看護師の平均時給とは?看護師の時給をアップさせる方法も徹底解説!
看護師の業務は身体的かつ精神的にも厳しいものであるのに対して、給与が安いと感じる方もいるようです。実際に看護師の給与は他の業種と比較して低いのでしょうか?
今回の記事では、看護師の方の平均的な時給や、給与を上げる方法について詳しくまとめました。看護師の給与平均を知りたい・自分の給与を上げたいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
看護師の平均時給とは?
令和4年賃金構造基本統計調査によると看護師の平均年収はボーナスを含めて約508万円、月収は約35万円、ボーナスは約86万円です。ボーナスを含めた平均年収を平均労働時間(月164時間)で割り、時給に換算すると看護師の時給は平均して2,582円になります。
ただし、次の章で説明するように、この平均時給には看護師の方本人の年齢や勤務先の地域による違いが大きく影響を与えます。自分の給与と平均時給に差がある場合には、その理由は何か考えてみてください。
看護師の時給に影響を与える要素とは
看護師の給与は一人ひとり異なります。ここでは、看護師の給与に影響を与える要素についてまとめました。
自分の状況が給与にどのような影響を与えているのか考えてみてください。
病院がある地域の給与水準
地域ごとに看護師の給与は大きく異なります。地域の給与水準が看護師の方の給与にも影響を与えているのです。例えば、地方と比較して東京や大阪などの大都市の給与は看護師に限らず大半の業種が高くなります。
しかし、看護師不足が問題視されている地域では、地方であっても給与を高く設定している場合もあり、必ずしも都市部の方の給与が良いとは言い切れません。
看護師のスキルや経験
看護師の給与は個人のスキルや経験で変わります。まだ経験が浅い看護師よりも、経験豊富で高いスキルを持つ看護師の方が時給は上がるものです。スキルが高く経験豊富な看護師の方は、臨機応変にさまざまな現場で活躍可能なことから、職場でも重宝されます。
時給で言えば数十円や数百円の違いでも、年収で考えると金額差は大きく開きます。
看護師個人の雇用形態
看護職には看護師と准看護師の2つの資格があります。両者は似た業務を行っているものの、准看護師には自分の判断で看護業務を実施することが許されていません。そのため、大半の病院では准看護師よりも看護師の方が高い給与を設定されています。
また、同じ看護師でも、普段の業務と並行して管理業務も担当したり、リーダーとしてマネジメント業務も行なったりするポジションになれば、さらに時給が高くなります。
病院の規模や形態
看護師の給与は勤務先の病院の規模や形態により異なります。病院の規模が大きく病床数が増えるほど看護師の給与も増える傾向が高いのです。
また、国立や公立の病院と比較して、私立大学病院の方が給与は高いことが多いです。つまり、大規模な私立大学病院なら、平均以上の時給が得られる可能性があると考えてください。
看護師の時給は他の業種と比較して高いのか?
厚生労働省が発表した令和5年の地域別最適賃金申告状況を参考にすると、全国で最も平均時給が高額な都道府県は東京都の1,113円、低い県は岩手県の893円です。
これらの時給と看護師の平均時給である2,582円を単純に比較すると、看護師の給与は高額であると感じるかもしれません。しかし、看護師は他の業種よりも精神的かつ身体的な負担が大きく、看護師免許を取得するための費用や学びの期間が必要な事実も知っておきましょう。
看護師が「給与が安い」と感じてしまう原因とは
看護師の方が「看護師は給与が安い」と感じてしまう原因には、次のようなものがあります。自分の給与に不満があるのなら、その原因を探ってみてください。
身体的・精神的な両方の負担が大きい
看護師の仕事は患者さまの命を預かることから、世の中に存在する仕事の中でも特に身体的・精神的な負担が大きいです。一つのミスも許されない環境下で、患者さまと円滑なコミュニケーションをとりながら業務を進めなければいけません。
さらに、業務中は基本的に立ち仕事であり、患者さまの排泄や入浴介助などの重労働も業務に含まれます。看護師の給与が業務内容に見合っていないと感じる方がいるのは、仕方がないことだと言えます。
職場での拘束時間が長く勤務時間が変則的
勤務先によるものの、看護師の仕事は夜勤があることが多く、シフトに合わせて変則的な働き方をしなければいけません。変則的な業務のせいで体調を崩したり、家族との時間を用意することが難しいと感じたりする方もいるようです。
さらに看護師の業務は拘束時間が長く、引き継ぎのための前残業・後残業が慢性的に発生する状態も珍しくありません。患者さまの病状に急変があれば、長時間の残業でより長い拘束時間になってしまうのです。
常に学びを続けなければいけない
看護師の方は、医療の進歩に合わせて技術を磨く目的で、業務時間以外も常に勉強を続ける必要があります。病院によっては独学での勉強のみでなく、勤務先で看護研修や勉強会が頻繁に開催されることも多いです。
そのため、多忙な看護師にとって勉強の継続は負担が重過ぎると感じる方もいます。
感染症に罹患するリスクを背負っている
看護師は常に感染症のリスクに晒されている職業だと言えます。看護師の方は、未知のウイルスが相手であっても、逃げずに患者さまのケアを続けなければいけないのです。
看護師が医療現場で感染した場合、労災が認められることもあるため自身の職場に確認してみましょう。
看護師が時給を上げるためにできること
ここでは、看護師の方が自分の時給を上げるためにできることをまとめました。自分の給与を良くしたいと考えているのなら、ぜひ参考にしてください。
現在准看護師なら看護師を目指す
現在准看護師の方は、看護師を目指すことをおすすめします。准看護師から看護師になるためには、看護師学校養成所で所定の単位を収めた上で看護師国家試験に合格する必要があります。
看護師学校養成所は2年過程であることから一定の時間はかかるものの、看護師になれば給与が上がるのみでなく、業務の範囲も広がります。
夜勤の回数を増やす
夜勤には夜勤手当があるため、単純に夜勤の回数を増やせば給与を上げられます。夜勤は最も手軽に給与を上げる方法ではあるものの、昼の勤務と夜の勤務を繰り返すことで生活リズムが崩れる可能性も考えられます。
元から夜勤を増やすと体調が悪くなると感じている方は、無理に夜勤を増やすべきではありません。
給与の良い病院に転職する
現在の職場の給与が全体的に低いのであれば、給与や待遇が良い病院に転職するという手もあります。先ほどもお伝えしたように、大規模な私立大学病院は比較的高い給与設定である場合が多いです。
また、地域の給与水準も考え、思い切って給与水準の良い場所に引っ越しを考えるのもおすすめです。ただし、転職先を選ぶ時には給与面や待遇面のみでなく、病院へのアクセスや看護師の定着率なども調べておくと良いでしょう。
給料の良い病院探しにあたっては以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:看護師の給料が高い病院の特徴とは?看護師が収入をアップさせるための方法と注意点について
現在パートなら正社員を目指す
現在パートで看護師の仕事をしているのなら、正社員を目指すという手段もあります。正社員になればパートやアルバイトの時よりも給与が上がるのみでなく、待遇も良くなるのです。また、賞与や退職金も受け取れます。
すぐに正社員での雇用先が見つからない場合は、将来的に正社員雇用が可能なパート・アルバイト採用を探してみてください。
休日に副業を始める
お休みの日を利用して副業をすれば、毎月の総収入を増やせます。
ただし、職場で副業が禁止されていないことを確認し、副業のせいで本業に支障が出ないように十分注意してください。
看護師の副業には、夜勤パートやイベントナースなどさまざまなものがあります。自分のスケジュールに適しており、体の負担が少ない副業を探すべきです。
副業について詳しく知りたい場合は以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:看護師も副業できる?おすすめの副業5選と副業をする際の注意点を解説
関連記事:看護師の方の副業がバレた時の対応や、副業をバレないようにする方法とは?
専門的な資格を取得する
現在の看護師資格とは別に、専門的な資格を取得すると、資格手当が得られる可能性があり、看護師としての活躍の場が広がります。
看護師の方が目指す代表的な資格は以下の通りです。
資格名 | 内容 |
専門看護師 | 特定の専門看護分野において患者に質の高いケアを提供する |
認定看護師 | 特定の専門看護分野において複雑な看護問題を抱える患者や家族に対してより質の高い看護ケアを効率良く提供する 関連記事:認定看護師になるには?条件や取得までの流れ、資格取得によるメリットも解説 |
認定看護管理者 | 看護水準を維持及び向上に力を入れ、地域の保育医療福祉の発展に貢献する |
ただしこのような資格は取得難易度も高く、忙しい中でも十分な量の勉強をしなければいけません。
管理職を目指す
看護師としてのスキルアップを続けて管理職になれば、転職をしなくても今の職場で自身の給与を増やせます。
管理職に求められる基準は勤務先により異なるため、上司に相談した上で自分に適したキャリアプランを立ててみてください。
訪問看護師になる
訪問看護師は病院で患者さまをケアするのではなく、看護師が利用者さまの自宅を訪れて必要なケアを実施します。
訪問看護は現在需要が高まっている分野であるものの、まだまだ訪問看護師が不足しているため、比較的高い時給を提示している訪問看護ステーションもあります。
また、病院やクリニックでの勤務よりもシフトの自由度が高く、子育て中や介護中の方でも働きやすいため、精神的な負担を軽くすることが可能です。 給料に対する不満は往々にして仕事の負担と関連することが多いので、精神的な負担を下げる観点でも一つの選択肢となるでしょう。
訪問看護業界に関心がある方は以下の記事も参考にしてみてください。
関連記事:訪問看護に転職するか悩む看護師へ!魅力ややりがいなど転職のメリット・デメリットを解説
まとめ
看護師の平均時給は他の業種と比較して高額ではありますが、業務の身体的・肉体的負担が大きいことを考えると十分ではないと感じる方も多いようです。
時給を高くしたいと考えている方は、資格取得・転職・副業をする・訪問看護の仕事にチャレンジするなどの方法を考えてみてください。
自分の希望に合った給与が手に入れば、業務に向けてのモチベーションを更に高くできるでしょう。
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