看護助手の給料は400万円?手取り額や給料があがる2つの方法を紹介

公開日:2024/05/29 更新日:2024/08/14
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「看護助手の給料はいくら?」「看護助手の仕事に就いた方が良い?やめたほうが良い?」

このように悩んでいる方もいらっしゃるでしょう。

看護助手は、看護補助者やナースエイドと呼ばれます。看護師の業務をサポートしたり、患者さまの入院中の生活を支えたりします。

この記事では、看護助手の給料、働くメリットや大変さなどを紹介します。看護助手に興味があるものの、一歩踏み出せずに悩んでいるあなたの助けになれば幸いです。

看護助手の給料は318万3,600円

まずは、看護助手の詳しい給料についてみていきましょう。

  • 平均の月給
  • 平均の手取り
  • 平均の賞与

ぞれぞれの具体的な金額を紹介します。看護助手として働こうと検討しているときの参考にしてくださいね。

看護助手の平均月給は22万2,500円

厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、看護助手の平均の月給は22万2,500円(条件:平均年齢47.8歳、勤続年数9.8年)です。

この金額には、休日手当や夜勤手当、残業手当などのさまざまな手当が含まれています。手当は勤務先によって規定が異なるため、事前にしっかりチェックしてみてください。

看護助手の平均手取りは21万800円

先述した資料によると、看護助手の平均の手取りは21万800円です。

そもそも給与の手取りとは、会社から支給される額面の給料から税金や社会保険料を引いた金額のことです。

一般的に、手取り額は額面の給料の75~80%くらいといわれていますが、住んでいる地域や家族の状況などに変わるためあくまでも目安としてください。

看護助手の平均賞与は51万3,600円

先述した資料によると、看護助手の年間の平均賞与(ボーナス)は51万3,600円です。

ほかの会社員や医療職と同じように、看護助手の賞与は年に2回(6月・12月)に支給されるところが多いです。

看護助手の給料の比較

次に、看護助手の給料を年代別や職業別などさまざまなポイントで比較します。

  •  年代別
  • 正看護師や准看護師
  • ほかの職種

比較してみて、看護助手の給料の実態を知っておきましょう。

看護助手の給料を年代別で比較

看護助手の給料を年代別で比べてみました。

 年収月収手取り賞与
~19歳276万400円20万500円17万5,800円35万4,400円
20~24歳277万3,700円20万6,300円19万4,000円29万8,100円
25~29歳326万2,500円21万3,000円20万7,900円70万6,500円
30~34歳288万8,900円20万8,800円19万3,600円38万3,300円
35~39歳380万5,900円23万6,700円22万3,700円96万5,500円
40~44歳317万6,600円22万7,600円21万3,500円44万5,400円
45~49歳331万2,200円23万800円22万700円54万2,600円
50~54歳352万4,900円23万3,900円22万500円71万8,100円
55~59歳322万8,700円22万7,700円21万4,400円49万6,300円
60~64歳286万6,300円21万2,600円20万2,800円31万5,100円
65~69歳270万1,300円20万5,400円19万3,200円23万6,500円
70歳~252万6,500円20万4,900円20万1,900円67万7,000円

出典元:令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

50~54歳がピークであり年収は352万4,900円です。

看護助手の給料は、ほかのサラリーマンと同じように年功序列の形態であり、年齢を重ねるにつれて上がります。30~34歳のところで下がるのは、子育てにより正社員から時短勤務やパートの勤務に切り替えたり、転職したりすることが影響している可能性があります。

看護助手の給料を正看護師や准看護師と比較

「同じ看護職の正看護師や准看護師と看護助手は給料が違うの?」と疑問を感じている方もいるでしょう。看護助手の給料を正看護師や准看護師と比べてみました。

 看護助手正看護師准看護師
年収318万3,600円508万1,700円407万1,100円
月収22万2,500円35万2,100円28万6,800円
手取り21万800円31万9,300円26万6,900円
賞与51万3,600円85万6,500円62万9,500円

出典元:令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

看護助手の年収は、正看護師と比べると約190万円、准看護師と比べると約89万円くらい低いことが分かります。

想定していた給料よりも低いと感じる方もいるでしょう。

というのも、看護助手は資格がなくても働くことができるためです。一方で、正看護師は厚生労働大臣が発行する国家資格、准看護師は都道府県知事が発行する免許です。さらに、資格の有無が異なるため、業務内容もそれぞれで違います。

同じ看護職であっても、資格の有無や仕事内容の違いにより給料に差があると言えるでしょう。

看護助手の給料をほかの職種と比較

国税庁の令和4年分の調査によると、平均給与は458万円とされています。男女別でみると、男性は563万円、女性は314万円です。

すべての職種の平均給与と比べると、看護助手は140万円近く低いことが分かります。

看護助手が給料アップする方法

ほかの職種と比べると給料が低いため「看護助手が給料アップする方法はないの?」「看護助手は給料が低いままなの?」と不安を感じている方もいるでしょう。ここでは、給料アップできる以下の4つの方法を解説します。

  • 夜勤の回数を増やす
  • 仕事に役立つ資格を取る
  • 経験年数を重ねてキャリアップする
  • 給料や待遇がいい職場に転職する

それぞれの方法を知って、看護助手で給料アップを実現しましょう。

夜勤の回数を増やす

夜勤の回数を増やすと、夜勤手当がもらえるため給料アップが可能です。しかも、短期間で給料アップを実現できます。夜勤専従として働く、という選択肢もあります。

ただし、夜勤の回数を増やすと勤務時間が長くなり生活のリズムが乱れ、体調を崩したり精神面で不安定になったりするため、体調に合わせて働くことが大事です。

病院や施設によっては、夜勤の上限回数が決まっている場合があります。

夜勤手当や夜勤の時給などは、働く病院や施設によって異なるため事前に確認しましょう。

仕事に役立つ資格を取る

看護助手で給料アップするためには、仕事に役立つ資格を取ることも一手です。

例えば、看護助手認定実務者試験の取得を検討してみるといいでしょう。民間の資格であり、看護助手が病院や施設で即戦力として働くことができるか、知識やスキルを判断される資格です。

受験資格に条件はなく誰でも受けられます。看護助手として、自身をアピールできるでしょう。

ほかにも、介護職員初任者研修や介護福祉士などの介護系の資格や、メディカルワーカーなどの資格を取れると、給料アップにつながる可能性があります。

働いているところにどのような患者さまがいるのか、どのような資格があると貢献できるのかなどを考えて、資格を選んでみましょう。

経験年収を重ねてキャリアップする

経験年数を重ねると、看護助手の給料は上がる傾向です。

さらに、経験年数が長くなると、看護助手のリーダーや主任といった役職につけるチャンスがあり、役職手当による昇給も期待できます。

給料や待遇が良い職場に転職する

「看護助手の給料が低い」「ほかのところで働いてみたい」と感じている方は、給料や待遇が良い職場に転職できると給料アップできるかもしれません。

看護助手としての経験があると、現在の職場よりも良い条件で働ける可能性があります。

ただし、給料が良い職場のなかには、残業ばかりして手当で給料が高くなっているケースもあるため、ホームページや求人情報で残業時間をしっかり確認しましょう。

看護補助職は大変、言われる5つの理由

「看護補助職は大変」と言われることがあります。その理由について以下の5つを紹介します。

  • 高い離職率
  • 雑務が多く業務内容が煩雑
  • 身体的な負担の大きさ
  • 精神的な負担の大きさ
  • 待遇への不満

もちろん、看護助手のなかにはやりがいを持って、生き生きと働いている方もいます。ただし、これら5つの理由を知っておくと看護助手に転職したときに想定とのギャップに困惑しなくて良いでしょう。

高い離職率

看護助手は大変と言われる理由のひとつに高い離職率が挙げられます。

日本看護協会の「2023 年 病院看護実態調査」によると、2022年の看護助手の離職率は13.6%です。そのうちわけは以下のとおりです。

雇用形態離職率
正規雇用13.6%
非正規雇用25.5%

出典元:「2023 年 病院看護実態調査」 結果|日本看護協会

一方で、正規雇用の看護師の離職率は11.8%、全産業の離職率は11.9%です。そのため、正規雇用の看護助手の離職率はほかの産業にくらべ高いと言えるでしょう。

未経験・無資格で看護助手として働けるものの、実際に働いたときに「イメージと違う」「こんなはずではなかったのに」とギャップを感じて辞める方が多いのかもしれません。

そのため、どのような仕事なのかを知ることはもちろん、医療業界の雰囲気についても把握しておくことが大切です。

雑務が多く業務内容が煩雑

看護助手は、医療行為ができません。この点は、看護師との業務の大きな違いと言えます。具体的に、看護助手には次のような業務内容があります。

  • 身体的な介助(入浴の介助や排せつの介助など)
  • シーツ交換
  • 配膳や配茶
  • 検査室への搬送
  • 機器の消毒や片付け

看護助手は、患者さまの身の回りをサポートしたり、看護師の業務を支えたりします。ただし、働いている病院や施設、クリニックによって業務内容は異なります。

病院の規模が大きく入院している患者さまが多かったり、重症度や介護度が高かったりすると、看護助手の業務は増え、負担は大きくなるでしょう。

そのため、看護vに転職するときには、どのような病気、介護度の患者さまが入院しているのかをチェックすることをお勧めします。

身体的な負担の大きさ

先ほど、紹介したように看護助手の業務内容は煩雑です。

介護度が高いところでは、トイレ介助や入浴介助をはじめ、体位変換やオムツ交換など力仕事が多いため、身体の負担が大きくなりがちです。足腰や肩、首などに支障をきたすこともあるかもしれません。

さらに、夜勤の業務が重なると負担は増すでしょう。

自身の身体の負担があることから、看護助手は大変と言われるのかもしれません。1ヶ月あたりの夜勤の回数や日勤だけのシフトの有無、求められる業務内容を確認したうえで転職先に応募することが必要です。

精神的な負担の大きさ

看護助手の仕事は、精神的な負担も大きくなりやすいです。

というのも、病院や施設では病気を抱えている方ばかりであり、ちょっとしたミスが命にかかわる可能性があるためです。

さらに、オムツ交換や嘔吐による吐物の処理、吸引瓶の洗浄の業務など、汚物処理に対してつらいと感じることがあります。

ほかにも、業務のやり方で看護師との関係に悩む看護助手もいらっしゃるようです。こういった精神的な負担から看護補助職は大変と言われるのだと思います。

待遇への不満

勤務するところによっては、待遇が悪いケースもあります。

例えば「給料が悪い」「有給休暇が取れない」「業務の負担が大きい」など待遇に不満に感じることもあるでしょう。

ただし、看護vとして新たな資格を取ったり、キャリアップしたりすることで将来的に希望する待遇を受けられる可能性もあります。

人によっては、看護助手として働きながら、看護師の資格を取得する方もいます。

看護助手として働くメリット

看護助手は大変と言われるものの、やりがいがあり患者さまとのかかわりを生きがいに働く方も多くいます。ここでは、看護助手として働くメリットを4つ紹介します。

  • 未経験・無資格でも働ける
  • 看護の知識が身につく
  • 患者さまから感謝される
  • 医療業界のキャリアをスタートさせられる

それぞれのメリットを知り看護助手の仕事を選ぶときに役立ててください。

未経験・無資格でも働ける

看護助手は、ほとんどの職場で未経験・無資格者を受け入れているため、誰でも働きはじめやすいといえます。

さらに、看護助手は人手不足の仕事であり、希望する地域で求人を見つけやすい傾向です。自宅から近い職場で働けるとワークライフバランスを確保でき、仕事と家庭の両立を実現しやすいでしょう。

看護の知識が身につく

看護助手は、看護師のサポートが主な役割であるため、看護師の仕事を間近で見られます。

病気に関する知識や患者さまへの接し方、介助方法などを学べます。ゆくゆくは看護師を目指す方や医療業界で働きたい方にとっては、これ以上ない経験ができるでしょう。

患者さまから感謝される

働く場所によっては、看護助手は看護師よりも患者さまとかかわる機会が多いです。

トイレ介助や入浴介助だけではなく、ベッドまわりの清掃やシーツ交換などで患者さまとかかわります。

そのため、患者さまから感謝され「いつもありがとう」という言葉で看護助手の仕事にやりがいを感じられます。

医療業界のキャリアをスタートさせられる

看護助手のなかには医療現場での実務を経験しながら、看護師や准看護師へのステップアップを目指す方もいます。

働きながら看護師や准看護師になるためには、看護学校に通わなければなりません。日中は、看護学校に通い夕方から夜間にかけてアルバイトで看護助手として働く方もいます。

さらに、看護助手への教育体制が充実しているところであれば、看護学校に通う費用の一部を補助してもらえるケースもあります。ですが、その場合は看護師の試験に合格したら、一定期間働くことを条件としていることが多いです。

医療の現場で働きながら、キャリアをスタートさせられるのは看護助手として働くメリットといえるでしょう。

看護助手に関するQ&A

ここでは、看護助手に関するよくある質問2つに回答しました。

看護助手は何ができますか?

看護助手は、看護師の指示をもとに患者さまの療養する環境を整えたり、オムツ交換や食事介助などをおこない生活をサポートしたりします。

とはいえ、資格を持っていないため薬剤の投与や採血、医師の診療補助などの医療行為はできません。

看護助手は、看護チームの一員として医療現場が円滑に回るようなサポートをする役割が期待されています。

看護助手の賃上げはいつからですか?

令和5年度の補正予算により、医療機関で働く看護助手を確保し定着できるように「看護補助者の処遇改善事業」という施策名で補助事業がおこなわれています。

現在、医療業界は人手不足であり、少子高齢化が進んでいます。そのなかで看護助手の役割はとても重要です。今後も、看護助手の給料が改善されたり、働きやすくなったりする施策が実施される可能性があります。

まとめ

看護助手の給料は318万3,600円です。

看護師や准看護師、ほかの職種と比べて看護助手の給料は低い傾向ですこれは、看護助手が看護師や准看護師と異なり、無資格未経験でも働くことができるからです。

が、看護助手認定実務者試験の資格を取ったり、夜勤の回数を増やしたりすることで給料アップできる可能性があります。

看護補助職は身体的・精神的な負担などからも大変と言われる一方で、患者さまにとってはなくてはならない存在であり、感謝されやりがいを感じて働く方も多いです。

みなさんも、看護職のチームの一員として、看護助手として働いてみてはいかがでしょうか。

参考サイト・文献

令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況|厚生労働省

一.平均給与|国税庁

看護助手認定実務者試験|全国医療福祉教育協会

看護補助者の確保に向けた日本看護協会の取り組み|日本看護協会

看護補助者処遇改善事業|厚生労働大臣

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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