介護職とのチーム連携で入居者を支える~施設内の訪問看護師だからこそできること~訪問看護ステーションナオビッグ 管理者・稲村さん 看護師 大石さんにインタビュー

公開日:2025/07/08 更新日:2025/07/08
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訪問看護ステーションナオビッグは、自社の高齢者住宅に特化した施設内の訪問看護を提供しています。今回は、看護師として活躍する大石様と、管理者兼エリアマネージャーを務める稲村様に、訪問看護ステーションナオビッグならではの働きがいや、多職種連携の魅力、そして今後の展望についてうかがいました。

「地域を支える看護を」訪問看護への歩みとステーション立ち上げへの想い

大石様:

私はこれまで、急性期の市民病院で5年間勤務した後、産休・育休を経て、保育園看護師として1年半働いてきました。保育園での子どもとの関わりは楽しく、子育て中の自分にとって多くのヒントをもらえたり、純粋に子どもが可愛いと感じたりもしました。ですが、だんだんと保育寄りの役割になってきてしまい「もっと地域住民を支える看護をしたい」という思いが強くなったんです。

そんなとき、訪問看護師という選択肢があることを知りました。子育て中で勤務時間に制約がある中で、時間の融通が利く働き方は魅力的でしたね。勤務形態も考慮しながら職場を探し、当ステーションにたどり着きました。現在は、4歳の子どもを育てながら働いています。

稲村様:

元々、私たちの法人ではいくつかの高齢者住宅を運営しており、当初は介護士のみで対応していました。しかし、年々、医療的なニーズが高い入居者さんが増えてきたんです。医療的ケアが必要になって、ほかの施設へ転居せざるを得ない方も出てきてしまって……。そこで、看護師を配置し、入居者さんにずっとここで暮らしてもらえるようにしたいという思いから、訪問看護ステーションの立ち上げに至りました。看護師さんには、訪問看護師としてだけでなく、施設の看護師としての役割も担ってもらい、入居者さんが長く健康に、そして楽しく過ごせるように予防的な観点からもサポートしてほしいと考えています。

笑顔で訪問看護ステーションナオビッグの看護師についてお話しされる稲村さん

「ひとりじゃない」安心の職場環境

大石様:

訪問看護と聞くと「ひとりで訪問する」「オンコールがある」といった不安を感じる方も多いかもしれません。でも、当ステーションは施設内での訪問看護なので、そうした不安はほとんどありません。緊急時や何か相談したいことがあれば、連携先のクリニックと常に連絡が取れる体制が整っています。困ったときにはクリニックの看護師さんにまず相談し、そこから主治医に報告してもらうというフローがあるため、安心して働くことができますよ。

また、施設内には常に介護士のみなさんがいて、入居者さんを24時間みてくれています。私は夜勤をしていないため、夜間の状況は介護士さんからの情報が頼りです。たとえば、夜間の睡眠状況は「眠りスキャン」というアプリでデータを確認できるのですが「座ってうとうとしていたよ」といった細かな情報は、介護士さんから聞くことが多いですね。そういった点でも「ひとりではない」という安心感はとても大きいです。病棟での経験ももちろん活かせますし、私自身も働きながら、日々学びを深めています。

施設内の訪問看護師だからこそできる、継続的なサポート

大石様:

私の1日の仕事は、朝のミーティングから始まります。排便管理表を確認したり、介護士さんが入力した社内ツールアプリのタイムラインを見て、私が出勤していない間の入居者さんの状況を把握したりします。その情報をもとに、その日の訪問の順番を決めるんです。入居者さんのバイタルを確認したり、状況が変わった方がいれば優先的に訪問したりもしますね。

また、訪問以外の時間も、仕事はたくさんあります。訪問報告書や月の報告書といった書類をまとめたり、訪問診療の記録をしたり、体重測定や採血結果の整理など、事務的な業務も多いです。電話や面会の対応もありますし、午後はレクリエーションの写真係を手伝ったり、入居者さんと一緒に散歩や外気浴をしたりすることもありますね。手が空いていれば、食事の配膳やオムツ交換をすることもあります。

施設内の看護の魅力は、入居者さんの普段の様子を継続的にみられることです。訪問時間以外も施設内にいるので、食事の時間に食堂で様子をみたり、訪問時以外にも「あれ、この人いつもと違うな」といった小さな変化に気づけるのは、本当に大きいと感じています。居宅の訪問看護では、訪問時間以外は利用者さんの状況を直接みることができないので、その点は、施設内の看護ならではの強みだと感じています。

「介護士さんとのコミュニケーションを大切にしている」とお話しされる大石さん

介護職とのチームワークを大切に。柔軟な姿勢で対応を

大石様:

当施設ではチームワークを大切にしているので、介護士のみなさんとの間に壁は全くありません。ただ、看護師として「こうしてほしい」ということが、なかなか伝わりにくいと感じる場面はあります。看護師の思いや考えと介護士の思いや考えが違う時には、根気強くコミュニケーションを重ねることが大切だと感じています。

ほかにも、介護士さんの状況やペースも考慮して、柔軟に対応するように心がけています。すぐに処置をしてほしいことがあっても、介護士さんの手が回らない場合は「お風呂の日だけでもいいですよ」とか「自分がいるときにやります」といった具合に調整していますね。また、社内ツールのメッセージ機能で重要事項を赤文字にしたり、ミーティングで直接伝えたりと、工夫しながら情報共有しています。お互いに相談し合える関係性を築けていることが、質の高いケアにつながっているのではないでしょうか。

子育てとも両立しやすい環境。ユニークな福利厚生も魅力

大石様:

当ステーションには、私を含め子育て中の看護師が多く在籍しています。そのため、突発的な休みへの理解が深く、お互いに支え合う文化があると感じています。また、子どもが体調を崩しても早退や遅刻、休みも罪悪感なく取れるのは、子育て世代にとっては本当にありがたい環境ですね。

育児休業や産前産後休業はもちろん取得できますし、ユニークな福利厚生もあるんですよ。『親孝行手当』といって、スタッフに親孝行してもらう目的で、毎年1回、1万円が支給されるんです。親孝行をしたあとは、その内容のレポートを提出します。面白いですよね。

ほかにも、夏には塩タブレットやスポーツドリンクの支給があったり、ビタミン剤や風邪薬のセットが届いたりすることもあります。また、3年以上勤務した方には、宿泊補助もありますよ。スタッフが働きやすいように、さまざまな面からサポートしてもらっていると感じます。

看護師へのサポートや教育体制を重視しているのも「訪問看護ステーションナオビッグ」の特徴です

スタッフが安心して働けるように。教育体制の構築にも注力

大石様:

私が入職した当初は、看護師がひとりだけという時期もありました。管理者の稲村さんや介護士さんたちから業務や入居者さんについて教えてもらったり、記録から学んだりしましたね。

現在は月に1回、本社で開催される訪問看護の会議で、ほかの看護師さんと情報交換や相談ができる場があるので、そこで学びを深めています。地域内のほかのステーションの訪問看護師さんに電話で相談することもありますよ。

稲村様:

教育体制としては、OJTでの教育支援を今後さらに強化していきたいと考えています。定着のためにも、ほかの看護師と話ができる場を増やし、不安や問題を相談できる環境を整えていきたいですね。みんなで集まるのが難しい場合でも、話し合える場を作ることで、トラブルを未然に防ぎ、安心して働いてもらえるように努めています。

入居者のさまざまなニーズに応えたい。チーム連携で質の高い看護を

稲村様:

ほかの施設も同様かもしれませんが、最近は入居者さんの年齢層が非常に高くなっています。後期高齢者の方が多く、終末期に近い方も増えています。地域によっては精神疾患をお持ちの方もいるので、精神科に関する知識も私たちスタッフが持つ必要があると感じています。さまざまなニーズに応えていくことは難しい面もありますが、看護師さんの力があることで、私たち介護職も頑張って向き合えています。やはり、医療と介護の密な連携、そしてコミュニケーションが重要だと日々実感しています。

これからも、医療ニーズを受け入れる施設は増えていくと思いますが、全てに対応しきれていないのが現状です。私たちは、できる限りさまざまな医療ニーズを持つ入居者さんを受け入れられるようにしていきたいと考えています。

そのためには、看護師だけでなく、介護職も含めたスタッフ全員がスキルアップしていくことが不可欠です。チームとして、より質の高いケアを提供できるよう、日々精進していきたいと思っています。

大石様:

入居者さんはどうしても刺激が少なく、ADL(日常生活動作)が低下しやすい傾向があるので、いかに認知症の進行スピードを遅らせ、楽しみを見つけて暮らしてもらえるかを考えています。また、感染症が流行した際には、医療者として介護職へ適切な指導をおこない、早く収束させられるよう貢献していきたいですね。施設看護師として、感染症の流行を未然に防ぐことはとても大切な役割だと感じています。

当ステーションは、医療と介護の連携が細やかにでき、チームで支え合える安心感のある職場です。また、入居者さんと継続的に関われるのも大きな魅力です。柔軟な勤務体制や学びの場も整っていますので、周囲とのコミュニケーションを大切にしながら看護を提供したい方に、ぜひ来ていただきたいです。

インタビュアーより

訪問看護師としてだけでなく、施設の看護師としても活躍されている大石様。介護士様との

連携においては、柔軟な考えで一つひとつ丁寧に対応している姿が印象的でした。すぐに相談できる環境や、ライフスタイルに合わせた勤務体制、ユニークな福利厚生など、魅力的なポイントが豊富なステーション様です。興味のある方は、ぜひお問合せください!

事業所概要

訪問看護ステーションナオビッグ(大阪府堺市)

住所:大阪府堺市北区百舌鳥赤畑町4-330-1

理念:

・私たちは より高い満足を感じて頂けるよう努め お客様から頼りにされる企業を目指します

・私たちは 未来を変える情熱を持ち 常に高い目標を掲げ挑戦します

・私たちは お客様・会社同僚に対し責任感を持ち 誠実に行動します

行動指針:

1.お客様に安心・安全を提供し心豊かな生活を支援します

2.従業員一人ひとりを尊重し働きがいのある会社にします

3.各関連業者との連携(信頼関係)を大切にします

4.社会的責任を果たします

事業所紹介ページ:https://ns-pace-career.com/facilities/16370

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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