看護師5年目のよくある悩み5つ!目標をクリアしキャリアアップする方法

公開日:2025/07/03 更新日:2025/07/03
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看護師5年目。責任も任され、現場にも慣れてきたけれど、「このままの働き方でいいの?」と感じ始める頃かもしれません。この記事では、そんなあなたが一歩を踏み出すための“キャリアの羅針盤”をお届けします。

看護師5年目で直面しがちな5つの悩み

看護師5年目は、リーダーシップや後輩指導など、さまざまな役割を求められる一方で、直面しやすい悩みも多岐にわたります。

  1. 後輩指導の難しさや責任感
  2. 中堅としてのプレッシャーや板挟み
  3. 医療安全や倫理観への向き合い
  4. 専門性の追求とキャリアの方向性への迷い
  5. ワークライフバランスの課題

漠然とした不安の根源が明らかになると、今後の方向性や目標を立てるヒントが見えてくるかもしれません。ここでは、とくに看護師5年目が感じやすい悩みについて解説します。

1.後輩指導の難しさや責任感

後輩の成長を願う一方で「どう教えれば伝わるのか」「この言い方で傷つけていないか」と悩む場面も多いはずです。

たとえば、自信のなさそうな新人看護師に対して厳しく指導すべきか、励ますべきかを迷った経験がある看護師5年目の方もいるでしょう。

自分の教え方ひとつで後輩看護師のモチベーションや成長に影響すると思うと、責任の重さにプレッシャーを感じるかもしれません。

また、個々の成長スピードや性格に合わせて対応する難しさに直面し「この指導で本当に合っているのか」と悩む機会も増えてきます。

2.中堅としてのプレッシャーや板挟み

「もう5年目だからできて当たり前」といった周囲の目や、以前のようなサポートが得られにくくなることで、いつの間にかプレッシャーを感じるようになります。

たとえば、リーダー業務を任された日に後輩からの質問が重なり、上司から全体を見て仕事をするようにと注意を受けるといった状況に心が疲弊してしまいがちです。

自分の立ち位置を客観的に見つめ直すタイミングである一方で、責任の重さや周囲との関係性に悩み、精神的に負担となることも少なくありません。

3.医療安全や倫理観への向き合い

経験を積むことで、医療安全の課題や倫理的なジレンマに直面する機会が増えてきます。

例として、認知症の患者さまが「帰りたい」と繰り返すとき、患者さまの安全を守るために制止すべきなのか、それとも気持ちに寄り添うべきなのかといった場面に直面することもあります。

こうした局面では正解がひとつではないからこそ、判断の難しさや葛藤を強く感じるようになります。

4.専門性の追求とキャリアの方向性への迷い

看護師としてのキャリアを考え始める5年目は「もっとほかに学べるスキルや知識はないのだろうか?」「私に向いている専門分野って何だろう?」といった迷いが自然に生まれるタイミングです。

集中治療室で働く同期が認定看護師を目指していると聞いて焦ったり、管理職になりたくても今の自分にできるのか不安になったりといった悩みが出てくる方もいるでしょう。

資格取得や部署異動など、キャリアを積んでいく選択肢は多いものの「何を選べば自分らしい道なのか」がわからず、足踏みしてしまう看護師もいます。

5.ワークライフバランスの課題

看護師5年目は、夜勤や残業に追われるなか、委員会活動や後輩指導まで担うことで、プライベートの時間が削られがちです。

勤務終了後、後輩看護師にフィードバックをおこなったり、夜勤明けに委員会資料を作成したりすると、休む時間のなさを感じることもあるでしょう。

こうした状況が続くと、慢性的な疲れやストレスを抱え、退職を考えてしまうかもしれません。

看護師5年目がクリアすべき目標

看護師5年目は、中堅としての責任が増すと同時に、今後のキャリアを見据えて行動する重要なタイミングです。

  • 新人・後輩育成と指導への積極的なかかわり
  • 自立したアセスメント能力と判断力の確立
  • チーム医療におけるリーダーシップと協調性の発揮
  • 特定分野の専門性の追求と自己研鑽
  • キャリアプランの具体化と行動への移行

これまでの経験を振り返りながら、成長するために「何をすべきか」「どの力を伸ばすべきか」を明らかにしましょう。

新人・後輩育成と指導への積極的なかかわり

看護師5年目になると、新人看護師や経験の浅い後輩の指導を任される機会が増えてきます。

プリセプターや教育担当として、日々の業務だけでなくメンタル面のサポートを求められる場面も多くなるでしょう。

単に業務の流れを伝えるだけでなく、後輩の疑問に答えながら、成長をサポートする姿勢が必要です。

自立したアセスメント能力と判断力の確立

緊急時や想定外の事態に直面したときでも、冷静に状況を判断し、根拠にもとづいた対応ができる力は、看護師5年目が伸ばしていきたい重要なスキルです。

患者さまの状態変化を早期に察知し、適切な処置につなげることで、病状の悪化を防げるからです。

そのためにも、看護師5年目には観察力を磨き、さまざまな視点で患者さまの状況を判断できるようなアセスメント能力が必要です。

チーム医療におけるリーダーシップと協調性の発揮

チーム医療では、看護師としての主体性と多職種との連携における協調性のバランスが大切です。

一例として、カンファレンスでの発言や、多職種との情報共有を積極的におこなうことで、患者さまの状況に合ったケアを実現できます。

看護師5年目は、自分の意見をしっかり伝え、問題点を指摘・改善する役割もあります。

リーダーシップを少しずつ意識し、チームの動きを見ながら働きかけていくために、まずは小さなチームミーティングで発言することから始めてみても良いでしょう。

特定分野の専門性の追求と自己研鑽

看護師として基本的な知識と技術が身についてきた5年目だからこそ、自分が興味をもつ分野に焦点をあてて、専門性を深めることが次の目標となります。

具体的には、がん看護や小児看護、慢性疾患のセルフケア支援など、日々の業務のなかで関心をもった領域が出てくるかもしれません。

その分野に関連する研修への参加や、認定看護師・専門看護師の資格取得を視野に入れることで、学びの方向性が明らかになるでしょう。

キャリアプランの具体化と行動への移行

看護師5年目は「このままで良いのだろうか?」という漠然とした不安に対して、具体的な行動へと一歩を踏み出すタイミングです。

「3年後に訪問看護にチャレンジしたい」「5年後に大学院で看護研究を学びたい」など、理想のキャリア像を描き始めましょう。

そのためには、自分がどんな看護師になりたいのかを見つめ直し、必要な経験や学習をリストアップしてみることが効果的です。

看護師5年目が目標をクリアしキャリアアップする方法

看護師5年目が、目標を着実にクリアし将来のキャリアを広げていくためには、自分の課題と向き合い、具体的なアクションを積み重ねることが重要です。

  • ロールモデルや相談できる相手を見つける
  • 目標管理シートで課題を明らかにする
  • スキルアップのための学習機会を積極的に活用する
  • 専門性の高い資格取得を目指す
  • 後輩指導の引き出しを増やす
  • 業務改善の提案や委員会活動への参加をおこなう
  • 健康管理とメンタルヘルスケアを意識する

その方法をひとつずつ解説します。

ロールモデルや相談できる相手を見つける

身近にいる尊敬できる先輩や、目標としたい看護師を見つけましょう。

仕事への向き合い方や、困難を乗り越える姿勢から学べることは数多くあります。また、悩みを共有できる同期や信頼できる先輩に相談することで、客観的なアドバイスも受けられます。

目標管理シートで課題を明らかにする

看護師5年目が目標を達成するには、目標管理シートを活用して自分の課題を明らかにすることが有効です。

その際、SMARTの法則に則って作成すると、進捗状況の把握や評価がしやすくなります。

  • S(Specific:具体的):内容をはっきりとして誰が見てもわかる目標にする
  • M(Measurable:測定可能):達成度を数値や結果で評価できるようにする
  • A(Achievable:達成可能):実現可能な範囲で無理のない目標にする
  • R(Relevant:関連性):自分のキャリアや職場の方針とつながりがある内容にする
  • T(Time-bound:期限):期限を決めて行動に区切りをつける

、指導力とチーム医療について目標を掲げたい場合、以下のような目標・行動例が評価しやすいでしょう。

目標例行動計画の例
後輩看護師の指導力を高め指導者としての基盤を築く・新人看護師の指導を週1回担当し振り返りメモを記録する
・12月までに指導の資料やマニュアルを整備・共有する
・プリセプターに関する研修を年2回以上受講する
多職種連携に積極的にかかわりチーム医療の質向上に貢献する・カンファレンスで1回は自分の意見を発言する
・他職種と情報共有する機会を増やし記録に残す
・連携に関する気づきを年内に2件、チームに報告する

このように目標を具体化し行動に落とし込むことで、自分の成長を評価・実感しやすくなり、より良いキャリア形成が期待できます。

スキルアップのための学習機会を積極的に活用する

スキル向上のためには、次のような学びを積極的に取り入れることが重要です。

  • 院内研修への参加
  • 外部セミナーの受講
  • 書籍や専門誌を読むこと
  • eラーニングの活用

とくに、興味や関心のある専門分野に焦点を当てて学習を進めることで、スキルだけでなく看護師としての自信とやりがいも深まります。

専門性の高い資格取得を目指す

看護師5年目は、スキル・キャリアアップにつながる資格の受験資格を間近に迎える時期でもあります。たとえば、次のような資格取得や研修の受講を視野に入れると良いでしょう。

  • 認定看護師
  • 専門看護師
  • 特定行為研修
  • 各種学会の認定資格

自分の興味や将来の目標に合った資格を選ぶことで、選択肢の幅を広げられます。

後輩指導の引き出しを増やす

後輩指導に戸惑いを感じる場合は、指導方法に関する書籍や研修を活用し、知識の引き出しを増やしておくことが有効です。

また、ほかの先輩の指導方法を観察し良い点を取り入れることで、指導スキルを高められます。

一方的に教えるのではなく、後輩が自ら考えて成長できるようなかかわり方を心がけることが大切です。

業務改善の提案や委員会活動への参加をおこなう

業務改善についての提案をしたり、院内の委員会活動に参加したりすることは、看護師5年目で中堅看護師としての責任感を育むのに良い機会です。

自分の意見や取り組みが現場で実際に活かされると、仕事への達成感ややりがいをより強く感じられるでしょう。

健康管理とメンタルヘルスケアを意識する

仕事に真剣に取り組むからこそ、次のように日々の生活でリフレッシュする時間を確保して、心と身体の健康を保つことは不可欠です。

  • 十分な睡眠や休息をとる
  • 趣味の時間を持つ
  • 適度に運動する

ストレスや悩みが蓄積してしまった場合は、職場の相談窓口や外部のカウンセリングを利用するなどの対応が大切です。

看護師5年目が課題解決できないなら転職も検討

どれだけ努力しても課題が解決せず「理想の働き方」や「なりたい自分」を今の職場で実現するのが難しいと感じることもあります。

そのようなときは、職場を変えることも選択肢のひとつです。よくあるケースとして、以下のような悩みがある場合は、転職によって状況が好転するかもしれません。

  • 人間関係の悩み
  • スキルアップの機会の少なさ
  • ワークライフバランスの崩壊
  • 給料・待遇への不満

転職は決してネガティブな決断ではありません。キャリアを見つめなおし、自分の希望や条件に合った環境で看護師として成長するための前向きなステップと捉えましょう。

看護師5年目におすすめの転職先

これまでの経験を活かしつつ、新たな環境でステップアップしたい看護師5年目には、次の職場がおすすめです。

  • 訪問看護ステーション
  • クリニック
  • 健診センター
  • 保育園・学校などの保健室
  • 企業の健康管理室

利用者さまとしっかり向き合う看護がしたい、培ったアセスメント能力や判断力を活かしたい看護師は、訪問看護の現場が向いている可能性があります。

訪問看護は、患者さまの生活環境に寄り添い、深い信頼関係を築けるやりがいのある仕事です。

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看護師5年目に関するよくある質問

看護師5年目に関するよくある質問にお答えします。今後のキャリア形成や働き方の参考にしてください。

看護師5年目の基本給や年収はどれくらいですか?

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、新卒で入職した看護師5年目の多くが含まれる25〜29歳の給与は、以下と想定されます。

項目平均金額
月給31万5,300円
賞与70万5,400円
推定年収448万9,000円
参考:令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

この統計には、時間外手当や休日出勤手当といった諸手当が含まれていないため、実際の年収はもう少し高くなる可能性があります。

現在の収入に不安がある、より高い年収を目指したいといった看護師は、資格取得による手当や転職を視野に入れると、収入アップのメリットが期待できます。

関連記事:看護師5年目の年収は?転職が成功する理由3つやよくある悩みも解説

看護師5年目はベテランですか?

一般的に看護師5年目は「中堅」として認識される傾向です。

看護師5年目には、新人指導をはじめとする役割も広がり、基本的な看護技術や知識はひととおり身につけているとされます。

そのため、状況に応じて自ら判断し、行動できる場面も増えてきます。

しかし、すべてを完璧にこなせるわけではなく、専門性を高めたり、新しい経験を積んだりする成長過程の段階であり、ベテランへの一歩を踏み出す、大切な期間といえるでしょう。

看護師5年目はキャリアに悩む時期!思い切って転職するのも検討しましょう

看護師5年目は仕事に慣れ、役割が広がる一方で、キャリアの方向性や職場環境に悩みが出やすい時期です。

努力しても課題が解決しない場合は、病院から訪問看護師といった別の分野への転職を視野に入れるのも選択肢のひとつです。

新たな環境で自分らしく成長できるチャンスをつかみましょう。

<参考サイト・文献>

令和6年賃金構造基本統計調査|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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