看護師の退職は何か月前に伝える?退職理由の伝え方と看護師長への切り出し方を解説

「退職理由を聞かれたら、正直に話しても大丈夫?」「できるだけ職場に迷惑をかけず、円満に退職したい」
退職したいと思っていても、いざ看護師長に伝えるとなると、なかなか切り出せないものです。とくに、給料や働き方への不満が退職理由の場合は、「そのまま伝えても大丈夫なのか」と悩む方も少なくありません。退職の伝え方を誤ると、強く引き止められたり、職場との関係が悪くなったりする可能性があります。
この記事では、看護師が退職を伝える時期の目安や看護師長への切り出し方、退職理由の伝え方を解説します。自分の状況に合った退職理由の伝え方を知り、円満退職を目指しましょう。
看護師の退職は何か月前に伝えるの?
看護師の方の退職は、3か月前に直属の上司(看護師長)に伝えましょう。
原則として14日前に申し出れば退職できます。しかし、看護師の方の場合は14日前の申し出では、退職前の手続きや業務の引き継ぎが間に合わずトラブルが発生する恐れがあります。ここでは、3か月前に伝えたほうがいい理由を詳しく解説します。
退職前の手続きがスムーズに進むため
退職には雇用保険や健康保険、退職金などに関する手続きがあるため、早めに退職の意向を伝えることが大切です。
退職までには、事務的な手続きだけでもさまざまな対応が必要です。病院によっては人事課や経理課のスタッフもかかわるため、手続きに時間がかかる場合もあります。
そのため、余裕を持って進められるように3か月前に退職の意向を伝えたほうが円満な退職につながるでしょう。退職までには8つのステップを踏まなければなりません。下記のページで具体的に解説するため、参考にしてください。
関連記事:看護師の退職ガイド!円満退職までの流れを8ステップで解説
業務の引き継ぎがあるため
委員会活動やプリセプターなどの役割を担っている場合は、後任者への引き継ぎに時間が必要です。看護師は、所属する部署によってさまざまな役割を担っています。
年度末の退職であれば、新年度の体制に合わせて役割が決まるため、引き継ぎが少なく済む場合もあります。一方、年度途中で退職する場合は、引き継ぐ内容や進捗状況をまとめた資料を作成しておくと、後任者が業務を把握しやすくなるでしょう。
お世話になった方へのあいさつ回りがあるため
退職日にすべての方にあいさつするのは難しいため、お世話になった方には退職前から順番に済ませておくと安心です。
経験年数が長い場合や異動経験が多い場合は、お世話になった方もたくさんいるでしょう。「退職日にあいさつ回りをしよう」と考えている方は注意が必要です。退職日は思いのほか忙しく患者さまの対応や勤務の都合であいさつしたい方に会えない恐れがあります。
社会人としてのマナーを守るために、余裕を持ってあいさつ回りをしましょう。
看護師が退職を切り出すときの流れ
退職を決意しても、いきなり退職届を提出したり、同僚に先に伝えたりするのは避けましょう。以下の順番で進めるとスムーズです。
- 就業規則を確認する
- 退職希望日を決める
- 看護師長に時間を作ってもらい「退職希望日」「退職理由」を伝える
- 退職が決まったら退職届を提出する
退職届の提出時期や書式は職場によって異なるため、上司や人事担当者に確認しましょう。退職届を提出した後は、引き継ぎや有給休暇の取得など、退職日までに必要な手続きを進めます。
看護師が師長に退職理由を伝えるときの5つのポイント
現在の職場を退職すると決めても、なかなか切り出せないものです。引き止められにくい切り出し方を解説します。
- 「〇月に退職を希望します」とはっきり述べる
- 「引き継ぎをするため迷惑をかけないこと」をしっかり伝える
- 最初に直属の上司に報告する
- 現状の不平や不満の内容は避ける
- ネガティブな内容であれば「一身上の都合」とする
これら5つのポイントを意識して退職を切り出せば、円満退職につながりやすいでしょう。
「〇月に退職を希望します」とはっきり述べる
退職希望日はあいまいにせず、具体的な時期を伝えましょう。
退職の時期が決まっていないと、看護師長も看護部長や人事部長などに報告したり、勤務体制を調整したりできません。具体的に、「〇月に退職を希望します」とはっきりと切り出しましょう。この際に、就業規則の確認を忘れないでください。
就業規則を確認したうえで、退職希望日を明確に伝えると、上司も引き止めにくくなります。退職の希望日があいまいであれば、退職について何度も話し合う必要が生じる可能性があります。
「引き継ぎをするため迷惑をかけないこと」をしっかり伝える
役割を多く担っている場合は、退職後に職場が混乱しないよう、引き継ぎに配慮する姿勢を伝えましょう。
役割が多い看護師の方ほど引き継ぎに配慮する姿勢をしっかり伝えましょう。退職が決まったあと、実際に引き継ぐポイントは下記の3つです。
- 最終出勤日から逆算して引き継ぎの準備をする
- 後から確認できる引き継ぎ資料を作成する
- 誰が聞いてもわかるように引き継ぐ
引き継ぎの資料には、現状と今後の方針、注意点などを記載しておくと後任者が業務を把握しやすくなります。
最初に直属の上司に報告する
退職の意思は、同僚やほかの上司に先に伝えず、まずは直属の上司である看護師長へ報告しましょう。
退職の意思を伝え、退職時期や今後の流れについて話し合います。基本的には、メールやSNSではなく口頭で直接伝えるのがマナーです。
上司の業務が落ち着いている時間帯を選び、周囲に人がいない場所で話せるよう配慮することも大切です。朝のうちに「本日、報告したいことがあるため、お時間をいただけますか」と声をかけておくと、話す時間を確保しやすくなります。
現状の不平や不満の内容は避ける
上司に報告する際には、現状への不平・不満ばかりを伝えると円満退職できません。本当の理由が「給料が安いから」「上司と合わないから」などの内容であっても、そのまま伝えるのは控えてください。
なぜなら、退職の意思を伝えてから、実際に退職するまで数か月働くためです。不平・不満ばかりを伝えると退職までの期間が居づらくなる恐れがあります。
ネガティブな内容であれば「一身上の都合」とする
職場への不満や人間関係など伝えにくい退職理由は、詳しい事情まで説明する必要はありません。
「一身上の都合により、〇月末で退職したいと考えています」と伝えることで、退職の意思を示せます。
ただし、転職やキャリアアップなど前向きな理由であれば、具体的に伝えることで、退職の意思を理解してもらいやすくなる場合もあります。退職理由の内容に応じて、どこまで伝えるかを判断しましょう。
看護師が看護師長に退職を伝える際の例文
退職理由によって、看護師長への伝え方は異なります。退職の意思を明確に伝えたうえで、「なぜ退職を決めたのか」を簡潔に説明することが大切です。ここでは、家庭事情や体調面、転居、キャリアアップ、人間関係を理由に退職する場合の例文を紹介します。
家庭事情で退職する場合
| <例文> 「突然のご相談になり申し訳ありません。家庭の事情により、これまでどおり勤務を続けることが難しくなりました。〇月末を目安に退職したいと考えています。退職までの期間は、業務の引き継ぎに責任を持って対応します」 |
家庭の事情で退職する場合は、詳細をすべて伝える必要はありません。家族の介護や育児など、今後の勤務継続が難しい事情を簡潔に伝えましょう。
体調面を理由にする場合
| <例文> 「以前から体調面で不安を抱えており、今後も勤務を続けることが難しいと判断しました。今後は療養に専念するため、〇月末で退職したいと考えています。ご迷惑をおかけしますが、対応のほどよろしくお願いいたします」 |
体調面を理由に退職する場合は、現在の状態や今後の療養に必要な期間を踏まえて伝えます。詳しい病名や症状まで説明する必要はありません。
転居を理由にする場合
| <例文> 「〇月に転居する予定があり、勤務を続けることが難しくなります。そのため、〇月末で退職したいと考えています。これまでお世話になったため心苦しいのですが、退職までに必要な引き継ぎはしっかりします」 |
転居によって通勤が難しくなる場合は、転居の予定と通勤継続が難しいことを伝えましょう。
キャリアアップを理由にする場合
| <例文> 「これまでこちらで多くの経験を積ませていただきましたが、今後は以前から興味のあった訪問看護に挑戦したいと考えるようになりました。自分のキャリアについて考えた結果、〇月末で退職したいと考えています」 |
このように、これまでの経験への感謝を伝えたうえで、今後の目標を説明すると、前向きな退職理由として伝わりやすくなります。
人間関係を理由にする場合
| <例文> 「現在の職場での働き方について改めて考えた結果、今後は環境を変えて働きたいと考えるようになりました。〇月末で退職したいと考えています。退職までの期間は、これまでの業務に責任を持って取り組み、必要な引き継ぎもおこないます」 |
人間関係を理由に退職する場合は、特定のスタッフへの不満や批判をそのまま伝えるのは避けましょう。人間関係を詳しく説明すると、退職までの期間に気まずくなったり、問題が大きくなったりする可能性があります。
看護師が退職を申し出るのに適した時期
円満退職を目指すなら、退職を申し出る時期も考慮しましょう。とくに、年度末や人事異動の時期は人員配置が見直されるため、退職による欠員の補充がおこなわれやすいタイミングです。
また、転職先を探す場合は、看護師の求人が増える1~2月や7~10月に退職すると、希望に合う職場を見つけやすくなる可能性があります。ボーナスの支給後に退職する方法もありますが、支給条件は職場によって異なるため、就業規則を確認しておきましょう。
ただし、退職に適した時期は、現在の職場の状況や転職予定によって異なります。年度末や人事異動の時期だからと無理に合わせるのではなく、引き継ぎや転職活動、収入面などから判断することが大切です。。
看護師の退職に関するよくある質問
ここでは、看護師の退職について、よく寄せられる質問にQ&Aで形式で回答します。
Q1.看護師は強い引き止めにあったら退職できないの?
強い引き止めにあっても、退職することは可能です。
退職の意思が固まっている場合は、「退職したいと思っています」ではなく、「〇月〇日をもって退職します」と明確に伝えましょう。引き止められた場合も、職場への不満を繰り返し伝えるのではなく、「決意は変わりません」と落ち着いて伝えることが大切です。
関連記事:看護師の退職で強い引き止めにあう理由10選!退職しやすい理由を解説
Q2.看護師が退職するときに菓子折りはどこまで渡せば良いの?
退職時の菓子折りは必須ではありません。
お世話になった方がいる場合は、個別に渡す方法もあります。ただし、職場の慣習や人数によって適切な対応は異なるため、過去に退職した方の対応を参考にしましょう。
関連記事:看護師の退職時の菓子折りはどこまで渡す?渡すときの8つの注意点も解説
Q3.退職理由は詳しく伝える必要がありますか?
退職理由を詳しく伝える必要はありません。
給料や人間関係、働き方などに不満がある場合は、すべてを正直に話すことで、職場との関係が悪くなる可能性もあります。
退職理由を聞かれた場合は、「一身上の都合」や「今後のキャリアを考えた結果」など、差し支えのない範囲で伝えましょう。
Q4.退職理由と転職先の面接で話す内容は同じですか?
退職理由と転職先の面接で話す内容は、必ずしも同じである必要はありません。
現在の職場に退職理由を伝える際は、円満退職を考えて「一身上の都合」とすることもできます。一方、転職先の面接では、これまでの経験や転職理由を踏まえ、応募先で実現したいことや活かせる経験を具体的に伝えることが大切です。
転職面接での退職理由の伝え方については、以下の記事で詳しく解説しています。
関連記事:看護師が面接で退職理由を聞かれるのはなぜ?印象がアップする7つの伝え方
看護師の退職は3か月前に伝えて、円満退職を目指そう
看護師の方の退職は、3か月前を目安に直属の上司に伝えると、業務の引き継ぎがうまく進み、退職の手続きもスムーズになります。
退職理由を伝える際は、「〇月に退職を希望します」と退職時期を明確にしたうえで、「これまでの経験を活かし、新しい環境で挑戦したい」といった前向きな表現を使いましょう。給料や人間関係など職場への不満が理由であっても、すべてを正直に伝える必要はありません。
また、退職後の転職先を探す場合は、訪問看護に特化した求人サイトであるナスキャリ(NsPace Career)の活用もおすすめです。訪問看護の求人を探せるため、退職を決めた段階から次のキャリアを考えられます。退職時期と退職理由の伝え方を整理し、引き継ぎを進めながら、円満退職につなげ、次のキャリアに向けて準備しましょう。
<参考サイト・文献>
ナスキャリナビ 編集部 「ナスキャリナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「ナスキャリ」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
