも面接に落ちることってあるの?」

このような不安を抱えている看護学生はいませんか。

看護師は慢性的な人手不足により需要が高く、ほかの職種と比べて採用されやすいといわれています。しかし、面接の準備が足りなかったり、病院の求める人物像と合わなかったりすると、残念ながら不合格となってしまうケースも少なくありません。

この記事では、新卒看護師が面接で落ちる具体的な理由から、面接に受かるためのコツ、落ちてしまった場合の対処法まで解説します。面接に対する不安を解消し、自信を持って就職活動に臨みましょう。

看護師の採用試験で落ちる確率は?

看護師の採用面接は「ほかの職種に比べて落ちにくい」という印象がある方も多いでしょう。

高齢化にともない、看護師の需要は増加しています。厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」によると、2022年度の看護師・准看護師の有効求人倍率は2.20倍です。全職業は1.19倍であるため、看護師の採用面接では一般企業と比較して合格しやすい環境であるといえます。

ただし、求人倍率が高くても、面接での受け答えや態度、志望先との相性によっては不採用になることもあります。

面接対策で大切なのは落ちる理由を知り、適切に対策することです。面接に不安を感じている看護学生も、原因と対策を知ることで、自信を持って臨めるようになります。

新卒看護師が面接に落ちる5つの理由

面接に落ちる理由にはいくつかのパターンがあります。ここでは、新卒看護師が面接に落ちる理由を、5つの視点から見ていきましょう。

  • 志望動機や看護観が浅い
  • 態度やマナーが悪い
  • 受け答えに一貫性がない
  • 病院の方針との相性が悪い
  • 積極的な姿勢が見られない

それぞれの原因を把握することで、これからの面接に向けた具体的な改善策が見つかります。

志望動機や看護観が浅い

採用担当者が志望動機を確認する目的は、応募者の看護への情熱や意欲、病院の理念との整合性を見極めることです。

「通勤しやすい立地だから」「知名度の高い病院だから」などの表面的な理由では、採用担当者の心に響きません。

また、面接では、自身の看護観について聞かれることもあります。「患者さまとのコミュニケーションを大切にしたい」といった曖昧な表現では、採用担当者に応募者の思いや考えが十分に伝えられないでしょう。

「どのような看護師を目指すのか」「看護師になって何を実現したいのか」を踏まえて話すことが大切です。

態度やマナーが悪い

看護師は、患者さまやそのご家族、他職種などさまざまな人と接する仕事です。面接では、こうした対人関係を築くうえで欠かせない、基本的なマナーが評価されています。

次のような態度は「社会人としての基礎が身についていない」というマイナス評価につながります。

  • 服装が乱れている
  • 正しい敬語が使えない
  • 姿勢が悪い
  • 時間を守れない

医療の現場では、日常的に患者さまやそのご家族と対話します。そのため、コミュニケーションのマナーについては、厳しく見られる傾向にあるといえます。

受け答えに一貫性がない

面接時の質問回答において、志望動機や自身の強みなどの内容に整合性がない場合「真意が見えない」「準備が不十分」という印象につながります。

たとえば「協調性を重視している」と述べておきながら、学生時代の実習では1人で黙々と取り組んだ事例を挙げる、といったパターンが該当するでしょう。

面接では、短時間で自身の長所や資質をアピールする必要があるため、一貫性を意識して話す必要があります。

病院の方針との相性が悪い

応募者の看護観や将来のビジョンと、病院の方針とが一致していない場合、採用担当者は「長く働き続けられないのでは」と判断する可能性があります。これは、入職後の早期離職につながる要因となるからです。

実際に、日本看護協会「2024年病院看護実態調査」のデータでは、新卒看護師の離職率は8.8%であり、そのうち21.8%(複数回答可)が「他施設への関心・転職」を理由に退職しています。

これは、新卒であっても、病院との相性や方向性の違いが転職のきっかけとなることを示しています。そのため、面接では病院の理念を理解し、それに対する自身の共感や、どのように貢献していきたいかを具体的に伝えることが重要です。

積極的な姿勢が見られない

採用担当者は、新規採用者に長く勤務してもらうことを期待しています。そのため、面接では、将来にわたって活躍する意志を示しましょう。

「働かせてもらう」という受け身の姿勢だけでなく「病院の一員として成長したい」「患者さまにより良い看護を提供したい」といった積極的な意欲を示すことが重要です。

さらに、興味のある分野への意欲や、将来のビジョンについて具体的に語れば、長期的な成長への意識があることを採用担当者に伝えられます。

こんな言動は要注意!落ちるフラグとは?

面接の合否を予測できる、確実なサインは存在しません。しかし、次のような状況が目立った場合、不採用となるリスクが高まります。

  • 質問に答えられず沈黙が続く
  • 逆質問がない
  • コミュニケーションに違和感がある

面接時の行動の参考にしてみてください。

質問に答えられず沈黙が続く

会話中、長い間答えられなかったり、何度も言葉に詰まったりする状況は、採用担当者にマイナスの印象を与えます。「準備が不十分」「この職場への関心が薄い」という判断につながる可能性があるのです。

基本的な質問に対してスムーズに答えられるよう、事前の練習を重ねておきましょう。

また、考えをまとめる時間が必要な場合は「少し考えさせてください」と一言伝えることで、採用担当者の理解を得やすくなります。

逆質問がない

面接では、終わり際に「何かご質問はありますか?」と逆質問の機会があるでしょう。この場面で質問を投げかけることにより、応募先への関心の深さをアピールできます。

反対に「とくにありません」という回答は熱意が伝わりにくく、印象が悪くなる恐れがあります。

逆質問の時間に備えて、病院の理念や教育制度、職場環境など病院のホームページや求人情報から事前にチェックした内容をもとに、建設的な質問を準備しておきましょう。

コミュニケーションに違和感がある

看護の現場では、患者さまやスタッフとの円滑な意思疎通が重視されるため「相手と対話する力」はとくに注目されるポイントです。

面接での質問にうまく答えられなかったり、的外れな答えを返してしまったりする場合、採用担当者は応募者を正確に評価できません。また「アイコンタクトをしない」「何度も聞き返す」といった行動は、コミュニケーション能力に不安を抱かせる要因となります。

看護師には、相手の話をしっかりと聞き、適切なタイミングで自分の考えを分かりやすく伝える能力が求められています。

面接では、コミュニケーションスキルも重要な評価項目として見られていることを意識しましょう。

参考記事:看護師が面接に落ちるフラグはある?面接に落ちる理由10選と対策を紹介

新卒看護師が面接に受かるためのコツ

面接で良い結果を残すためには、事前の準備が欠かせません。

  • 自己分析を深めておく
  • 病院の特徴を志望理由に反映させる
  • よくある質問の答えを準備しておく
  • 模擬面接でアウトプットの練習をする
  • 採用担当者の視点を知り準備する

ここでは、採用担当者に好印象を与えるための具体的なコツを紹介します。

自己分析を深めておく

面接は、応募先の職員に自身の魅力をアピールできる貴重な機会です。

面接に備えて自己分析をおこない「看護師としてどのように働きたいのか」「どんな看護師を理想とするのか」を明確にしておきましょう。

これまでの学習や実習経験を振り返り、自分の価値観や信念を言葉で表現することで、志望動機や看護観に説得力が生まれます。単に「患者さまを助けたい」ではなく「なぜそう思うようになったのか」「どのような体験がきっかけだったのか」まで掘り下げることが大切です。

自分自身を深く理解することで、面接時に一貫性のある、説得力のある回答ができるようになります。

病院の特徴を志望理由に反映させる

面接では、応募先の理念や事業内容、診療方針などを徹底的に調査することが基本です。

「なぜ数ある病院の中からここを選んだのか」という質問に対して、具体的で説得力のある理由を述べられるよう準備しておきましょう。また、志望動機や自己PRに「この病院でなければ実現できない目標」を組み込むことで、真剣度と熱意を効果的に伝えられます。

情報収集の際には、ホームページの情報だけでなく、患者さまからの声や評価なども調べておくと、面接での回答により説得力を持たせられます。

よくある質問の答えを準備しておく

面接の流れや出題される質問には、一定のパターンがあります。スムーズに答えるために、想定される質問を洗い出し、それぞれに対する回答を用意しておきましょう。

看護師の面接では、次の質問がよく聞かれます。

  • 自己紹介してください
  • 志望動機を聞かせてください
  • 当院を選んだ決め手は何ですか
  • あなたの長所と短所を教えてください
  • 目標とする看護師像はありますか
  • 配属希望の部署はありますか
  • 将来のキャリアプランについて教えてください

面接の本番では、暗記した模範解答をそのまま述べるのではなく、自分なりの言葉で表現するよう心がけましょう。

模擬面接でアウトプットの練習をする

第三者に模擬面接を依頼することで、姿勢や表情に問題がないか、回答がスムーズにできているかなど実戦的な練習が可能です。

採用担当者役からフィードバックを受けると、自分では気づけない改善点を見つけられることもあります。話すスピードや声の大きさ、表情の豊かさなど第三者の客観的な目線でチェックしてもらってください。

模擬面接の際には、入室から退室まで、面接の全プロセスを通してシミュレーションをおこなうと良いでしょう。

採用担当者の視点を知り準備する

面接は一方的に質問に答える場ではなく「お互いを知り合う対話の場」と捉えましょう。採用担当者は、会話の中で応募者の人間性や価値観、職場と合うかどうかを評価しています。

スキルや長所だけでなく、チームワークを重視する姿勢や、目の前の人への思いやり、学習意欲などもアピールポイントとなります。

採用担当者がどのような人材を求めているかを想像し、より自然で好印象を与える受け答えを意識することが大切です。

関連記事:看護師の面接に受かる人ってどんな人?受かる人の特徴や不採用になる看護師との違いも比較!

新卒看護師が面接に落ちたときにやるべきこと

残念ながら面接で不合格となった場合も、適切に対処することで、自身のステップアップにつなげられます。ここでは、面接に落ちた際に取り組むべき3つの行動を紹介します。

  • 落ちた理由を冷静に振り返る
  • 落ち込み過ぎない
  • 職場選びの軸を再確認する

それぞれの行動を詳しく見ていきましょう。

落ちた理由を冷静に振り返る

落ちた原因を客観的に分析することで、自分の改善すべき点を発見できます。

多くの場合、病院側から不採用の理由を教えてもらうことは難しいでしょう。しかし、面接での自分の言動を思い返し、仮説を立てて次回への対策を練ることは可能です。

「志望動機が曖昧だった」「緊張して声が小さくなった」など、小さな反省点をひとつでも見つけられれば、つぎの面接で改善できます。こうした振り返りの積み重ねが、面接での自信と説得力を高めることにつながります。

落ち込み過ぎない

看護師の就職面接で不合格になったとしても、自分を責める必要はありません。

病院によって求める人材の特徴は異なり、採用の可否は「相性」や「タイミング」に左右される部分も少なくないためです。

結果に一喜一憂するのではなく、自分に合う職場を見つけるための過程の一部として考えてみましょう。前向きな気持ちを維持することで、次の機会には、より良いパフォーマンスを発揮できるはずです。

職場選びの軸を再確認する

自分にとって最適な職場を再確認することも大切です。職場の雰囲気・教育サポート体制・勤務条件などを総合的に評価し、自分が重視する価値観や条件を改めて整理してみましょう。

「どのような環境で成長したいのか」「将来的にどんなキャリアを築きたいのか」といった問いを繰り返すことで、自分に合う職場選びの基準が明らかになります。

面接で落ちた際には、職場選びの優先順位を見直すことで、今後のより良い就職につながるでしょう。

新卒看護師は面接の準備をしっかりすれば合格は見えてくる

看護師の採用面接は、ほかの職種と比べて合格しやすい傾向にあります。

しかし、志望動機の浅さやマナーの欠如、病院との相性の悪さなどが原因で、不合格となることは十分に考えられます。

重要なのは、事前の準備を怠らないことです。応募先の病院についてしっかりと調べ、想定される質問への回答を準備しておけば、自信を持って面接に挑めるでしょう。

なお、看護師としての勤務先は病院だけではありません。訪問看護のように、患者さまと深く関わりながら地域医療に貢献できる働き方もあります。

規則正しい生活を送りながら看護師として働いてみたい方は、訪問看護専門の転職サイト「NsPaceCareer」を覗いてみてください。

<参考文献・サイト>

看護師等(看護職員)の確保を巡る状況 厚生労働省

2023年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」 結果 日本看護協会 

2024年病院看護実態調査 日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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