【看護師コラム】訪問看護師が考える、訪問看護ステーションがカンファレンスを行うことの3つのメリット!
看護師の落合です。
私事になるのですが、これまでに私が勤務した病院や訪問看護ステーションではカンファレンスや事例検討を定期的に行っており、カンファレンスが開催されることが当たり前だと思っていました。
しかし、先日、友人が働く訪問看護ステーションではカンファレンスをする機会がないということを知り、また、ある訪問看護ステーションの所長さんは現在カンファレンスをしているが、継続するべきかを悩んでいるという話を耳にしました。
どちらの事業所もカンファレンスを行わない理由は「売上にならないから」とのことで、カンファレンスの1時間を訪問に回すとスタッフ数分の訪問件数が増えることになる。
つまり、「売上が上がるから」ということでした。
私個人としてはこの考えに違和感を持っており、
間接的にではあるのですが、
カンファレンスは実施をした方が、
売上は上がると考えております。
理由は下記の通りです。
〈1〉訪問効率があがる
訪問看護事業所は担当制にしているところも多くあると思います。故に担当以外の看護師にとってはブラックボックスとなっていることも多いのではないのでしょうか。とはいえ都度、同行訪問をすると訪問効率が悪くなってしまいます。カンファレンスで情報共有を密にしておくことで、訪問の変更などがあった場合にも他の看護師がフォローに入りやすくなり、効率的な訪問が出来るのではないかと思います。
〈2〉訪問の質があがる
カンファレンスは情報共有の場だけではなく、アセスメントや看護計画について話し合う場でもあります。様々な経験・価値観の看護師の意見が入ることで看護の質が上がり、緊急訪問の件数が減ったり、患者さんの満足度も上がるのではないかと思います。
〈3〉看護師の自己肯定感があがる
訪問看護は一人で行くことが多く、時に自身の看護計画や患者さんとの関わりについて悩むこともあると思います。お看取りの場面などでも「本当に良かったのか」「もっとできたのでは」と考えることも多いのではないでしょうか。カンファレンスの場はそういった不安を解消したり、自身の看護について仲間が励ましたりしてくれる場でもあると思います。看護師の自己肯定感が高められたり、維持されることは離職の防止につながり、採用コストの抑制や看護の質の安定に寄与します。
以上です。
自分なりに整理をしてみても、
「やっぱりカンファレンスって大事だな」と思いました。
いま働いている事業所がカンファレンスを実施していないという方は、
いちど所長さんなどに相談をしてみてはいかがでしょう?
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▼筆者
落合 実 (おちあい みのる)
▼筆者プロフィール(~300文字)
緩和ケア認定看護師|ウィル訪問看護ステーション所属
高校卒業後、勤労学生として福岡市内の有床診療所に勤務しながら看護学校へ進学。 准看護師、看護師の資格取得に合わせて有床診療所から大学病院、訪問看護ステーションと、施設の種類を変えながらも一貫して終末期患者の看護に従事。上京後は看護師勤務と平行してWEBデザイン学校や日本政策学校に通学し修了。現在は緩和ケア認定看護師として訪問看護に従事しながらウィル訪問看護ステーションの教育や広報、採用などの仕組み構築の一端を担う。
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