「妻と歩きたい」諦めずに持ち続ける、認知症男性と奥さんの希望

公開日:2017/04/01 更新日:2024/04/01
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脳梗塞、認知症を患ってしまった70代の男性。ほぼ寝たきりの状態でも奥さんの要望で少しずつ歩く練習をすることに。3年以上も関わって道を模索することで次第に症状は驚きの回復を見せていく。

インタビューご協力者

山田真伸
理学療法士
ソフィア訪問看護ステーション駒場 分室代官山 分室長

山田さんが3年以上も看ている方で、70代前半で奥さんと二人暮らしをする男性利用者さんがいます。

若い時に認知症を発症し、近くに息子さんも住んでいるものの、
奥さんが「自分で看たい」と言うほど仲良しのご夫婦です。

この方は、脳梗塞の後に認知症が進んでしまっているため、
意志表示や状況判断はできるものの、
認知症の進行や身体機能の低下もあってほぼ寝たきりの状態。

そんな中、奥さんは
「どうしてももう一回歩かせたい」
という強い希望を持っていました。

山田さんはさすがに厳しいと思っていたものの、
奥さんの真剣で真っ直ぐな思いに突き動かされ、
できることを模索し始めたのだとか。

まずは車椅子から始めることに。

お外が好きな方で、東大キャンパスの近くだったため、
そこに行くと笑顔も見ることもできました。

最初は車椅子から、手すりで歩く練習。

毎月目標を設定していき、今では歩行車を使うと休み休みでも
1km近くも歩けるようになり、奥さんも大変喜んでいるそうです。

さらには一時期よりも笑顔も増え、認知症は進行するものの
良い方向に進んでいっています。

今では「最期は奥さんと手を繋いで歩きたい」
という要望も貰っているんだとか。

「どんな症状でも諦めてはいけないし、家族の期待に応えていかないといけない」
と、療法士としてできることを模索し続ける大切さを、
そのご夫婦から学んだと言います。

3年間も1人の利用者さん、ご家族と関わることができるというのは在宅ならでは。

その方が奥さんと手を繋いで歩くまで、山田さんは決して諦めずに
ご夫婦と共に歩んでいきたいと考えています。

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記事投稿者プロフィール画像 NsPace Careerナビ 編集部

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