看護師の50代からの働き方!無理せず働ける5つの転職先と転職のコツ

公開日:2025/07/20 更新日:2025/07/20
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「50代になって体力的に夜勤が厳しくなってきた」「人間関係に疲れてきた」

50代を迎え、看護師としての働き方に悩んでいる方はいませんか。

長年のキャリアで培った経験と知識がある50代の看護師は、医療現場で必要とされています。一方で、無理なく働き続けたいという気持ちも切実に抱えているはずです。

この記事では、50代の看護師が抱える悩みや長く活躍できる転職先、転職を成功させる具体的なコツを解説します。体力的な負担を減らし、プライベートも充実させながら、看護師として長く活躍できる道を見つけましょう。

50代の看護師が直面しやすい悩み

50代の看護師には、豊富な知識やスキルがあります。しかし、同時に年齢を重ねることで、次のように新たな悩みに直面する方も少なくありません。

  • 夜勤の負担が増えてくる
  • 人間関係のストレスが以前より重く感じる
  • ベテランとしての責任が重くなる
  • 家庭や介護との両立が難しくなる
  • 年収を減らさずに働きたい

これらの悩みは、年齢や長年のキャリアならではのものです。それぞれを具体的に見ていきましょう。

夜勤の負担が増えてくる

50代に入ると、夜勤による体力的な負担が大きくなりがちです。

夜勤の疲労感が翌日まで残り、休日に思うようにリフレッシュできないケースも見られます。その結果、友人とのランチや趣味のガーデニングも楽しめなくなることもあります。

こうした心身の負担が続くと、生活の質の低下にもつながりかねません。

人間関係のストレスが以前より重く感じる

50代になると、職場の人間関係にこれまで以上にストレスを感じる場合があります。というのも、ベテランとしての役割を期待される一方で、若手とのジェネレーションギャップや価値観の違いに悩む場面が増えてくるためです。

たとえば、最新の医療機器の操作方法を若手から教わることにためらいを覚えたり、逆に自分のやり方を押しつけて人間関係に溝が生まれたりすることもあります。

立場や世代間の違いによるストレスが、精神面での負担をより一層大きくします。

ベテランとしての責任が重くなる

経験豊富なベテラン看護師は、職場で頼られる機会が増え、自然と責任の重さが増してきます。とくに、後輩指導やOJTを任される場面が多く、自分の業務に加え、若手を育成する役割も求められるため負担感を抱く方も少なくありません。

たとえば、緊急時に若手のミスをカバーしたり、患者さま対応で困ったときに相談されたりなど、難しい場面での判断を求められることに、精神的なプレッシャーが溜まりやすくなります。

家庭や介護との両立が難しくなる

子育てが続いていたり、親の介護が始まったりする方もいます。

しかし、看護師の仕事はシフト制が基本となるため、家庭の状況と両立が難しく、時間的・体力的に厳しさを感じる方は少なくありません。

実際に、夜勤明けに親の介護のために実家に通う方や、子どもの受験・就職支援に十分な時間を割けず、もどかしさを感じている方もいます。こうした生活との両立の難しさは、日々のストレスの一因となりやすいのです。

年収を減らさずに働きたい

50代に差しかかると、老後の生活や今後のライフプランを考え、収入を減らさずに働きたいと考える方が増える傾向です。

たとえば、夜勤手当込みで月収40万円を得ている場合、日勤のみのクリニックに転職すると、給与が大幅に下がるのではないかと不安を感じ、転職に踏み切れないケースもあります。収入面での不安は、新しい働き方への一歩をためらう要因となります。

関連記事:50代看護師の年収は?年収アップを目指す5つの方法とおすすめ求人

看護師は50代からでも転職できる!無理せずに働ける5つの転職先

経験豊富な50代の看護師は、即戦力として、多くの職場で求められています。ここでは、無理なく活躍できる転職先を紹介します。

  • 50代からでも活躍できる訪問看護ステーション
  • 日勤のみで働けるクリニック
  • 身体の負担が少ない健診センター
  • 規則的な生活が実現できる産業看護師
  • 夜勤の負担が少ない介護施設

それぞれの転職先の特徴を見ていきましょう。

50代からでも活躍できる訪問看護ステーション

訪問看護ステーションは、50代の看護師がこれまで培ってきた経験を活かしやすい職場です。

具体的には、長年の病棟経験で得た観察力やアセスメント能力は、利用者さまのわずかな変化に気づき、適切なケアを提供するうえで役立ちます。また、利用者さまのご家族とのコミュニケーションの場面でも、培ってきた対人スキルも活かせます。

訪問看護という働き方に興味がある50代の看護師は「NsPaceCareer」をぜひ活用してみてください。転職についての情報が豊富にあるため、あなたの悩みを解決できます。現役の訪問看護師に無料で相談もできるため、自分に合った働き方を見つけられるでしょう。

日勤のみで働けるクリニック

クリニックは、日勤のみで働けるため、体力的な負担を減らしたい50代の看護師におすすめです。

とくに、総合病院の外来で患者対応や処置の経験を積んできた方にとっては、そのスキルを内科系クリニックで活かせます。また、子育てが落ち着き、一定の生活リズムを整えたいと考える方にも働きやすい環境といえるでしょう。

身体の負担が少ない健診センター

健診センターも、身体的な負担が少ない働き方の1つです。おもに次の業務が中心であり、重労働が少ない傾向です。

  • 問診
  • 採血
  • 検査の補助

夜勤はなく、土日休みの場合も多いため、プライベートと両立しやすい点も魅力です。

規則的な生活が実現できる産業看護師

産業看護師は、企業の健康管理室や医務室などで従業員の健康支援をおこなう職種で、規則的な勤務形態が特徴です。夜勤や緊急対応がないため、生活リズムを整えたい50代の看護師にとって、無理のない働き方が可能です。

業務内容は、健康診断後の保健指導やストレスチェック後の面談などが中心で、これまで培った臨床経験やコミュニケーション力を活かせます。ワークライフバランスを重視したい方にとって魅力的な選択肢です。

夜勤の負担が少ない介護施設

介護施設の看護師の仕事は、夜勤の負担が少ない傾向にあるため、50代の看護師にとって働きやすい職場といえます。利用者さまの健康管理や生活サポートが中心で、バイタルチェックや服薬管理などをおこなうため、医療機関に比べて緊急対応の頻度は低い傾向にあります。

特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)などで働く場合、利用者さまの健康状態を日常的に観察し、必要に応じて医師と連携することが役割の1つです。夜勤がある施設でも回数が少ないため、体力的な負担を軽減したい看護師におすすめの職場です。

看護師が50代からの働き方を見直して良かった体験談

50代になってから働き方を見直すことは、不安に感じるかもしれません。しかし、実際に働き方を変え、満足のいくキャリアを築いている方もいます。ここでは、働き方を見直して良かった体験談を紹介します。それぞれの体験談を、これからの転職活動に活かしましょう。

「夜勤を止めて気持ちに余裕ができた」訪問看護に転職した50代の看護師

<体験談> 50代を目前に夜勤が体力的に厳しくなり、訪問看護ステーションへ転職しました。オンコール勤務はありますが、夜勤がなくなったことで、規則正しい生活を送れるようになり、友人と旅行したり、孫と公園で遊んだりする時間も増え、心身ともに余裕ができました。

夜勤のない訪問看護に働き方を変えることで、体力的な負担が減り、プライベートも充実します。心身の余裕は、仕事へのモチベーション向上にもつながるでしょう。

家庭との両立を優先してクリニックで働く50代の看護師

<体験談> 子育ては落ち着きましたが、親の介護が始まったため、家庭を優先できるクリニックへ転職しました。土日休みで残業も少ないため、通院のつき添いや家事の時間も確保できるようになりました。精神的な負担も減り、穏やかな気持ちで働けています。

クリニックは日勤のみで、家庭と両立しやすい職場です。プライベートの時間を確保できるため、介護や子育て、自身の時間を大切にしたい看護師におすすめです。

年齢を理由に諦めずに新しい働き方に挑戦した50代の看護師

<体験談> 病棟経験を活かしつつ、新しい分野に挑戦したいと健診センターに転職しました。検査機器の操作や生活習慣病の予防のカウンセリングなど、新しい知識やスキルを学ぶことに喜びを感じています。年齢問わず、成長できる場があることに感謝しています。

50代からでも新しい分野に挑戦することは可能です。これまでの経験を活かして、スキルアップを目指せる職場を選ぶことで、やりがいを感じられます。

50代からの転職でも看護師として求められる理由

50代での転職は難しいと考える看護師もいるでしょう。しかし、50代は次の理由から重宝される存在です。

  • 看護業界が人手不足である
  • 即戦力として期待される
  • 患者さまやご家族から信頼される
  • 教育係としての役割も重視される

ここでは、なぜ臨床の現場に50代の看護師が求められるのか、その理由を解説します。

看護業界が人手不足である

看護業界は、人手不足の状況が続いています。実際に、厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」によると、全職業の有効求人倍率が1.19倍である一方で、看護師・准看護師は2.20倍です。これは、高齢化の進展によって医療や介護のニーズが高まり、看護師の需要が増加していることが要因の1つです。

団塊の世代が後期高齢者となる2025年には、さらに需要が高まると予測されており、経験豊富な50代の看護師は歓迎される傾向にあります。

即戦力として期待される

50代の看護師は、長年の臨床経験と豊富な知識があり、職場で一から教育する必要がないため、即戦力として期待されます。

緊急時でも冷静に対応できる判断力や、新人教育に携われる指導力など、すぐに組織に貢献できる点が採用側にとって魅力です。

患者さまやご家族から信頼される

人生経験が豊富な50代の看護師は、患者さまやご家族からの信頼を得やすい傾向にあります。さまざまな状況に対応してきた経験が、安心感や頼りがいにつながるからです。

たとえば、人生の終末期にある患者さまのご家族に対して、寄り添いながら心のケアをおこなう場面では、豊富な人生経験と共感力が大きな力を発揮します。

教育係としての役割も重視される

50代の看護師は、若手看護師の指導や育成においても重要な役割を担えます。知識やスキルを若手に伝えることで、組織全体のレベルアップに貢献できるからです。

患者さまとのコミュニケーションの取り方や、看護観の形成など、多岐にわたる指導をおこなうことが期待されます。

関連記事:看護師が50代で転職するのは難しい?転職しやすい職場や注意点の解説 

看護師が50代からの転職を成功させるコツ

50代からの転職は、これまでのキャリアを振り返り、新たな一歩を踏み出す大切な機会です。希望する働き方を実現するためには、次のポイントを押さえることが重要です。

  • 経験やスキルを活用できる職場を選ぶ
  • 体力的に無理のない働き方を基準にする
  • 生活スタイルに合った勤務形態を優先する
  • 職場見学や面接で人間関係や雰囲気を確認する
  • 50代の看護師が活躍している職場を選ぶ
  • 50代の看護師ならではの強みを伝える
  • 50代の看護師の転職に強いサービスを活用する

これらのコツを押さえて、自分に合った働き方を実現させましょう。

経験やスキルを活用できる職場を選ぶ

これまでの経験やスキルを最大限に活かせる職場を選ぶことは、転職成功のカギです。

得意な分野や、長く携わってきた領域を選ぶことで、職場で活躍できます。これまで小児科病棟で勤務してきた看護師は、小児科クリニックや小児専門の訪問看護ステーションを選ぶことで、スムーズに業務に馴染めるでしょう。

体力的に無理のない働き方を基準にする

50代になると、体力的な負担を考えた働き方を選ぶことが重要です。次のように無理なく働ける条件を優先的に考えましょう。

  • 夜勤
  • 残業時間
  • 委員会活動
  • 休日や時間外での研修や勉強会

夜勤ありの勤務で体力的につらかった場合、クリニックや健診センター、一般企業などを選択肢に入れることで長く働き続けられます。

生活スタイルに合った勤務形態を優先する

プライベートを充実させるためにも、生活スタイルに合った勤務形態を優先しましょう。希望する条件を明らかにすることが大切です。

  • 日勤のみ
  • 時短勤務
  • 週休2日制

たとえば、週末は趣味の登山を楽しみたい、平日の午前中は通院につき添いをしたいといった希望がある場合、勤務時間や休日に融通がききやすい訪問看護師や産業看護師といった働き方を選ぶことが重要です。

職場見学や面接で人間関係や雰囲気を確認する

転職後の後悔を避けるためには、職場の人間関係や雰囲気を事前に把握することが不可欠です。職場見学や面接で、スタッフの様子や職場の雰囲気などを確認しましょう。

具体的には、スタッフが笑顔で会話しているか、忙しいときでも助け合う雰囲気があるかなど、実際の様子を見ることで入職後のミスマッチを防げる可能性があります。

50代の看護師が活躍している職場を選ぶ

50代の看護師が活躍している職場は、年齢を気にせず働きやすい環境といえます。

求人情報に「幅広い年代が活躍中」といった記載がある職場や、面接時に「50代の看護師も多く在籍しています」と説明される職場は、安心して働けるでしょう。

50代の看護師ならではの強みを伝える

面接では、50代の看護師ならではの強みを積極的にアピールしましょう。豊富な経験や培ってきたスキル、若手育成への意欲、患者さまへの共感力などは大きな武器となるからです。

新人指導の経験を具体的に話したり、対応が難しい患者さまのケアで心がけたことを伝えたりすることで、経験や人間性を効果的にアピールできます。

50代の看護師の転職に強いサービスを活用する

50代の看護師に特化した転職サービスを活用することも有効です。50代向けの求人情報が豊富で履歴書や面接の対策など、きめ細やかなサポートを受けられるからです。

キャリアアドバイザーが、希望や経験に合った求人を紹介してくれるだけでなく、面接でどのように強みをアピールすれば良いかのアドバイスもしてくれます。

看護師で50代からの働き方についてのよくある質問

50代からの看護師の働き方について、多くの看護師から寄せられる質問にお答えします。

Q1:50代から看護師以外の仕事はできますか?

50代から看護師以外の仕事に転職することは可能です。経験やスキルは、病院以外のさまざまな分野で活かせます。

  • ケアマネジャー
  • 大学や専門学校の教員
  • 医療系企業の営業職

異業種への転職も選択肢の1つですが、看護師経験を活かせる職種の方が、キャリアを有効活用できるでしょう。資格を活かして働ける求人を下記の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。

関連記事:看護師資格が使える珍しい求人25選!自宅でできる仕事やメリット

Q2:50代の看護師はどのような役割を担っていますか?

50代の看護師は、次の役割を担っています。

  • 即戦力としての臨床業務
  • 若手看護師の指導・育成
  • チームリーダー・管理職
  • 患者さまやご家族への精神的サポート

このような役割を担えるため、50代の看護師は転職先でも活躍できるのです。

Q3:50代の看護師が使えないといわれるのは本当ですか?

「50代の看護師が使えない」というのは誤解です。

確かに体力的な面で若い頃と同じように働けないと感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、知識や経験、判断力、コミュニケーション能力など50代の看護師にしかない強みがたくさんあります。

多くの医療機関や施設では、50代の看護師の経験やスキルを高く評価しています。

Q4:看護師は何歳まで働けますか?

看護師に定年の年齢制限はありません。体力や健康状態、個人の意欲にもよりますが、70代や80代になっても現役で活躍している方もいます。

たとえば、パートタイムで週に数日だけクリニックで働く方や、健診センターで繁忙期のみ働く方など、ライフスタイルや体調に合わせて働き続けることが可能です。

看護師としての経験を活かし、50代からの働き方を見直そう!

50代からの看護師の働き方には、多くの選択肢があります。体力的な負担や人間関係の悩み、家庭との両立などの課題に直面することもあるかもしれません。

しかし、これまで培ってきた豊富な経験やスキルは、50代ならではの強みです。転職を成功させるためには、経験やスキルを活かせる職場で、生活スタイルに合った勤務形態を選ぶことが重要です。訪問看護ステーションやクリニックなど、自身の希望やライフスタイルに合わせて、最適な働き方を見つけましょう。

<参考サイト・文献>

看護師等(看護職員)の確保を巡る状況|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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