地域連携で支える訪問看護のかたち ~どんぐり訪問看護ステーション大石 吉田さんにインタビュー~

兵庫県神戸市灘区にある「どんぐり訪問看護ステーション大石」は、2024年11月に開設された訪問看護ステーションです。代表の吉田篤弘さんは、長年地域の病院で事務長として勤務してきた経験を持ちます。
退院後の患者さんの生活を見守る中で、「病院と在宅のつながり」を支える訪問看護の必要性を感じ、ステーションを立ち上げました。さらに2025年6月にはケアプランセンターも開設し、在宅生活をより包括的に支える体制づくりを進めています。
本記事では、吉田さんのこれまでの経験や訪問看護への想い、地域連携への取り組みについてお話を伺いました。
【※本記事はNsPace Career が事業所向けに提供している「特集記事掲載サービス」によるものです。取材・撮影・編集はNsPace Career が担当しました。】
【神戸市灘区・常勤】駅チカ徒歩2分/オンコール手当支給/新規オープンの訪問看護ステーション
事業所名
雇用形態
給与
就業場所
病院事務長として見てきた「退院後の課題」
-まず、訪問看護ステーションを立ち上げた経緯を教えてください。
「私はもともと、地域の病院で長く事務長をしていました。病院の運営に関わる中で、退院される患者さんをたくさん見てきました」
病院では、地域包括ケアの流れの中で在宅復帰を支援するケースが増えていました。
退院して自宅に戻る患者さんも多く、その後の生活を見守る仕組みの重要性を感じる場面も多かったといいます。
「退院後は、元々かかりつけだった先生のところに通われる方が多いと思うんです。そうすると、入院していた病院とのつながりが途切れてしまうこともあります」
もちろん、それ自体が悪いことではありません。
ただ、患者さんやご家族にとって「相談できる場所」が少なくなってしまうケースもあると、吉田さんは感じていたそうです。
「例えば、退院して自宅に戻った後に体調が少し悪くなったとき、『ちょっと相談できるところがあればいいのに』と考えることもあると思います」
そうした経験を重ねる中で、次第に「地域の中でつながりを保てる仕組みをつくりたい」という思いが芽生えていきました。
「以前から、いつかは独立して何か事業をしてみたいという思いもありました。長く地域でお世話になってきたので、少しでも地域の役に立てることができればと思っていました」
そうして2024年7月に法人を設立し、同年11月に「どんぐり訪問看護ステーション大石」を開設しました。
「Lino」と「どんぐり」に込めた想い
訪問看護ステーションを運営する法人名は「株式会社Lino」。
この名前には、吉田さんの大切にしている価値観が込められています。
-法人名の「Lino」にはどのような意味があるのでしょうか。
「Linoはハワイ語で、“光輝く・絆・つながり”といった意味がある言葉です」
訪問看護の現場では、医療だけでなく、ご家族や地域との関係も含めて多くの人が関わります。
その中で大切にしたいのが「人と人とのつながり」だと吉田さんは話します。
「利用者さんの生活が光り輝くように、そして人と人とのつながりを大切にしていきたいという思いを込めました」
また、事業所名である「どんぐり」にも意味があります。
「どんぐりは小さな木の実ですが、成長すると大きな木になります。そこから成長や発展、健康や長寿の象徴とも言われています」
訪問看護ステーションとして、地域の中で少しずつ根を張り、成長していきたい。
そんな思いから「どんぐり訪問看護ステーション大石」という名前をつけたそうです。
「どんぐりには、深い絆という意味合いもあると聞いています。利用者さんやご家族、地域の皆さんとのつながりを大切にしたいと思っています」
さらに吉田さんが大切にしているのは、利用者さんだけではなく「働くスタッフ」の存在です。
「スタッフが仕事に誇りややりがいを持って働けることも大事だと思っています。スタッフ自身が輝ける環境をつくることも、法人として大切にしていきたいですね」

地域とつながる訪問看護のかたち
どんぐり訪問看護ステーション大石の特徴の一つが、地域とのつながりです。
「前職の病院とは、今でもしっかり連携を取っています」
退院後の利用者さんを在宅で支えるためには、病院との連携が欠かせません。
必要に応じて相談できる関係性があることは、訪問看護にとって大きな安心材料になります。
「私が以前働いていた病院だけではなく、ほかの病院からも連携しようと言っていただけることがあります」
そうした関係性は、長年地域医療に関わってきた経験の中で築かれてきたものです。
また、連携は医療機関だけではありません。
医療機器の代理店や卸業者、福祉用具の事業所など、多くの関係者とのつながりがあります。
例えば、福祉用具事業所の担当者による研修会も実施されているそうです。
「以前、オムツの研修会を開いていただいたことがあります。オムツマイスターという資格を持った方で、単に装着方法だけではなく、身体の状態や排泄の特徴なども含めて教えていただきました」
現場で役立つ知識を学ぶ機会は、スタッフにとっても大切な時間です。
吉田さんは、訪問看護を「生活を支える仕事」として捉えています。
「病気だけを見るのではなくて、その人の生活全体を支えることが大事だと思っています」
ベテラン看護師が支えるチーム
現在、どんぐり訪問看護ステーション大石には、経験豊富な看護師が在籍しています。
「高齢者看護の経験を積んできたベテランの看護師が多いですね」
療養型病院などで勤務してきた経験を持つスタッフもおり、在宅医療に必要な知識や経験を活かしながら訪問看護に取り組んでいます。
日々の業務の中で大切にしているのが、情報共有です。
「朝8時半から朝礼を行って、まず情報共有をしています」
その後、スタッフはそれぞれ訪問へ向かいます。
早いスタッフは9時頃には現場に出ているそうです。
また、日常的な情報共有にはITツールも活用しています。
「社内チャットを使って、報告事項などを共有しています」
訪問看護は基本的に一人で訪問する仕事です。
そのため、チームとして情報を共有する仕組みが重要になります。
「ちょっと気になることがあれば、すぐに共有するようにしています」
訪問から戻った後には、スタッフ同士で利用者さんの様子を話し合うこともあるそうです。
「利用者さんからこんなことを言われた、こんな様子だった、という話をみんなで共有しています」
一人で訪問する仕事だからこそ、チームで支える体制を大切にしています。
地域に根ざす訪問看護ステーションへ
開設して間もない頃、印象に残っている出来事があったと吉田さんは話します。
「開設してすぐ、がんの利用者さんのターミナルケアを経験しました」
思っていたよりも早く状態が変化し、スタッフにとっても大きな経験になったそうです。
「スタッフも大変だったと思いますが、みんなで相談しながら対応しました」
「訪問看護は、利用者さんとの関係が深くなる仕事だと思います」
日々の訪問を通して信頼関係が育まれていくことも、この仕事の魅力の一つです。
「地域の中で、少しずつ信頼される存在になっていけたらと思っています」
小さなどんぐりが、やがて大きな木へと成長していくように。
どんぐり訪問看護ステーション大石もまた、地域の中で少しずつ根を広げていこうとしています。

インタビュアーより
今回の取材で印象的だったのは、吉田さんが大切にされている「つながり」という言葉でした。
長年、地域の病院で事務長として勤務してきた経験をもとに、退院後の生活を支える訪問看護の必要性を感じ、ステーションを立ち上げられた吉田さん。医療機関だけでなく、福祉用具事業所や地域の事業者など、多くの関係者とのつながりを大切にされている姿が印象的でした。
「どんぐり」という名前の通り、地域の中で少しずつ根を広げながら、利用者さんの生活を支える訪問看護ステーションとして成長していくことが感じられる取材となりました。
事業所概要
事業所名:どんぐり訪問看護ステーション大石
住所:兵庫県神戸市灘区大石東町6-4-12-301
NsPace Careerナビ 編集部 「NsPace Career ナビ」は、訪問看護ステーションへの転職に特化した求人サイト「NsPace Career」が運営するメディアです。訪問看護業界へのキャリアを考えるうえで役立つ情報をお届けしています。
