訪問看護の面接でよく聞かれる質問10選!逆質問やうまく回答するための対策を紹介

公開日:2024/08/30 更新日:2024/08/30
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「訪問看護ステーションで働きたいけど、面接ではどんなことを聞かれるのかな?」と疑問を持っていませんか。

多くの訪問看護ステーションでは、求職者に面接を行っています。面接時の質問の回答によって、入職の合否が決まります。

そのため、面接でどのような質問がされるか知り、回答をしっかりと準備しておくことで、不安を少なくして面接に臨めるでしょう。

この記事では、訪問看護の面接で聞かれやすい質問について紹介します。逆質問の方法についても紹介していますので、これから訪問看護に入職を考えている方は参考にしてください。

訪問看護の面接でよく聞かれる質問10選

訪問看護の採用では、面接が行われます。面接では、就職希望者のことを知るために、さまざまな質問がされます。スムーズに答えるために、質問の意図を知っておく必要があります。

ここでは、訪問看護の面接でよくある質問と、その質問の意図を10個説明します。焦らずに答えられるように準備しましょう。

訪問看護師を志した理由

訪問看護師を志した理由を聞く意図は、いくつかあります。

  • 訪問看護に対する熱意や意欲を確認するため
  • キャリアプランや価値観を理解するため

仕事への熱意や興味を確認します。「訪問看護をやりたい」という気持ちが伝わるように応えるとよいでしょう。

また、キャリアプランや価値観も確認され、訪問看護ステーションの理念や風土に合っているかをみられます。

【回答例】

  • 地域医療の必要性を感じて訪問看護師になりたいと考えました
  • 自宅での看取りをサポートできるようになりたいです

その訪問看護ステーションに応募した理由

応募した理由を聞くのは、入社後の働き方をどのようにイメージしているかを確認するためです。

応募した理由を答えるためには、ある程度その訪問看護ステーションについて理解しておかなければ、具体的に答えられません。

そのため、訪問看護ステーションの特徴や提供するケアについて知っておきましょう。それらを把握しておくことは、入社後のミスマッチを減らすことにもつながります。 

また、長い間働いてくれるかという意思を把握するための質問でもあります。入社後、長く働いてくれるスタッフを採用したいと考えているからです。

【回答例】

  • 精神特化のステーションでこれまでの経験を活かしたいからです
  • 育児中の人も働きやすいステーションと伺ったためです

看護師として経験した業務内容

看護師として経験した業務内容を聞く意図は、応募者の実務経験や専門性を詳しく把握するためです。

経験した業務を聞くことで、具体的なスキルや知識をどれだけ持っているかが分かります。

また、訪問看護ステーションで働くために必要とされるスキルとの適合性をみる意図や、即戦力を求めているところもあるため、これまで経験した業務を聞きたいのです。

看護で経験した業務内容を答えるときには、応募先のステーションで求められそうな経験を主に伝えるとよいでしょう。

【回答例】

  • 緩和ケア病棟で終末期ケアをしてきまし
  • 地域連携室で働いたことがあります
  • 内科病棟で糖尿病の患者さまの血糖コントロールに多く携わってきました

オンコール対応の可否

オンコールの対応の可否も、訪問看護の面接では聞かれることが多い質問です。

オンコールとは、利用者さまやご家族からの連絡を受け、相談や緊急訪問に対応するシステムです。

訪問看護ステーションによっては、スタッフのオンコールの負担を減らすために、オンコールができる方しか採用しない場合があります。

オンコールについては可否だけでなく、「土日のみオンコールに対応できる」などの具体的な希望も、きちんと伝えましょう。

【回答例】

  • オンコールは、訪問看護を1人でできるようになれば対応できます
  • 平日のみであれば、オンコールに対応できます

前職を退職した理由

訪問看護ステーションへ転職する人の面接では、「前職を辞めた理由は?」という質問があります。前職の退職理由を聞くのは、「入職後すぐに転職を考えないか」「この訪問看護ステーションの働き方と合うか」ということを確認するためです。

例えば、人間関係のトラブルから前職を退職した場合、人間関係に不満ばかりを言う方であると採用されにくいです。

退職した理由はさまざまでしょう。面接で伝えるときには、ネガティブなことを言うのではなく、前向きな姿勢を見せることで、転職の理由を良い印象で伝えられます。

【回答例】

  • 前職は10年間働きましたが、他の働き方に挑戦し、さらに看護師としてのスキルを目指したいため
  • 子どもが小さいうちは、夜勤のない仕事をしたいため

遠方の利用者さまへの訪問の可否

遠方の利用者さまへの訪問の可否を聞く意図は、長距離の移動が可能か知りたいためです。

訪問看護は移動をともなう仕事です。交通手段は訪問場所によってさまざまで、徒歩や自転車、バス、船などです。訪問先によっては、遠方の方も少なくありません。

自動車免許が必須の場合もあるため、移動手段を聞き、遠方への訪問ができるか答えるとよいでしょう。

また、地域のニーズによっては、離島への訪問もあります。訪問看護ステーションの訪問エリアは、面接前に確認しておくとよいです。

【回答例】

  • 自動車での遠方の訪問は可能です
  • 訪問先の距離はいといません

長所と短所

面接で「長所と短所」を聞くのは、自分の能力や欠点をきちんと分析し、理解できているかを知るためです。

訪問看護は利用者さまとの信頼関係が大切であるため、自己認識がしっかりしている人が求められます。

長所を伝えることで、どのような強みを持ち、どのように活躍できるかを知ってもらえます。

一方、短所を述べることで、自己改善の意識や向上心をアピールでき、誠実さを示せます。

長所や短所を聞くことで人柄や職務適性を見極めようとしているため、自己分析した結果をきちんと伝えられるようにしましょう。

【回答例】

  • 誰とでもコミュニケーションを円滑にとれることが長所です
  • 短所は緊張しやすいところだが、何事にも一呼吸おいて取り組むようにして、最近では過度な緊張はしなくなりました

看護観

訪問看護の面接では「看護観」についても質問されることが多いです。

採用側は、看護に対する考え方や価値観が理念と合っているかを確認するために看護観を聞きます。

看護観は利用者さまにどのようなケアをしていきたいかを表すものです。そのため、看護観を聞くことで、看護への考え方、ケアの方法、看護へのこだわりなどが分かります。

これまでの経験を振り返り、自分がケアをする際に大切にしていることを述べるとよいでしょう。とくに、実際のエピソードを盛り込むと、相手に自分の看護観が伝わりやすいです。

【回答例】

  • 看護は相手の強みを生かしながら、自身で解決できない部分に手を差し述べることだと思います
  • ケアをする際に、「患者さまに寄り添う」ことを大切にしています

失敗した経験

失敗した経験を質問する理由は、失敗したことへの価値観や分析する力、問題解決能力があるかを知るためです。

失敗した経験を話すことには、自分の評価が下がるのではないかと心配し、抵抗があるでしょう。

しかし、失敗することは誰にでもあります。そのため、面接側は失敗した内容よりも、失敗から何を学んだかを聞きたいのです。

失敗談を話すときには、どのように失敗を受け止めたか、その経験から何を学び、どのように成長したのかを含めるようにしましょう。自分の経験を具体的に語り、その後の取り組みや改善点を話すと良いです。

【回答例】

  • 患者さまと話しているとき、怒らせてしまった経験があります。理由としては、患者さまが難聴のため聞こえていなかったにもかかわらず、一方的に話し続けたからです。それから、コミュニケーションをとるときには相手が聞こえやすい声で、相手の反応をみながら会話するように気をつけています。

自己PR

面接では自己PRを求められることがあります。

自己PRを聞く意図は、個性やスキル、経験を理解し、採用側にどのように貢献できるかを見極めるためです。

また、訪問看護ステーションでは利用者さまとご家族を地域で支えるため、コミュニケーション能力やチームワークが重要となり、応募者の人間性を確かめたいと考えています。

自己PRは、自分をしっかりアピールできるチャンスです。面接で自分が伝えたいことをしっかり伝えられるようにしましょう。

【回答例】

  • 私の強みはコミュニケーション能力の高さです。これまで多くの患者さまと接してきました。その中で、信頼関係を築くことがいかに大切か学びました。訪問看護では利用者さまの自宅というプライベートな空間で、個別性を重視し、寄り添ったケアを提供できると思います。

訪問看護の面接における逆質問

転職面接での逆質問では、職場や仕事に関する質問をすることで、自分のやる気や熱意を伝えられます。また、質問をすることで、訪問看護へ関心や興味を持っているということも知ってもらえます。

逆質問では、ホームページなどで事前に分かる情報は質問しないようにしましょう。調べれば分かる情報を質問すると、ステーションに興味を持っていないと思われます。

また、逆質問では分からないことを自分から聞く「質問力」もみられます。業務中に疑問や不明点が生じた際に、すぐに質問し、解決することが訪問看護でも重要だからです。

そのため、面接時には「逆質問」もいくつか準備しておくとよいです。

そこで、ここでは訪問看護の面接時に行うとよい「逆質問」について紹介します。

研修や教育体制についての逆質問

研修や教育体制についての逆質問では、新しい知識やスキルを身につける姿勢を持っていることを表します。

これまで参加してきた研修について話すと、自己研鑽を行ってきたこともアピールできます。

訪問看護でも、多様な利用者さまの看護を行うため、常にスキルアップしたいという姿勢が評価されます。そのため、研修や教育体制について積極的に質問するとよいでしょう。

【質問例】

  • 新人訪問看護師に対する研修や教育体制はありますか
  • 研修参加に対して、サポートはありますか
  • 新人訪問看護師が1人で訪問を開始するのは、大体いつ頃からですか

キャリアアップの支援体制についての逆質問

キャリアアップの支援体制への質問では、キャリアアップへの意欲を示せます。キャリアアップの意欲が強いことは、自分の成長を考えていることにつながります。

質問するときには、これまでのキャリアアップに関する経験も伝えるとよいです。例えば、取得した資格や参加したセミナーなどです。

「常に学び続けたい」という意思をもつことは、看護師として大切なことです。仕事に対する熱意や責任感を示せるので、キャリアアップの支援体制について逆質問することで、良い印象を与えられるでしょう。

【質問例】

  • 訪問看護師として活躍するために、認定看護師の資格取得を目指しています。サポートを受けることは可能ですか
  • 研修を受けるために休みの希望を出すことはできますか

職場の雰囲気を知るための逆質問

職場の雰囲気は、働く上で重要視したいことのひとつでしょう。

事前に職場の雰囲気を知っておくと、入職後のギャップを減らすことができます。また、職場の雰囲気が良いと仕事の効率やモチベーションも上がります。

ホームページやSNSでスタッフの雰囲気をみるとともに、面接でも質問してみましょう。

ただし、「ステーション内で人間関係に問題がありますか?」といったような質問であると、印象が悪くなります。「働き始めたら、すぐにスタッフに馴染みたい」という気持ちを持って質問を考えるとよいです。

【質問例】

  • スタッフ同士で交流する場はありますか
  • スタッフの年齢層はどのくらいですか

働き方をイメージできる逆質問

働き方についての疑問は、働く前に聞いておきましょう。

とくに初めて訪問看護師になる方は、働き方について疑問に思うことも多いでしょう。

ステーションによって、働き方がそれぞれ異なるため、気になる点は事前に聞いておくとよいです。

例えば、土日の勤務やオンコールの回数、残業時間、直行直帰の有無などです。

働き方をイメージできていると、長く働き続けやすいです。

【質問例】

  • 直行直帰ができるようですが、事務所に立ち寄るスタッフも多いですか
  • 休憩はどこでとっていますか
  • オンコールはどのくらいの頻度で鳴りますか

訪問看護の面接でうまく回答するための対策

面接を繰り返し受けている方であれば、質問されたときに自分の考えをまとめて話せるでしょう。

しかし、初めて面接を受ける方は緊張や不安でうまく話せないかもしれません。

回答や逆質問をするときには、面接がスムーズにすすむように要点をまとめて、簡潔に話すことが大切です。

そのために、面接を受けるときには対策をとっておきましょう。

ここでは、訪問看護の面接時の質問にうまく回答するための対策について紹介します。

訪問看護の仕事内容を理解する

面接時に「仕事内容を事前に理解している」ことは非常に重要です。

訪問看護ステーションが求める人物像やスキルを理解することで、自分がマッチするかを明確にアピールできます。また、仕事内容を知っておくことで、質問に対して具体的な回答ができます。

さらに、事前に仕事内容を知っておくと、自分の経験や能力をどのように活かせるかを考えやすいです。自分の能力の活かし方が分かれば、自己PRや志望動機もより説得力のあるものになります。

訪問看護ステーションの理念や方針を調査する

面接時にステーションの理念や方針を調査することも必要です。

ステーションの理念は、大切にしている価値観や目指す方向性を示しています。理念や方針を知ることで、自分がそのステーションに合うかを判断できます。

具体的には、ステーションのウェブサイトや公式のSNSなどに理念や方針が紹介されていることもあるため、確認してみましょう。

また、ステーションの雰囲気や福利厚生についても知っておくと、自分に合ったステーションを見つけやすいです。

訪問看護ステーションの利用者さまの状況を把握する

面接時に「ステーションの利用者の状況を把握する」ことは非常に重要です。

入社後の働き方をイメージするために、把握しておきましょう。

利用者さまの状況を把握するためには、以下の点を確認するとよいです。

  • 利用者さまに多い疾患
  • 利用者さまの年齢層
  • 提供している医療ケア
  • 訪問エリア など

利用者さまの状況を知ることで、自分の強みや経験をアピールすることも可能です。例えば「救命センターでの経験があるため、医療ケアの知識やスキルに自信があります」というような、状況に合わせた自己PRをすると、好印象を持たれやすいです。

事前に利用者さまの状況をしっかり把握し、面接に臨みましょう。

丁寧な言葉遣いをする

日頃から丁寧な言葉遣いを心がけましょう。

訪問看護師は、疾患を抱えながら生活を送る利用者さまとご家族のプライベート空間に訪問するため、丁寧ではない言葉遣いをする看護師は不快に感じられ、信頼をされず訪問を拒否されることもあります。

相手に良い印象を与えて信頼関係を構築するためにも、丁寧な言葉遣いのできる訪問看護師を目指しましょう。

自己分析をする

面接の前には、自己分析を行いましょう。

自己分析をすることで、自分の強みや弱み、価値観を整理して把握できます。

例えば、自分の強みを知ることで、具体的なエピソードを交えながら自分をアピールできます。また、弱みについても正直に話し、改善策を示すことで、自己成長の意欲をアピールできるでしょう。

さらに、自己分析は自分が本当にやりたいことや、ステーションとの相性を見極める機会になります。

自己分析するときには、以下の項目を参考に振りかえってみてください。

  • これまでの経歴
  • 成功した経験
  • 失敗した経験
  • 看護観
  • 強み
  • 弱み
  • キャリアプラン
  • 働く上で優先したいこと など

自己分析では自分をしっかり振り返ることが大切です。時間に余裕をもって、準備しましょう。

まとめ

訪問看護ステーションへ入職を希望する場合、面接が行われることがほとんどです。

面接では、入職希望者の人柄や能力を知るために、さまざまな質問が行われます。

この記事では、訪問看護の面接で聞かれる質問10選を紹介しています。質問される意図を理解し、ステーションが求める答えを伝えられるようにしましょう。回答例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

また、逆質問についてもまとめています。逆質問を求められたときに「何もありません」と答えるのは印象が悪くなることもあるため、逆質問できるように準備しておくとよいです。

さらに、面接対策についても解説していますので、面接を受けるまでに準備しておきましょう。

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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