看護師が転職で失敗したと感じる6つの理由と失敗談!転職を成功させる方法
「今の職場を辞めたいけど、転職で失敗したらどうしよう」「転職で後悔しないようにするための方法はあるの?」
職場に不満があって転職したいと考えているにもかかわらず、失敗が怖くて一歩踏み出せない看護師の方は多いのではないでしょうか。
日本医療労働組合連合会の調査によると、看護師の方の74.9%が仕事を辞めたいと回答しています。
この記事では、看護師の方が転職で失敗したと感じる理由やその失敗談、転職を成功させる方法を解説します。転職に失敗して後悔する前に、転職の実態について詳しく知っておきましょう。
看護師が転職で失敗したと感じる6つの理由と失敗談
まずは、看護師の方が転職して失敗したと感じる理由やその失敗談を紹介します。
- 職場の雰囲気が合わなかった
- 給料や待遇が悪くなった
- 業務内容とスキルが合わなかった
- 応募条件と違った
- 希望する配属先ではなかった
- 知識や医療の質へのギャップが埋められなかった
それぞれを詳しくみていきましょう。
職場の雰囲気が合わなかった
転職先の病院では、職場の雰囲気が期待とは違いました。新しい環境にワクワクしていましたが、コミュニケーションが少なく、冷たい空気を感じました。個々の業務が優先され、助け合う風土がありませんでした。数週間で精神的に疲れて、退職を決意。職場の雰囲気が自身の働きやすさに直結することを痛感しました。 |
新しい職場に期待して転職したものの、実際にはスタッフ間のコミュニケーションが希薄だったり、チームワークが上手く機能していなかったりすることがあります。
現場では、同僚や上司との人間関係が日々の仕事に影響するため、職場の雰囲気が合わないとストレスを感じやすく、モチベーションの低下につながりやすいです。その結果、退職するケースも少なくありません。
給料や待遇が悪くなった
転職先の病院では、給料や待遇が以前の職場よりも悪化しました。新しい職場での環境や業務内容に期待していましたが、給料が前職の水準を下回っていました。また、残業が増える一方で、手当も少なく、福利厚生も整っていなかったため働きがいを感じられずに悩む日々が続きました。結局、数ヶ月で転職を検討することになり、給料や待遇が自分に合うか、見極めるべきだと実感しました。 |
看護師の方が転職で失敗したと感じる大きな要因が、給料や待遇が悪くなったという点です。
転職先を決める際に、業務内容や働きやすさを重視して、給料や福利厚生の条件をしっかり確認していないと後悔する可能性があります。
たとえば、基本給が上がっても、残業手当や夜勤手当が減少して総収入が前職よりも低くなることがあります。
事前にしっかりと病院のホームページや求人情報をチェックしましょう。
業務内容とスキルが合わなかった
募集要項には、一般的な看護業務と記載されていましたが、実際には専門的な手技や治療に関わることが多く、私のスキルが不足していることに気づきました。先輩看護師に助けてもらうこともありましたが、ストレスが溜まり、職場に対する不安感が募るばかり。自分のスキルに合った職場を見つける必要性を痛感しました。 |
転職先で自身のスキルが活かせると思っていたのに、実際には求められるスキルや知識がこれまでの経験と大きく異なり、ギャップを感じることがあります。
とくに、新しい診療科や特殊なケアが必要な現場では、慣れるまでにストレスがかかる場合も多いです。一方で、医療処置が少なく、スキルアップの機会が限られていると感じることもあります。
応募条件と違った
あるクリニックに転職した際「教育体制が整っている」という条件を信じて応募しました。しかし、実際には指導者が不在で、サポートが全くない状態でした。新しい業務への不安感が募る中、自己流で乗り切るしかなく、精神的にも疲弊。結局、希望していた支援やサポートが受けられず、短期間で辞めることにしました。 |
転職活動中に提示された条件と実際の条件が異なると、不満を抱きやすいです。
たとえば、求人には「残業なし」とあったにもかかわらず、実際には頻繁に残業が発生したり「年間休日120日」とあっても実際には取得が難しい状況があったりします。
さらに、給与面でボーナスの支給が期待よりも少ないこともあります。応募条件と実際の待遇の違いは、転職における大きな失敗の要因となるため、事前の確認を徹底することが重要です。
希望する配属先ではなかった
転職先の病院で「内科に配属される」との説明を受けて入職しました。しかし、実際には人手が足りない外科に配属されることになり、専門性が異なる業務に戸惑いました。希望していた分野での経験が積めず、やりがいを感じられないまま1年も経たずに転職を決意しました。 |
転職活動時に、特定の診療科や部署での勤務を希望していたものの、実際には希望とは異なる部署に配属されてしまうことがあります。
とくに、大規模な病院では、看護師の方の配属先は病院側の人員配置や人手不足の状況に影響されるため、自身の希望が通らないことは少なくありません。
希望ではない配属先では、モチベーションが低下したり、業務に慣れるまでにストレスを感じたりすることもあります。
知識や医療の質へのギャップが埋められなかった
新しい病院で「質の高い医療を提供している」との説明を受けて入職しましたが、実際には看護師の教育が不十分で、医療チームの連携も取れていない状況でした。必要な知識が得られず、医療の質に対する不安が募り、患者さまに満足のいくケアができない自分に失望しました。この環境では成長できないと感じ、数ヶ月で転職を決意しました。 |
転職先の病院や施設で採用されている医療技術やケアの質が、これまでの職場と大きく異なる場合、戸惑いを感じる看護師の方は少なくありません。
たとえば、新しい職場での最新の医療機器やスキルに、これまでの知識や経験では対応できないことがあります。
このようなギャップを埋めるためには、新しい職場で必要になるスキルやサポート体制の有無についてあらかじめ確認しておくことや、自主的に学ぶことが重要です。
関連記事:看護師が転職を後悔する理由7選!後悔しない転職実現のポイントを解説
看護師が転職に失敗する原因
次に、看護師の方が転職に失敗する原因を解説します。
- 転職を希望する理由があいまい
- 情報収集が不足
- 自己分析が足りない
- プライドが邪魔をする
- 条件に優先順位が決まっていない
それぞれの原因を知って、後悔のない転職を目指してくださいね。
転職を希望する理由があいまい
看護師の方が転職に失敗する原因は、転職を希望する理由があいまいであることです。
転職活動をおこなう際、自分がなぜ転職をしたいのか、その目的が明らかではない場合は、新しい職場でも同じ悩みや不満を抱えることがあります。
たとえば「今の職場がつらいから」「環境を変えたいから」といった漠然とした理由だけで転職を進めると、次の職場でも似たような問題に直面しやすくなります。
情報収集が不足
転職活動において、事前のリサーチは非常に重要です。
このリサーチが不十分であると、新しい職場の待遇や労働環境、職場の雰囲気などがわからないため「思っていた職場と違う」と後悔する場合があります。
求人サイトや転職エージェントを利用したり、口コミや同業者の意見などを参考にしたり情報収集することが大切です。
自己分析が足りない
転職を考える際、自分自身の強みや弱み、希望する働き方を明確に理解していないと、次の職場選びで後悔するリスクが高まります。
とくに、看護の専門性やキャリアを考えずに職場を選ぶと、実際に働き始めてから「やりがいを感じられない」「スキルが活かせない」といった不満を抱えることになります。
自己分析をおこなうことで、自分がどのような環境でパフォーマンスを発揮できるのかを見極めることが可能です。
このプロセスを経ることで、転職先でのミスマッチを避け、自分に合った職場環境を選ぶことができるため、転職の成功率が上がるでしょう。
プライドが邪魔をする
看護師の方が転職で失敗する理由のひとつに、プライドが邪魔をするという点があります。
とくに、長年の経験や専門知識を持つベテランの看護師の方にとって、転職先での地位や役割に対する期待が強くなることがあります。
ただし、職場が変わると仕事内容や業務の手順が異なるため、スキルや知識を十分に活用できないケースも多いです。
さらに、後輩看護師の方から指導されることもあり、プライドが高すぎると、ストレスを感じて職場への適応が難しくなります。
条件に優先順位が決まっていない
転職活動を始める際、希望する条件や職場環境について考えることは重要です。
ただし、どの条件を最優先にするかを明らかにしておかないと、転職先を選ぶときに迷いやすくなります。
たとえば、給与や勤務地、勤務形態など多くの条件が存在しますが、これらに優先順位がない場合、面接や求人選びで判断がつかなくなります。結果として、転職で失敗したと感じることが多くなるのです。
看護師が「転職に失敗した」と感じたときの対処法
ここでは、看護師の方が転職に失敗したと感じた時の対処法について紹介します。
- とりあえず3ヶ月間を目標に頑張ってみる
- 転職してすぐ辞めるリスクを知っておく
- 転職先の情報収集を始める
それぞれをみていきましょう。
とりあえず3ヶ月間を目標に頑張ってみる
看護師の方が転職で「失敗した」と感じた際の対処法に、とりあえず3ヶ月間を目標に頑張ってみるという方法があります。
転職後、職場環境や業務内容に不安を感じるかもしれませんが、まずは短期間の目標を設定することで、精神的な負担を軽減できます。
新しい職場での最初の3ヶ月は、慣れない環境で多くの変化を体験する時期です。この時期に、自己評価したり新しい環境への適応力を確認したりすることが重要です。
場合によっては、「職場に慣れる」ことで新たに転職せずに継続できる可能性もあります。
転職してすぐ辞めるリスクを知っておく
新しい職場で転職を「失敗した」と思う場面があっても、焦って辞めることは避けるべきです。
というのも、短期間での離職は、採用担当者にマイナスの印象を与え、次の転職活動で不利になる可能性があるからです。
たとえば、次の職場の採用担当者が「長く働くことができない」「採用してもすぐに辞めそう」などと印象を持つ可能性があります。
新しい職場での経験は、必ずしも「失敗」とは限りません。自分にとって何が必要で、どのように成長できるかを考えることで、転職を成功に導く糸口を見つけられるでしょう。
転職先の情報収集を始める
看護師の方が転職をした結果「転職に失敗した」と感じるときは、次の転職先の情報収集を始めることが重要です。
オンラインの口コミサイトやSNSで、転職先の評判を調べてみましょう。実際に働いている看護師たちの声は、職場の実態を知るための貴重な情報源です。
転職先の情報をしっかりと集めることで、自分に合った職場が見つかる確率が高まるでしょう。
看護師が転職を成功させる方法
ここでは、看護師の方が転職を成功させる方法を紹介します。
- 応募先の理解に努める
- リアルな内部情報を参考にする
- 病院見学やインターンシップに参加する
- 多くの求人を比較する
- 小論文や面接の対策をして臨む
- 条件を提示して交渉する
これらの方法を知って、後悔のない転職を実現させましょう。
応募先の理解に努める
転職を考える看護師の方にとって、応募先の理解は成功に欠かせない要素です。
自身のキャリアを築くためには、応募先の病院やクリニックの理念や方針を理解することが重要です。「施設がどのような患者層を対象にしているのか」「看護方針は何か」を把握することで、自分のスキルや価値観と合致するかを見極められます。
応募先が求める要件をしっかり理解し、自分の強みや経験をどう活かせるかを考えることが成功のカギです。面接で自分の価値をアピールするために、具体的なエピソードを用意しておくと良いでしょう。
リアルな内部情報を参考にする
看護師が転職を成功させるためには、リアルな内部情報を参考にすることが不可欠です。
まず、職場環境や雰囲気を理解することが求められます。病院やクリニックのホームページや求人情報だけではわからない、実際の職場の雰囲気やスタッフの人間関係について調べることが大切です。
たとえば、求人サイトや転職エージェントを利用するのも一手です。ほかにも、SNSや看護師専用のコミュニティサイトを活用することで具体的な情報を得られます。
病院見学やインターンシップに参加する
転職を成功させるためには、病院見学やインターンシップに参加することが有効です。
病院見学は職場の雰囲気を体感できる貴重な機会です。実際に働くスタッフと話をしたり、業務の流れを観察したりすることで、自身に合った職場かどうかを判断できます。
とくに、勤務時間や人間関係の雰囲気を知ることで、職場でのストレスを予測できるため、転職後の失敗を防ぐ手助けになります。
病院見学やインターンシップを開催する時期は、それぞれの病院のホームページを参考にしてみてださい。
多くの求人を比較する
看護師が転職を成功させるためには、多くの求人を比較することが不可欠です。さまざまな求人を比較することで、自身に適した職場を見つけるチャンスを広がります。
また、求人を比較する際には、自身の希望条件を明確にしておくことが重要です。給与や勤務形態、職場の規模など何が最も重要なのかを整理しておくことで、比較しやすくなります。
小論文や面接の対策をして臨む
看護師の方が転職を成功させるためには、小論文や面接の対策を十分におこなうことが欠かせません。
小論文では、医療に関する自身の考えや理念を明確に伝えることが求められます。医療現場において看護師としての価値観や経験をどう活かすかを具体的に述べることがポイントです。
事前に、過去の事例や自身のエピソードを整理し考えておくと良いでしょう。
面接では、自己紹介や志望動機、職務経歴に関することを聞かれます。
とくに、志望動機ではなぜその病院や施設を選んだのか、自分のスキルでどのように貢献できるのかをしっかりと伝えることが重要です。
模擬面接を受けたり、友人と面接の練習をしたりして質問に対する答えを用意しておくことで、緊張を和らげられます。
条件を提示して交渉する
看護師の方が転職を成功させるためには、条件を提示して交渉することが重要です。
多くの看護師の方が条件を明らかにしないまま転職して、後悔するケースがあります。自身の希望条件をしっかりと理解して交渉することで、より良い職場環境を手に入れられます。
もし、条件交渉がうまくいかなかった場合も、冷静に対応することが大切です。妥協できるポイントやほかの選択肢を検討することで、より良い結果につなげられるでしょう。
看護師が転職で失敗しないための病院以外の選択肢
ここでは、看護師の方は転職で失敗しないようにするために、病院以外の選択肢を紹介します。
- 訪問看護ステーション
- 介護施設
- 一般企業
3つの転職先について詳しくみていきましょう。
訪問看護ステーション
訪問看護ステーションでは、利用者さまのご自宅を訪問してケアをおこないます。
利用者さま一人ひとりに寄り添ったケアができたり、利用者さまと深い関係性を築けたりするため、看護師の方はやりがいを感じやすいです。
また、訪問看護ではさまざまな疾患を持つ利用者さまにケアするため、スキルを広げる機会が豊富です。
このような職場環境で働くことでケアの質を高めながら、キャリアの幅を広げることができるため、転職後の満足度向上に期待できます。
関連記事:【事例あり】訪問看護への転職を失敗しないために!転職で気をつけるポイントを解説
介護施設
看護師の方が転職を考える際、病院以外の選択肢として介護施設は魅力的な選択肢です。
介護施設では、高齢者や障がい者に対してケアをおこないます。
医療機関と比べると、介護施設では急変のリスクが低く、救急搬送されるケースもあまりないため、落ち着いた環境で働けるでしょう。
一般企業
看護師の方が転職を考える際、病院以外の選択肢として一般企業での勤務もひとつの有力な選択肢です。
一般企業では、医療や健康関連の業界だけでなく、さまざまな業種での経験を積むことができます。
たとえば、健康管理や安全管理、教育研修などの部門で看護師としての専門知識を活かしながら新たなスキルを習得することが可能です。
また、企業によってはフレックスタイム制度やリモートワークを導入しているところもあり、ワークライフバランスを向上させられます。
さらに、一般企業では夜勤がなく、急変のリスクも少ないため、身体的な負担も軽減されることが多いです。
このような環境であれば、ストレスを感じにくく看護師としてのスキルや経験を活かすことができるでしょう。
まとめ
看護師の転職において失敗を感じる理由は多岐にわたります。
職場の雰囲気が合わなかったり、給料や待遇が悪化したりすることなどが原因です。また、業務内容とスキルのミスマッチや応募条件との不一致、希望する配属先ではなかったことも挙げられます。
看護師としてのキャリアを成功させるためには、事前の準備とリサーチを徹底し、自身に適した環境を見極める姿勢が求められます。
参考文献・サイト
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