看護師3年目で転職するには?成功のポイントや目的別おすすめの職場

公開日:2024/02/13 更新日:2024/02/13
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看護師経験が3年目になると、リーダー業務や夜勤にも慣れ、転職を検討する人が増える時期でもあります。とはいえ、看護師3年目の転職は、最適なタイミングなのでしょうか。

この記事では、3年目の看護師が転職する主な理由と成功のポイント、おすすめの転職先について解説します。

3年目看護師が転職する理由とは

3年目の看護師が転職する理由は、主に以下の6つです。

  • キャリアの行き詰まり
  • 責任ある立場が辛い
  • プライベートの時間が少ない
  • 結婚や出産を控えている
  • 研修が辛い
  • 給料が低い

それぞれ解説します。

キャリアの行き詰まり

看護師3年目ともなると、リーダー業務や後輩指導などをこなし、ある程度仕事に慣れてきます。日々の業務で分からないことがほぼなくなるため、気持ちにも余裕が出てくるでしょう。

そのため、もともと興味のあった分野や極めたい分野などがはっきりして、より深く学びたいと考える人も少なくありません。実際に働いている職場ではスキルアップやキャリアアップが見込めない場合、転職を検討するケースが考えられます。

責任ある立場が辛い

3年目の看護師は「一人前の看護師」としてみられるため、リーダーなど責任のある仕事を任される機会が増えてきます。夜勤や休日日勤など、少人数体制の勤務でリーダーを任されることが増え、プレッシャーを感じる人は少なくありません。

また、プリセプターや学生指導などを任されることも多く、担当のプリセプティの成長スピードが遅いと「自分がしっかり指導できていないせいかな」と悩む人もいるでしょう。プリセプター業務に心理的負担を大きく感じて、辞めたいと思う看護師も多いです。

プライベートの時間が少ない

プライベートの時間が少なくなることで、看護師3年目でやめたくなる人もいます。

看護師3年目は、看護研究や研修などによってプライベートの時間が少なくなりがちです。研修などで休日がつぶれてしまうと、日々の業務で疲れた心や体をリフレッシュさせる時間がなくなります。

その結果「もっとゆっくり働ける職場に転職したい」「研修がないような職場で働きたい」という気持ちが強くなるでしょう。

結婚や出産を控えている    

看護師3年目は、結婚や出産といったライフイベントを迎える人が多い時期です。看護師としてキャリアアップを目指す場合、福利厚生や託児所などの手当・設備が充実している職場へ転職を検討する人もいるでしょう。

また、結婚や出産を機に、プライベートを重視したいと考え、転職する人も少なくありません。

研修が辛い

看護師3年目になると、クリニカルラダーの評価を受けるための研修に参加しなければならない病院は少なくありません。クリニカルラダー研修のためにプライベートの時間を削らなければならないことで、ストレスがたまる人は一定数いるようです。

また、ラダー研修には課題があるのが一般的で、資料作成のために休日返上で取り組む必要があると、負担に感じる方もいます。

給料が低い    

看護師3年目はリーダーやプリセプターなどを任され、業務量や責任が増えてきます。その一方で、給料やボーナスが増えず「割に合わない」と感じる人も少なくありません。

また、看護学校時代の同期と会って、他の病院の看護師3年目の給料と比較する場面もあり「他の病院より給料が低い」と転職を考える人もいます。3年目はある程度の経験があり、他の病院でもやっていけると考え、給与アップのために転職を考える人は多いでしょう。

3年目看護師が転職するメリット・デメリット

3年目看護師が転職する際のメリット・デメリットを解説します。

メリット    

看護師3年目の転職のメリットは、主に以下の通りです。

  • 転職先の選択肢が多い
  • 新しい環境に適応しやすい
  • 即戦力として期待されやすい
  • ライフステージの変化を見据えた転職がしやすい
  • キャリアプランを磨くタイミングに適している

病棟での業務内容や任されていた役割などによって異なりますが、看護師経験が3年あれば、一般的な医療機関であれば即戦力として期待されるでしょう。3年目であれば「以前の職場はこうだった」といった先入観も少なく、環境が変わっても適応しやすいと考えられます。

また、結婚や出産、子育ても視野に入れた働き方を考える人も少なくありません。家庭と仕事を両立できるよう、ライフステージの変化を見据えた転職には、最適の時期だといえます。さらに、興味のある分野がある場合、早めに転職して専門性を磨くこともできます。

デメリット    

看護師3年目の転職のデメリットは、主に以下の通りです。

  • 指導やリーダーの経験が不足する可能性がある
  • 専門性の高い分野では採用されないケースがある
  • 退職金が出ない場合がある

3年目の看護師が転職すると、退職する時期によってはプリセプターや学生指導などの経験が中途半端になる可能性があります。3年目の途中よりも丸々3年働いた4年目のほうが習熟度が高くなる傾向にあるため、転職には有利になるでしょう。

また、勤続年数が3年未満の場合、退職金支給の対象外となる医療機関は少なくありません。就業規定を確認して、退職金は何年働いたのちに支給となるのか、退職金がなくても転職したいのかよく検討することが大切です。

3年目看護師が転職する場合の注意点

3年目の看護師が転職する場合の注意点には、以下の5つがあります。

  • 転職目的を明確にする
  • 前向きな退職理由を考える    
  • まるまる3年は勤める
  • スキルマッチしたところを選ぶ
  • 将来のライフステージの変化も視野に入れる

それぞれ解説します。

転職目的を明確にする    

まずは看護師3年目で転職する目的を明確にしておくことが大切です。

転職先の候補は多いため、目的を持たずに探していると「なんとなく条件がいいから」と就職する可能性があります。その場合、実際働き始めて「こんなはずではなかった」と後悔したり、再離職したりすることも考えられるでしょう。

何度も転職を繰り返すと、採用側から「またすぐ辞めるのでは?」とマイナスイメージを持たれやすくなります。

自分はどのような理由で転職したいのか、転職して実現したいことを明確にしておきましょう。

前向きな退職理由を考える    

なぜ3年目で転職しようと思ったのか、理由を考えてみましょう。

例えば「人間関係が良くないから」「福利厚生が充実していないから」「給料が安いから」といったネガティブな理由の場合、表現を工夫する必要があります。「チームで協力している貴院でスタッフの一員として貢献したい」「福利厚生が充実している貴院であれば長く働けると考えた」など、前向きな言葉に言い換えると、好印象につながるでしょう。

まるまる3年は勤める    

看護師の3年目は転職に最適なタイミングではあるものの、まるまる3年勤めて4年目に入る頃に転職するのがおすすめです。

3年以上働くと退職金が支給される病院が多い傾向にあるため、3年目の途中で転職すると退職金を受け取れなくなるケースがあります。また、リーダー業務や指導経験を評価されにくくなる可能性があるためです。

スキルマッチしたところを選ぶ    

看護師3年目になると、どのような職場に転職しても、一人前の看護師として迎えられます。専門分野や興味のある分野を深めたい場合、将来的なスキルアップやキャリアアップにつなげられる職場を選ぶことが大切です。

将来のライフステージの変化も視野に入れる

3年目で転職先を選ぶ場合、将来のライフステージの変化を見据えて考えると良いでしょう。

結婚や出産といった予定があるのか、その後も働き続けるのか、一旦パートに切り替えるのか、子育てが落ち着いたら復帰するのかなど、先を見通しておくと自ずと転職先を絞りやすくなります。

3年目看護師の退職金はいくら?

3年目看護師の退職金は、30万円前後が相場とされています。おおよそ給料1カ月分が目安と考えられるでしょう。

とはいえ、退職金支給条件は職場によって異なり、勤続3年以上としているケースもあるため、勤務先の就業規則を確認してみましょう。

なお、就業規則には退職手当に関する事項を記載しなければならないと労働基準法によって定められています。一般的に、以下の事項が記載されているはずなので、しっかり目を通してみてください。

  • 適用される労働者の範囲
  • 退職手当の決定
  • 計算及び支払の方法並びに退職手当の支払の時期に関する事項

参照元:厚生労働省|モデル就業規則

3年目看護師のおすすめ転職先

3年目の看護師におすすめの転職先を、以下4つの目的別にまとめたので参考にしてください。

給料はしっかり稼ぎたい場合

転職をして給料をしっかり稼ぎたい場合、以下のような職場が候補となります。

  • 大学病院
  • 総合病院
  • 療養型病院
  • 美容クリニック
  • 介護老人保健施設
  • 訪問看護ステーション

大学病院や総合病院などは、今よりキャリアアップを目指しつつ給料も下げたくない、という人に向いています。診療科目も多いため、さまざまな病棟で学びが深められます。福利厚生が充実している可能性も高いでしょう。

美容クリニックや介護老人保健施設、訪問看護ステーションなどは、比較的落ち着いてはいるものの、給料は高めに設定されている傾向にあります。ただし、託児所を完備しているところは少ないでしょう。

患者さまの生活やターミナルケアに興味がある場合

患者さま一人ひとりにしっかり寄り添った看護をしたい、ターミナルケアに興味がある、という人は、以下のような転職先が候補となります。

  • 介護施設
  • 訪問看護ステーション
  • 療養型病院
  • 緩和ケア病棟 など

介護施設や訪問看護は、患者さま一人ひとりが生活する場所で、その人らしく暮らせるためのケアが求められます。

症状が安定した高齢患者が中心であり、医療処置よりもケア業務が多いのが特徴です。患者さまやご家族と長期的に関わりたい人に向いています。

プライベートの時間を確保したい場合    

プライベートの時間を確保したい場合、以下のように日勤がメインの職場が候補となるでしょう。

  • クリニック
  • 病院の外来や内視鏡室
  • 健診センター
  • 保育園
  • 美容クリニック

上記の職場は基本的に夜勤がなく、カレンダー通りの休みが取りやすいので、プライベートの時間を確保しやすいでしょう。とはいえ、クリニックや外来などでは残業が発生する可能性があるため、注意が必要です。

キャリアアップしたい場合    

専門性を高めて知識やスキルを身につけたい、専門看護師や認定看護師などエキスパートを目指したいなど、キャリアアップを目指す場合、主な転職先の候補は以下のようなところがあります。

  • 大学病院
  • 総合病院
  • 単科の専門病院

救急外来・センター、手術室、精神科病院、がんセンター、人工透析クリニック、小児科などがおすすめです。自分が選んだ分野に強くなり、キャリアアップも見込めるでしょう。努力次第では、認定看護師や専門看護師などといったその道のエキスパートもめざせます。

大学病院では、最先端の医療を学べ、努力次第で専門看護師や認定看護師などを目指せます。単科の専門病院では、循環器内科・精神科・がんセンター・小児科など、自分が興味のある診療科目に絞って学びを深めることができるでしょう。

まとめ

今回は、3年目の看護師が転職する主な理由と成功のポイント、おすすめの転職先について解説しました。

看護師経験が3年目になると一人前として認められ、転職に最適な時期だともいえます。自分が何のために転職をしたいのかよく考え、自分の目的に合った転職先を選ぶようにしましょう。    

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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