利用者さんの奥さんから学んだ、生活の場での些細な気配り
身体に麻痺があるご主人の生活指導のため、とあるご夫婦の家庭に訪問していた有澤さん。 訪問看護を始めた頃の有澤さんが、奥さんから学んだ生活の場での気配りや新たな気付きとは?
インタビューご協力者
有澤 裕子
看護師
下馬訪問看護ステーション 管理者
有澤さんは訪問看護歴20年以上、看てきた利用者さんはなんと、のべ800人以上!
そんな有澤さんが在宅を始めたばかりの頃、ご夫婦だけの家庭で、
身体に麻痺があるご主人の生活指導をするために月2回ほど訪問をしていました。
入浴介助の時に有澤さんがご主人の身体をどう動かそうかと困っていると、
奥さまが硬縮して固くなったご主人の手を開けていきました。
それはまるで魔法のようで、有澤さんは
「うわ~、すごいな~」と大感動。
どうやら奥さんは、ご主人がリハビリで入院していた時、
一緒に付き添ってリハビリを見ていたそうです。
さらにお風呂を入れる時には、
「まず頭から洗ってください」
と奥さん。
通常、お風呂ではまずかけ湯をしますよね。
そのかけ湯の前に頭を洗って欲しいとのこと。
それは
「かけ湯をすると身体が冷えてしまうので、身体を濡らす前にまず頭を洗って欲しい」
という理由だったのです。
そう言われたものの有澤さんは不思議に思い、
冬場に自宅でかけ湯の前に頭を洗ってみたところ、
かけ湯をするよりも寒くならないことがわかりました。
些細なことでも、一つ一つの気配りや現状よりも少しでも改善していく気持ちなど、
本当に色々なことをその奥さんから学んだという有澤さん。
そのご家庭に訪問していたのはもう20年以上も前のことなのに、
今でもよくそのお宅の前を通り、色々なことを思い出すんだとか。
専門分野をしっかり学んでいる看護師でも、生活の場では
利用者さんや家族から新たな学びや発見を得る機会がたくさんある、
ということがわかるエピソードですよね。
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