外来看護師の志望動機は何を書く?例文付きでポイントを解説
外来は夜勤がなく、勤務日が固定されているところも多いため、プライベートと仕事の両立を重視する看護師には人気の職場です。転職をする際には履歴書を用意しますが、なかでも重視される項目は「志望動機」です。
この記事では、外来看護師に転職する際の志望動機の書き方や、具体例を紹介します。魅力的な志望動機を書いて希望の職場に就職したい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
外来看護師の仕事内容
外来とは、通院して治療を受ける患者さまを対象とし、診療を行う場所です。疾患を抱える人や怪我をした方、体調に異変を感じる方などが訪れます。
医療機関のなかには、入院施設のないクリニックや、入院設備のある総合病院などがありますが、入院しない場合の診療はどちらも「外来」と呼ばれます。また、一般の外来が開いていない休日や夜間の診療、救急車で搬送された患者の治療を行う救急外来も、外来のひとつです。
外来看護師の仕事内容は、多岐にわたります。ここでは主に一般外来の看護師の仕事内容を紹介します。
- 問診:患者さまの病歴や健康状態の確認
- 診療の準備:診察・処置に備えて、薬剤や機器等を準備する
- 診察の補助:必要に応じて、処置の介助や医師の指示のもと採血や注射を実施する
- 患者教育:検査の受け方や薬の服用方法、健康管理方法などを指導する
- ICへの同席:IC(インフォームドコンセント)の際に同席し、患者さまが情報を理解できるようにサポートする
外来の規模によっては、受付や電話対応、事務作業、器具の消毒や清掃など、業務がさらに幅広くなることもあります。
外来看護師の志望動機で書くべきポイント
外来を希望し、志望動機を書く際には、いくつかのポイントを押さえることが重要です。自身の今までの経験や強みを踏まえて、外来看護師を志す理由を明確に伝えましょう。
以下の点を踏まえて、志望動機を考えるとよいでしょう。
- 自分の強み
- これまでの実績
- 外来看護師を志したきっかけ
- その病院に応募した理由
それぞれ解説します。
自分の強み
自分自身の強みをはっきりと採用担当者に伝えることが重要です。自分の強みがわかっている人は、仕事でもそれを活かして活躍することができるという印象を与えられるためです。外来を志望するうえでアピールしやすい強みの例を紹介します。
- コミュニケーション能力が高い
- 多くの患者さまに対応できる柔軟性がある
- 緊急時に冷静に判断できる
- チームワークを大切にできる など
これらの強みを具体的なエピソードとともに伝えることで、説得力が増します。自分自身の強みを分析し、外来看護師の業務にどう生かせるのかを考えてみましょう。
これまでの実績
これまでの実績を具体的に示すことで、あなたの看護師としての仕事への姿勢を伝えられます。外来看護師としての経験がなかったとしても、これまで頑張ってきたことや強みにつながる経験・学びをアピールしましょう。実績の例としては、以下のようなものが挙げられます。
- 病棟での患者さまへの対応経験
- 研修や勉強会への積極的な参加
- 資格の取得
- チーム医療での成功体験
これらの経験から、あなたがどのように成長してきたかをアピールすることが大切です。具体的なエピソードを交えながら、実績や経験を伝えましょう。
外来看護師を志したきっかけ
外来看護師を志したきっかけは、あなたの熱意を伝える重要なポイントです。「なぜ外来で働こうと思ったのか」という内容を志望動機に盛り込むことで、採用後の活躍をイメージさせられます。
たとえば、次のような内容に繋がるようなきっかけを記載するとよいでしょう。
- 地域医療に興味がある
- より多様な患者さまと関わりたい
- 専門的な知識を生かして働きたい など
あなたの経験や価値観に基づいたきっかけを、具体的に説明するようにしましょう。
その病院に応募した理由
その病院やクリニックをなぜ選んだのか、その理由を明確に伝えましょう。自身の強みや経験、外来看護師を志したきっかけなどを踏まえ、それらの延長線上で志望先に魅力を感じていることを伝えられれば、採用担当者に納得感を与えられます。
そのためにも、事前に志望先の情報をチェックし、研究しておきましょう。具体的には、次の情報を確認しておくことをおすすめします。
- 病床数
- 理念・方針
- 特徴や力を入れていること
- 看護の理念・体制 など
外来看護師の志望動機の例文
ここからは、外来看護師の志望動機の例文を紹介します。これらの例文を参考に、自身の経験や想いを織り交ぜ、あなた自身の言葉で作成してみてください。
外来看護師としての経験をアピールする例文
「私はこれまでに5年間、大学病院の外来で働いた経験があります。多様な症状を持つ患者さまに対応し、知識や技術を磨いてきました。とくに、救急外来での経験では、患者さまの訴えや症状から素早く状況をアセスメントし、迅速に対応する力や、緊急時こそ冷静に行動することの大切さを学びました。さまざまな患者さまと出会える外来で働くことに、やりがいを感じています。これまでの経験を踏まえ、多様な患者さまが来院する貴院で、質の高い看護を提供したいと考えています」
人と関わる仕事がしたいことを伝える例文
「私はたくさんの人と関わる仕事に就きたいという想いから、外来看護師を志望しました。この想いのきっかけは、学生時代に参加していたボランティア活動にあります。そこでは、様々な背景を持つお年寄りと接しました。相手とのコミュニケーションにより生き生きと表情が明るくなる方たちの様子を見て、人とのかかわりの大切さを強く実感しました。この経験から、『将来は外来で多くの患者さまと接しながら仕事をしたい』と考えるようになりました。貴院では、患者さまの気持ちをしっかりと汲み取り、信頼関係を重ねていける看護師を目指して努力していきたいと思っています」
地域に寄り添った仕事がしたい場合の例文
「私は、地域の方々の健康を守る外来看護師の役割に、大きな魅力を感じています。学生時代に参加した地域の健康イベントでは、高齢者が訪れるブースを担当しました。ある80代の女性は、近所に頼れる人がおらず、病院に行くことが難しくなっていたそうです。地域の医療機関や介護サービスについての情報をわかりやすく伝え、サポートする必要性を感じました。この経験から、患者さまの日常生活に寄り添い、健康増進に貢献していきたいと思うようになりました。地域密着型のクリニックである貴院で、患者さま一人ひとりに寄り添った看護を提供していきたいと考えています」
専門分野のスキルを生かしたい場合の例文
「私は内科病棟で5年間、糖尿病患者さまのケアに携わってきました。この経験により、糖尿病患者さまの生活習慣改善と自己管理支援の重要性を痛感しました。病棟では入院患者さまへの指導が中心ですが、退院後の継続的なサポートの必要性も強く感じています。そこで、外来看護師として働くことで、より長期的な視点で患者さまをサポートしたいと考えました。最新の治療法を取り入れつつ、患者教育にも力を入れている貴院の糖尿病外来で、さらなる経験を積み、糖尿病患者さまのQOL向上に貢献したいと思い、志望しました」
家庭と両立しながら看護師として働くことへの熱意をアピールする例文
「私は現在、7歳と3歳の子どもを育てています。看護師は私の天職だと感じており、患者さまのケアに携わることにやりがいを感じています。しかし、夫が出張の多い仕事のために、子どもたちの学校や保育園の送迎は私がしなければならない状況です。そんな中、貴院が子育て中の看護師のワークライフバランスを重視していることを知り、魅力を感じました。貴院の外来で働くことで、看護師としての成長と家庭との両立をしながら、長期的にキャリアを積んでいきたいと考えています。これまでの病棟経験や、育児の経験を活かして、外来で患者さまに寄り添った看護を実践していきます」
書いてはいけない外来看護師の志望動機
履歴書の数ある項目のなかでも、志望動機は採用につながる重要な部分です。採用担当者にあなたの強みや人柄が伝わるように丁寧に書くことで、志望した理由に納得感を与えられ、印象もよくなります。
一方、志望動機に記載してしまうと逆効果となるような内容もあります。
- 動機が曖昧である
- 年収や待遇を意識しすぎている
- 外来看護師の役割を理解できていない
採用担当者にマイナスの印象を与えないためにも、避けるべき志望動機の内容についても知っておきましょう。
動機が曖昧である
志望動機が曖昧であると、あなたの熱意や真剣さが伝わりません。具体的なエピソードや理由がない志望動機は説得力に欠けてしまいます。
- なんとなく外来看護師に興味を持ったから
- 友人に勧められたから
- 特に理由はないが、外来で働きたいから
このような曖昧な理由では、「採用後してもすぐに辞めてしまうのではないか」と採用担当者に不安を抱かせてしまう可能性があります。そう思わせないためにも、志望動機には具体的な経験や思いを盛り込み、自分自身の言葉ではっきりと伝えるように心がけましょう。
年収や待遇を意識しすぎている
「夜勤がないこと」や「収入面で優れていること」など、自分にとって都合の良い条件であることだけを志望動機にしないようにしましょう。相手に「もっとよい待遇の職場があればすぐに転職しそう」という印象を与えてしまい、仕事に対する熱心さが伝わらなくなる可能性があるためです。
もちろん、待遇や収入は仕事を続けるうえで重要なポイントです。しかし、それだけを履歴書に書く志望動機にすることは避けましょう。あくまでも、仕事内容や志望先の特色、自身のやりたいことに焦点を当てて伝えることが大切です。
外来看護師の役割を理解できていない
外来看護師の役割を正しく理解していないと相手に感じさせるような志望動機になってしまうと、相手に与える印象が悪くなります。たとえば、以下のような意味に受け取られるような表現は避けた方がよいでしょう。
- 病棟よりも楽そうだから
- 患者さまとの関わりが少ないから
- 医療行為の機会が少ないから など
外来を志望するからには、外来看護師の役割をきちんと理解し、努力する姿勢を見せることが重要です。
まとめ
この記事では、外来看護師に転職する際の志望動機の書き方や、具体例を紹介しました。志望動機は、あなたの仕事への想いや考え方、意欲を採用担当者へ伝えるための大切な項目です。具体的なエピソードを交えながら、自身の強みや、その職場にどのように貢献したいのかをしっかりと伝えましょう。
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