看護師転職で志望動機がない方必見!対処法5ステップと例文を紹介

看護師で転職を考えているけれど「なぜこの病院で働きたいのか」「就職して何をしたいのか」と、志望動機がうまくまとまらずに悩んでいる方はいらっしゃいませんか。
志望動機は転職で履歴書を書くときや、面接の際に不可欠です。転職は人生における大きな転機であるため、しっかりとした志望動機を持って臨みたいものです。
しかし、はっきりとした志望動機が見つからないからといって、転職を諦める必要はありません。
看護師転職で志望動機がないと感じる原因を掘り下げ、効果的な対処法や魅力的な志望動機を書くためのコツをご紹介します。志望動機が見つからず悩んでいる看護師の方が、この記事をきっかけに納得のいく転職活動ができれば幸いです。
看護師転職で志望動機がないと感じる原因
看護師転職で志望動機がないと感じる背景には、いくつかの原因が考えられます。
- 転職する病院や施設の情報収集が足りない
- 自己分析がしっかりできていない
- 「看護師になりたい」という意思が弱い
- 経験やスキルの棚卸しが不十分である
- 転職にネガティブな感情を抱いている
原因を理解することで、適切に対処できるでしょう。
転職する病院や施設の情報収集が足りない
転職を希望する病院や施設について、以下の情報収集が不足していると、志望動機を具体的に書けなくなります。
- 病院の理念や特徴
- 提供している医療
- 職場の雰囲気
情報収集が足りないと「ここで働きたい」「この病院に貢献したい」という動機が生まれにくいです。
自己分析がしっかりできていない
自己分析が不十分だと、自分の強みや弱みだけではなく、看護師として大切にしていること、将来どのような看護師になりたいのかなどがはっきりしません。
自分のことをよく知らない状態では、転職先と自分の価値観が合うかどうかを判断が難しいです。結果として、あいまいな志望動機になるでしょう。
「看護師になりたい」という意思が弱い
「なぜ看護師になったのか」「看護師として何をしたいのか」という根本的な部分がしっかりしないと、転職の動機も弱くなります。
看護師の方のなかには「なんとなく看護師になった」「周りに勧められたから」といった理由で働いている方もいるでしょう。
この場合、転職するときに「なぜこの職場で働きたいのか」という問いにしっかりと答えられないことがあります。
看護師という職業に対する意思の弱さが、採用担当者にアピールできる志望動機の不足につながる恐れがあります。
経験やスキルの棚卸しが不十分である
これまでの看護師経験でどのようなスキルを身につけてきたのか、どのような経験で成長できたのかをきちんと整理できていない場合も、志望動機が見つからない原因です。
自分の経験やスキルを把握していないと、転職先でどのように貢献できるのかを具体的に説明できません。
経験やスキルの棚卸しが足りないと、転職先で活躍する自分の姿を想像することが難しくなります。
転職にネガティブな感情を抱いている
過去の転職で失敗経験があったり、以前の職場の人間関係で悩んだ経験があったりすると、転職にネガティブな感情を抱きがちです。
「また同じようなことが起こるのではないか」という不安があると、新しい職場への期待を持てなくなり、ポジティブな志望動機を考えられないでしょう。
過去の経験からくるネガティブな感情が、新しい職場への意欲を下げている状態です。
看護師転職で志望動機がないときの対処法5ステップ
厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、看護職(看護師・保健師・助産師)の有効求人倍率は2.22倍です。看護業界は人手不足であり、就職しやすいといえます。
とはいえ、志望動機がないと感じている看護師の方は、そのままにしておくと不採用となるでしょう。次の5つのステップを踏むことが重要です。
- 徹底的に自己分析する
- 「看護師になりたい」と思ったきっかけを考える
- 職場の分析を十分におこなう
- 職場と自分の接点を見つける
- 転職後のキャリアについて考える
それぞれを詳しく解説します。
1.徹底的に自己分析する
まず、次のように徹底的に自己分析をおこないましょう。
- 自分の強みや弱み
- 得意なことや苦手なこと
- 看護師として大切にしていること
- どのようなケアを通して患者さまに貢献したいのか
- 将来どのような看護師になりたいのか
自己分析を通して、自分の価値観やキャリアを洗い出すことが、志望動機を見つけるための第一歩です。
ただし、自己分析をおこなう際には、過去の経験を振り返るだけでなく、自分の性格や興味関心、ライフスタイルなども考えると自分に合った職場環境が見えてきます。
2.「看護師になりたい」と思ったきっかけを考える
次に「なぜ看護師になりたいと思ったのか」という原点を振り返ってみましょう。
看護師を目指したきっかけには、人それぞれのストーリーがあるはずです。
「入院した際に看護師の方に優しくしてもらったから同じように困っている人を支えたい」「人の役に立つ仕事がしたいと思い看護師に魅力を感じた」など、きっかけを思い出すことが大事です。
看護師を目指したときの純粋な気持ちを思い出すことは、仕事へのモチベーションを高め、転職の動機を明確にするうえで有効です。
3.職場の分析を十分におこなう
転職を希望する病院や施設を分析しましょう。ホームページやパンフレットを見る際に、次のようなポイントでリサーチすることが大切です。
- 病院の理念や特徴
- 提供している医療
- 力を入れている分野
- 職場の雰囲気
- 研修や教育制度
- キャリアパス
病院見学やインターンシップに参加することもおすすめです。病院の雰囲気を感じたり、働いている看護師の方の話を聞いたりすることで、病院のことをより理解できます。
職場の分析をおこなう際には、自分が大切にしている価値観やキャリアビジョンと職場の理念や特徴が合うかを意識しましょう。
4.職場と自分の接点を見つける
自己分析と職場分析を通して得られた情報を照らし合わせ、職場と自分の接点を見つけましょう。
たとえば「患者さま一人ひとりに寄り添ったケアを提供したい」という自分の価値観と「地域に密着した医療を提供している」という病院の特徴が合致する場合、そこが接点です。
接点を見つけることで「この病院で自分の強みを活かして貢献できる」という具体的な志望動機につなげられます。
接点を見つける際には、自分のスキルや経験がどのように活かせるのか、どのような貢献ができるのかを具体的に考えることが重要です。合致する部分が多いほどその職場に魅力を感じ、志望度の高さを伝えられる志望動機になるでしょう。
5.転職後のキャリアについて考える
転職を通して、どのようなキャリアを築いていきたいのかを具体的に考えましょう。
「専門看護師になって活躍したい」「管理職としてチームをまとめて患者さまに貢献したい」など、転職後のキャリアプランを描くことで志望動機の説得力が増します。
キャリアプランを考える際には、短期的な目標だけでなく、長期的な目標の設定も必要です。
将来どのような看護師になりたいのか、どのような分野で活躍したいのかを考えることで、志望動機も書きやすくなるでしょう。
看護師転職で志望動機がないときに魅力的に書くコツ
志望動機を作成する際には、次の点を意識することで、より魅力的で相手に伝わる文章を書けます。
- ポジティブな表現を使う
- 転職する理由やエピソードを具体的にする
- 転職後のキャリアや病院への貢献について明らかにする
採用担当者は、志望動機で応募者の熱意や適性、そして自院への貢献意欲を見極めます。そのため、これらのポイントを押さえることで、採用担当者の心に残る志望動機を作成できるでしょう。
ポジティブな表現を使う
志望動機は、前向きな気持ちを伝えるためのものです。
ネガティブな表現は避け、できる限りポジティブな表現に変えて使うように心がけてください。
具体的には「前の職場では人間関係が悪かったから」という理由ではなく「チームワークを重視する環境でコミュニケーション能力を活かして貢献したい」とします。
前の職場の不満ではなく、未来に期待していることを書くことで、ポジティブな姿勢をアピ-ルできます。
前向きな言葉は、採用担当者に好印象を与え、意欲の高さを伝えられるでしょう。
転職する理由やエピソードを具体的にする
抽象的な言葉だけでなく、具体的なエピソードを加えて説明することで、志望動機に説得力が増します。
「地域医療に貢献したい」だけでなく「健康診断のボランティアに参加した際に、健康を支えることの大切さを実感して、地域医療に力を入れている貴院に貢献したい」としてください。
具体的なエピソードを交えることで、相手に熱意を伝えられます。
転職後のキャリアや病院への貢献について明らかにする
転職を通してどのようなキャリアにしたいのか、転職先でどのように貢献したいのかを十分に伝えましょう。
「貴院の理念に共感し、地域医療に貢献したい」「これまでの経験を活かし、チーム医療の推進に貢献したい」などと具体的にすることが重要です。
単に「働きたい」というだけでなく「この病院で何をしたいのか」を伝えることで、目的意識の高さを示すことができます。
関連記事:【例文付き】なぜ看護師になりたいのか?主な理由と志望動機のポイント・書き方
看護師転職の志望動機の例文
「看護師の志望動機がない」と感じている方は、看護師になりたい理由がはっきりしていない場合もあります。たとえば、医療系のドラマがきっかけだったり、親の影響だったりなどで看護師を目指した方もいるでしょう。
ただし、そのまま書いてしまうと不採用になるかもしれないため、下記の志望動機を参考にしてください。これらの例文を参考に、自分自身の言葉で具体的なエピソードを交えながら書くことが大切です。
看護師になりたい理由がドラマだった場合
<例文> 私が看護師を志したきっかけは、ある医療ドラマでした。ドラマでは急性期病棟の場面で患者さまに寄り添い、懸命にケアしたり、治療をサポートしたりする看護師の姿を見て、大きな感動を覚えました。患者さまの苦しみを和らげ、笑顔を取り戻すために全力を尽くす姿に、強い感銘を受け、私も人の役に立つ仕事がしたい、人の心を支えることのできる看護師になりたいと強く思うようになりました。ドラマをきっかけに看護師という職業に興味を持ち、実際に病院ボランティアに参加したことで、患者さまと直接関わることの喜びや、仕事のやりがいを肌で感じ、看護師を目指す決意を固めました。 |
看護師になりたい理由が「母が看護師だから」である場合
<例文> 私が看護師を志すようになったのは、内科クリニックで看護師として働く母の姿を間近で見てきたことが大きく影響しています。母はいつも患者さまのことを第一に考え、優しく丁寧にケアをおこなっていました。患者さまから感謝の言葉をいただく母の姿を実際に見ることがあり、看護師という仕事は、人の役に立ち、感謝される素晴らしい仕事だと感じるようになりました。私も母のように、患者さまの心に寄り添い、安心と希望を与えられる看護師になりたいと思っています。母の働く姿を見て仕事の大変さも理解していました。しかし、それ以上に患者さまの笑顔や感謝の言葉が、看護師という仕事のやりがいになっていることを学びました。 |
関連記事:病院の看護師が志望動機を考える10個のポイント!例文つきで解説
看護師転職で志望動機がないときは自己分析と職場分析をしっかりしよう
看護師転職で志望動機がないと感じている場合は、まず自己分析と転職先の職場分析をしっかりとおこなうことが大切です。
自己分析で自分の価値観や強みを明確にし、職場分析で転職先の理念や特徴を理解することで、自分と職場の接点を見つけられます。
接点を見つけることで、魅力的な志望動機となり、採用担当者にアピールできたり、自信を持って転職活動を進められたりするでしょう。
じっくりと時間をかけて自己分析と職場分析をおこない、自分にとって最適な転職先を見つけてください。
<参考サイト・文献>

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