利用者さんの笑顔のために~みんなが楽しく働ける職場づくり ナースプラネット 訪問看護ステーションそれいゆ 山中さんにインタビュー~

公開日:2025/04/10 更新日:2025/04/10
記事サムネイル画像

元々は急性期の病棟で働いていた山中さん。ある出会いから訪問看護の道へ進むことになり、今では管理者としてスタッフが楽しく働ける職場づくりに尽力されています。山中さんの訪問看護との出会いやこれまでの経験、今後の展望について伺いました。

訪問看護との出会いー楽しそうに働いているスタッフに魅力を感じる

看護師になって最初は国立病院で働いていて、脳外科やICUで10年ほど勤めました。ちょうど10年目くらいで結婚を機に退職し、小さな病院で1年半ほどパートで勤めていましたね。元々横浜で働いていましたが、結婚を機に東京に住むことになったんです。今後どうしようかと考えていたときに、看護学校のときの友人から偶然にも訪問看護へのお誘いがあり、その職場が当ステーションでした。

私が看護学生の頃はまだ訪問看護や介護保険のない時代だったので、在宅での看護の知識はありませんでした。実際にそれいゆで訪問看護の体験をさせてもらって、訪問看護のイメージを掴んだ感じです。

病院で急性期の患者さんをたくさんみてきたぶん、患者さんの生活のなかに入ってゆっくり落ち着いて1時間も向き合えることが不思議な感覚でした。それに、訪問看護のスタッフがみんな楽しそうにやっているのがいいなと思いましたね。

それまで訪問看護に全く興味がなかったのですが、それいゆで一度体験させてもらった日に代表の看護師から採用決定を伝えられました。そんな流れで始まった私の訪問看護でのキャリアですが、入社して今年で17年目、管理者としては10年目になります。

笑顔で訪問看護への想いをお話しされる山中さん

訪問看護で苦戦した利用者さんとの関係づくり

訪問看護に入って間もない頃、利用者さんとのやりとりに苦戦したことがありました。「自分としてはこうしてあげたい」という気持ちがあっても、利用者さんが受け入れてくれなかったんですよね。

アプローチを変えたりいろいろ工夫したりしましたが、やっぱりうまくいかなくて……。だけど他のスタッフが対応したら、その方とはうまく関係が作れていたんです。自分で振り返ってみて「もしかしたら利用者さんのことを見ているようで、見ていなかったのかもしれない」と思いました。

ただ、やっぱり人と人との関りには相性もあるので、自分だけでなく他のスタッフにも「利用者さんと合う合わないはあるよ」ということを話しています。この経験があったからこそ、利用者さんとうまくいかなくて落ち込むよりも前向きに考えられるようになったし、スタッフにも前向きなアドバイスができるようになったと思います。

訪問看護で大事なことー利用者さんの想いを一番に考える

病院とちがって訪問看護は、利用者さんの住み慣れた家に入り、その人の望む生活をサポートする役割があります。

ただ、病院での看護の考え方が残っていると「この人にとってはもっといい方法があるはずだ」とか「もっと生活環境を変えた方がいい」とか思ってしまうこともあるんです。ですが、利用者さんが希望しなかったり受け入れなかったりしたら勝手にはできませんよね。

だけど実際には「利用者さんにこういうサポートをしたい」と考えを伝えてくれるスタッフに「利用者さんはどう思ってる?」と聞くと、意外と確認していないことがあるんですよね。

利用者さんのために良いサポートをしたいという想いももちろんわかりますが、利用者さんの気持ちをくみ取ることも大事ですし、コミュニケーションをしっかりとって意思を確認することが重要ですよね。相手の気持ちや考えを理解することを一番大事に考えています。

スタッフとの関係で大切にしていることーその人の考え方を尊重する

スタッフとの関わりで心がけていることは、アドバイスするときにはスタッフの考え方を大事にすることです。そのうえで、利用者さんの気持ちや周囲がどう見ているのかを考えながら私なりのアドバイスを伝えています。

そのスタッフが利用者さんに対して、アセスメントやアプローチをどう考えているのかを確認することを意識していますね。なるべく私の考えで「こういう風にやった方がいいんじゃないか」とは言わないようにしています。あとは報告してくれたことに対して、利用者さんが関わっている他職種に伝えているかを確認して、もし共有できてなければ、情報共有の大切さをアドバイスしています。

スタッフは一人ひとり得意・不得意はあると思いますが、みんなオールマイティに働ける人になってもらいたいという思いはあります。当ステーションは1歳から101歳まで年齢も幅広いし、身体面も精神面もみるので、スタッフ全員がどの利用者さんのサポートもできるようになってほしいです。

ただ、スタッフにも個性があるので、そこは配慮が必要かなと思います。たとえば、体力がある人やコミュニケーション技術が高い人とかいますよね。スタッフの強みを伸ばしていきながら、みんなが訪問看護を楽しく長く続けてもらいたいなという思いはずっとありますね。

利用者さんはもちろん、スタッフの考え方も大切にされています

やりがいは利用者さんの笑顔ー望みを叶えるために動くこと

私がこんなに長く訪問看護に関われているのは、楽しさややりがいを持ってできているからだと思います。私のやりがいは利用者さんの笑顔が見れたときですね。ここ最近はALSの方との関わりが印象に残っています。

その方は24時間人工呼吸器を装着していて、なかなか外出する機会がなかったんですが、昔から「散歩に行きたい」という想いがあったんです。スタッフの人数の手配がなかなか難しい状況が続いていたのですが、今年に入って空き時間ができるようになったので、週に1回程度、定期的に外出してお散歩できるようになりました。

その利用者さんのお孫さんが生まれたとき「面会に行きたい」という希望があって。面会時間といつも散歩に行く時間が違っていたんですが、偶然に面会時間内のスケジュールが空いたんです。だから、お孫さんが生まれて3日目の頃に面会に行けたんですよ。そのときの利用者さんの笑顔が忘れられません。娘さんも喜んでいたし、すごく感謝されましたね。やっぱり、ご本人の望みを叶えられて良かったなと思いますし、訪問看護の楽しさを感じました。

より良いサービスを提供するためにー人材育成にも注力

一時期、スタッフが辞めてしまって人手不足でピンチなときもありました。オンコールの当番を2人で回さないといけないこともありましたね。そんな時代を経て、新しい人が入ってきてくれて……今の環境は変わりつつあって、みんなでひとつの目標に向かって進んでいる感覚があります。

今後も当ステーションを継続させていきたいという希望があるので、次の世代を育てたいという想いはありますね。自分がいなくなってもやっていける事業所を作りたいです。

以前はスケジュール調整やスタッフ指導など自分でほとんどをやっていました
が、今は少しずつスタッフへ業務分担をしています。業務を分散しスタッフの持っている力を発揮できるように心がけています。

あと、人材を確保するために教育プログラムも作っています。呼吸器や難病など専門性の高いケアに関してもしっかり時間をかけて指導した方が、スタッフにとっても利用者さんにとってもプラスになると思うんです。重症な利用者さんを受け入れられる、地域に根付いたステーションでありたいですし、スタッフみんなで切磋琢磨しながら、利用者さんを中心により良い支援ができるステーションを目指しています。

インタビュアーより

訪問看護師として長年の経験を積まれてきた山中様。経験豊富でありながらも、他の看護師のスタイルを尊重する姿勢や同僚と学び合おうとする姿が印象的でした。山中様を中心にスタッフ全員が訪問看護を楽しみ、やりがいを感じておられる素敵なステーション様です。

事業所概要

訪問看護ステーションそれいゆ(東京都北区)

住所:〒114-0012 東京都北区田端新町1‐22‐5 寿ビル1F

運営方針・理念

事業所名である”それいゆ “とは、フランス語で太陽のことです。

地域の方々の声に耳を傾け、利用者様に陽の光のような暖かさを運び、少しでも利用者様らしく、明るく豊かな生活をお送りいただけるよう、力を尽くしてまいります。

事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/14529

SNSシェア

  • LINEアイコン
  • facebookアイコン
  • Xアイコン
記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

関連する記事

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像左 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左

NsPaceCareerとは

訪問看護・在宅看護に特化した
求人情報検索・応募のほか、
現役の訪問看護師や在宅経験者への無料相談や、
事業所への事前見学申し込みが可能です。

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像右 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左