たまき訪問看護リハビリステーション 代表・理学療法士 佐々木大輔 ー 在宅医療インタビュー
ウィル訪問看護ステーション江戸川にて、訪問看護師として活躍する藤井達也さんが訪問看護をはじめとする在宅医療にかかわる人々にインタビューを行います。今回は、株式会社ケア・リジョンにて代表取締役も務める理学療法士の佐々木大輔さんです。どのような経歴やきっかけで、在宅医療の道に進んだのでしょうか?
株式会社 ケア・リジョン
たまき訪問看護リハビリステーション
代表取締役 / 理学療法士
佐々木大輔
理学療法士になったきっかけを教えてください
社会人学生を経て資格を取りました。それまではガソリンスタンドで働いてたんですよ(笑)でも、大きな交通事故にあって社会復帰まで2年間程リハビリをしました。その経験から理学療法士を目指そうと一念発起して受験しましたね。この道に進まなかったら長距離ドライバーにでもなろうかとも思っていました。
訪問看護の領域に転職した理由を教えてください
卒業後は実習先の総合病院にそのまま就職しました。外来から回復期まで全てにリハビリ職として関われることが魅力で、3年間のローテーションで一通り経験をできました。4年目からは内科・外科の混合病棟に配属となったのですが、患者さんが病棟から自宅に退院したのに、また病院に戻ってくる。この繰り返しで在宅におけるリハビリの重要性を痛感していました。本来の生活環境の中から患者さんを支えたいと思い、訪問看護の道に進みました。
転職先はどのように見つけましたか?
人材紹介会社ですね。条件は…運営側の動きも見たかったので民間で経営していて規模感の小さいステーションです。社会人学生から理学療法士になったので周りの同期と比べて10年遅れているという感覚もあり、早く臨床以外の力も付けたいと思っていました。
訪問看護の現場つまずいたことはありますか?
訪問中にご家族から提供されたお茶を頂かず、訪問時間いっぱいまでリハビリを実施したことでクレームをもらったことがあります。それがきっかけで家族も含めてケアの対象であること、何気ない会話の時間を持つことも大切で、その中にもケアのヒントが隠れていることに気づきました。
その後、独立された経緯を教えてください
前職で責任者になる話も出ていたのですが、人手の問題でなかなか形にならなくて…。それだったら自分で立ち上げようと思いました。自分の性格としても人に任されてもどこか甘えが出て本気になりきれないと思ったので、自分で立ち上げて後戻りできない環境を作ろうと。
ステーションの特徴、強みを教えてください
ステーション名「たまき」は漢字で「環」と書きます。先生、ケアマネ、ヘルパーなど地域の皆様と「環」のように繋がり持ち、困っている方の力になりたい。地域に根差した頼れる存在になりたい。という想いを込めました。また、会社のロゴは花のシロタエギクをモデルにしています。シロタエギクの花言葉は「あなたを支えます」で、自分の気持ちと表現してくれるので。
ステーションの強みとしては私自身がリハビリ職であり、管理者はWOC(皮膚排泄ケア認定看護師)であることから在宅分野において専門性は高くケアが提供できることだと思います
今後の会社の方向性、やりたいことを教えてください
デイサービスとかサービス付き高齢者住宅など多角的に運営できたらと思っています。軸はなぜ理学療法士が運営するのか!というところで、要介護者が要支援に、要支援者が非対象になっていくことが国から求められていると思っているので、そこでしっかりと成果をあげていきたいです。
最後に訪問看護の魅力を教えてください
1対1で利用者さん・家族とじっくり向き合えることに尽きると思います。病院でも向きあってきましたが、早期退院に向けての取り組みが中心であることで時間的制約も多く長期的な関わりは難しかったです。ご自宅で「どんな生活を、なぜ送りたいんだろう?」と考えながら自分にできること見つけて、長期的に関われるのことが魅力だなと感じています。また、視点を広く持って家族や多職種、近所などのインフォーマルな社会資源も巻き込みながら利用者さんをサポートできるのは在宅の難しさでもあり魅力ですね。
▼執筆者プロフィール
藤井 達也
愛知県出身。名古屋大学を卒業後、都内の救命救急センター、訪問看護ステーションにて看護師経験を積む。その後サテライト事業所を立ち上げ、マネジメント業務に従事。
現在はファストドクター株式会社に所属し、在宅医療支援事業における事業企画を担当。
“最期まで自宅で過ごせる社会にしたい”という思いから一貫して在宅医療に携わっている。
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