40代の看護師が辞めたい4つの理由!働き方の選択肢と転職の注意点

公開日:2025/05/02 更新日:2025/05/02
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「看護師として働いてきたけど、つらさを感じるようになってきた」「40代の看護師でも転職できるのだろうか」

このような不安を抱えている40代の看護師の方はいらっしゃいませんか。

40代の看護師の方は、日々の業務の忙しさや患者さまの命を預かる責任の重さなど、キャリアを積むに連れて負担が大きくなりがちです。そのため「辞めたい」と考えることがあるかもしれません。

この記事では、看護師を辞めたいと考えている40代の方へ、後悔しないための考え方や働き方の選択肢をご紹介します。自分らしく働ける場所を見つけ、看護師の知識と経験をさらに深めていきましょう。

40代の看護師が「辞めたい」と感じる4つの理由

40代の看護師が「辞めたい」と感じるのは、次のような理由が挙げられます。

  • 体力的にきつい
  • 管理職や専門性の追求が難しい
  • 子育てや介護との両立が難しい
  • 上司や部下との人間関係に悩んでいる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

体力的にきつい

私たちの筋肉量は40歳頃までわずかに増えつつも、それ以降は減少してしまうといわれています。そのため、40代を迎えると「仕事中に若い頃のように動けない」と感じることがあるかもしれません。

たとえば、夜勤明けの疲れで翌日動けなかったり、日勤が続いて朝起きるのがつらかったりなどがあります。

夜勤や不規則な勤務による体力的な負担が、年齢を重ねるごとに大きくなるでしょう。

管理職や専門性の追求が難しい

40代の看護師は、経験や知識を重ねるごとに「管理職への昇進」や「認定看護師・専門看護師などの専門性の追及」など、キャリアの壁にぶつかることがあります。「自分はこの先どうしていきたいのか」と不安に思うこともあるでしょう。

また、長く同じ職場で働いている方やキャリアに不安がある方は「自分はこのままでいいのだろうか」と感じることがあるでしょう。その不安が「辞めたい理由」につながります。

子育てや介護との両立が難しい

40代では、子育てや介護などの家庭環境の変化が起こりやすいです。2022年のナースセンターの調査では、40代の退職したい理由において、全年齢のなかで「子育て」が最も高いことがわかっています。また、40代後半では「親族の健康・介護」も退職したい理由の割合が4.1%と、増加傾向にあります。

【40代の看護師の退職したい理由:上位5項目】

 40~44歳45~49歳
1子育て(12.5%)看護職の他の職場への興味(11.0%)
2看護職の他の職場への興味(12.0%)子育て(9.2%)
3転居(6.5%)結婚(6.6%)
4結婚(6.3%)妊娠・出産(5.9%)
5妊娠・出産(5.9%)転居(5.4%)
参考:ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書2021年(令和3)年度|ナースセンター

このような家庭の事情により、これまでの働き方が難しくなり「時間に融通の利く働き方をしたい」「家族との時間を大切にしたい」と考える看護師の方もいらっしゃるでしょう。40代は、自分のライフスタイルに合わせた働き方を考える時期でもあります。

上司や部下との人間関係に悩んでいる

上司や部下との板挟みに合う場面や、多職種との調整役を担う場面が増えるなど、人間関係にストレスを感じる40代の看護師の方は少なくありません。

また、時代とともに変化していく医療や看護になかなか適応できず、上司や部下から、年齢を理由とした厳しい言葉を耳にするケースもあります。

このような職場の人間関係が「辞めたい」という考えにつながることがあります。

40代の看護師が「辞めたい」ときに考えること

40代の看護師の方が「辞めたい」と思う理由はさまざまですが、よく考えずに辞めてしまうと、後悔する可能性があります。「辞めたい」と思ったときは、次のことに取り組んでみてはいかがでしょうか。

  • 辞めたい理由を見直す
  • 優先順位を見直す
  • 自分のキャリアや強みを分析する
  • 求人の情報を収集する
  • 信頼できる人に相談する

それぞれ詳しく解説します。

辞めたい理由を見直す

「なぜ辞めたいのか」「何に不満を感じているのか」を紙に書き出し、自分の気持ちを整理してみましょう。一度「辞めたい」と思うと、感情に引きずられて周りが見えなくなりがちです。そのためには客観的に自分と向き合うことが重要です。

また、辞めたい理由が一時的なものなのか、長い間悩んできたものなのかを見極めることも大切です。辞めて後悔しないためにも、辞めたい理由は明らかにしておくことをおすすめします。

優先順位を見直す

辞める決断をする前に、働くうえで自分がゆずれない条件を考えてみましょう。

たとえば「給与が高いなら、残業が多くても良い」「どんどんキャリアアップできるところが良い」など、自分が大切にしているものを見つめ直してみてください。

なかには条件よりも、職場の環境や人間関係を重視する看護師もいるかもしれません。どのような環境や人間関係を望むのか具体的に考えてみて、転職の面接の際に確認してみましょう。

自分のキャリアや強みを分析する

自分のキャリアや強みを知っておくと、今後の方向性を考えるときに役立ちます。これまでの経験や知識を書き出してみましょう。たとえば「〇〇病棟で△年勤務」「〇〇の分野で患者教育の経験あり」などです。

自分の経験や技術を踏まえて、今後のキャリアプランを考えてみてはいかがでしょうか。また、40代の看護師の方は、将来的なことを見据えて長期的な視点でキャリアを考えることも大切です。

5年後や10年後の働き方をイメージし、そのために必要な経験やスキルはどのようなものか検討してみましょう。

求人の情報を収集する

看護師を「辞めたい」と考えたときに、ほかの職場の求人情報を収集し、現在の職場と比較してみても良いでしょう。職場の良い点や悪い点を客観的に見るきっかけになります。

また、転職エージェントに相談してみるのもひとつの方法です。転職について詳しい情報を教えてもらったり、専門的な立場からアドバイスがもらえたりすると安心感につながるでしょう。

信頼できる人に相談する

看護師を「辞めたい」と思ったときには、ひとりで抱え込まないことが大切です。家族や友人、同僚などの信頼できる人に相談すると、新たな視点やアドバイスが得られるかもしれません。

仕事の悩みで辞めたいと考えているときに、誰かに話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になることもあるでしょう。

NsPeaceCareer」は、訪問看護に特化した転職サイトで、専門のアドバイザーが転職をサポートします。転職やキャリアについての悩みにも丁寧に対応します。

40代の看護師の働き方を変えるときの選択肢

辞めたい気持ちはあっても、その後を考えると不安な気持ちになることもあるでしょう。次のような40代の看護師の働き方の選択肢を知っておくと今後のために役立ちます。

  • 勤務形態の変更
  • 看護師としてちがう職場に転職
  • 看護師から異業種への転職

それぞれの選択肢の内容を解説します。

勤務形態の変更

「辞めたい」と思いつつまだ迷いがあるときには、勤務形態の変更を検討してみるのも手です。

「日勤のみ」や「パートタイム労働」などがあり、勤務形態を変えることで働きやすくなったり「辞めたい」という気持ちが変わったりするからです。

ただし、勤務先によっては勤務形態の変更が難しい場合があります。職場の上司や人事課へ相談してみましょう。

看護師としてちがう職場に転職

これまで積んできた経験や看護師の資格を活かして、病院やクリニック以外での活躍も視野に入れてみてはいかがでしょうか。

看護師資格が活かせる分野施設・機関
医療・介護・訪問看護ステーション
・介護施設
・一般企業
・治験コーディネーター 
教育・研修・看護系教育機関
・医療機器メーカー 
福祉・保育園
・児童福祉施設
・障害者支援施設

自分の強みを活かせる場面や、興味・関心に合わせて転職先を選ぶとやりがいにつながるでしょう。

看護師から異業種への転職

看護師とは全く異なる分野でも、看護師の経験を通して培ったスキルを活かした働き方もあります。

看護師で培ったスキルを活かせる分野活かせるスキル
オフィスワークPCスキル コミュニケーション能力
営業・販売コミュニケーション能力 対人関係スキル
サービス業コミュニケーション能力 接遇

看護師の経験やスキルはさまざまな場所で発揮できます。ただし、これらの異職業への転職は医療処置やケアをする機会が減ってしまうため、慎重に考える必要があるでしょう。

40代の看護師が転職を考えるときに必要な準備

「辞めたい」と考えている40の代看護師のなかには「40代での転職は難しいのではないか」と考えていらっしゃるのではないでしょうか。

若い世代に比べるとハードルが高くなる場合もあるかもしれません。しかし、40代の看護師の方だからこそ、自分の経験やスキルを活かして転職にチャレンジできます。

40代の看護師の方が転職を考えるときには、次のポイントを押さえておきましょう。

ポイント内容の例
これまでの経験・スキル・実績を具体的に書き出す・〇〇病棟で10年勤務
・〇〇認定看護師などの資格所持
・看護研究の論文発表
キャリアプランを明確にする・専門性の追及
・ワークライフバランスの重視
・〇〇の資格を取得
強みやアピールポイントを客観的に分析する・多職種連携で培ったコミュニケーション能力
・リーダーや主任など業務における管理能力
・新人や学生教育における指導力

転職して自分がどうなりたいのかを考えるとともに、これまでの経験がどのように活かせるのかを明確にしておくと、転職先にもアピールできます。しっかりと準備し、自信をもって転職活動を進めましょう。

40代の看護師は長期的な視点で働きやすい職場を見つけよう

40代の看護師の方の「辞めたい」と思う理由は、体力的な面や家庭との両立などさまざまです。ですが、勢いのまま辞めてしまうと「やっぱり辞めなければよかった」と後悔する可能性があります。

そのため「辞めたい」と考えたときには一旦立ち止まって、自分を見つめ直すことが大切です。辞めたい理由を考えたり、自分のキャリアを振り返ってみたりしてはいかがでしょうか。また、ひとりで抱え込まず、周囲に相談して客観的なアドバイスをもらうのもおすすめです。

40代も看護師の仕事を自分らしく続けられる方法を見つけ、やりがいをもっていきいきとと働けるよう応援しています。

〈参考サイト・文献〉

日本人筋肉量の加齢による特徴|日本老年医学会雑誌 47巻 1 号

ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書2021年(令和3)年度|ナースセンター

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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