チームで支え合いながら、地域とつながる~エール訪問看護リハビリステーション 谷島さん・久保さんにインタビュー~


年間休日125日◎未経験歓迎の訪問看護ステーション
事業所名
雇用形態
給与
就業場所
30年の病棟経験を経て選んだ「その後の暮らし」への看護
「訪問看護を始めたのは、患者さんが退院した“その後”の暮らしがどうなっているのか、気になったのがきっかけでした」
落ち着いた語り口で、そう話すのは「エール訪問看護リハビリステーション」管理者・谷島薫さん。看護師として30年以上、内科・外科・整形外科・混合病棟・緩和ケアなど、実に幅広い領域を経験してきています。
その中で谷島さんが強く感じたのが、「病院を出た後」の患者さんの姿を知りたいという思いでした。
「病院では、入院中のケアや急性期の対応が中心になります。でも、本当にその方らしく生きていけるのは、自宅に戻ってからの時間なんですよね。『その人の生活にどう関われるのか』という問いが、訪問看護に進むきっかけになったと思います」
エール訪問看護リハビリステーションに入職した当初、谷島さんは現場の看護師として日々の訪問にあたっていました。ですが、その実直な姿勢と確かな経験が買われ、やがて管理者に就任することになります。
「私にとって“管理者”とは、何よりスタッフの健康と安心を守る存在であることが第一です。利用者さんに寄り添ったケアを届けるためには、まずスタッフ自身が心身ともに健やかでなければなりませんから」
その言葉通り、エールではスタッフのスケジュール調整や健康管理にきめ細やかな配慮がなされています。緊急当番で夜間に対応が発生した際は、翌日の午後から勤務にする、もしくは午後は在宅勤務で記録業務に専念する——。そんな柔軟な体制を整えていると言います。
「看護の現場では“その日そのとき”に100%のパフォーマンスを求められます。エールのスタッフは、一人一人がプロとして120%、時には200%のパフォーマンスで利用者様に接しています。だからこそ、疲労や不安を溜め込まないように、できる限りの支援はしたいと考えています」
谷島さんの語る言葉の端々には、看護師という職業への深い理解と、仲間への信頼がにじみます。
支え合い、成長し合う——“誰も一人にしない”チームの力
訪問看護と聞くと、「一人で現場に出て孤独そう」「困ったときに相談できる相手がいないのでは」といった不安を感じる方も多いかもしれません。しかし、エール訪問看護リハビリステーションはその“孤立”とは無縁のチーム体制を築いています。
「確かに、訪問中は基本的に一人。でも、ステーションに戻れば、必ず誰かがいて話せる。『それで合っていたよ』『次はこうしたらいいかもね』と、自然と会話が生まれる場所なんです」
そうした文化を支えているのが、毎日の朝夕の申し送りと月2回の症例カンファレンス。看護師とリハビリスタッフが一体となり、情報共有と対話を通じてチーム全体でのケアの質を高めています。
「〇〇さんといえば、この対応だよね、と全員がわかる状態が理想。利用者さんの情報を“誰かだけ”が知っているということがないようにしています」
また、新人教育においても、チームの“支え合い文化”は徹底されている。プリセプター制度のもと、入職初期には経験者が同行訪問を行いながら実践的な学びをサポート。さらに、管理者・代表との定期面談によって不安や疑問を拾い上げ、フォローにつなげる仕組みがあります。
「訪問看護が初めての方も多いので、“できて当たり前”という前提では接しません。“玄関では靴を揃えてから入室しましょう”という在宅ならではの接遇から、丁寧に教えています」
新人の1日の訪問件数は最大でも4件までに設定されており、利用者との信頼関係を築くことと、記録業務にゆとりを持って取り組むことの両立を大切にしています。
「教える側も、自分が初めて訪問に出たときの緊張感や不安をちゃんと覚えています。だからこそ、“大丈夫だよ、みんなそうだったよ”と言ってあげられる人が多いんです」
エールのスタッフが互いを思いやりながら日々を過ごしている理由——それは単なる職場のルールではなく、“支え合う空気”がごく自然に根づいているからなのです。

地域とつながる訪問看護——寸劇も、顔の見える連携も
「ケアマネ役で舞台に立ちましたよ。セリフが長くて、練習も大変だったけど、楽しかったですね」
そう語る谷島さんの顔には、思わず笑みがこぼれていました。
これは、豊島区の東部医療介護事業所学習交流会における出来事。地域住民や他事業所との連携を目的としたイベントで、エール訪問看護は、訪問歯科のチームと一緒に寸劇を行ったそうです。
「“ああ、こういうシーンあるよね”って、見ていた方々が笑ってくださったんです。医療や介護をちょっと身近に感じていただけたら、それだけで十分価値があると思っています」
この寸劇への参加は単なる余興ではない。エールが大切にする「地域との顔の見える関係づくり」を、まさに体現した活動です。
谷島さんによると、医師会・訪問介護・ケアマネ・訪問入浴など、多職種との横のつながりは、地域包括支援センターを起点に日常的に行われています。
「例えば、Aさんに関する情報を、ケアマネ・リハ・ヘルパーと共有して、“何か変化あった?”って聞き合える関係性があるだけで、支援の精度がぐんと上がるんですよね」
そのために重要なのが、電話やメールだけに頼らない「顔を合わせたコミュニケーション」。エールでは可能な限り現地での会議や同行訪問を通じて、相手と直接話す機会を大切にしています。
そうした取り組みにより、地域の方々からの信頼が厚くなり、「最近では、新規の利用者さんからのご依頼も増えているんです」と実績に繋がっていることを話してくださいました。
また、こうした連携を支えているのが、現場スタッフだけでなく、代表取締役・久保愛子さんの存在。久保さんは代表取締役でありながら、スタッフと一緒に訪問を行い、何より現場の理解を重要視。医療者として何ができるかを経営の立場で考えています。
「私も学習交流会に顔を出して、地域の皆さんとの繋がりを大切にしているんです。谷島さんが長いセリフを頑張って演じてくださって大盛況でした。新人教育の定期面談も入るようにし、スタッフの生の声をしっかりと聞きたいと考えています。」
久保さんのその言葉には、経営者としての目線と、現場を支える“応援者”としての気持ちが重なっていました。

『無理なく、楽しく働ける場所』を目指して
谷島さんに「訪問看護のいちばんの魅力は何ですか?」と聞くと、少し考えてから、こう答えてくれた。
「“自分の看護”ができること、ですかね。利用者さんと30分なり1時間なり、途切れずに向き合えるんです。『ちょっと待っててくださいね』がない。あれって実は、すごく大きな違いなんですよ」
病棟では次々に来るコール、処置、時間との戦い——。それらがない空間で、自分のペースで、その人の暮らしや想いを汲みながら看護を組み立てる自由さと責任。その両方が訪問看護の醍醐味なのだと話されます。
とはいえ、「自由」は孤独を伴いやすい。だからこそ、エールでは「一人で悩ませない」体制が何よりも重視されています。
「“訪問先で、これでよかったのかな?”と感じたとき、ステーションに戻ってすぐに誰かに聞ける。『それで合ってたよ、大丈夫』って言ってもらえる。それだけで、すごく安心できるんですよね」
そして、エールが目指しているのは、「誰もが無理なく、楽しく働ける場所」であること。
「うちは、無理してがんばる人を増やすのではなく、その人らしく働ける形を一緒に探していくステーションです。職種の垣根もなくて、リハさんとも自然に相談し合えるんです」
“この職場でなら、長く働けそう”——
そう感じてもらえるような環境づくりを、スタッフ全員で少しずつ積み上げてきたのだそうです。
今後について尋ねると、谷島さんは「個々の看護師が自分の“武器”を持って、地域医療に貢献できるようになれたら」と語られました。
「得意なこと、関心のあることを深めて、それぞれの強みを活かす。そうして“この町の看護、すごくいいね”って言われるようになれたら嬉しいですね」
そして最後に、求職者の方へのメッセージをお願いすると、谷島さんは、少し照れながらこう語ってくれました。
「“訪問看護って、一人で全部こなさないといけないんじゃないか”って不安に思われる方もいるかもしれません。でも、うちには『一人じゃない』と実感できるチームがあります。ステーションに戻れば、誰かが『おかえり』って言ってくれる。そんな場所です」
すると、ここで久保代表が明るい声でひとこと——
「ほんと、それがエールのいいところです!ツーショット写真、絶対載せてくださいね(笑)」
この職場には、経験の豊かさだけでなく、人と人との間にあるやさしい信頼が根づいていた。
インタビュアーより
インタビュー中、谷島さんは一貫して穏やかで落ち着いた口調でした。しかし、ステーションの話、スタッフの話になると、言葉が自然と熱を帯びていくのが印象的でした。
「その後の生活に寄り添う」という訪問看護の本質に、30年の経験を経て真摯に向き合っておられる谷島さん。理念を「言葉」で語るだけでなく、「仕組み」や「日常のふるまい」として体現している姿が印象に残っています。
また、インタビューの途中から随所でコメントしてくださった久保代表の存在も大きく、ステーション全体に漂う温かい空気感の背景には、現場と経営がフラットに関わる関係性があるのだと感じました。
“自分が幸せであることが、良い看護につながる”——
この理念を、一過性のスローガンではなく、日々の行動に落とし込んでいる現場でした。
事業所概要
事業所名:エール訪問看護リハビリステーション
所在地:東京都豊島区南大塚2‐29‐9サンレックス203
運営法人:株式会社ダイシン
事業所紹介ページ: https://ns-pace-career.com/facilities/16374

年間休日125日◎未経験歓迎の訪問看護ステーション
事業所名
雇用形態
給与
就業場所

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