退院時共同指導料とは?1・2の違いや算定要件を訪問看護師向けにわかりやすく解説

公開日:2026/08/06 更新日:2026/08/06
退院時共同指導料とは?1・2の違いや算定要件を訪問看護師向けにわかりやすく解説

「退院カンファレンスに呼ばれても、何をすべきかよく分からない」「退院時共同指導料1と2の違いがあいまいになる」

こうした悩みを抱えている訪問看護師は少なくありません。退院時共同指導料は病院・診療所側が算定する制度ですが、退院前のカンファレンスに参加する訪問看護師にとっても理解しておきたい知識です。

この記事では、退院時共同指導料の仕組みや1・2の違い、訪問看護師が担う役割をわかりやすく解説します。共同指導の目的やカンファレンスで確認すべきポイントを理解することで、制度の理解の一助となれば幸いです。

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退院時共同指導料とは?訪問看護師が知っておきたい基礎知識

訪問看護ステーションは退院時共同指導料を算定できません。訪問看護ステーションが算定するのは「退院時共同指導加算」です。ただし、制度を理解しておくことで、カンファレンスでの自分の役割が明確になります。

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退院時共同指導料は退院支援を目的とした制度

入院中の患者さまが退院後に在宅で療養するにあたり、必要な説明を病院と在宅療養を担当する医師や看護師などが共同で実施することを評価する診療報酬です。

病院での治療内容や生活の注意点を、退院前に訪問看護師と共有することで、在宅療養へ円滑に移行できるよう支援する目的があります。

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訪問看護師が迷いやすい退院前カンファレンスとの違い

退院時共同指導料と退院前カンファレンスの違いは以下のとおりです。

  • 退院時共同指導料は診療報酬上の名称である
  • 退院前カンファレンスは共同指導を行う場面を指す

現場では「退院前カンファレンス」として実施されることが多く、その内容が共同指導の要件を満たした場合に退院時共同指導料が算定されます。

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訪問看護師が算定する「退院時共同指導加算」との違い

退院時共同指導料は、病院や診療所が算定する制度であるのに対し、訪問看護ステーション側が算定するのは「退院時共同指導加算」という制度です。

退院時共同指導加算は医療保険と介護保険の両方にあり、訪問看護師が病院と共同で指導し、退院後に初回の訪問看護を実施した場合に算定できます。

退院時共同指導料と退院時共同指導加算は、同じ共同指導の場面に対して、病院・訪問看護それぞれの立場で評価される、別の制度という点を理解しておきましょう。

関連記事:訪問看護の退院時共同指導加算とは?算定要件や退院時共同指導料との違いを解説

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退院時共同指導料の算定要件

退院時共同指導料を算定するには、対象患者・参加職種・文書提供・オンライン実施時の要件などを満たす必要があります。それぞれを確認しましょう。

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対象となる患者さま

退院時共同指導料の対象は、保険医療機関に入院中で、退院後に在宅で療養する患者さまです。実際には、術後のリハビリが必要な方、点滴や創処置などの医療処置を要する方、服薬管理の支援が必要な方などが共同指導の対象となるケースが多くあります。

ただし、ほかの保険医療機関や介護施設への転院・入所、死亡退院となった患者さまは対象外です(一部の介護施設への入所者を対象とする例外もあります)。

退院時共同指導料1は退院後の在宅療養を担う「在宅療養担当医療機関」(在宅療養支援診療所やかかりつけのクリニックなど)が算定し、退院時共同指導料2は入院中の保険医療機関が算定します。

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共同指導に参加できる職種

参加できる職種は、退院時共同指導料1と2で対象が異なる点に注意が必要です。

退院時共同指導料1は、主に在宅療養担当医療機関の保険医や、その指示を受けた看護師・薬剤師・理学療法士など(保健師・助産師・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士)が入院中の医療機関のスタッフと共同で実施します。退院時共同指導料2は、入院中の医療機関のスタッフが在宅療養担当医療機関、または訪問看護ステーションと連携して進めます。

訪問看護ステーションの職員として参加する場合、令和8年度診療報酬改定時点では准看護師は退院時共同指導料2の共同指導者の対象外です。また、保険医、看護師、歯科医師、薬剤師、訪問看護師、理学療法士、介護支援専門員、相談支援専門員などのうち3者以上と共同指導した場合は、「多機関共同指導加算」として2,000点が加算されます。なお、この加算は、入院側・在宅側医師の共同指導による300点加算とは併用できません。

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文書による情報提供が必要

指導内容の要点を文書として患者さまやご家族、関係機関へ情報提供するとともに、その写しを保存することが求められます。

口頭での説明だけでは算定根拠として認められません。指導した内容の要点を文書として情報提供する必要があります。

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オンラインで実施する場合の要件

退院時共同指導は、ビデオ通話が可能な機器を用いて実施しても差し支えありません。

実施にあたっては、あらかじめ患者さまの同意を得ておくことが必要です。また、ビデオ通話の画面上で患者さまの個人情報を共有する場合は、その点についても患者さまの同意を得ておく必要があります。

保険医療機関の電子カルテなどと共通のネットワーク上の端末で実施する場合は、厚生労働省の「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」に対応していることが求められます。

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退院時共同指導料1・2の違いと算定ルール

退院時共同指導料には「1」と「2」があり、算定する医療機関や点数が異なります。1・2の違いを一覧で確認しておきましょう。

項目退院時共同指導料1退院時共同指導料2
算定する機関在宅療養担当医療機関入院中の保険医療機関
点数1,500点(在宅療養支援診療所)900点(それ以外)400点
算定回数原則1回(条件により2回)原則1回(条件により2回)
参考:令和8年度診療報酬改定について|厚生労働省

ここからは、点数と算定回数のルールを詳しく見ていきましょう。

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退院時共同指導料の点数

退院時共同指導料1は、在宅療養支援診療所が算定する場合は1,500点、それ以外では900点です。ただし、1,500点を算定するには、退院後に24時間対応できる体制を確保し、緊急時の連絡先などを文書で提供していることが条件です。

厚生労働大臣が定める特別な管理が必要な状態にあるときは、特別管理指導加算として所定点数に200点を加算します。この加算は原則入院中1回ですが、厚生労働大臣が定める疾病等に該当する場合は2回まで算定可能です。

一方、退院時共同指導料2は400点です。入院側・在宅側の医師が共同で指導した場合は300点が加算されます。

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原則1回だが例外的に2回算定できるケース

退院時共同指導料1・2は、いずれも1回の入院につき原則1回まで算定できます。

ただし、末期の悪性腫瘍や在宅酸素療法、人工呼吸管理など厚生労働大臣が定める疾病等に該当し、1回以上の共同指導を実施する場合は、入院中2回まで算定可能です。その場合、2回のうち少なくとも1回は、在宅療養担当医療機関と入院医療機関による共同指導が必要です。

詳細は厚生労働省の告示をご確認ください。

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退院時共同指導の場で訪問看護師が担う役割

訪問看護師は退院時共同指導料を算定しませんが、共同指導の場では重要な役割を担います。3つの観点から確認しましょう。

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在宅での生活を見据えて情報共有する

病院のスタッフに対して、自宅の環境や利用者さま・ご家族の状況を伝え、退院後にどのような支援が必要になるかをすり合わせます。

たとえば、自宅に段差が多い、日中に介護できる家族がいない、医療機器を設置するスペースが限られているなど実際の生活環境を共有することが大切です。病院側が把握していない情報を伝えることで、退院後の生活を見据えた支援計画を立てやすくなります。

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医療処置や服薬管理の引き継ぎを確認する

病院での医療処置や服薬管理を引き継ぐことで、退院後すぐに必要なケアを提供できる体制を整えます。

点滴管理や褥瘡処置、在宅酸素療法などの変更点は、退院後の訪問看護に直結する重要な情報です。必要な物品や医療機器が準備できているかも含めて確認することで、退院直後のトラブル防止につながります。

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利用者さま・ご家族の不安を軽減できるように関わる

退院後の生活に対する不安は、利用者さまやご家族にとって心理的な負担です。現場では、ご家族が「本当に自宅で介護できるだろうか」と不安を抱えているケースも少なくありません。

退院前に訪問看護師が顔を合わせ、「退院後も継続して支援していきます」と伝えるだけで、安心した表情を見せてくださるご家族も多くいます。

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訪問看護師が退院時共同指導で注意したいポイント

訪問看護師が共同指導に参加する際は、いくつか気をつけたいポイントがあります。

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病院との情報共有を徹底する

共同指導の場で得た情報は、訪問看護記録や訪問看護計画書に反映させる必要があります。

実際の現場では、退院前カンファレンスで共有された内容と、退院後の状況が異なるケースもあります。たとえば、服薬内容の変更が十分に伝わっていなかったり、医療機器の準備が間に合っていなかったりします。

そのため、疑問点はその場で確認し、訪問看護記録にも残しておくことが大切です。

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退院後の支援体制を事前に確認する

退院後、誰がどのタイミングで訪問するのか、緊急時の連絡体制はどうするのかを共同指導の場であらかじめ確認しておきましょう。とくに初回訪問の日程や緊急時の連絡先は、退院前に明確にしておくことが重要です。

現場では、「誰に連絡すれば良いか分からない」という不安を抱える利用者さまやご家族もいるため、事前に説明しておくことで安心して在宅生活をスタートしやすくなります。

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訪問看護の現場事例から学ぶ退院時共同指導料

退院時共同指導は制度や算定要件だけでなく、現場でどのように多職種が連携し、利用者さまを支えているのかを知ることも大切です。ここでは、訪問看護師へのインタビューをもとに、退院支援や多職種連携の実践事例を紹介します。

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病院と連携してスムーズに在宅移行できた事例

訪問看護ステーション タウンナースの藤田さんは、20年にわたり地域の病院やクリニックと信頼関係を築いてきました。

「病院の連携室やクリニックの先生から、退院される方のご相談をいただくことが結構ありますね」と話します。1件の訪問を大切にしてきた積み重ねが、退院前の相談や共同指導につながっているそうです。

また、同じフロアにケアマネジャーがいる環境を活かし、多職種で情報共有しやすい体制を整えています。退院時共同指導では、病院と在宅側が連携し、利用者さまが安心して在宅生活へ移行できる支援体制を築くことが重要と言えるでしょう。

参考:訪問看護 地域密着20年チームで支える現場とは~訪問看護ステーションタウンナース藤田さんにインタビュー~|ナスキャリ(NsPaceCareer)

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多職種連携によって利用者さまの不安を軽減できた事例

りんくる訪問看護ステーションの渡邉さんは、退院カンファレンスでの関わりを大切にしています。

「患者さんって、大きな病院から退院する時に、病院とのつながりが途切れてしまうような不安を感じる方もいらっしゃるんです」と話します。退院前に、再受診できることや困ったときに相談できる体制を伝えることで、「誰からも分断されるわけじゃない」という安心感につながるそうです。

退院時共同指導では、医療処置の引き継ぎだけでなく、利用者さまやご家族の不安を軽減し、安心して在宅生活を始められるよう支援することも重要な役割と言えます。

参考:人を大切にする訪問看護~りんくる訪問看護ステーション渡邉さん・堀江さんにインタビュー~|ナスキャリ(NsPaceCareer)

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退院時共同指導料に関する訪問看護師のよくある質問

ここでは、退院時共同指導料に関するよくある質問をQ&A形式でまとめました。

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Q1.退院前カンファレンスとの違いは何ですか?

「退院前カンファレンス」は実務上の呼び名で、「退院時共同指導料」は退院前の共同指導を診療報酬として評価する点数名です。現場では、退院前カンファレンスの中で退院時共同指導が行われるケースが多く、同じ意味で使われることもあります。

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Q2.訪問看護師はカンファレンスで何を準備すればいいですか?

利用者さまの自宅環境やご家族の状況、これまでの訪問看護で得ている情報をまとめておくとスムーズです。病院側に確認したい医療処置や服薬の内容もリストアップしておきましょう。

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Q3.退院時共同指導料の文書例はありますか?

各医療機関や訪問看護ステーションごとに独自の様式を使用しているケースもあります。指導内容の要点や参加者、日時を記録できる形式を準備しておきましょう。

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退院時共同指導料を理解して質の高い退院支援につなげよう

退院時共同指導料は訪問看護ステーションが算定する制度ではありませんが、退院前カンファレンスという形で訪問看護師が深く関わる場面です。病院側の制度を正しく理解しておくことで、共同指導の場での役割を果たせるようになります。

また、実際に退院支援や多職種連携に力を入れている現場で働くことで、こうした知識をより深められるでしょう。ナスキャリ(NsPace Career)では、退院支援を重視している訪問看護ステーションの求人や、現場で活躍する看護師へのインタビュー記事も掲載しています。キャリア選択の参考として、ぜひチェックしてみてください。

<参考サイト>

令和8年度診療報酬改定について|厚生労働省

診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について|厚生労働省

医療情報システムの安全管理に関するガイドライン第6.0版(令和5年5月)|厚生労働省

訪問看護療養費に係る指定訪問看護の費用の額の算定方法の一部を改正する件|厚生労働省

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記事投稿者プロフィール画像 ナスキャリナビ 編集部

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