「自宅で自分らしく暮らしたい」を叶えるために~チームで支える安心の看護を提供~神奈川区訪問看護ステーション 石橋さん 桐田さんにインタビュー

公開日:2025/06/23 更新日:2025/06/23
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神奈川区医師会訪問看護ステーションは、開業から20年という長い歴史のある事業所です。利用者さまの尊厳を大切にした看護を提供するとともに、医師会という組織の強みを活かし、チームで支える看護を実践しています。今回は管理者の石橋様と主任看護師の桐田様に、組織の強みや、スタッフの働きやすい職場づくり、そして今後のビジョンをうかがいました。

訪問看護の道へ進んだきっかけ

石橋様:

私は出産して子どもが小さい頃に、夜勤ができなくなったことが訪問看護へ進むきっかけになりました。私が訪問看護を始めた当時は、今のようにステーションの数も多くなく、オンコール対応もほとんどない時代だったんです。昼間だけの勤務で、自分の時間の許す範囲で働ける体制だったので、本当に飛び込むような形で始めました。訪問看護の世界に入ってからは、もう24年になります。

桐田様:

私の訪問看護の始まりは、義理の父と友人の父が訪問看護を受けていた話を聞いて、魅力を感じたのがきっかけです。自分の近しい人が実際に訪問看護を利用していると分かり、興味をもつようになりました。看護師になって30年、訪問看護のキャリアは8年になります。

「チームでなんでも相談できる体制があることが医師会の強み」とお話しされる石橋さん

「医師会」という強み。利用者をチームで支える

石橋様:

当ステーションに転職する前、異なる区の医師会のステーションで働いていました。看護の仕事は一見、個人で判断してひとりで進めるものと思われるかもしれませんが、やはり医師会の強みは、チームでなんでも相談できる体制があることです。ひとりで働いているようにみえても、先生方がすぐ近くにいたり、頼りになる仲間がいたり。さまざまなことをみんなで相談しながら、これまで乗り越えてこられたと感じています。とくに、先生たちとすぐに連絡が取れる体制があるのは、医師会ならではの大きな強みです。大きな病院だと電話がなかなかつながらなかったり、連携が難しいこともあったりしますが、医師会では主治医の先生でなくても、誰かしら相談できる先生がいるので、すごく心強いですね。先生方も訪問看護に対して深い理解をお持ちの方が多いと感じます。

桐田様:

待遇面でも、ほかのステーションと比較して恵まれていると感じています。勤務時間は基本的に9時から17時です。常勤であれば24時間の待機手当も充実していますし、ボーナスもしっかり支給されますよ。医師会というしっかりとした組織のバックボーンがあるからこそ、待遇や福利厚生もしっかりしているのだと思います。

石橋様:

希望があれば、訪問看護業務以外にも、医療連携拠点としての業務を兼務することも可能です。当ステーションは地域の連携拠点として相談室も兼ねているので、さまざまな働き方を選択できるんです。訪問看護だけではなく、地域との連携や啓発活動に興味がある方も活躍してもらえると思いますよ。大きな組織のなかで、さまざまな職種が協力し合っているところは魅力のひとつだと思います。

スタッフみんなが働きやすい職場にするために。子育て世代や新人にも丁寧にフォロー

石橋様:

働く環境としては、スタッフがひとりで抱え込まないように、みんなで常に相談できる体制を取り、フォローし合うことを心がけています。小さい子供を持つスタッフも多いので、そうした子育て世代へのフォローもしっかりとできる体制です。私自身も、子どもが小さかった頃はたくさんのスタッフに助けてもらいました。管理者になれたのも、周りのサポートがあったからこそ。スタッフの人数がある程度そろっていないと、ライフステージに合わせた柔軟な働き方や、急な休みへの対応は難しいと思いますが、当ステーションではそれが実現できていると感じています。

桐田様:

スタッフ同士のコミュニケーションも大切にしています。挨拶をきちんとして、声かけを意識していますね。体調が悪そうなスタッフや落ち込んでいるスタッフがいないかなど、よく見て声をかけるように努めています。

また、入職された方への丁寧なフォロー体制も整っていますよ。訪問看護が初めての方には経験豊富なスタッフが2~3回同行し、少しずつ独り立ちできるように支援します。独り立ちしたあとも、ときどき一緒に訪問したり、カンファレンスでみんなから意見を聞いたり、記録を見て気になることがあればこちらから声をかけたりと、チームでサポートする体制があります。自分がやっていることが正しいのかな、と悩むこともあると思いますが、ひとりで抱え込まず、チームで考えることを大切にしていますね。毎週カンファレンスの時間をとり、報告や相談事項を共有し、みんなで一緒に考えています。

石橋様:

カンファレンスは職種別でも、職種合同でも実施していますよ。理学療法士も在籍しているので、専門職同士の会議や、医師も入った全体のカンファレンスで困りごとを共有しています。また、日々の情報共有として、朝と夕方に報告会の時間があるんです。朝は夜間のオンコールの状況を報告し「今日一日頑張りましょう」とみんなで話し合い。夕方にはその日の訪問の様子を報告し、とくにオンコールが鳴りそうな利用者さんの情報を共有します。これにより、実際には訪問したことがない利用者さんのことも、なんとなくイメージがつき、オンコールをもつスタッフも安心して対応できます。オンコールをしていないスタッフも、その日の利用者さんの状況を共有することで、次に訪問する際や、急なオンコール対応が必要になったときの情報になりますね。

訪問看護のやりがいをお話しされた桐田さん。

利用者の笑顔や感謝の言葉が原動力。個別性の高い看護を実践

桐田様:

当ステーションが大切にしているのは、利用者さん一人ひとりの価値観の違いを理解し、その人となりに寄り添って、できるだけ尊厳をもってお手伝いさせていただくことです。これはステーション全体で第一に実現しようとしていることですね。

石橋様:

自分が提供したケアやサポートが、利用者さんとご家族の笑顔や感謝の言葉で返ってきたときは、とてもうれしいです。ときには失敗もありますが、利用者さんやご家族と一緒に歩みながら、自分自身も成長させてもらっていると感じます。病棟での仕事も経験しましたが、あの人数の患者さんに対して、限られた時間のなかで一体なにをケアできていたんだろうと思うことがあります。訪問看護も時間制ではありますが、時間内にやりたいこと、もっとできることがたくさん出てくるんです。利用者さんの個別性に合わせて、さまざまなことを考え、工夫して看護を実践していけるという点は魅力ですし、病棟のように決められたチームワークだけではない、個別性に対応できる面白さがあります。

桐田様:

私も病棟で働いていたときは、業務や時間に追われる感覚がありました。訪問看護も時間制ではありますが、利用者さんと1対1でじっくり向き合える時間があります。病気だけでなく、その人らしい生活を送れるように、私たち看護師もさまざまなことを考えて、利用者さんの意見もしっかりと聞いて、相談し合える。そうした関わりのなかで得られる満足感は高く、それがやりがいにつながっています。利用者さんやご家族から感謝の言葉をいただいたときには、とくにやりがいを感じますね。

会議の様子。医師との交流が多いのも「神奈川区訪問看護ステーション」の特徴です。

地域との連携を大切に。どんな利用者でも受け入れる「地域の受け皿」になるために

桐田様:

地域での勉強会や研修会に参加したり、交流会のようなパーティーに参加したりして、顔の見える関係づくりを大切にしています。交流会は、ケアマネステーションやほかの訪問看護ステーションなどが主催となり、ホテルで開催されることもありますよ。デイサービスの方やヘルパー事業所の方など、さまざまな職種の方と顔を合わせられる貴重な機会です。普段関わる機会が少ない方々とも交流できるので、とても楽しいですし、連携もしやすくなると思っています。

石橋様:

地域医療の連携拠点機能を担う場所としての活動にも注力しています。訪問看護の業務だけでなく、地域の住民の方々へ向けた啓発活動として、定期的に研修会を開催し、地域とのつながりを深めています。「訪問看護が必要な状態かどうかが分かりにくい」といった地域住民の方への情報提供にも努めていますね。

現在、神奈川区には訪問看護ステーションがたくさんできていますが、残念ながら設立しても潰れてしまうことも少なくありません。当ステーションは長い歴史を持っているので、ほかのステーションのお手本となるような存在でありたいと考えています。今後は、スタッフ一人ひとりの強みや得意分野を活かしていきたいです。たとえば「循環器は任せて!」「褥瘡は任せて!」など、強みをもつスタッフがたくさんいるので、みんなが自信を持って対応できるよう、育成にも力を入れていきたいですね。そして、どんな疾患や状況の利用者さんでも、安心して受け入れられるキャパシティをもつステーションを目指していきたいです。

桐田様:

医師会なので、先生方との交流も深く、地域で問題となり得るような困難なケースについても、積極的に受け入れていこうと話し合っています。地域のなかで行き場を失ってしまうようなケースも、医師会のステーションとして、しっかりと受け止めていきたいです。

インタビュアーより

利用者さまの価値観を大切にしながら、個別性の高い訪問看護を提供されている神奈川区医師会訪問看護ステーション様。医師会という組織ならではの多職種連携が強みです。ステーションの風通しの良さや、丁寧な新人教育、子育て世代への理解とサポート体制は、誰もが安心して働ける環境なのではないでしょうか。訪問看護に興味をお持ちの方は、ぜひお問合せください!

事業所概要

神奈川区医師会訪問看護ステーション(神奈川県横浜市)

住所:神奈川県横浜市神奈川区反町1-8-4 はーと友神奈川3階

運営方針・理念:

・「自宅で自分らしく暮らしたい」という願いを叶えるための、地域を支える一翼に

・身近な医療の専門家として、皆さんが気軽に相談でき安心して在宅で過ごせるようお手伝いします

事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/15634

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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