小さなチームで支え合う看護~訪問看護ステーション ホット北部 髙橋さん・靏さん・足立さんにインタビュー~

公開日:2025/08/25 更新日:2025/08/25
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訪問看護ステーション ホット北部には、それぞれの経験や生活環境を大切にしながら働くスタッフの姿があります。管理者の髙橋さん、主任の靏さん、非常勤の足立さん。立場や役割は違っても、共通しているのは「利用者さんとしっかり向き合いたい」という想いです。病棟看護との違いや、働きやすさ、地域とのつながり、そして支え合いながら学べる環境について、日々の言葉で語っていただきました。

 「じっくり関われる」看護がしたかった

-病棟看護と比べて、訪問看護ならではの魅力とは何でしょうか?

「病棟では患者さんと関わる時間が少なくて…」と語るのは、訪問看護3年目の足立さん。病棟で15年の経験を持つ彼女は、治療が中心だった病棟勤務時代を振り返りながら、訪問看護との大きな違いをこう語ります。

【足立さん】病棟では、バイタルを取って、処置して、指導して…その繰り返しで、患者さんとじっくり話す時間はなかなか取れませんでした。でも、訪問では1件1件にしっかり時間を取れるので、自然と「聞く時間」も「一緒に考える時間」も増えました。

主任の靏さんも、訪問看護5年間を振り返って、同じような変化を実感していました。

【靏さん】病棟では、入院期間が限られていて、関係性も短期的。でも在宅では、お家にお邪魔して、日々の生活の中に入っていくからこそ、信頼関係が深まりやすいと感じています。

信頼関係の築き方について尋ねると、靏さんは「雑談から始まる」と教えてくれました。

【靏さん】お家の様子や、家族の話、季節の話…そういった会話を重ねていくうちに、看護師としての言葉にも耳を傾けてもらえるようになるんです。「あの人が言うならやってみようかな」って思っていただける関係性が大事だと思います。

訪問看護15年目の管理者 髙橋さんも、訪問看護ならではの魅力を次のように語ります。

【髙橋さん】病棟だとどうしてもスケジュールに追われてしまって、一人ひとりに時間を使うことが難しかった。でも訪問看護では、1時間まるまる“その方のため”に使える。それが一番の魅力だと思っています。

和やかな雰囲気で話される、靏さん(画像:左)・髙橋さん(画像:中央)・足立さん(画像:右)

働きやすさの理由は、安心できるチームにあった

-このステーションで「働きやすい」と感じるのはどんな時ですか?

ホット北部の訪問件数は1日4件。余裕を持ったスケジュールが組まれており、残業は基本的にありません。

【足立さん】1件1件、利用者さんと話しているとついつい盛り上がってしまって(笑)。でも、件数が詰まっていないからこそ、そういう関わりも大切にできています

靏さんは2人のお子さんを育てながら勤務中。

【靏さん】子どもが急に熱を出したときにも、他のメンバーが訪問を代わってくれて…。本当にありがたいです。

また、髙橋さんは「環境づくりは管理者の役目」として、働きやすい体制を日々整えているそうです。

【髙橋さん】この地域は坂道が多くて移動距離もあるので、自転車移動は現実的ではありません。だからすべての訪問は社用車で。雨の日も安心です。院内保育所もあり、未就学児なら預けられるので、子育てとの両立にも配慮しています。

さらに注目すべきは、チームの結束力。常勤3名、非常勤4名という少人数だからこそ、「孤立させない工夫」がされていました。

【髙橋さん】お昼は必ず事務所に戻ってランチ。ちょっとした雑談が、安心感につながるんですよね。朝は毎日ミーティングも行って、困りごとはその場で共有しています。

地域で支え合う看護のカタチ

-地域に根ざしたステーションとして、大切にされていることはありますか?

【髙橋さん】ホット北部が始まったきっかけについては、前任の管理者からお聞きしました。1983年に愛川北部病院が開院した後、ある患者さんのご家族から「バルーンカテーテルが詰まったので切った(ハサミで)ら、抜けなくなってしまった」と相談の電話があったそうです。当時は、病院の看護師がご自宅を訪問して対応したのが、訪問看護の始まりだったといいます。その後、制度の整備に伴い、1995年に訪問看護ステーション ホット北部が正式に設立されました。

そんな地域密着の姿勢は今も変わらず、地域連携にも積極的です。

ホット北部は設立当初、厚木市にありました。当時は訪問看護制度も始まったばかりで、情報や経験の共有が必要とされていた時代だったそうです。

【髙橋さん】厚木市内の訪問看護ステーションが集まり、「厚愛訪問看護ステーション連絡会」という場を作って、毎月情報交換しています。虐待や医療安全の会議を合同で行うなど、小規模なステーション同士で支え合える場です。

一人じゃない。“育てる文化”がここにある

-訪問看護が未経験の方にとって、不安なことも多いと思います。教育やサポート体制について教えてください。

「訪問は一人で動くから不安」という声も多い中、ホット北部では“孤立しない”教育体制が整っています。

【髙橋さん】まずは1ヶ月程度の同行訪問から始めます。最近では、学生時代に実習で訪問看護を経験している方も多いですが、現場での感覚を掴むために、じっくり見てから自立してもらいます

また、医療機器の使い方も業者を招いてレクチャーを受けるなど、経験年数に関係なく学べる環境が整っていました。

【足立さん】経験年数が浅いので、判断に迷うことが多々あります。そんな時に先輩に電話するのは、先輩も訪問しているから気が引けます。でも、タブレットだとチャット感覚で相談できます。誰かしらがすぐ返してくれるので、本当に助かっています

「みんなで支え合える職場です」と話す、髙橋さん

あなたの「これから」を応援できる場所へ

-最後に、ホット北部で働く魅力を求職者の方に伝えるとしたら、どんなことを伝えたいですか?

【足立さん】訪問看護に興味があるけど不安…という方にとって、ここは安心して始められる場所だと思います。私も最初は同行からスタートして、無理なく慣れることができました

【靏さん】風通しが良くて人間関係が温かい。それに自然も豊かで、訪問の合間に河川敷で記録を書いたり、利用者さんと観光地の話をしたり…心がリフレッシュされます

【髙橋さん】看護師7人の小規模なステーションだからこそ、みんなで意見を出し合いながら支え合える。困ったときも一人じゃない。そんな職場です。働きやすい環境だと思うので、ぜひ一緒に働きましょう。

「訪問看護に興味があるけど一歩踏み出せない」そんな方にこそ知ってほしい、あたたかい場所がここにあります。

インタビュアーより

今回のインタビューを通して感じたのは、ホット北部には「安心して働ける環境」と「利用者さんや家族と向き合うための余白」があるということです。小規模だからこそ一人ひとりの声が届きやすく、信頼関係を大切にする姿勢が自然に根付いていました。訪問看護を始めたい方、そして長く続けたい方にとって、とても心強い職場だと感じました。

事業所概要

事業所名:訪問看護ステーション ホット北部(医療法人社団福寿会)

住所:神奈川県愛甲郡愛川町角田281-1

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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