シングルマザーは看護師になれる?3つの理由や仕事と子育てを両立する働き方

「シングルマザーも看護師になれるの?」「子育てと仕事を両立させながら働きたい!」
シングルマザーの方が看護師として働き、子育てと仕事を両立することは可能でしょう。看護師は国家資格であり、安定した収入が期待できるからです。勤務形態も多様なため、ライフスタイルに合わせた働き方ができます。
しかし、仕事と子育て、いずれもうまく進めていくことは決して簡単ではありません。
この記事では、シングルマザー看護師の方の働き方や求人を選ぶコツ、利用できる支援制度などを紹介します。看護師の資格を活かすことで、経済的な安定と子どもとの時間を両立したあなたらしい働き方を見つけられるでしょう。
シングルマザーは看護師として働ける!おすすめな3つの理由
シングルマザーが看護師として働くことは可能です。また、看護師は次の理由からシングルマザーにとって理想的な職業のひとつといえます。
- 国家資格であり安定している
- 年収が平均約519万円と高水準である
- 勤務形態が柔軟であり働きやすい
それぞれの理由を見ていきましょう。
国家資格であり安定している
看護師は国家資格で安定した職業といわれています。
一度資格を取得すると、生涯にわたって働ける専門性があるからです。景気に左右されにくく、安定した収入を得られる可能性があります。
シングルマザーにとって「安定した収入源」と「雇用の安定性」は子育てをするうえで重要です。さらに、看護師は医療現場だけでなく、介護施設や保育園などさまざまな場所で活躍できるため、自分の興味や適性に合った職場を見つけやすいでしょう。

年収が平均約519万円と高水準である
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均月収は36万3,500円であり、平均年間賞与は83万5,000円です。
計算すると、平均約519万7,000円が年収となります。
(計算式:36万3,500円×12+83万5,000円=519万7,000円)
さらに、職場によっては夜勤手当や残業手当、資格手当などの上積みがあり収入アップが期待できます。シングルマザーの方は一人で家計を支える必要があるため、この高い収入レベルに魅力を感じる方も多いでしょう。
勤務形態が柔軟であり働きやすい
看護師の勤務形態には、次のようなものがあります。
- 日勤のみ
- 2交代制
- 3交代制
- 夜勤専従
看護師が働く場所は、病院だけではなく、診療所や訪問看護ステーション、介護施設などの職場から選べるため、柔軟な働き方を検討できます。自分や子どものライフスタイルに合わせた働き方を選びましょう。
シングルマザーが看護師資格を目指すなら3年間は看護学校に通うこと
看護師の資格を取得するためには、最短でも3年間の専門教育が必要です。
看護師になるための進路コースとして、おもな看護学校とその修学期間は次のとおりです。
看護学校 | 修学期間 |
看護大学 | 4年 |
看護短期大学 | 3年 |
看護師養成所(看護専門学校など) | 3年または4年 |
最終学歴が中学校卒業である場合は、5年一貫看護師養成課程校で学ぶと、看護師国家試験の受験資格が得られます。
看護学校でのカリキュラムは講義だけでなく、病院での実習も多く含まれるため、時間的な拘束が大きくなりがちです。看護学校での3年間は子育てと学業の両立が難しくなりますが、この期間を乗り越えることで、将来の安定した職業に就ける可能性が広がります。
また、シングルマザーの方が看護学校に通う場合、学費がかかったり、実習の期間は働けなくなったりなど、経済的な負担の大きさが課題です。
しかし、奨学金制度や授業料減免制度、給付金制度など自治体や看護学校独自の支援制度を活用することで、経済的な負担をカバーでき、学習に専念できるでしょう。
さらに、看護学校によっては、託児所を併設しているところがあり、子どもを預けて授業を受けられるため、子育てと学習の両立が可能です。
シングルマザー看護師が直面しやすい悩み
シングルマザーの看護師の方は、仕事と子育ての両立において、さまざまな悩みに直面することがあります。
- 1人で生活費を得なければならない
- 子どもが小さく夜勤に入りにくい
- 子どもの体調不良で急に休むことがある
- 子どもの学校行事に参加できない
- 学習する時間を確保できない
シングルマザーの看護師ゆえの特有の問題に直面するケースもあります。看護師は勤務先がいろいろとあり、働き方も多様です。自分に合った職場や働き方を選べるように、シングルマザーの看護師の悩みをまず知っておきましょう。
1人で生活費を得なければならない
シングルマザーの看護師の方は、1人で生活費を稼がなければなりません。看護師の給料は比較的高いですが、子どもの年齢や人数によっては経済的に厳しい状況になることもあります。
子どもの衣食住にかかる費用だけではなく、教育費や医療費などを考えると、このプレッシャーは大きいでしょう。
子どもが小さく夜勤に入りにくい
子どもが小さいうちは、夜間の預け先の確保が難しくなりがちです。
夜勤をして、夜勤手当が入ることで給料アップできるとわかっていても、幼い子どもを抱えるシングルマザーの看護師の場合は、簡単な話ではありません。近年では、自分の親が近くに住んでいないケースもあり、預け先に困るという声はよく聞かれます。
夜勤の時間については、下記の記事で詳しく解説しているため、ぜひ参考にしてください。
関連記事:看護師の夜勤時間はどれくらい?夜勤のスケジュールやメリット・デメリット
子どもの体調不良で急に休むことがある
子どもの急な発熱や病気で仕事を休まなければならないことも少なくありません。
また、幼稚園や保育園から体調を崩したという連絡が入り、仕事を途中で切り上げなければならないこともあります。
職場に迷惑をかけてしまうのではないかと悩むシングルマザーの看護師もいます。
子どもの学校行事に参加できない
シングルマザー看護師の方は、仕事の都合で子どもの学校行事に参加できない場合があります。
基本的に、看護師はシフト制で土日祝日の勤務を求められることもあるため、運動会や授業参観などの学校行事と重なりがちだからです。
大切な行事に参加できないことは、子どもにとってもシングルマザー看護師の方にとってもつらいものです。
学習する時間を確保できない
仕事と子育ての両立で忙しく、学習時間の確保が難しいことがあります。
キャリアアップのために、院内の昇格試験や新たな資格の取得などを検討するシングルマザーの看護師の方もいます。
しかし、日々の業務に追われ、帰宅してからも家事や育児に時間を費やすため、まとまった学習時間を確保することは容易ではありません。とくに、子どもが小さいうちは、夜泣きや急な発熱などで睡眠時間が削られることもあり、学習どころではない日もあるでしょう。
このような状況から、キャリアアップを諦めざるを得ないシングルマザーの看護師の方も少なくありません。
シングルマザー看護師が求人を選ぶ際のコツ
シングルマザーの看護師が仕事と子育てを両立するためには、求人選びが重要です。次のポイントで求人を探してみてください。
- 生活費を十分に得られる職場を選ぶ
- 勤務時間や勤務形態が柔軟な職場を探す
- 保育園や託児所が併設されている職場を選ぶ
- 求人サイトに相談して職場を探す
ここでは、シングルマザー看護師の方の働き方に合った求人を選ぶコツを紹介します。
生活費を十分に得られる職場を選ぶ
シングルマザーの看護師が求人を選ぶ際は、十分な収入が得られる職場を選びましょう。
基本給だけではなく各種手当やボーナスなども確認することが大切です。また、昇給制度やキャリアアップ制度が整っている職場を選ぶことで、将来的な収入アップも期待できます。
面接のときに、実際の手取り額の目安を質問することも有効です。子どもの年齢や教育費など、将来的な出費も見据えて安定した収入が得られる職場を選ぶことが重要です。
勤務時間や勤務形態が柔軟な職場を探す
子育てと両立するためには、勤務時間や勤務形態の柔軟性が重要です。次のような特徴の職場を選ぶと良いでしょう。
- 夜勤がない
- 残業が少ない
- 時短勤務ができる
- 有給休暇が取得しやすい
これらのポイントで職場を選ぶと、子どもの急な体調不良や学校行事などにも対応しやすくなります。
保育園や託児所が併設されている職場を選ぶ
シングルマザーの看護師の方にとって、社内保育所や託児所が併設されている職場は魅力的です。
子どもの保育先と職場が近いため、送迎の時間を短縮でき、急な残業や子どもの体調変化にも対応できるからです。社内保育所のメリットは、看護師の勤務時間に合わせた開所時間であることや、子どもの体調不良時でも預かってくれることなどが挙げられます。
求人を探す際は、院内保育所の利用条件や開所時間、費用、対象年齢などを詳しく確認することが重要です。また、定員に空きがあるかどうかも事前にリサーチしてみましょう。
求人サイトに相談して職場を探す
シングルマザーの看護師が理想的な職場を見つけるためには、看護師専門の求人サイトの活用が効果的です。
これらのサイトでは、キャリアアドバイザーが無料サポートしてくれます。たとえば、子どもの年齢や保育の状況など、キャリアアドバイザーに自分の状況と希望条件を具体的に伝えることで、より適した求人を探してもらえるでしょう。
面接の設定や交渉もサポートしてくれるため、自分だけで求職活動をおこなうよりも採用率アップが期待できます。複数の求人サイトに登録して比較することで、より良い条件の職場への就職が見えてきます。
シングルマザー看護師におすすめの働き方
ここでは、シングルマザー看護師の方におすすめの働き方を紹介します。
- 日勤中心で働ける訪問看護ステーションでの勤務
- 夜勤がない病院の外来勤務
- 夜勤のないデイサービス
- ルーチンワークが多い健診センター
それぞれの職場から、あなたに合った職場と働き方を見つけましょう。
日勤中心で働ける訪問看護ステーションでの勤務
訪問看護ステーションは、シングルマザーの看護師の方に最適な職場のひとつです。
基本的に、日勤のみの勤務であり、子どもとの時間を確保しやすいからです。訪問看護の業務時間は、ほとんどが9時から18時頃までであり、深夜や早朝の勤務が少ないといわれています。
また、訪問のスケジュールは調整できる場合もあり、子どもの学校行事に合わせて休みを取りやすいという意見もあります。
訪問看護の仕事は利用者さまのご自宅を訪問してケアを提供するため、一人で判断する力が求められプレッシャーを感じることもありますが、その分やりがいも大きくなりがちです。
さらに、病院勤務と比較すると急変対応による残業が少なく、精神的な負担が軽減されるという側面もあります。
訪問看護師への転職に興味があるシングルマザーは「NsPace Career」をチェックしてみませんか。このサイトには無料で登録でき、現役の訪問看護師に相談もできるため、あなたの悩みを解消できるでしょう。ぜひ、活用してみてください。
夜勤がない病院の外来勤務
病院の外来は、夜勤がないため、生活リズムを整えやすい傾向です。
通常、病院の外来は日中のみの勤務であるため自身の体調も整えやすく、子育てと両立しやすい働き方といえるからです。規模が大きい病院の外来では、平日の日勤のみで高水準の給与を得られる場合があります。
しかし、外来勤務は、診療科によっては残業が発生したり、急患対応が必要となったりするかもしれません。
そのため、外来勤務を希望する場合は、残業時間や業務内容などを確認しておくことが大切です。
夜勤のないデイサービス
デイサービスでの勤務は、シングルマザーの看護師の方に合った働き方です。
夜勤がなく、土日祝日が休みというケースが多く、子どもの生活リズムと合わせられたり、ストレスを感じにくかったりするからです。デイサービスでは、次のような業務を担当します。
- 利用者さまの健康管理
- 服薬管理
- レクリエーションの企画と運営
デイサービスでの業務は、病院と比べて落ち着いた内容であり、精神的・身体負担が少ない点もメリットです。
給与面では病院勤務に比べて低いものの、夜勤がなく規則正しい生活リズムを維持できる点も、シングルマザー看護師の方にとってはメリットといえるでしょう。
ルーチンワークが多い健診センター
健診センターは、ルーチンワークで残業は少ない傾向にあります。土日祝日が休みの職場もあり、シングルマザーの看護師は子どもの学校行事やイベントなどに参加しやすいでしょう。
健診センターの業務は健康診断の補助や結果説明などが中心で、定時で済むことが多いため、子どもの送迎や家事に充てる時間を確保しやすいこともメリットです。
また、健診センターによっては繁忙期と閑散期があり、学校の長期休暇に合わせて休みを取りやすい場合もあります。子どもが小さいうちは健診センターで働き、成長に合わせてほかの職場に移るというキャリアプランも考えられます。
シングルマザー看護師に関するよくある質問
ここでは、シングルマザーの看護師に関するよくある質問とその回答を紹介します。
Q1:シングルマザーで看護学校に通うのは厳しい?
シングルマザーお看護師の方が看護学校に通うことは、厳しい面もありますが、支援制度を活用すると十分に可能です。
「自立支援教育訓練給付金」や「高等職業訓練促進給付金」といった経済的な支援制度を活用すると、最大で月10万円の補助を受けられる場合があります。
また、託児所を併設している看護学校を選ぶと、シングルマザーの負担を軽減できます。
看護学校では、講義だけでなく、実習や課題などもあり、時間的な余裕がないかもしれません。しかし、学習スケジュールを計画的に立てて進めることで、子育てと学業の両立が可能です。
また、看護学校の教員やカウンセラーに相談し、学習や生活に関するアドバイスをもらうと、よりストレスを軽減できるでしょう。
Q2:シングルマザーはパートと正社員どっちが良いの?
経済的な安定を求めるのであれば、正社員がおすすめです。
しかし、子育てとの両立を優先するのであれば、パートタイムという選択肢もあります。
正社員は、安定した収入や福利厚生が期待できますが、勤務時間が長く残業も多いため、子育てとの両立が難しい場合があります。一方、パートタイムは、勤務時間や曜日などを調整できるため、子育てと両立しやすい傾向です。
自分のライフスタイルや希望に合わせて、働き方を選びましょう。
まとめ:シングルマザー看護師が家庭と子育てを両立するためには求人サイトを活用することが大切
シングルマザーでも子育てと両立させながら、看護師を目指すことは可能です。
看護師はさまざまな職場で働くことができ、雇用形態もバリエーション豊富であることから、シングル看護師の方におすすめの働き方といえます。
しかし、どのような職場を選ぶのかが、とくに重要です。
シングルマザー看護師の方が仕事と子育てを両立するためには、求人サイトの活用が不可欠です。求人サイトでは、シングルマザーの看護師の悩みを解決してきたコンサルタントが在籍しており、うまく活用することで自分の希望や条件に合った職場を紹介してもらえます。
また、面接対策や履歴書添削などのサポートも受けられるため、安心して転職活動を進められるでしょう。
<参考サイト・文献>

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。