看護師の職業病であらわれる7つの症状とは?おもしろあるあるを紹介

公開日:2025/06/02 更新日:2025/06/02
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「看護師の職業病ってどんな症状?」「看護師ならではのあるあるを知りたい」

このように感じている看護師はいらっしゃいませんか。

看護師は、患者さまの命を預かる責任があり、やりがいがある一方で、身体的にも精神的にも負担がかかりやすい職業です。その負担を放っておくと、身体や心を壊し、やむを得ず仕事を休まなければならなくなることもあります。

この記事では、看護師の方が抱えやすい職業病の症状やその対策、看護師ならではのおもしろあるあるもご紹介します。職業病に悩む看護師の気持ちが和らぎ、これからの働き方を見つめ直すヒントになれば幸いです。

看護師の職業病であらわれる7つの症状

看護師が抱えやすい職業病の症状は、次の7つが挙げられます。

  • 身体的な介護による腰痛
  • 現場の緊張感による肩こり
  • 過重労働による疲労
  • 不規則勤務による睡眠の質の低下
  • 立ち仕事による足のむくみ
  • 頻繁な手洗いによる手荒れ
  • ストレスによる精神的な不調

それぞれ詳しく解説します。

身体的な介護による腰痛

看護師の仕事で抱えやすい症状のひとつが腰痛です。

日本看護協会の調査によると、看護師が従事する保健衛生業における業務上の疾病のうち、約8割が腰痛であると報告されました。患者さまの移乗介助や体位変換、長時間の立ち仕事など、看護師の業務には身体に負担がかかりやすい作業が多いのが原因だと考えられています。

なかには、業務中に腰痛が発症したため労災認定を受ける看護師もいるようです。

これらのデータから、腰痛は看護師が抱えやすい職業病の症状であり、その対策も必要性が高いといえます。

現場の緊張感による肩こり

看護師が抱えやすい職業病の症状には、肩こりも挙げられます。

長時間の立ち仕事や患者さまの体位変換、点滴や薬剤の準備など、無理な姿勢や緊張感により、肩への負担がかかる作業が多くなりがちなためです。

腰痛と似たような要因で起こり、なかには腰痛と肩こりが併発することもあるでしょう。そのため、早めの対策が欠かせません。

過重労働による疲労

「疲れがとれない」「倦怠感がある」といった症状を抱える看護師もいます。

看護師の勤務体制は、日勤や夜勤に加え、早番や遅番といった不規則な勤務になりがちです。また、病院や部署によっては、長時間労働や残業が多くなるケースもあります。このような状況により、十分な休息が確保できず、慢性的な疲労や倦怠感を引き起こす原因となっています。

2021年の日本看護協会の調査では、新型コロナウイルス感染症の流行前と比べて心身の変化があったかという問いに「いつも体が疲れていると感じる」ことが「とても増えた」「やや増えた」と答えた看護師は全体の57%にのぼりました。

この結果からも、看護師が抱える身体的・精神的負担の大きさがうかがえます。

不規則勤務による睡眠の質の低下

看護師は不規則な勤務体制で働いているため、生活リズムが崩れやすい環境にあります。

とくに、夜勤明けの睡眠は浅くなる傾向があり、十分な休息がとれないこともあるでしょう。

こうした睡眠の質の低下は、心身の疲労や集中力の低下、さらにはメンタルヘルスへの影響にもつながる可能性があります。

立ち仕事による足のむくみ

看護師は立ち仕事が大半を占め、長時間にわたり同じ姿勢を続けることにより、足の血行が悪くなりやすいです。

そのため、勤務中や勤務後に足のむくみやだるさを感じる看護師もいます。

足のむくみは一時的な不快感も辛いですが、日常的なケアや予防対策が重要です。

頻繁な手洗いによる手荒れ

感染予防のため、看護師は日常的に頻繁な手洗いやアルコール消毒をおこなっています。

とくに、コロナ禍以降はその頻度が高まったでしょう。手の皮脂や水分が失われやすく、乾燥やひび割れ、かゆみなどの手荒れに悩まされるケースがあります。

ストレスによる精神的な不調

看護師の業務には、患者さまの命に関わる判断や処置をはじめ、同僚や多職種との人間関係、インシデントの対応などがあり、精神的な負担が大きくなりがちです。

このような負担が積み重なり、心の不調を抱えるケースもあります。

たとえば、うつ病や燃え尽き症候群などの深刻な精神疾患につながる可能性もあり、早めの気づきと対策が必要です。

看護師の職業病対策

看護師が抱えやすい職業病への対策には、次の3つがあります。

  • 身体的な負担への対策
  • 勤務時間の不安定さに対する負担への対策
  • 精神的な不調への対策

それぞれ詳しく見ていきましょう。

身体的な負担への対策

看護師が抱えやすい症状である腰痛や肩こりには、日ごろからのセルフケアも欠かせません。

正しい姿勢を意識し、こまめな休息やストレッチを取り入れると、身体への負担を軽減できる可能性があります。また、コルセットやサポーターを着用したり、介助の際にリフトやスライディングシートなどの福祉用具を活用したりも有効です。

足のむくみが気になる看護師は、すきま時間に足の上げ下げ運動をしたり、勤務中に着圧ソックスを使用したりするのがおすすめです。

手荒れでお悩みの看護師は、勤務後や手洗い後には保湿を欠かさずおこない、症状がひどいときには皮膚科への受診や手袋を着用するなど、日常的なケアを心がけましょう。

勤務時間の不安定さに対する負担への対策

不規則な勤務が続くと、心身に負担がかかります。

まずは十分な休息時間を確保し、疲労をため込まないように心がけましょう。栄養バランスの取れた食事を意識し、体力の維持と回復を図ることも大切です。

また、睡眠の質を維持するために、就寝時には遮光カーテンや耳栓などを活用し、睡眠環境を整えてみてください。それに加えて就寝前に軽いストレッチや深呼吸などのリラックス法を取り入れると、睡眠の質の向上につながり、心身の回復が促進されるでしょう。

精神的な不調への対策

日々の業務で精神的なストレスを抱えやすい看護師にとって、心のケアは欠かせないものです。

仕事のオンとオフをしっかりわけ、休日には心身をリセットする休息の時間を確保しましょう。趣味や好きなことなど「自分のための時間」も確保し、心の健康を守ることを意識してみてください。

また、悩みや不安をひとりで抱え込まず、信頼できる同僚や上司、必要であれば専門のカウンセラーに相談する選択をするのも大切です。

職業病がつらいときに取り組むこと

職業病の対策をしても症状が改善されず、悩む看護師もいるかもしれません。そのようなときには、次のことに取り組んでみてはいかがでしょうか。

  • 信頼できる人に相談する
  • 働き方を変えてみる
  • 自分を見つめ直す

詳しく解説します。

信頼できる人に相談する

つらい症状や悩みはひとりで抱え込まず、家族や友人、職場の同僚など、信頼できる人に相談するのも大切です。

話すことで気持ちが軽くなり、問題を解決するためのヒントが見つかることもあります。

また、症状の内容によっては、医療機関の受診を早めに検討することも必要です。とくに、精神的な不調を抱えているときには、職場の産業医やカウンセラーなどの専門家に相談する方法もあります。無理をせず、周囲の力を頼りながら心身の健康を守りましょう。

働き方を変えてみる

職業病による不調で仕事に支障が出ているときには、働き方の見直しを検討するのもひとつの方法です。

たとえば、夜勤や急性期病棟での勤務が心身の負担となっている場合は、外来や慢性期病棟などの、違った環境への異動を相談してみましょう。

また、症状が改善するまでは日勤のみに切り替えたり、残業を免除してもらったりなど、自分の体調や生活に合った働き方を選ぶのも大切です。

無理なく安心して働き続けるための方法を考えてみてください。

自分を見つめ直す

職業病をきっかけに、自分の働き方や今後のキャリアを見つめ直してみるのも良い機会です。「自分のやりたい看護とは何か」「今後どのように成長していきたいか」など、立ち止まって考える時間を持つことは前向きな一歩になります。

訪問看護に特化した転職求人サイト「NsPeaceCareer」では、求人情報の提供だけでなく、転職アドバイザーがあなたの悩みに寄り添いながら、理想のキャリアについて一緒に考えます。無理のない働き方を見つけるヒントになるかもしれません。

看護師の職業病にまつわる「おもしろあるある」

看護師として働くなかで、思わず共感してしまう「あるある」な体験もあります。次はその一部です。

  • 人の腕の血管を見ると「採血しやすそうかな?」とじろじろ見てしまう
  • 夜勤明けはハイテンションになり、つい散財してしまう
  • 救急車の音に敏感に反応してしまう
  • ナースコールが鳴る前の「カチッ」という音で、反射的に身体が動く
  • 患者さまには「ゆっくりよく噛んで食べましょう」と伝えるのに、自分の食事のスピードは異様に速い

どのあるあるも、日々患者さまの命を支える現場で働く看護師だからこそ生まれるエピソード。思わず笑ってしまうような、でも共感できる「職業病あるある」です。

心身ともに健康に、看護師としていきいきと働こう

看護師の仕事はやりがいがある反面、身体的・精神的な負担を抱えやすいのは事実です。

看護師が抱えやすい職業病を知り、日々のケアや働き方の工夫で予防と改善を心がけましょう。

職業病の症状が続いたり、悪化したりした場合は、無理をせず、勤務スタイルの見直しやキャリアプランについて考えるのも大切です。

自分の心と身体を大切にしながら、看護師としていきいきと働ける道を見つけていきましょう。

<参考サイト・文献>

腰痛予防対策について|日本看護協会

2021年看護職員実態調査|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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