訪問看護転職調査レポート:訪問看護師が職場環境に抱くギャップとは?
現在、日本で在宅医療を必要とする人の数は急速に増加しています。
訪問看護師という職業に就いた方には、柔軟な勤務が可能である、利用者さまと向き合える環境がある、スキルアップができるなどの期待をもって仕事を始めたという方も少なくないでしょう。
しかし、実際には想像していた職場環境とは違っていたということも少なくありません。
イメージと実際の現場にはどのようなギャップがあり、どのように対処すればよいのか、また転職を考える際には何を基準にするべきなのでしょうか。
調査概要
調査概要:「訪問看護師が職場環境に抱くギャップ」に関する調査
【調査期間】:2024年4月22日(月)〜2024年4月23日(火)
【調査方法】:リンクアンド パートナーズによるインターネット調査
【調査人数】:403人
【調査対象】:調査回答時に「訪問看護師」と回答したモニター
【調査元】:在宅医療支援機構株式会社(https://www.hcso-inc.com/)
【モニター提供元】:ゼネラルリサーチ
訪問看護師が入職前に想定していた環境は「残業の少なさ」
はじめに、「現職以前に訪問看護業界での勤務経験がありますか?」と質問したところ、約7割の方が『はい(75.2%)』と回答しました。
次に、「現在の職場では、入職前にどのような環境を想定していましたか?(複数回答可)」と質問したところ、『残業が少ない(34.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『柔軟な勤務形態をとれる(34.2%)』『一人ひとりの利用者さまに向き合える(30.3%)』と続きました。
残業の少なさや柔軟な勤務形態を期待して新しい職場を選んだ方が多いことが示されましたが、実際の環境は期待通りだったのでしょうか。
約9割の訪問看護師が転職後にギャップを感じている!
「入職前後で、職場環境に関するギャップはありましたか?」と質問したところ、『ある(37.7%)』『多少ある(50.2%)』『ほぼ無い(9.9%)』『無い(2.2%)』という回答結果になりました。
「ある」「多少ある」を合わせると約9割もの方が、職場環境にギャップを感じたことが明らかになりました。
そこで、「入職前後でどのようなギャップを感じたか教えてください(複数回答可)」と質問したところ、『休日が少ない(36.3%)』と回答した方が最も多く、次いで『勤務形態に柔軟性が無い(32.7%)』『残業が多い(31.5%)』と続きました。
入職前に想定していた環境で、「残業が少ない」「柔軟な勤務形態をとれる」が上位にあがっていましたが、実際には「勤務形態に柔軟性がない」「残業が多い」と感じている方が多いことが明らかになりました。
そこで「ギャップを感じた時は、入職してからどの程度経った頃ですか?」と質問したところ、約4割の方が『1〜3ヶ月未満(40.4%)』と回答しました。
「1ヶ月未満」「1〜3ヶ月未満」を合わせると6割を超え、入職まもない時期にギャップを感じている方が多いことが明らかになっています。
入社間もない時期にギャップを感じる理由は事前に訪問看護ステーションの情報収集が十分にできないことにあると想定され、情報収集の課題が短期でのギャップ認識につながっていることがうかがえます。
「ギャップが生じることで仕事やモチベーションにどのような影響があると思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、『職場の人間関係や雰囲気が悪化する(40.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『スキルアップの機会不足により専門的なスキルの成長が停滞する(37.1%)』『将来のキャリアパスに対する不安が高まる(35.5%)』と続きました。
人間関係やスキルアップ、キャリアに悪影響があると感じている方が多いことが示されました。専門的な成長が停滞することで仕事への満足感や自己効力感が低下し、キャリアに対する不安が高まっている方もいるのではないでしょうか。
次に、「ギャップを感じた際に何か行動を起こしましたか?(複数回答可)」と質問したところ、『同僚との情報交換(27.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『管理者や上司に対する職場環境の改善提案(27.7%)』『自己学習の実施(25.1%)』と続きました。
では、もう少し具体的に職場環境のギャップに関するエピソードをうかがってみましょう。
■ギャップに関する具体的なエピソードとは?
・面接時と言っていることが違う(女性/20代/東京都)
・金額が仕事内容に伴っていない(女性/20代/福岡県)
・残業が多く、休みが取りづらい(女性/30代/東京都)
・求人の内容と全然違うことに入職してから分かった(女性/30代/栃木県)
・有休がとれず、サービス残業が多い。記録などが忙しく効率が悪いと感じる。(女性/40代/愛媛県)
訪問看護師の約6割が転職の際の情報収集を「専門の求人・転職サイト」でしていることが判明。実際に役に立った情報源とは?
ギャップに関する具体的なエピソードとして、想像していた仕事内容と異なることがうかがえる回答が集まりましたが、求職時にはどのように情報収集を行っていたのでしょうか。
「職場選びの際に、どのように情報収集を行いましたか?(複数回答可)」と質問したところ、『専門の求人・転職サイト(56.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『インターネット検索(43.9%)』と続きました。
約6割の方が専門の求人や転職サイトを活用し、転職先を選んでいることが明らかになりました。
続いて、「活用した情報源はどの程度役に立ちましたか?」と質問したところ、以下のような回答結果となりました。
【口コミ・友人からの情報】
・『とても役に立った(35.4%)』
・『やや役に立った(52.4%)』
・『あまり役に立たなかった(9.5%)』
・『全く役に立たなかった(2.7%)』
【専門の求人・転職サイト】
・『とても役に立った(30.6%)』
・『やや役に立った(56.6%)』
・『あまり役に立たなかった(9.7%)』
・『全く役に立たなかった(3.1%)』
【インターネット検索】
・『とても役に立った(33.9%)』
・『やや役に立った(48.0%)』
・『あまり役に立たなかった(15.3%)』
・『全く役に立たなかった(2.8%)』
【人材紹介会社の利用】
・『とても役に立った(34.3%)』
・『やや役に立った(34.2%)』
・『あまり役に立たなかった(21.9%)』
・『全く役に立たなかった(9.6%)』
【その他】
・『とても役に立った(16.7%)』
・『やや役に立った(50.0%)』
・『あまり役に立たなかった(16.7%)』
・『全く役に立たなかった(16.6%)』
口コミ・友人からの情報、専門の求人・転職サイトについては「とても役に立った」「やや役に立った」を合わせると約9割となることが示されました。
一方で、特に人材紹介会社の利用において「役に立たなかった」と感じる割合が他の情報源に比べて高いことがわかります。
まとめ:ギャップを生まない信頼できる転職情報が求められている!
今回の調査で、約9割の訪問看護師が転職先の新しい環境でギャップを感じていたことが明らかになりました。
期待している環境は「残業の少なさ」が最多でしたが、約4割が「休日が少ない」、約3割が「残業が多い」と感じており、勤務形態に不満を持っていることがうかがえます。
ギャップが生じることで「職場の人間関係や雰囲気が悪化する」と回答した方が最も多く、モチベーションの低下が懸念されています。
また、転職情報源として「口コミ・友人からの情報」や「求人・転職サイト」が高評価を得ており、信頼できる情報提供の重要性が浮き彫りになりました。入職前と入職後のギャップを減らし、満足度の高い転職を実現するためには、正確な職場情報が得られる求人・転職サイトを活用することが有効ではないでしょうか。
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2024年3月に実施した看護師向けの調査では看護師の90%が利用したい求人・転職サイトとしてNsPace Careerをご評価いただきました。
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