訪問看護報告書の書き方と記入例|パターン別の例文や提出ルールも解説

公開日:2026/09/11 更新日:2026/09/11
訪問看護報告書の書き方と記入例|パターン別の例文や提出ルールも解説

訪問看護報告書は、利用者さまの状態や実施した看護の内容を主治医やケアマネジャーへ報告するために、毎月作成する重要な書類です。

しかし、訪問看護に入職したばかりでは「どの欄に何を書けば良いのか分からない」「これで合っているのか不安」と感じる場面も多いのではないでしょうか。

この記事では、訪問看護報告書の各項目の書き方を記入例つきで解説します。訪問看護サービスの終了や看取りの場合など、パターン別の例文も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。

事業所からスカウトがもらえる

訪問看護報告書とは

訪問看護報告書とは、利用者さまの病状の経過や実施した看護の内容、家庭での介護の状況などを主治医に報告するための書類です。

訪問看護報告書には、医療保険と介護保険でそれぞれ示された様式・取扱いがあります。この記事では保険による違いにも触れながら解説します。

事業所からスカウトがもらえる

訪問看護報告書の作成タイミングと提出頻度

訪問看護報告書の作成タイミングに明確な決まりはありません。実務上は、月末にその月の訪問内容をまとめて作成するのが一般的です。

提出頻度にも具体的な定めはないものの、運営基準では主治医や関係機関との連携のために「定期的に」提出することが義務づけられています。月1回、翌月初旬までの提出が一般的です。具体的な締切は事業所のルールを確認しましょう。

事業所からスカウトがもらえる

訪問看護報告書の提出先

訪問看護報告書の提出先は、主に訪問看護指示書を交付した主治医です。

介護保険の場合は、主治医とケアマネジャーに送付することが多いです。
また医療保険の場合は、主治医と相談支援員、保健師などに送付することもあります。関係機関への提出は、規定上の義務ではありません。ただし、情報共有のために送付している事業所もあるため、迷ったときは管理者や先輩に確認してみましょう。

事業所からスカウトがもらえる

訪問看護報告書を作成する目的

訪問看護報告書の書き方の前に、何のために作成するのかを押さえておきましょう。目的が分かると、記載すべき内容を判断しやすくなります。

事業所からスカウトがもらえる

主治医が治療方針や指示内容を判断できるようにするため

主治医は、利用者さまの自宅での療養の様子を、訪問診療で自宅を訪れない限り直接見られません。そこで報告書から自宅での状態を把握し、薬の調整や次の訪問看護指示書の内容を検討します。

報告書は、いわば主治医の判断材料を届ける書類です。分かりやすくまとめることが、適切なケアにつながります。

事業所からスカウトがもらえる

訪問看護を適切に提供したことを示す書類となるため

報告書は、運営基準で作成が義務づけられた書類でもあります。指示書や計画書に沿った訪問看護を提供したことを示す役割を持ち、運営指導の際にも確認される大切な記録です。

また、主治医だけでなく、関係機関と連携するうえで重要な情報が掲載された書類でもあります。

それぞれ介護保険・医療保険の規定に基づき、訪問看護報告書などの記録は完結の日から2年間の保存が必要です。

事業所からスカウトがもらえる

訪問看護報告書の内容と書き方

ここからは、厚生労働省の標準様式に沿って、項目ごとの書き方と記入例を紹介します。

実際の様式を手元に置きながら読み進めると、作成のイメージがつかみやすくなるでしょう。

別紙様式2は、介護保険・医療保険の両方に適した様式になります。
別紙様式4は、医療保険の精神医療の場合に使用します。
利用者さまが、どの保険を利用して訪問看護を受けているかで異なるため、必ず確認しておきましょう。

別紙様式2・別紙様式4:https://www.mhlw.go.jp/content/12400000/001681763.pdf

事業所からスカウトがもらえる

利用者さまの基本情報・要介護状況

利用者さまの氏名(ふりがな)や生年月日、要介護認定の状況、住所を記入します。

要介護認定の状況は該当するものを丸で囲み、区分変更があった場合は最新の情報を記載しましょう。

事業所からスカウトがもらえる

訪問日

訪問看護を実施した年月を記入し、暦の該当する日付に記号をつけます。記号は以下のように使い分けましょう。保険によって記号が異なるので注意します。

記号意味
保健師・助産師・看護師・准看護師による訪問日 
※精神科訪問看護の場合は、保健師・看護師・准看護師による訪問日
理学療法士・作業療法士・言語聴覚士による訪問日
※精神科訪問看護の場合は、作業療法士による訪問日
特別訪問看護指示書に基づく訪問看護を実施した日
×緊急時訪問の対応をした日 ※介護保険の場合のみ
1日に2回以上訪問した日 ※医療保険の場合
長時間訪問看護加算を算定した日 ※医療保険の場合
30分未満の訪問看護を実施した日 ※精神科訪問看護の場合のみ
参考:訪問看護計画書等の記載要領等について|厚生労働省および訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて|厚生労働省

なお、訪問看護報告書の「訪問日」欄にある右側の暦は、訪問日が2か月にわたる場合のみ使用します。

事業所からスカウトがもらえる

病状の経過

病状の経過は、利用者さまの病状やADL(日常生活動作)の状況を記載する欄です。バイタルサインに加え、変化の有無とその経過を簡潔にまとめます。

<例文>
体温36.4℃、脈拍78回/分・整、血圧128/74mmHg、SpO2 96%(X月X日測定)。
心不全症状は安定して経過している。X月中旬に両下肢の浮腫が軽度出現したが、水分摂取量の調整と利尿薬の内服継続により1週間程度で改善した。体重は48kg前後で横ばい。食事は1日3食を7割程度摂取できており、夜間の呼吸困難感の訴えはない。引き続き体重・浮腫の観察と心不全増悪の早期発見に努める。

変化があった場合は「いつから・どうなり・どう対応したか」まで書くと、経過が伝わりやすくなります。

事業所からスカウトがもらえる

看護・リハビリテーションの内容

実施したケアの内容を具体的に記載します。箇条書きにすると読み手が理解しやすい報告書となります。

<記載例>

  • バイタルサイン測定、全身状態の観察
  • 体重測定、下肢浮腫の観察
  • 内服状況の確認(残薬確認・服薬カレンダーの管理)
  • 水分・塩分摂取に関する本人・家族への指導
  • 入浴時の見守りと保清援助

なお、計画書と重複する部分は、実施した事実が分かる範囲で簡潔にまとめて問題ありません。

事業所からスカウトがもらえる

家庭での介護の状況

誰が・どのように介護しているかに加えて、介護者の健康状態や療養環境についても必要に応じて記載します。

<例文>
同居の長女が食事の準備と服薬の声かけを行っている。長女は日中就労しているため、平日日中は独居となるが、緊急時はヘルパーと連携し連絡できる体制が整っている。長女に疲労の訴えはなく、介護状況は安定している。

介護者の疲労や体調不良は、在宅療養の継続にかかわる重要な情報です。気づいたことがあれば残しておきましょう。

事業所からスカウトがもらえる

衛生材料に関する情報

様式には「衛生材料等の使用量および使用状況」と「種類・量の変更」の2つの欄があります。処置で使用していない場合は、いずれも空欄で構いません。使用している場合の記入例は以下のとおりです。

<例文>
【使用量および使用状況】
衛生材料等の名称:ガーゼ・フィルムドレッシング材
使用及び交換頻度:週2回
使用量:ガーゼ8枚、フィルムドレッシング材8枚

また、種類やサイズ、量の変更が必要な場合は「変更の必要性:有」をまるで囲み、変更内容を記載しましょう。

<例文>
変更内容:創部縮小のためフィルムドレッシング材のサイズを10cm×12cmから5cm×5cmに変更

衛生材料の使用状況は、主治医が算定する際に必要です。また、主治医が指示内容を見直したり必要な物品を手配したりする際の判断材料となるため、数量まで正確に記載することが大切です。

事業所からスカウトがもらえる

情報提供・特記すべき事項

「情報提供」欄は、訪問看護情報提供療養費に係る情報提供を行った場合のみ記載します。
該当するのは、医療保険(精神医療含む)の利用者さまになります。

<例文>
訪問看護情報提供療養費に係る情報提供先:(○○市保健センター)
情報提供日:(20XX年X月X日)

「特記すべき事項」欄には、ほかの欄以外で主治医や関係機関に報告したいことを記載します。以下のような緊急訪問の対応が一例です。

<例文>
X月X日、長女より「呼吸が苦しそう」と電話があり緊急訪問。SpO2:93%、軽度の起座呼吸を認めたため主治医に電話報告し、指示のもと安静・呼吸状態の観察を実施。約1時間で症状は軽減した。以降、同様の症状は認めていない。

いずれの欄も、該当がなければ空欄で差し支えありません。

事業所からスカウトがもらえる

作成日・事業所名・管理者名

最後に、作成日・事業所名・管理者名を記載して完成です。提出前に、記入漏れや記号のつけ忘れがないかを確認しましょう。

事業所からスカウトがもらえる

【パターン別】訪問看護報告書の記入例

判断に迷いやすい6つのケースについて、記載のポイントと例文を紹介します。担当している利用者さまに当てはまるケースから読み進めてみてください。

事業所からスカウトがもらえる

サービスが終了となった場合

状態の改善や入院、施設入所などで訪問看護が終了する場合は、訪問最終月の報告書に経過の総括と終了理由を記載します。

<例文>軽快終了となったケース
訪問開始時に認めた術後創部の炎症は消失し、セルフケアも自立された。血圧・血糖値も内服により安定しており、X月X日の訪問をもって訪問看護は終了となった。今後は月1回の外来受診で経過観察の予定。約6か月間のご指導をいただき、ありがとうございました。

例文のように主治医への感謝を一文添えると、丁寧な印象となります。

事業所からスカウトがもらえる

利用者さまが亡くなられた場合

利用者さまが亡くなられた場合も、特別な様式や手続きはなく、通常どおり報告書を提出します。亡くなるまでの経過と、実施したターミナルケアの内容を記載しましょう。

<例文>
X月上旬より経口摂取量が低下し、傾眠傾向が進行した。X月X日から連日訪問に切り替え、疼痛コントロールの状況観察と保清、ご家族への声かけを実施。X月X日X時X分、ご家族に見守られ、自宅にて永眠された。エンゼルケアを実施し、ご家族からは「最期まで家で過ごさせてあげられてよかった」との言葉が聞かれた。長期にわたり連携いただきましてありがとうございました。

ご家族の様子や言葉を添えると、最期の様子が主治医にも詳細に伝わります。

事業所からスカウトがもらえる

リハビリテーションを提供している場合

介護保険で理学療法士や作業療法士などのリハビリテーションスタッフが訪問した場合は、報告書に「別添」と呼ばれる書類の添付が必要です。

実施内容や利用者さまの様子は、別添の「理学療法士、作業療法士又は言語聴覚士が行った訪問看護、家族等への指導、リスク管理等の内容」欄に記載します。

<例文>
左大腿骨頸部骨折術後の下肢筋力低下により、歩行時のふらつきがあり転倒のリスクが高い状態である。リハビリテーションでは下肢の筋力トレーニング、立ち上がり練習、四点杖を使用した屋内歩行練習を中心に実施。夜間のトイレ移動時の転倒予防として、手すりと足元灯の使用を本人・家族へ指導している。自主トレーニングの椅子からの立ち上がり運動も、家族の声かけのもとほぼ毎日実施できている。

状態とリスク、実施内容、ご家族への指導までを一連の流れで記載するのがポイントです。

事業所からスカウトがもらえる

精神科訪問看護を行っている場合

精神科訪問看護指示書が交付されている利用者さまには、厚生労働省が標準として別紙様式4を作成します。介護保険・医療保険の報告書と異なる記載事項は、以下のとおりです。

  • 「家族等との関係」:「家庭での介護の状況」に代わる欄
  • GAF:月の初日の訪問時にGAF尺度で判定した値と、判定した年月日を記載
  • 看護の内容:通常様式の「看護・リハビリテーションの内容」に相当する欄
  • 訪問日の記号 :◇で囲むのは作業療法士による訪問日のみ。また、30分未満の訪問看護を実施した日には✔印をつける

なかでもGAF欄は記入漏れが起こりやすいため、提出前に確認しましょう。

事業所からスカウトがもらえる

特別訪問看護指示書が交付されている場合

特別訪問看護指示書にもとづいて訪問した日は、訪問日欄に△の記号をつけます。あわせて、特記すべき事項欄に頻回な訪問が必要だった理由と看護の内容を、以下の例文を参考に記載しましょう。

<例文>
X月X日、肺炎による発熱と喀痰増加を認め、主治医より特別訪問看護指示書が交付された(指示期間:X月X日~X月X日)。指示期間中は連日訪問し、状態観察、吸引、水分摂取の援助、解熱後の離床支援を実施。X月X日には解熱し、喀痰量も減少したため、指示期間終了後は週2日の定期訪問にて安定している。

なお、特別訪問看護指示書の交付条件の詳細は、以下の記事で解説していますので、ぜひ参考にしてください。

関連記事:訪問看護の特別指示書が交付される条件とは?期間や回数のルールも解説

事業所からスカウトがもらえる

訪問看護報告書の書き方の質を上げるコツ

様式どおりに書けるようになったら、次は「伝わりやすさ」を意識しましょう。ここでは、訪問看護報告書の質を上げる3つのコツを紹介します。

事業所からスカウトがもらえる

簡潔に書く

報告書は、要点を絞って簡潔に書きましょう。

読み手である主治医は、限られた時間で多くの書類に目を通しているためです。

たとえば、1文を短く区切る、実施したケアは箇条書きにするといった工夫だけでも、読みやすさは大きく変わります。

文章量が多いほうが丁寧に見えるかもしれませんが、「短く伝わる」ことこそ読み手への配慮です。

事業所からスカウトがもらえる

変化の有無を明確にする

利用者さまの変化の有無は、明確に記載しましょう。

主治医が報告書で知りたいのは、自宅での状態が前月からどう変わったかです。

変化があれば「いつから・どこが変わり・どう対応したか」まで書き、なかった場合も「安定して経過している」との一文を忘れずに記載してください。

事業所からスカウトがもらえる

自宅での様子が分かる情報を記載する

診察室では見えない、自宅での様子が分かる情報を意識して記載しましょう。

主治医が外来や訪問診療で把握できるのは、診察時点の状態が中心であるためです。

生活の場に定期的に入る訪問看護師だからこそ、食事量や排泄状況の推移、服薬の実際、介護者の疲労度などを把握できます。

この「診察と診察のあいだ」を埋める情報こそが、主治医やケアマネジャーとの連携を深めるきっかけとなります。

また、訪問看護報告書を利用者さまやご家族が読むことはまれですが、開示を求められることがあります。事実を客観的に記載することを心がけましょう。

事業所からスカウトがもらえる

訪問看護報告書についてよくある質問

訪問看護報告書に関して多く寄せられる質問にお答えします。提出前の確認にお役立てください。

事業所からスカウトがもらえる

Q1:訪問看護報告書は管理者の押印が必要ですか?

訪問看護報告書に、管理者の押印は不要です。現行の様式に押印欄はなく、管理者の署名(電子的な署名を含む)で差し支えありません。

事業所からスカウトがもらえる

Q2:訪問看護報告書を送付する際に挨拶文(送り状)は必要ですか?

法令上の義務はありません。送付方法や送り状の要否は、事業所・提出先医療機関の運用に従いましょう。

事業所からスカウトがもらえる

Q3:生成AIで訪問看護報告書を作成しても良いですか?

下書きや表現を整える目的での生成AIの活用は選択肢の1つですが、利用者さまを特定できる氏名・住所だけでなく、病歴、家族構成、訪問日時などの情報についても、事業所の情報管理ルールに従って取り扱う必要があります。生成AIを使用する場合は、事業所が利用を認めているサービス・方法かを必ず確認しましょう。

事業所からスカウトがもらえる

Q4:訪問看護報告書と訪問看護記録書の違いはありますか?

役割と提出先が異なります。

訪問看護記録書は、訪問のたびに状態やバイタルサイン、実施した看護内容などを記録し、事業所内で保管する書類です。一方、訪問看護報告書は1か月分の経過を総括し、主治医や関係機関に提出します。

日々の記録をもとに月次の報告をまとめる、という関係です。

事業所からスカウトがもらえる

訪問看護報告書で主治医との連携を深めよう

訪問看護報告書は、主治医が治療方針や指示内容を判断するための大切な書類です。書き方のルールを押さえたうえで、変化の有無や自宅での様子が伝わるように記載しましょう。

入職して間もないうちは作成するのに時間がかかるかもしれませんが、記入例を参考に経験を重ねるうちに、要点を押さえた報告書が書けるようになっていきます。

ナスキャリ(NsPace Career)は、訪問看護に特化した求人・転職サービスです。現場で役立つ情報も発信しているので、これからのキャリアを考えたい方はぜひチェックしてみてください。

<参考サイト・文献>

訪問看護計画書及び訪問看護報告書等の取扱いについて|厚生労働省

訪問看護計画書等の記載要領等について|厚生労働省

一般社団法人全国訪問看護事業協会 訪問看護実務相談Q&A令和6年版 2024年 中央法規出版株式会社 p38,592

令和8年度診療報酬改定について【訪問看護ステーション向け】|厚生労働省

SNSシェア

  • LINEアイコン
  • facebookアイコン
  • Xアイコン
記事投稿者プロフィール画像 ナスキャリナビ 編集部

「ナスキャリナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「ナスキャリ」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。

関連する記事

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像左 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左

ナスキャリとは

訪問看護・在宅看護に特化した
求人情報検索・応募のほか、
現役の訪問看護師や在宅経験者への無料相談や、
事業所への事前見学申し込みが可能です。

NsPaceCareerとは-PCイメージ画像右 NsPaceCareerとは-SPイメージ画像左