看護師になって後悔する11の理由!ならなきゃよかったと後悔しないために

「人の役に立ちたいから看護師を目指した」「看護師になって困っている患者さまをケアしたい」
このような思いで選んだ看護師の道。
しかし、いざ働き始めると理想と現実のギャップに苦しみ「こんなはずじゃなかった」と後悔する看護師も少なくありません。
この記事では、多くの看護師が抱える後悔の理由と、その後悔を乗り越えて自分らしい働き方を見つけるためのヒントをお伝えします。看護師の仕事に悩んでいるなら、ぜひ最後まで読んでみてください。
看護師になって後悔する11の理由
看護師の仕事は、人の命を預かる責任の重さから、精神的にも身体的にも負担が大きいものです。
- 生命にかかわるプレッシャーが想像よりも重い
- 体力的にきつい
- 同僚との人間関係が難しい
- 患者さま対応がうまくできない
- 不規則勤務による生活リズムの乱れ
- 子育てや介護との両立が難しい
- 給料や待遇が見合わない
- 家族や友人との時間がなかなか取れない
- 感染症のリスクが怖い
- 勉強することが多い
- 転職しても希望する部署で働けない
ここでは、看護師として働くなかで後悔を感じやすい理由を具体的に見ていきましょう。
生命にかかわるプレッシャーが想像よりも重い
看護師の仕事をしていると、生命の重みに押しつぶされそうになることも少なくありません。
患者さまの命を預かる現場では、常に緊張感があり、わずかなミスも許されないからです。
とくに、急変時の対応や、容態が不安定な患者さまのケアは、精神的な負担になりがちです。「自分のアセスメントが間違っていたらどうしよう」という不安がつきまとう場合もあります。
体力的にきつい
看護師の仕事は、夜勤や長時間労働、患者さまの移乗や体位変換など身体的な負担が大きく体力が必要です。
医療労働組合連合会の調査によると、看護師の68.1%は、腰痛があると回答しています。
慢性的な負担は、日々の業務への意欲を低下させるリスクがあります。「また今日もきつい仕事が始まるのか」と感じるようになり、仕事に対するモチベーションの維持が難しくなるでしょう。
同僚との人間関係が難しい
職場によっては人間関係に悩むことがあります。
現場では、仕事のミスが患者さまの生命に影響するため、ちょっとしたミスでも上司や先輩看護師に厳しく叱責される場面もあります。
また、陰口や派閥争いなど、職場の雰囲気の悪さに悩む看護師がいるかもしれません。
患者さま対応がうまくできない
患者さまの病状や性格はそれぞれ異なり、どのように接したら良いか戸惑い、コミュニケーションに悩む場合があります。
なかなか信頼関係が築けない患者さまや、クレーマー気質の患者さまへの対応に苦慮して、看護師になったことを後悔する方がいるのも事実です。
患者さま一人ひとりに合わせた細やかな対応が求められる一方で、その難しさから精神的な負担を感じてしまう恐れもあります。ときには、自身の未熟さを痛感し、深く悩むでしょう。
不規則勤務による生活リズムの乱れ
看護師の働き方は、夜勤や交代制勤務があるため、生活リズムが崩れがちです。
日勤や夜勤、残業など勤務時間が不規則だと、睡眠不足や体調不良につながります。
疲れが溜まると、栄養のバランスよりもお手軽さを優先したり、運動が億劫になったりすると、さらに生活習慣が乱れるため、それが後悔につながることも否定できません。
子育てや介護との両立が難しい
不規則な勤務時間や急な残業などがあるため、家庭との時間を確保しにくく、仕事と家庭の両立に苦労する看護師もいます。
厚生労働省「看護師等(看護職員)の確保を巡る状況」の調査によると、看護師の退職理由の上位5位までは次のとおりです。
順位 | 退職理由 | 割合(%) |
1位 | 結婚 | 11,6 |
2位 | 子育て | 10.5 |
3位 | 転居 | 9.1 |
4位 | 妊娠・出産 | 8.8 |
5位 | 自分の健康(おもに身体的な理由) | 7.4 |
「子どもの学校行事に参加できない」「病気の子どもをゆっくり看病できないのがつらい」と悩み、退職や転職を考えるケースもあるようです。
関連記事:看護師の退職の実態とは?離職率と5つの退職理由を解説
給料や待遇が見合わない
生命を預かる責任の重さや、体力的な負担が大きい割に、給料や待遇が見合わないと不満を感じる看護師もいるようです。
他業種と比較して給与が低いと感じたり、昇給の機会が少ないと感じたりすることがあります。
このような給料や待遇への不満は、仕事へのモチベーション低下につながるだけでなく、より良い条件を求めて離職を考えるきっかけになるかもしれません。
家族や友人との時間がなかなか取れない
看護師の勤務は不規則であるため、プライベートな時間を確保できず、家族や友人との予定が合わせにくい傾向です。
大切な人たちとの時間が十分に取れないと、結果的に後悔につながることもあります。
感染症のリスクが怖い
看護師は、免疫力の低下した患者さまに接する機会が多く、感染するリスクも高いといえます。
とくに、インフルエンザや新型コロナウイルスなど、感染症が流行する時期は注意が必要です。
感染症のリスクがあるという認識は、看護師にとって精神的なストレスとなります。いつ自分が感染するかわからないという不安に加え「家族や周囲の人に感染させてしまうのではないか」と心配になる方もいるでしょう。
勉強することが多い
医療技術は日々進歩しており、最新の情報をアップデートする必要があるため、看護師は新しい知識やスキルを学び続けなければなりません。
たとえば、新しい治療法や薬剤、医療機器などがあります。
日々の業務に加え、新しい知識を習得し続けなければならない状況は、看護師にとって負担となる恐れがあります。仕事が終わった後や休日にも学習時間を確保する必要があるため、精神的なストレスを感じることもあるでしょう。
転職しても希望する部署で働けない
病院の人事異動の方針や、人員配置の都合などがあり、転職先で希望の部署に配属されるとは限りません。
具体的には、希望していた救急救命センターではなく、療養病棟に配属されることもあります。
転職を決意しても、希望する部署で働けなければ、理想と現実のギャップに落胆したり、キャリアをうまく描けなくなったりするかもしれません。「本当に自分がやりたいことは何だったのだろうか」と悩み、再び転職を考えるきっかけになるでしょう。
看護師にならなきゃよかったと後悔しないための対処法
「看護師にならなければよかった」と感じているなら、決して一人で悩まないでください。ここからは、その気持ちを少しでも和らげ、前向きに働くための対処法をご紹介します。
- 看護師を目指したきっかけを思い出す
- ほかの看護師の経験を聞いてみる
- 信頼できる家族や上司に話を聞いてもらう
- 運動や趣味を嗜みストレスを解消する
- 長期休暇を取ってリフレッシュする
- 看護師長に異動を相談する
- 病院以外の場所に転職を検討する
それぞれの対処法を見ていきましょう。
看護師を目指したきっかけを思い出す
原点に立ち返ることで、モチベーションを再確認できます。
「人の役に立ちたい」「困っている人を助けたい」という当初の気持ちを思い出すと、改めて仕事の意義を感じられます。
看護学生時代のノートや、患者さまから感謝された実習での経験などを振り返ってみてください。
看護師になったときの純粋な気持ちを思い出し、患者さまと向き合いたいと考えている方は訪問ステーションへ転職してみてはいかがでしょう。
訪問看護師は、一人ひとりの利用者さまとの時間を取れ、長期的にケアできるため、病院と比べて利用者さまと深くかかわれます。「NsPaceCareer」では、豊富な求人を揃えており、そういった想いのある看護師の方をサポートしているため、ぜひ活用してみてください。
ほかの看護師の経験を聞いてみる
職場の先輩看護師や同期に相談してみましょう。
ほかの看護師の経験談を聞くと、自分の悩みが特別なことではないとわかり安心できます。共感してくれる仲間の存在は、心の支えになります。
ただし、ほかの看護師の経験はあくまで個人の体験であり、鵜呑みにしすぎないように注意してください。さまざまな意見を聞き、自分の状況に合った解決策を見つけるヒントにすることが重要です。
信頼できる家族や上司に話を聞いてもらう
信頼できる家族や上司、誰かに話すと気持ちが楽になります。
誰かに話すと、客観的な意見を聞けたり、気持ちが整理されたりするからです。
家族や友人、職場の信頼できる上司や先輩に、今の気持ちを打ち明けてみましょう。
ただし、話す相手を選ぶ際には、頭ごなしに否定せず、親身になって耳を傾けてくれる人を選んでください。また、秘密を守ってくれる信頼できる相手であることも不可欠です。
運動や趣味を嗜みストレスを解消する
適度な運動や趣味の時間は、ストレス解消になり、心身のバランスを保てるでしょう。たとえば、次のようなリフレッシュ方法があります。
- ウォーキング
- ヨガ
- 映画鑑賞
- 好きな音楽を聴く
自分に合った方法でリフレッシュできると、オンとオフを切り替えられ仕事のモチベーションを維持できます。
ストレスを解消するコツは、無理のない範囲で始めることです。最初から完璧を目指さず、自分のペースで楽しみましょう。
長期休暇を取ってリフレッシュする
現場の緊張状態から解放されリセットできるため、心身を休ませる時間も必要です。
有給休暇を利用して旅行に出かけたり、ゆっくりと休息したりする時間を取ってください。
ただし、長期休暇を取得するには、事前の計画が欠かせません。仕事の引き継ぎをスムーズにおこない、同僚に迷惑がかからないように配慮しましょう。
看護師長に異動を相談する
働く環境が変わることで、新たな気持ちで仕事に取り組めるため、状況が改善する可能性があります。
まずは、今の部署での悩みや、興味のある分野などを看護師長に相談してみてください。
看護師長に相談する前に、なぜ異動を希望するのか、異動先の希望はあるのかなどを自分のなかで整理しておくと良いでしょう。
病院以外の場所に転職を検討する
看護師の資格は、活かせる場所がたくさんあるため、視野を広げられると新たな可能性が見つかります。実際に、病院以外にさまざま選択肢があります。
- クリニック
- 介護施設
- 一般企業
自分に合った働き方を求めて、病院以外の場所への転職も検討してみましょう。
しかし、病院以外の場所へ転職する際には、業務内容や働き方が病院と異なるため、しっかりと情報収集をおこない、希望や条件に合った職場を選ぶことが大切です。
関連記事:看護師の病院以外の職場・職種20選
看護師を辞めたことを後悔する人とやりがいを持てるようになる人
看護師の仕事を辞めて「やっぱり人の役に立ちたい」「看護の知識や技術を活かしたい」と感じる場合や、安定した収入や福利厚生を失ったときに後悔するようです。
看護師を辞めることは、決してネガティブな選択ではありません。仕事に強いストレスを感じ、心身の健康を害している場合、思い切って環境を変えることもひとつの方法です。
看護師の経験を活かして、ほかの分野で活躍している人もたくさんいます。
新たな道でやりがいを見つけるためには、これまでの看護師としての経験で培ったスキルや価値観を改めて認識し、それを活かせる分野を探すことが重要です。
看護師の資格を活かした看護師以外の働き方
看護師の資格は、医療現場だけでなく、さまざまな分野で活かすことができます。
具体的には、次のような働き方があります。
- 学校の養護教諭
- 医療機器メーカーの営業職
- 治験コーディネーター
- 医療系のライター
看護師以外の働き方を探す際には、興味や関心のある分野を考えてみてください。これまでの経験で培ったスキルが、どのように活かせるかを検討することが重要です。
関連記事:看護師から他職種への転職!看護師以外の仕事がしたいを実現する8つのポイント
看護師になって後悔することについてのQ&A
ここでは、看護師になったことを後悔する方からのよくある質問に回答しました。
Q1:社会人から看護師になっても後悔することがありますか?
社会人経験があっても、看護師になって後悔する可能性はあります。
看護師の仕事特有の厳しさや、理想とのギャップを感じることがあるからです。体力的な負担や、不規則な勤務に慣れないなど、社会人経験者でも苦労する点はあります。
しかし、社会人経験で培ったコミュニケーション能力や、多様な視点は、看護師の仕事においても強みになります。
関連記事:社会人から看護師になって後悔しないための5つのコツ!後悔する理由も解説
Q2:看護師にならない方がいい人の特徴はありますか?
次の特徴に当てはまる人は、看護師にならない方が良いかもしれません。
- 人の痛みに共感できない人
- 責任感がない人
- 患者さまの訴えを真剣に聞けない人
看護師は、患者さまの心身のケアをする仕事であり、人の気持ちを理解し、責任感を持って働くことが求められます。
まとめ:看護師になって後悔する理由を知って自分らしい働き方を見つけよう
看護師の仕事は大変なことも多いですが、その分、患者さまの笑顔や「ありがとう」の言葉は何にも代えがたいやりがいを与えてくれます。
看護師の仕事に悩んでいるなら、今回ご紹介した対処法を参考に、自分らしい働き方を見つけてください。
<参考サイト・文献>

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