看護師の異動で選ばれる人の特徴4つ!異動先に慣れるまでの働き方

公開日:2025/05/22 更新日:2025/05/22
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「急に異動と言われて戸惑っている」「異動したくないのに、なぜ私が選ばれたの?」」

このように感じている看護師の方はいらっしゃいませんか。

病院で働く看護師にとって、異動は避けて通れないできごとのひとつです。一方で、異動による環境の変化は心身ともに負担がかかるものでもあります。

この記事では、看護師の異動で選ばれる人の特徴や異動先に慣れるまでの働き方のポイントをご紹介します。「異動に納得できない」と感じている看護師の方が、異動を前向きにとらえたり、新たなキャリアを発見できたりするきっかけになれば幸いです。

看護師に異動がある理由

看護師の異動は、おもに病院の人事部や看護部により決められ、次のような理由で実施されています。

  • 病院の組織を活性化させるため
  • 看護師のスキルアップを期待しているため
  • 部署ごとに最適な人員を配置するため

病院のような大きな組織では、同じ環境が続くことによる業務のマンネリ化を防いだり、退職や育児休業などでスタッフのバランスを整えたり目的もあります。

また、異動によってさまざまな診療科を経験して、看護師一人ひとりの視野が広がり、新たな知識とスキルを習得することが期待されています。

看護師の異動で選ばれる人の4つの特徴

異動の対象となる看護師の基準は、病院や施設によって異なります。実際には、次のようなポイントを総合的に判断する傾向があります。

  • 病院の方針に該当する人
  • 看護師の経験が2~5年目くらいの人
  • 異動の希望を出している人
  • 現在の職場で悩んでいる人

詳しく見ていきましょう。

病院の方針に該当する人

病院の運営方針により、異動の頻度やタイミングは異なります。

たとえば「経験年数5年をめどに異動を実施する」という職場もあれば「キャリア開発を重視しており異動は必須ではない」ケースもあります。

経験年数をめどに異動を実施する職場の場合、条件に当てはまる看護師は、異動に選ばれやすいといえるでしょう。

看護師の経験が2~5年目くらいの人

看護師の経験年数やスキルも、異動の判断に関係します。

とくに、2〜5年目の看護師は「ひととおりの業務に慣れてきたころ」と見なされ、5年目までに初めての異動を経験する傾向です。

また、認定看護師や専門看護師の資格や、そのほか特定のスキルがある看護師は、それを活かせる部署への異動を打診されることがあります。

異動の希望を出している人

異動の希望も反映されるケースがあります。

希望どおりの異動を叶えるためには「その部署で働きたい理由」や「身につけたいスキル」を明確に伝えることが大切です。

たとえば「緩和ケアに興味があり、がん患者さまに寄り添った看護を学びたい」といった前向きな理由は、管理職者にポジティブな印象を与え、異動の希望がとおりやすくなるかもしれません。

現在の職場で悩んでいる人

現在の部署で看護師が身体的・精神的につらいと感じており退職を考えている場合も、異動の対象になる可能性があります。

具体的には、夜勤がきついと感じていたり、人間関係に悩んでいたりする看護師です。日本看護協会の「看護師の離職理由」についての調査をまとめました。

 退職理由割合(%)
1位結婚11.6
2位子育て10.5
3位転居9.1
4位妊娠・出産8.8
5位自分の健康(主に身体的理由)7.4
6位看護職の他の職場への興味7.2
7位親族の健康・介護6.7
8位配偶者の転勤6.5
9位勤務時間が長い・超過勤務が多い5.4
10位夜勤の負担が大きい4.9
参考: 看護師等(看護職員)の確保を巡る状況|厚生労働省

退職理由に「自分の健康(おもに精神的理由)」が挙がるのは、20代で8.9%(4番目)、30代で5.0%(10番目)です。

こういった背景から「退職前に違う病棟に異動してみて気分を変えてはどうか?」「部署異動するとスタッフが変わって働きやすくなるかもしれない」と上司から勧められることもあるようです。

看護師が異動先で慣れるまでの働き方

看護師の異動は、部署により新たな知識やスキルが必要になったり、環境が大きく変化したりするケースがあります。

異動先の環境に慣れるまで、時間を要することもあるでしょう。少しでも早く慣れるために、次のポイントを意識してみてください。

  • コミュニケーションを積極的にとる
  • 学ぶ姿勢を大切にする
  • チームの一員としての意識をもつ
  • ポジティブな姿勢を保つ

それぞれ解説します。

コミュニケーションを積極的にとる

異動先では、積極的に挨拶したり、スタッフとコミュニケーションをとったりしましょう。

わからないことは素直に質問するのも大切です。自分の意見を持ち、ハッキリと主張することも重要ですが、異動したばかりのときは「協調性がある」と思ってもらうことが、新しいチームに受け入れられる近道になります。

学ぶ姿勢を大切にする

これまで多くの経験を積んでいても、異動先では初めての知識や看護技術があるかもしれません。

また、異動前の部署と業務の流れが異なることもあります。

まずは周囲のスタッフの動きを見ながら、業務内容を吸収しようとする意識をもちましょう。積極的に学ぼうとする誠実な姿勢は、周囲からの信頼も得やすいです。

チームの一員としての意識をもつ

新しいチームの一員として、積極的に業務に参加し、スタッフと連携しながら働くことを心がけましょう。

「まだ異動してきたばかりだからわからない」という姿勢よりも「このチームの役に立つために何をすれば良いか」という考え方が大切です。

このような意識をもって行動すると、自然に周りとの信頼関係が築けるでしょう。

ポジティブな姿勢を保つ

異動して慣れない環境では、戸惑うことも少なくありません。

「成長のチャンスだ」「キャリアアップできる」とポジティブに考えてみてください。

うまくいかないことがあっても、前向きに頑張っている姿は必ず誰かが見ています。焦らずに、少しずつ新しい環境に慣れていきましょう。

看護師の異動に納得できずストレスを感じたときに考えたいこと

異動を告げられた際に「納得できない」と感じ、ストレスを抱える看護師もいるでしょう。そのようなときには、次の行動に取り組んでみてください。

  • 同僚の看護師から異動先の情報を集めてみる
  • 新しい環境への期待感をもつ
  • 自分のキャリアを見つめ直す
  • 家族や信頼できる同僚に相談する
  • 転職サイトを活用する

それぞれ詳しくみていきましょう。

同僚の看護師から異動先の情報を集めてみる

看護師の異動に対する不安は、新しい環境に対して「知らないこと」や「わからないこと」から生まれます。

異動を経験している同僚の看護師であれば情報を持っている可能性があるため、異動先の病棟の雰囲気やケアの様子などを確認してみてください。

できる限りの情報を集めてみるのも不安を軽減するためにおすすめです。事前に異動先の情報があると「やっていけそう」「新しいことができるかも」と前向きな気持ちが芽生えやすくなります。

新しい環境へ期待感をもつ

看護師の異動は、これまでの経験に新しい発見を加えるチャンスでもあります。新たな知識やスキルを習得できたり、これまでとは違った視点でケアを深めたりできるかもしれません。

「患者さまに提供する看護の幅が広がるかもしれない」と、異動に期待感がもてると、不安よりも希望が大きくなり、ストレスの軽減につながります。

自分のキャリアを見つめ直す

異動先で頑張ってみたものの、思うようにうまくいかず、ストレスが溜まることもあるでしょう。

どうしても異動先が合わないと感じたときには、自分のキャリアを見つめ直すことをおすすめします。

「これまでの経験」「自分の強み」「今後取り組みたいこと」などを書き出し、キャリアプランを考えてみましょう。次にどのような選択をすれば良いのか見えてきます。

家族や信頼できる同僚に相談する

異動を告げられ、戸惑いや不安を感じる看護師もいるでしょう。

そのようなときに無理に前向きになろうとすると、精神的な負担になりやすいです。異動に対するストレスは、ひとりで抱え込まず、家族や友人、信頼できる同僚などに相談するのも大切です。

新しい環境に馴染めないことを言葉に出すと、自分の気持ちが整理されたり、第三者からアドバイスをもらったりできます。

自分を客観的に見つめ直すきっかけとなり、新しい視点が見つかるかもしれません。

転職サイトを活用する

異動先が自分に合わないと感じたり、キャリアプランを再考してやりたいことが見つかったりしたときには、転職エージェントに相談してみるのもひとつの方法です。

専門的な立場から、あなたの希望に沿った求人情報の提供や、キャリアの悩み相談にのってくれます。

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異動をきっかけに看護師のキャリアを見つめ直そう

看護師にとって、異動は珍しいことではありません。

しかし、自分の思いとは関係なく異動が決まるケースもあるため、納得できなかったり、大きなストレスを感じたりする看護師もいます。

一方で、異動は、新しい仲間との出会いやキャリアの可能性を広げるきっかけにもなります。異動を機に看護の視野を広げ、柔軟に対応していく姿勢は、看護師としての成長を後押ししてくれるでしょう。

どうしても異動先が合わないと感じるときや、納得できないまま働き続けて心身に負担がかかってしまう場合には、環境を変えるのもひとつの選択肢です。

あなたが自分の思い描くキャリアを目指して、前向きに働けることを願っています。

<参考文献・文献>

キャリア試行期にある看護師の病院内異動の経験|日本看護管理学会誌 Vol. 17. No. 2, 2013

2021年度「ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析」 結果|日本看護協会

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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