看護師に準夜勤の働き方とは?スケジュールやきついといわれる5つの理由

「看護師の準夜勤ってどういう働き方なの?」「看護師の準夜勤がきつい理由ってなに?」
このように不安を感じている方も多いでしょう。
看護師の準夜勤は、三交代制を取り入れている職場の勤務形態のひとつです。
この記事では、準夜勤の具体的な時間や深夜勤との違い、スケジュール例を解説します。「きつい」と感じる理由もお伝えすることで、あなたの疑問や不安を解消し、自分に合った働き方を見つけられれば幸いです
看護師の準夜勤の働き方とは
一看護師の準夜勤は、夕方から夜にかけて働く勤務形態です。ここでは、次の3つを詳しく紹介します。
- 概ね午後4時から午前0時までの勤務
- 看護師の準夜勤の手当
- 看護師の深夜勤との違い
それぞれを見ていきましょう。
概ね午後4時から午前0時までの勤務
準夜勤は、多くの医療機関で午後4時から午前0時までの勤務となることが多いようです。患者さまの夕食から消灯・就寝までの業務をおもに担当します。
看護師の準夜勤の手当
通常、準夜勤で働くと手当が支給されます。日本看護協会「2023年病院看護実態調査 報告書」調査によると、準夜勤の手当は1回あたり4,234円です。三交代制の深夜勤や二交代制の夜勤の平均支給額を次の表にまとめました。
勤務形態 | 平均支給額 |
三交代制 準夜勤 | 4,234円 |
三交代制 深夜勤 | 5,199円 |
二交代制 夜勤 | 1万1,368円 |
準夜勤の手当金額は病院によって異なります。準夜勤の勤務に入ることで収入アップできるため、準夜勤の手当は、看護師のモチベーション維持になる重要な要素といえます。
看護師の深夜勤との違い
準夜勤と深夜勤のおもな違いは、勤務時間です。
準夜勤が午後4時から午前0時の時間帯で働くのに対し、深夜勤は午前0時から午前8時の時間帯で働きます。
ただし、この時間は病院や施設によって異なります。
また、二交代制と三交代制、導入している病院や施設の割合も違いがあります。詳しい割合は次のとおりです。
勤務形態 | 割合 |
三交代制(変則含む) | 28.8% |
二交代制(1回あたり16時間以上の夜勤) | 75.7% |
二交代制(1回あたり16時間未満の夜勤) | 18.2% |
その他 | 1.1% |
三交代制を導入している病院や施設の割合は、28.8%に留まっていることがわかります。
さらに、準夜勤と深夜勤では仕事内容にも違いがあります。準夜勤では夕方から就寝前まで、夕食の配膳や食事介助、おむつ交換をおこないつつナースコールに対応します。一方で、深夜勤では消灯後の見回りやカルテ整理、患者さま起床後のバイタルサインのチェックなどをおこないます。
看護師の夜勤について知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。
関連記事:看護師の夜勤の働き方とは?勤務体制やメリット・デメリットを解説
看護師の準夜勤のスケジュール
看護師の準夜勤のスケジュールは次のとおりです。
時間 | 業務内容 |
16:00 | 業務開始 ・情報収集 ・日勤看護師からの申し送り |
16:30 | 病棟内のラウンド ・バイタルサインの測定 ・点滴の交換 ・医療機器のチェック |
18:00 | 夕食の準備 ・配膳 ・食事介助 ・口腔ケア ・配薬 |
20:00 | 交代で休憩 |
21:00 | 病棟内のラウンド ・眠前薬の配薬 ・体位変換 ・おむつ交換 |
22:00 | 消灯 |
23:30 | 深夜勤看護師への引き継ぎ |
0:00 | 退勤 |
準夜勤のスケジュールは職場の業務内容や患者さまの状況によっても変わります。
二交代制の夜勤業務との違いは「仮眠休憩の有無」です。準夜勤では、60分程度の休憩はあるものの、仮眠休憩は義務づけられていません。
看護師の夜勤時間については、下記の記事で詳しく解説しています。
関連記事:看護師の夜勤時間はどれくらい?夜勤のスケジュールやメリット・デメリット
準夜勤がある看護師のシフト例
準夜勤がある三交代制を採用するところにおいて、看護師のシフトは「日勤」「準夜勤」「深夜勤」「休み」を組み合わせて作成します。たとえば、ある病院の看護師のシフトは、次のようになっています。
- 月曜日:日勤
- 火曜日:日勤
- 水曜日:日勤
- 木曜日:準夜勤
- 金曜日:明け(非番)
- 土曜日:深夜勤
- 日曜日:休み
このように、準夜勤や深夜勤など、それぞれの勤務帯を組み合わせることで、24時間体制の医療現場を支えています。
看護師が準夜勤をするメリット
看護師が準夜勤で働くことには、収入アップや日中の自由な時間の有効活用など、いくつかのメリットがあります。
- 手当があり収入アップできる
- 日中の自由な時間を有効活用できる
- 生活リズムが乱れにくい
それぞれを詳しく見ていきましょう。
手当があり収入アップできる
準夜勤には、深夜労働に対する割増賃金が支給されるため、日勤のみで働くよりも収入を増やすことが可能です。
なぜなら、労働基準法では、午後10時から午前5時までの労働に対して、通常の賃金の25%以上の割増賃金を支払うことが義務付けられているからです。準夜勤では午後10時から午前0時までが割増賃金の対象となります。
準夜勤の手当の金額は病院によって異なりますが、基本給に加えて手当が支給される場合が多く、月々の給与に上乗せされることで、経済的なゆとりにつながります。
そのため、収入アップを目指す看護師にとって、準夜勤は有効な働き方のひとつといえるでしょう。
日中の自由な時間を有効活用できる
準夜勤は、一般的に夕方からの勤務となるため、午前中から午後の早い時間帯を自由に使えます。
たとえば、午前中に趣味の時間を楽しんだり、午後に買い物に出かけたり、家族や友人とランチを楽しんだりすることも可能です。
また、平日のみ営業している役所や銀行の手続きなども済ませやすいため、時間を有効活用したいと考える看護師にとって、準夜勤はライフスタイルに合わせた働き方ができるメリットがあります。
生活リズムが乱れにくい
深夜勤と比較すると、準夜勤は終業時間が早いため、生活リズムへの影響を抑えられると考えられます。
なぜなら、午前0時までの勤務であれば、深夜勤明けのように昼夜逆転した生活になりにくく、睡眠時間を確保しやすいからです。
規則正しい生活を送りたいと考える方にとって、準夜勤は働きやすい勤務形態といえるでしょう。
看護師の準夜勤がきついといわれる5つの理由
準夜勤にはメリットがある一方で、次のような理由から「きつい」と感じる看護師もいます。
- 休憩を取れないときがある
- 帰りの交通手段が限られる
- 看護師1人あたりの業務負担が大きい
- 次の勤務までの間隔が短い
それぞれの理由を具体的に見ていきましょう。
休憩を取れないときがある
準夜勤の時間帯では、病棟の状況によって休憩が取れず「きつい」と感じることがあります。
というのも、日勤の時間帯と比べると看護師の人数が減るため、患者さまの急変や緊急入院、処置などで休憩時間が削られたり、休憩に入ってもすぐに呼び出しがあったりするケースもあります。
休憩が取れないことで心身ともに疲れ、看護師を続けることへのモチベーションが低下する場合もあります。
帰りの交通手段が限られる
準夜勤が終わる時間帯は、多くの電車やバスといった公共交通機関の運行が終わっているため、帰宅手段が限られてしまう恐れがあります。
とくに、住宅街から離れたところで働いていて自家用車がない場合は、タクシーを利用せざるを得ない状況になることがあります。
準夜勤の勤務をするたびに、このような状況になることへストレスを感じる看護師もいるでしょう。
看護師1人あたりの業務負担が大きい
準夜勤では、看護師一人あたりの業務負担が大きくなりがちです。
その理由として、夜間の勤務体制は、日勤に比べて看護師の配置人数が少なくなる傾向があるからです。
具体例として、日勤帯ではほかの看護師と分担できるバイタルサイン測定や体位交換、記録業務などを、準夜勤では少ない人数で対応しなければならない場面が多くあります。
また、新人看護師やある処置の未経験者がいる準夜勤の場合、ほかの看護師の負担はより大きくなるでしょう。
そのため、一人ひとりの看護師にかかる責任と業務量が増加し、負担を感じやすい状況になります。
次の勤務までの間隔が短い
準夜勤がきついと感じる要因のひとつに、次の勤務までの間隔が短い点が挙げられます。
休息を十分に取れないまま次の勤務に就くことは、疲労の蓄積につながり、業務効率や安全性を低下させるリスクがあるからです。
日本看護協会では、勤務と勤務の間隔は11時間以上あけることが望ましいとしていますが、準夜勤が午前0時に終了し、翌朝8時30分から日勤が始まるようなシフトの場合、通勤や準備の時間を考えると、睡眠に充てられる時間は限られてしまいます。
そのため、疲労が十分に回復しないまま次の勤務を迎えることになり、心身への負担が増えがちです。
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まとめ:看護師の準夜勤は午後4時から午前0時までの働き方!自分のライフスタイルに合った働き方を実現しよう
看護師の準夜勤は、概ね午後4時から午前0時までの勤務です。
手当による収入アップや日中の自由な時間を確保できるといったメリットがある一方で、休憩が取りにくい、業務負担が大きいなどきついと感じるところもあります。
準夜勤という働き方を深く理解し、そのメリットとデメリットを比較検討することで、あなたのライフスタイルやキャリアプランに合った働き方を見つけられるでしょう。
自分にとって何が大切なのかを考え、最適な働き方を選択してください。
<参考サイト・文献>

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