看護師の病院以外の職場・職種20選
「看護師資格を生かして病院以外で働いてみたい」
「夜勤のない職場に転職したい」
病院で働く看護師の中には、このように考えている方も少なくないでしょう。
実際に、病院以外にも看護師の資格や経験を生かして働ける職場は多数あります。
この記事では、看護師が働ける病院以外の職場・仕事を20種類紹介します。
病院以外の職場への転職を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
看護師が病院以外で働ける主な職場・職種
看護師が資格を生かして働ける職場は、病院以外にもたくさんあります。
看護師が活躍できるおすすめの職場や職種を20種類紹介します。
訪問看護ステーション
訪問看護は、自宅で療養している利用者さまのもとに看護師が訪問し、ケアを行う職種です。
医師が作成する「訪問看護指示書」に基づき、医療処置や健康状態の確認を行います。
利用者さまやそのご家族が希望する療養生活を実現するため、相談に乗り、ケアや日常生活に対するアドバイスを行う場面があります。
夜勤のある訪問看護ステーションは少ないものの、オンコールの対応が求められることが多い職場です。
産業看護師
産業看護師は一般企業の従業員として医務室に勤務し、従業員の健康管理や、健康増進に関する業務を行います。
具体的には、健康診断後の健康指導・メンタルカウンセリング・急な怪我や病気の対応などを担当します。
夜勤はなく、カレンダー通りの勤務が多いため、プライベートの時間を確保しやすく、働きやすい仕事として人気の職種です。
なお、産業看護師は一人のみを配置する企業が多く、求人数が少ないため競争率は高くなります。
保育園・幼稚園
保育園や幼稚園でも看護師を募集しています。
怪我や体調不良の子どもの対応だけでなく、子どもたちの健康状態を確認したり、健康診断の段取りを行ったりと、さまざまな仕事を担います。
保育士や幼稚園教諭としての業務も行うことも多いでしょう。
医療処置は少ない一方、急な病気や怪我など、緊急時に医療的な判断について相談できる相手がいないため、冷静に状況を判断するスキルが求められます。
治験スタッフ
治験コーディネーター(CRC)として製薬会社や治験支援機関で働く看護師もいます。
治験についての資料作成やスケジュール管理、治験協力者への説明やケア、医師のサポートなど幅広く担当します。
治験コーディネーターには看護師免許は必須ではありません。
しかし、疾患や薬剤についての深い知識が必要となるため、臨床経験があると優遇されやすいでしょう。
フィールドナース
フィールドナースとは、医療機器メーカーで勤務し、医療従事者に対して自社の製品をプロモーションする役割を担う看護師です。
病院に出向き、医師や看護師に向けて商品のプレゼンテーションやデモンストレーション、アフターサポートを行います。
一般企業に勤める会社員であるため夜勤がなく、基本的に土日が休みとなります。
また、一般企業と同様に業績を認められれば昇給を目指すことが可能であり、頑張り次第でそれ相応の給与アップが認められるでしょう。
健診センター
健診センターで働く看護師は、健診や人間ドックを受ける人の問診や測定、採血を行います。
夜勤はなく、救急の対応をする必要もないため、精神的・体力的な負担の少ない職場です。
ただし、1日に何度も採血を行うため、採血が苦手な方にはプレッシャーになるかもしれません。
献血ルーム
献血ルームで働く看護師は、主に献血に来た人々の検査や採血を行います。
また、献血中や献血後に気分が悪くなった人に対し、看護を行い必要に応じて医療機関へ繋ぐ役割も担います。
献血ルームは健診センターと同様に、比較的大きなプレッシャーを感じることなく働ける職場です。
夜勤がないことはメリットですが、夜勤手当がないため、看護師全体で見た際に給与が低い傾向にあります。
介護施設
デイサービスや特別養護老人ホームなど、多くの介護施設では、利用者や入居者の健康管理のために看護師を配置しています。
次のようなさまざまな仕事を行います。
- バイタルサインのチェック
- 口腔ケア
- 褥瘡ケア
- 薬の管理
- 呼吸器ケア など
医療従事者の視点を持ちながら介護士と連携しつつ利用者の日常生活をサポートします。
高齢者の数は年々増加傾向であり、今後も需要の拡大する職場です。
デイサービスの場合は日勤のみの勤務となりますが、24時間体制の施設では、夜勤もあります。
障害者支援施設
障害者支援施設は、通所・入居している障害を持った方に対し、生活に関する相談や助言、健康管理、日常生活の支援を行う施設です。
看護師は、次のような多職種と連携をとりながら、一人ひとりに合わせたリハビリやケアを行います。
- 医師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 生活支援員
- 職業指導員 など
基本的に医療行為を行うことは少なく、入所者の方々と比較的じっくり向き合いながら働ける職場です。
ツアーナース
ツアーナースは、修学旅行や社員旅行などのイベントに同行する看護師の仕事です。
参加者の急な怪我や体調不良時の応急処置や、搬送時の付き添いなどを担います。
旅行の規模によりますが、看護師一人で参加者の怪我や病気に対応する必要があるため、冷静な判断力・高い対応力が求められます。
また、ツアーナースは単発の仕事であることが多く、他の仕事と兼業することも可能です。
給与をもらいながらイベントに参加したり、観光地を訪れたりできる魅力があります。
トラベルナース
トラベルナースとは、期間限定で地域の病院や施設に勤務する看護師の働き方です。
「応援ナース」や「応援看護師」とも呼ばれます。
半年や一年など、一定の期間限定で契約し、雇用形態も派遣であったり、正社員であったりとさまざまです。
また、トラベルナースの仕事内容は、病院で働く看護師と変わりません。
働く期間が決まっているため、人間関係に悩み続けることがないこと、離島や田舎など、希望に合わせていろいろな地域で働けることがメリットです。
イベント会場等の救護室
コンサート会場やスポーツ大会、お祭りなど、イベント会場にも看護師の求人があります。
看護師は会場に設置される医務室に待機し、来場者や参加者の怪我や病気の応急処置を行います。
基本的にイベント当日のみの仕事となるため、単発的なアルバイトの仕事です。
シップナース
シップナースとは、長期間航海する海洋調査船や旅客線に乗船し、医務室で働く看護師のことです。
乗船客や乗務員の急な怪我や病気への対応、現地の医療機関を受診する場合の付き添いを行います。
出港すると数日〜長い場合は数ヶ月単位で船の上で生活しなければなりません。
また、海外へと向かう客船では、外国人の旅客の対応や現地の医療機関へ出向く場面もあるため、英会話の能力が必要です。
医療ライター
医療ライターは、雑誌や書籍、ウェブサイトの記事の執筆や監修をする仕事です。
必ずしも看護師資格が必要なわけではありませんが、臨床経験や医療知識を生かして記事を執筆することで、幅広く活躍できるでしょう。
出版社やウェブサイトを運営する会社に就職したり、個人で仕事を受注したりと、働き方もさまざまです。
パソコンがあればどこでも仕事ができるため、近年人気を集めている仕事です。
美容クリニック
美容クリニックは、アンチエイジングや美を求める「美容医療」に特化したクリニックです。
シミ取りやほくろの除去など、皮膚に関する施術を行う美容皮膚科と、外科手術を行う美容外科とに大別されます。
医師の診療の補助を行う点は一般の医療機関と変わりありませんが、美容注射やレーザー照射の施術、美容外科での手術介助も看護師の仕事です。
また、美容クリニックでは接客も重視されるため、高いコミュニケーションスキルが求められます。
学校講師
看護系の大学や専門学校の教員として勤務し、学生を指導する講師としての働き方もあります。
講義だけでなく、試験問題の作成や採点、レポートの添削など、学業に伴うさまざまな業務を行います。
学内実習や病棟実習の付き添い、指導など責任を伴う業務も学校講師の仕事です。
また、教員になるためには、5年以上の臨床経験、看護教員養成講習会の受講など条件があります。
自衛隊看護師
自衛隊で働く看護師には、次の2種類の仕事があり、内容が大きく異なります。
- 自衛官看護師
- 技官看護師
自衛官看護師は自衛隊員の一員として、他の隊員と一緒に戦闘訓練を行います。
一方、技官看護師は自衛隊病院や防衛医科大学病院に看護師として勤務します。
なお、「特別職国家公務員」として自衛隊に所属するには、年齢制限や厳しい身体検査など、さまざまな条件をクリアしなければなりません。
看護技官
看護系技官とは、厚生労働省で公務員として働く看護師のことです。
基本的に看護の仕事は行わず、看護教育の見直しや、診療報酬、公衆衛生、社会福祉など、さまざまな課題に取り組みます。
国の医療や福祉のために働くやりがいのある仕事といえるでしょう。
看護系技官として働くためには、看護系大学または大学院を卒業・修了し、7年以上の実務経験を積むこと、保健師または助産師資格を取得することが必須です。
刑務所看護師
刑務所看護師は、刑務所で受刑者たちの健康管理や看護を行う看護師です。
勤務先には大きく分けて一般刑務所、医療刑務所の2種類があります。
一般刑務所では、受刑者の健康管理、急な怪我や病気への対応、健康診断の補助などを行います。
また、医療刑務所では、疾患や怪我の治療が必要な受刑者に対し、医師の指示のもと医療処置を行うことが主な仕事です。
衛生管理者
衛生管理者とは、企業に所属し、次のような衛生面を管理する役割です。
- 労働者の健康障害を防止するための作業環境の管理
- 労働者の健康管理
- 労働衛生教育の実施
- 健康の保持増進措置 など
衛生管理者として働くためには看護師免許は必須ではありません。
一定の条件をクリアし、衛生管理者試験に合格し資格を取得すれば誰でも就くことができます。
労働者の健康管理や健康被害予防についての知識をもつため、産業看護師に転職したい場合に有利に働く可能性があるでしょう。
まとめ
この記事では、看護師が働ける病院以外の職場・仕事を20種類紹介しました。
比較的ワークライフバランスを保ちながら働ける職場が多いため、病院での激務や夜勤がつらい方は、転職にチャレンジしてみることをおすすめします。
ただし、病院以外の職場に就くためには、厳しい条件や、競争率が高い場合が多くあります。
自分の強み・弱みを分析するとともに、事前の情報収集や準備をしっかりと行い、自身に合った職場にチャレンジしてみましょう。
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